オンライン診療は可能か
今朝のNHK朝のニュースで、
開業医の来院患者数が減っている、
というニュースをやっていました。
最初に登場した内科医院では2割減、
次に紹介された小児科のクリニックは7割減とのことでした。
内科は、高血圧症とか、糖尿病とかで
定期的に薬を取りに来る患者さんが多いので
あまり減らないいっぽう、
小児科は風邪などの急性感染症が多いので、
学校や幼稚園がお休みになり、
国民全員が「風邪予防」に取り組んでいるため
風邪をひく子供そのものが減っているので
減少幅が大きいのでしょう。
当院も、来院患者さんの数は半分くらいでしょうか。
風邪が減っており、外出抑制で花粉症も悪化せず、
それに伴って発症する中耳炎、副鼻腔炎が減っているため
ということはあるでしょう。
今まで反復性中耳炎などでかかっていた子も、
ここにきてどんどん良くなるケースが多く、
もう来なくていいですよー、
という患者さんが最近かなりありますねー。
普段だと「もう、来なくてもいいですよー」
というのは医者にとっては大変うれしいことなのですが、
ここ最近はちょっと心に引っかかるものがあるような
・・・・そこまでではないか。(^^;)
(開業して2~3か月の間は、患者さん少なかったので
たしかにそういう感情があったですが・・・。
ちょっと、ナツカシイ。)
また4月5月はプール授業前の学校健診のシーズンで、
例年なら健診票を持った子供が多く来院するのですが、
今年は健診が全く行われていないので、
その分も空いてるわけです。
ワタシは(妻も、さらに)極端に経済に疎いので、
現在当院の収支が赤字なのかどうか、ワカラナイですが、
どうなんでしょうかねー。
トントンくらいなのかなあ。
でも、トントンということは、
ワタシの給料はゼロ、ということなのか・・・・。(^^;)
まあ、最近はほとんどお金を使わないので、
スーパーに週一回行って4,5000円、
あとは在庫のプラモデルを作るだけ、
飲み代もスタジオ代もかからない日々ですから、
急には困ってないですが、
この先どうなるんでしょうねー。
世間ではオンライン診療を推進しよう、
という動きもありますが、
耳鼻咽喉科の場合はどうも難しそうです。
セキが止まらない、
内科にかかったがよくならない、
という患者さんがみえました。
内科のクリニックでは、院内に入れてもらえず、
ほぼ診察もなしで、クスリだけ出たそうです。
話を訊くと、
のどは痛くないがタンが絡んだ感じ。
熱はない。
セキは朝晩に多い。
ハナは出ない、つまらない、花粉症はない。
喘息の既往もない。
周囲に同様の症状の人はいない。
タバコは吸わない。
胃のもたれや胸やけはない。
問診だけでは全然わかりません。
それで、鼻の中を見てみると、
鼻内の粘膜は蒼白で浮腫状、
中鼻道から一筋のキミドリ色の粘液が細く流れています。
診断は一発で確定。
鼻粘膜が蒼白、というのはアレルギー性鼻炎独特の所見。
中鼻道とは、鼻の中の気道の一つで、
その奥は副鼻腔につながっている。
そこから出る膿性の鼻汁は鼻の前には出ず、
本人にもそれとわからないまま、
のどに流れ込みます。
もちろん、かんでもハナは出ません。
診断は
「花粉症を含む何らかの
アレルギー性鼻炎に合併した副鼻腔炎」です。
患者さんが、鼻は何ともありません、
といってもそれは必ずしも鼻の病気がないことではない、
ということはよく経験します。
花粉症ですといってもそうではなかったり、
逆に花粉症はありません、
といっても実はそうだったりすることは日常茶飯事です。
ほかにも耳の痛いのが、ノドの炎症のせいだったり、
歯が痛いのが、蓄膿症のためだった、
などということはよくある話です。
これらは、目で診れば一発でわかるが、
問診からでは、なかなかわからない、
というものなので、
やはり耳鼻咽喉科のオンライン診療は難しいでしょうねー。
毎年花粉症で、鼻が詰まります、
といってもみると鼻の中がポリープいっぱいで
血液検査で花粉症は全くなく、
好酸球性副鼻腔炎だった、なんてこともよくありますから。
それにしても、のども見ないでクスリ出す内科もなんだかなー。
新型コロナウイルスは完全排除できる病気ではないし、
かかったら絶対ダメ、という病気でもないので、
「治療上の有益性が危険性を上回る場合」
をよく判断した方がいいでしょうね。
それで、カネとってんだからなー。
ああ、今日もヒマなので、
診療時間中にブログが書けてしまった。
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