ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2010.04.29

「肺炎球菌ワクチン」についてのお話~その3


 第3章 肺炎球菌ワクチンについて
 肺炎球菌には90種類以上の型が報告されています。
 これは表面抗原の違いで、同じ肺炎球菌でも違う服を着てるわけです。
 この型によって効くワクチンが違ってくる。
 例えば、インフルエンザのワクチンで、
ソ連型も新型も「H1N1」なのに従来型のワクチンは、
新型には効かない、という話は昨年の経験でご存知でしょう。
 今回認可になってる肺炎球菌ワクチン「プレベナー」は
7価のワクチンです。
 ということは90種類のうち7種類にしか効果が無い、ということです。
 なーんだ、たった90分の7なのー、と思うでしょ。
 しかし、90種類といってもその頻度、病原性から、すべてが重要というわけではないので
このワクチンによって「侵襲製の高い肺炎球菌感染症の75%に効果あり」といわれています。
 実は現在「13価」のワクチンが開発中で、
こちらですと、90%程度になるようです。
 「肺炎球菌ワクチン」には以前から主として高齢者用の「ニューモバックス」という製品があります。
 こちらは「23価」のワクチンです。
 23種類の肺炎球菌に対して免疫をつけることができます。
 じゃあ、これ打てばいいじゃん、と思いますが、
実はそうはいかないんです。
 一般に「2歳以下」の子供では免疫機構が未熟なため、
通常のこのタイプの「多糖体ワクチン」では、免疫がつかないのです。
 そこで、この「プレベナー」では特殊な技術で乳幼児にも
免疫がつくようになってるので、「2ヶ月の赤ちゃん」から打てるようになっています。
 「13価」のワクチンはまだできてないので、
とりあえず「7価」を打っといて、2回目以降は「13価」に乗り換え、って事は可能です。
 本来こういったワクチンは「公費」で集団接種し、
地域の保健状態を改善するのが理想ですが、
今のところ「自費」接種です。
 1回1万円程度、奨励されるスケジュールだと4回接種ですから、
費用対効果を考えます。
 適応としては「肺炎球菌による侵襲型感染症の予防」ということになっており、
これは「細菌性髄膜炎」「菌血症」「侵襲性肺炎」をさすので、
「中耳炎」は、入っていません。
 先ほどの「75%」をカバーも、「中耳炎」に限ると「60%強」になっちゃうみたいです。
 しかも、もちろん「肺炎球菌の中耳炎の60%」ですから、
肺炎球菌による中耳炎が全体の40%とすると
雑な計算で「急性中耳炎の4分の1位に効果」ってことですかね。
 だから、これ打てば中耳炎に対してはある程度の効果は期待できますが、
中耳炎にならなくなる、ってわけではないです。
 
 まあ、怖いのは「髄膜炎」とかです。
 考え方としてはこれは「保険」みたいなものですから、
リスクが高いお子さんは積極的に受けるべき。
 中耳炎はオレが何とかするけど、
「髄膜炎」「菌血症」になったら死んじゃうこともあるんだから。
 つまり、保育園児や、上に保育園、幼稚園の兄弟アリ、喘息あるいは喘鳴を起こしやすい
「2歳以下」のお子さんは打った方がいい。
 小さい子ほど重要です。
 0歳代で保育園行ってる、なんてお子さんは是非受けるべきでしょう。
 5歳以上は原則的にそれほどの意味はないと思います。
 当院でも予約を開始しますので、
受付にご相談ください。
 安全性についてですが、副反応は他のワクチンに比べ高率で、
接種部位の腫脹・硬結は8割に、
発熱は30~40%の子で出るようです。
 全体で何らかの副反応が出る率は初回で89.5%、
追加免疫を含めた累計では98.3%というかなりの数字が出ています。
 まあ、腫れて熱が出るのは普通、と考えていいようです。
(おまけ)
 以前書いたので、このブログの読者の皆さんは
ご存知と思いますが、
 「細菌性髄膜炎」のもう一つの重要な起炎菌は「インフルエンザ菌」ですが、
これは「ヒブ」といわれる「夾膜型インフルエンザ菌B型」で、
「急性中耳炎」を起こす「非夾膜型インフルエンザ菌」とは別物なので、
「ヒブワクチン」は「髄膜炎の予防」には有効ですが、
「急性中耳炎の予防」には無効ですのでお間違えないように。
 未読の方は過去のブログ「ヒブ・ワクチンって何?」(←クリック)を、ご一読ください。
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1件のコメント
2010.04.27

「肺炎球菌ワクチン」についてのお話~その2


 肺炎球菌の話の続きです。
 第2章 肺炎球菌の耐性化
 近年「PRSP」というものが問題になっています。
 これは「ペニシリン耐性肺炎球菌」のことで、
いわゆる「薬の効かない菌」のことです。
 抗生物質を飲むと菌が死んで、中耳炎や肺炎が良くなります。
 中耳や肺からは菌がいなくなりますが、鼻腔からは菌は消えません。
 
 こういった菌はヒトからヒトにうつります。
 しかし、鼻の中なら別に何の症状も出ないので、もらってもそれとはわかりません。
 特に、保育園、それも年齢の小さい子供たちのクラスでは頻繁にこのようなことが起こります。
 幼小児の4割がこういった「潜在的病原菌」を普段から持ってるといわれますが、
これが「集団保育の子供たち」では9割にもなるといいます。
 近年、こういった菌の中に抗生物質が効かない菌が増えてきました。
 菌の耐性化は偶然起こるものですが、
いったん耐性化した菌は、ヒトからヒトへとうつります。
 抗生剤を使ったとき、耐性菌だけが生き残るので、
やがて、感染の主要な菌になっていきます。
 このような耐性菌が増えた理由は抗生物質の濫用です。
 本来、風邪はウイルス感染ですから、抗生物質は無効です。
 最近の考え方だと熱が39度だろうと40度だろうと
それだけでは原則的に抗生物質は使いません。
 しかし、かつてはそうではなかった。
 耐性菌の増加は
安易に「念のため」とか「とりあえず」で抗生物質を出していた我々医者の責任です。
 中耳炎を起こすから「予防」のため、なんてのもダメです。
 抗生剤飲んでても中耳炎になりますし、
そのためにかえって治りにくくなることもあります。
 まさか今はいないでしょうが、
兄弟で「溶連菌」の子が出ると、
症状の無い兄弟全員に抗生剤を飲ませるセンセイもいたらしいです。
 大分前に「MRSA」というものが話題になりました。
 これは「メチシリン耐性黄色ブドウ球菌」のことで、
やはり薬が効かない「耐性菌」です。
 しかし、「MRSA」が「PRSP」と大きく違う点があります。
 それは「MRSA」は「弱毒性」という点です。
 同じブドウ球菌でも「MRSA」は、通常の健康な人に感染症を起こすことはまずありません。
 低体重新生児、ガン末期、などの免疫力の弱い人に感染を起こすので
主として病院内の「院内感染」が問題になります。
 ところが「PRSP」はそんなことは無く、健康な人にも
どんどん感染症を起こしてきます。
 近年、中耳炎が治りにくくなってるのはこのためで、学会でも問題になっています。
 中耳炎で問題になってるって事は、
中耳炎そのものがべらぼうに多いからなので、
同じ肺炎球菌の「重症感染症」も治りにくくなってることが推測されます。
 中耳炎であれば鼓膜切開などの手術もありますし、
すぐに生命の危険は無いわけですが、
こういった菌が「髄膜炎」「菌血症」「肺炎」などを起こした場合は深刻です。
 そのため、小さい子の肺炎球菌の制御は大きな意味があるわけです。
 第3章ではいよいよ肺炎球菌ワクチンについて説明します。
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2010.04.27

「肺炎球菌ワクチン」についてのお話~その1


 最近、問い合わせの多い「肺炎球菌ワクチン」ですが、
ここで、ご説明しましょう。
 今回から数回にわたってご説明しますので、
興味のある方は、是非お読みください。
第1章 肺炎球菌とは
 私が、医学生の頃「細菌学」の授業の最初に聞いた話です。
 その、最初に教授が言ったことは、
「諸君は細菌というと、赤痢菌やペスト菌を連想するだろうが、
そんな菌に日常遭遇することはまずありません。」
 要するに「細菌」には3つのグループがあり
①体に入れば必ず病気を起こすもの(赤痢菌、ペスト菌etc.)
②通常は病原性を持たないもの(いわゆる常在菌)
③場所によっては「常在」するが、臓器に進入して病気を起こすもの
に分けて考えることができる。
 我々が通常の臨床で遭遇するのは③のグループの菌が多い。
 そんなわけで、講義の第1回は 「黄色ブドウ球菌」 だった。
んで、次に習ったのが「溶連菌」として有名な 「溶血性連鎖球菌」。
 もう、30年も前の話だが良く覚えています。
 肺炎球菌は、この③のグループに属する菌で、
その名のとおり「肺炎」の原因菌としては最重要ですが、
ヒトの鼻咽腔に「常在」することがあり、特に幼小児と老人で問題になります。
「中耳炎」の原因菌としては頻度がもっとも多い菌です。
 肺炎球菌が引き起こす病気として、もっとも危険なのは
「細菌性髄膜炎」 です。
 発症率は 5歳未満の10万人に2.9人 といわれていますが、
3分の1程度は死亡や重い後遺障害が残るといわれており大変危険です。
「細菌性髄膜炎」の原因としては「インフルエンザ菌B型(ヒブ)」の方が
頻度は高いですが、重症度は肺炎球菌のほうが高いといわれています。
 次に 「菌血症」 があります。
 発症率は 5歳未満の10万人に328人
 菌が血液の中に入ることによって多くの臓器にうつります。
 そしてもちろん 「肺炎」 です。
これはぐぐっと頻度は上がります。
 で、「中耳炎」 ですが、これはさらに3桁くらい頻度が上がります。
 まあ、そんなわけで「肺炎球菌感染症」を日頃一番診てるのは我々耳鼻科医なんです。
 毎日のように、
「うーん、こりゃ、肺炎球菌ですね、」
というセリフを口にしてます。
 肺炎球菌はインフルエンザ菌と並んで急性中耳炎の2大起炎菌ですが、
インフルエンザ菌と比べて、臨床症状が激しいのが特徴ですね。
 そして、その「肺炎球菌」が、近年、大きく変貌しています。
 ~第2章に続く
 次回は近年の肺炎球菌の問題点についてお話します。
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2010.04.25

勝ちの妄想、負けの予感


 キック・オフは先週と同じ4時だが、今日は土曜日なんであわただしい。
 出発前にビデオのチェックを。
 ええと、中継はテレ玉はなし、スカパーか、おっと、今夜は「レッズ・ナビ」あるんだ。
 ちょっとだけ、やな予感。


  2010年J1第7節
  浦和レッズ      0-1       ジュビロ磐田    (埼玉スタジアム2002)
        (前半  0-0)
        (後半  0-1)


 途中で昼飯を買って埼スタに。
 結果はあまり語りたくないが・・・。
 先週の胸のすくような勝利の後、今日は簡単に勝てると思ってたでしょ。
 いやー、みんな、思ってた思ってた。
 口では油断できないとか、過去のレッズは良い試合の後には…とか言うけど、
 でもやっぱり勝つと思ってたでしょ。
 私はスタジアムで後半40分までは逆転で勝つのでは、なんて思ってた。
 レッズのパスサッカーはポゼッションではジュビロを圧倒し、
終始、ゲームの主導権を握る。
 パスも崩しも悪くないし、ドリブルやサイドチェンジの緩急もあった。
 事実、決まってもおかしくない決定機は結構あったし。
 じゃあ、無かったのは「運だけ?」 かっていうと、やっぱりそうではない。
(埼スタのポストはレッズの味方じゃなかったのかよー)
 あれだけ攻め込まれたジュビロのシュートが前半レッズよりまさってたのは
やはりパスの出所を抑えきれてなかったせいだし、
 ドン引きされた相手を揺さぶって前に引き出すアイディアは、
今回もあまり見られなかったし。
 新潟や川崎相手にうまく行ったのは、彼らがフォアチェックに出てきてくれたから。
 まあ、今後の清水、名古屋の連戦が前半戦の大ヤマであることは間違い無い。
 彼らはドン引きはないですから、ガチンコで、是非打ち負かしていただきたい。
(気になる元レッズの選手もいるし)
 チーム自体はここのところいいサッカーしてきてると思うので、
自信を持って、決戦に臨んでほしいものです。
 それにしても、レッズ・ナビは負けた試合の方が盛り上がるんだわ・・・・・。
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4件のコメント
2010.04.23

ビールは「ズピナチオン」で。


 先日、ある耳鼻科の会合で耳鼻科の先生方と会食をしていた時の話。
 私の横にいた若い女医さんが
「小倉先生、どうぞ。」
といって、ビールを注いでくれた。
「○○先生、ビール注ぐの下手だなー。色気がないなー。」
「よく、言われます。」
「ビールはねー、ズピナチオンで注ぐんだよ。」
「ズピ・・・??」
「ズピナチオンだよ、オレ学生時代に解剖学の授業で教授に教わったんだから。」
 さて、「ズピナチオン」 とは、何ぞや。
 日本語で言うと 「回外」 といいます。
 この言葉、聞いたことこない人が殆どでしょう。
 ご説明します。
 右手を親指を上にして握手する時みたいに前に突き出してみてください。
 そこから、親指が外側に向くように手を回します。
 この動きを「回外」といいます。
 英語だと「Supination(スピネーション)」ドイツ語で「ズピナチオン」と読みます。
 その反対の動きは「回内」。
 英語で「Pronation(プロネーション)」ドイツ語で「プロナチオン」と読みます。
 この言葉、テニスやなんかでは使うらしいですが。
 さあ、右手でビール瓶を持って
親指を外側に向けるように、手のひらを上に向けるように瓶を傾けます。
 その時、空いてる左手を、ビール瓶のお尻に添えます。
 ほーら、色っぽいビールの注ぎ方の完成です。
 奥様方は是非、ご主人にお試しください。
(もっとも、私は妻にビール注いでもらったこと1回もないんですけど・・・。)
 さて、その会食の席で件(くだん)の女医さんの上司の先生が言いました。
「いや、小倉先生、そりゃ、無理ですよ。
我々のころと違ってドイツ語なんか使ってないですから、きょう日の医学部は。」
 ああ、今はドイツ語使わないのね。
 年寄りでスイマセン。
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2010.04.22

Journey to the Center of the Earth~アイスランドの火山が爆発して思ったこと

 アイスランドの火山爆発でヨーロッパの空の便は大混乱で、
連休を控えて心配な方もいらっしゃるでしょうね。
 幸い(?)ウチは海外旅行の予定は無いのでヨユーですが。
 自然のエネルギーの威力を実感します。
 そもそもアイスランドといえば「火山国」で、
何年か前のテレビで発電はすべて「水力」と「地熱」で、
「火力」「原子力」を使わないクリーンな国、と紹介されてましたが、
まあ、火山が多いってことですね。
 んで、アイスランドで思い出すのは、
ジュール・ベルヌのSFの古典的名作「地底探検」でしょう。
 アイスランドの火山の火口から地球の中心につながる道があるという。
 子供の頃読んで、映画も(ビデオで)見ました。
 映画は最近リメークされWOWOWで見ました。
 そして「地底探検」といえば、1974年のかの「リック・ウエイクマン」のアルバムを思い出す方も多いのでは。
 プログレッシブ・ロックの一時代を築いた「イエス」のキーボードプレイヤー。
 「イエス」の代表作「こわれもの」「危機」で、弾いているのが
もと「ストローブス」の「リック・ウエイクマン」でした。
 彼が絶頂期の「イエス」を脱退して発表したのが
ジュール・ベルヌの小説を題材にした「地底探検」。
 ロンドン交響楽団と協演したライブでした。
 私も当時聴きましたが、これがつまんなかった。
 世界的には大ヒットして、次の「アーサー王と円卓の騎士」も成功したのですが。
 ロック少年の「クラシック・アレルギー」が関係したのかしら。
(でも最近またCDで買いなおしたけどピンとこなかったなあ。)
 当時は「プログレ黄金時代」で、特に「シンセサイザー」という
「新しく発明された楽器」の誕生により、キーボード・プレイヤーが脚光を浴びた時期でした。
 「イエス」の「リック・ウエイクマン」と並び称されたのは
「ELP(エマーソン・レイク・アンド・パーマー)」の「キース・エマーソン」。
 この2人の人気はすごかった。
 ミュージック・ライフの人気投票ではいつも1,2位を分け合っていました。
 ちなみにその頃「万年3位」だったのが「ディープ・パープル」の「ジョン・ロード」。
 近年発売された、当時のディープ・パープルのライブで
リーダーのジョン・ロードがメンバー紹介をしている箇所があります。
「イアン・ペイス、オン・ドラム・・・。」とか。
 その時最後に自分のことを
「マイ・ネイム・イズ・・・・・リックエマーソン
と言って、会場中がどっちらけになるシーン、
何回聞いてもイタイです。
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4件のコメント
2010.04.21

“Not” Too Old To Rock’n’Roll~ロック・オヤジの熱い夜。


 「今日は赤ペケ病院と合コンなんだ。」
 「えー、センセイ、まじっすかー。」
 「ただし、ナースじゃないよ、オヤジだ。」
 実は、前回の「CRPライブ」を見に来た、赤ペケ病院のオヤジから、
「是非、女子高生バンドみたいに前座やらせて欲しい。」
とのオファーがあり、一緒にライブすることになった。
 その打ち合わせで、「飲み会」をすることになったのだ。
 キーボードのアヤちゃんと指定の居酒屋に。
 「ええと、赤ペケのY田さんで予約はいってますか?」
「Y田様ですか・・・、ええと無いですね。赤ペケの○○様で7名さまがはいってますが・・・」
「それかもなー。」
 なんせ、こっちは相手の顔も知らないのだ。
 「こちらです。」
 と案内されて入っていくと、
「おおー、センセイ、こちらはアヤちゃんですね。」
 と、いきなり挨拶される。
 こちらは相手のことはぜんぜん知らないが、
ブログやライブでこっちのことは逆に良く知られてるわけだ。
 なんか、芸能人になったみたいだ。
 「Y田さん」は赤ペケ病院の事務で、私と同じ50歳。
 メールのやり取りで、きちっとした文章を書くので
「学校の先生みたいな人かなー」と予想していたが、
ガタイが良く、どっちかというと
「宅配便の人」 みたいな感じだった。
 そして、当ブログにもたびたびコメントをいただいている、kazuさんと、
バンドのギタリスト、軽音楽部の部長であるW林さんが向こうのメンバー。
 kazuさんはお会いしたことがあるがW林さんも初対面。
 ちょっと「モヤシメガネ」な感じだがヨーロピアンHR/HM系の人だという。
(HR/HMとは「ハード・ロック/ヘビー・メタルのことです)
 ドラムの野口先生も合流し、みんなでビールをがんがん。
 なんせ、趣味も年代も同じなので、盛り上がる盛り上がる。
 そして、おもむろにY田さんがある写真を取り出した。
「これ、誰だか分ります?」
 写真には何やら「ロックな感じ」の外人と東洋人。
「どっちが?」
「いやこっちは若いころの私で、こっちの外人はコージー・パウエルですよ。」
 おお、コージー!
 コージー・パウエルといえば第2期ジェフ・べック・グループのドラマーで、
レインボーに加入、その後数々のバンドでパワフルなドラムを叩きまくった
「ハード・ロックなら何でも叩くぜ、ドッスンバッタン系元祖ダブルバスドラマー」だ。
「ラフ・アンド・レディー」のジャケットで、
どっちがジェフ・べックよ、というほどべックに似てたあの顔だ。
 しかし、もっとびっくりしたのは、その横の東洋人。
 
 山本恭二もビックリのロン毛パーマのその男が
目の前の、Y田さんとは・・・・。
 思わず、
「ヅラですか?」
「・・・いえ、地毛、でした。」
 熱帯雨林の砂漠化は我々の想像よりもはるかに急速に進行しているようだ。
 なんとY田さんはかつてロック雑誌の仕事をしていたという。
「ロッキン・f」という、オレもたまに買ってた「ファッキン」な雑誌だ。
 コージーにインタビューしたときの写真だという。
「ギョーカイ君だったんですかー、へー、で、今は宅急便で・・・」
 いや、違うって。
 その後もロック談義、バンド談義で盛り上がり、
2次会ではロックを歌いまくって
ロック・オヤジの夜は熱くふけていったのだった。
 そんなわけで、次回「CRP」ライブは7月10日(土)太田の「ミュージック・アシスト」です。
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4件のコメント
2010.04.20

「おしゃぶり」の危険性

 問診は診察の基本。
 耳鼻咽喉科は主として「目で見て」診断する科なのですが、
やはり訊かねばわからないことも多い。
 乳幼児の発熱のとき初診で必ず訊くことは
①保育園に行っていますか
②母乳栄養でしたか、ミルクでしたか
③上に兄弟がいますか
④今まで中耳炎したことがありますか
⑤風邪で小児科等でよく薬をもらってましたか
 まあ、これらが要するに
子供の風邪、そして中耳炎が治りにくくなるリスク・ファクターなわけだ。
 他には、家族、特に母親の喫煙とか、
両親のアレルギー素因とか、
アトピー、喘息の合併とか、いろいろありますが。
 そして、中耳炎のときにもうひとつ大事なのが
「おしゃぶり使ってますか?」
という点です。
 実は「おしゃぶり」は中耳炎の誘発因子です。
 これが意外と盲点だったりします。
 常に口から吸い込むことによって鼻咽腔が陰圧になることが原因です。
 小児歯科領域でも「おしゃぶり」は良くないみたいですな。
 インターネットで調べるとまずそっち関係がいっぱい出ます。
小児歯科学会」←こんなのとか
 まあ、歯のことはわかりませんが、中耳炎やった事ある子(滲出性中耳炎を含む)は
おしゃぶりやめといて頂きたい、です。
 ちなみに私の「おしゃぶり」のイメージは
「ひみつのアッコちゃん」の「少将」です。(古っ!)
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2010.04.19

「勝利」のイメージ

 開幕戦でアントラ-ズに負けて以来、実は負けの無いレッズ。
 好調とは言えないが、今日勝てば(暫定だが)首位。
 しかし、ここまで、その開幕戦の鹿島を除けば、
選んだように下位チームとしか対戦してない。
 そして、川崎フロンターレ。
 サッカーライターの中にはこのチームを今季優勝の最右翼に推す者も少なくない。
 そう、今日こそ、「実力」が試される。


  2010年J1第6節
   浦和レッズ     3-0     川崎フロンターレ   (埼玉スタジアム2002)
        (前半  2-0)
        (後半  1-0)


 寒い日が続いたが、今日は割と暖かい。
 先週参戦した新潟戦で勝ったので、
その時と、同じシャツ、同じジャケット、同じキャップ、同じタオマフ、
同じGショック(レッズ・バージョン)
同じ靴(ナイキ・限定レッズモデル)
同じパンツ(浦和ロゴ入り赤パン)。
 そのまんま。
 ただし、パンツは洗濯したけど。
100418_155840_convert_20100419145936.jpg
100418_160007_convert_20100419185526.jpg
 さあ、ホーム・ゲームだ。
 開始早々レッズの選手の好調さが伝わる。
 川崎は攻撃力はリーグ随一だが、組織的な守備が苦手。
 そこにレッズのパスサッカーがぴたりハマった。
ドン引きした相手より、はるかにやりやすい。
 混乱する川崎ディフェンスの隙間から次々にシュートを打つ。
 この数試合、シュートの意識が上がっている。
 細貝の先制点も達也の2点目も、入らなかったが柏木のシュートも
思い切りのいい振り抜きから生まれている。
 この間の阿部ちゃんのシュートがみんなのイメージにあったかも。
 早い時間に2点のリード。
 予想通り、川崎の怒涛の攻めが来る。
 まだ前半半ばなのに、後半終了5分前のような、川崎のなりふりかまわぬ攻撃。
 この「ケンカサッカー」に昨年はやられたのだ。
 しかし、今回は
「中盤のフォアチェック」、「守備は必ず2人で1対2のかたちで」、が徹底されていて、
怖い相手フォワードに、仕事をさせなかった。
 そして、後半、早い時間帯のPK。
 2点差があったがここで失点すると、
その後カサにかかって来る川崎をしのぐのは並大抵のことではない。
 そう、去年もPKから、破滅したのだ。
 ところが、なんとなく
「止まるかも」
という気分があった。
 水曜日にPKを2回止めたのはギシではなく順大だし、
場所も、相手ももちろん違う。
 しかし、漠然と、そういった「空気」がスタジアムに流れていた。
 ある意味、このPKのセーブが勝敗を決めたかもしれない。
 いずれにせよ、この勝利は大きい。
 チーム全体が「ポジティブなイメージ」を共有したことが、
今日の勝ち点3につながったでしょう。
 「阿部ちゃんのミドル」「順大のセーブ」が、今日に生きていた。
100418_175500_convert_20100419185602.jpg
 ああ、こんな気持ちのいい勝ちは、ひさびさじゃー。
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5件のコメント
2010.04.18

オペラ座の夜

 春のライブも終わり夏に向けてそろそろ準備を始めようかい、というオヤジバンド「CRP」。
 なんかやりたい曲ある?とメンバーに訊いたところ、
ドラムの野口先生から意外なオファーが。
「クイーンのYou’re My Best Friend」!
 本人も「多分却下されると思いますけど」という前フリつきで、
メールしてきました。
 「You’re My Best Friend」。
 この曲はクイーンの4枚目のアルバム「オペラ座の夜/A Night At The Opera」にはいっています。
 実はこのアルバムを境に私はクイーンを聴かなくなってしまったのだ。
 ロック小僧だった中学生時代、
ツェッペリンやパープルを聴きまくっていた頃、
「ブリティッシュ・ロックの新星」としてデビューしたのがクイーンだった。
 デビュー・シングル「Keep Yourself Alive(邦題は『炎のロックン・ロール』!)」
を、ラジオで聞いて、おお、こりゃ、かっこええと思い、
その後出た、ファースト・アルバム「Queen/(邦題は『戦慄の王女』)」
を聴きまくっていた。
 クイーンなら「王女」じゃなく「女王」じゃないの、と思ってはいたが。
 この時点では「ブライアン・メイ」がリーダーだと思ってた。
(ベースの「ジョン・ディーコン」は、しばらく日本では「ディーコン・ジョン」と紹介されていた)
 セカンドアルバム「QueenⅡ」は、実はお昼の校内放送で初めて聴いて、
「このバンドは何だ。」
「こりゃ『イエス』でしょ。」
「いや『ツェッペリン』の新譜かも。」
といって、友人とわざわざ放送室まで調べに行ったことがある。
 3枚目「Sheer Heart Attack」は英語の勉強にもなるといって
辞書片手に友達と歌詞の翻訳をした。
 ただし、キラー・クイーンの冒頭に出てくる「Moet et Chandon」がわかんなくって挫折した。
 (これ、フランスのシャンパン「モエ・エ・シャンドン」だが、
中学生の英和辞典には出てねえわなー、フランス語だし。)
 そして、初来日公演の日本武道館にも行き、
発売を楽しみにして聴いたニューアルバム「オペラ座の夜」。
 その内容はロック少年の期待を大きく裏切るものだったのだ。
 ブリティッシュ・ハード・ロックは影を潜め、オペラ調の曲や、カントリー、ポップなコーラス。
 なんだー、こりゃー。
 そして、シメはかの『ボヘミアン・ラプソディ』。
 そんなわけで、次のアルバム『華麗なるレース』からは、もうクイーン聴くのをやめちゃったのです。
 その後『クイーン』はフレディのエンターテインメント路線をばく進し、
ゴージャスかつ完璧主義を売り物に世界的にも大成功を収めたわけですが・・・・。
 いま思うとこのアルバムは
『ビートルズ』における『リボルバー』にあたるアルバムだったんだなあ、
と思います。
 さあ、そんな私にとってクイーン最後のアルバム
『オペラ座の夜』からの曲、果たしてライブで演奏するのか?
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2件のコメント
医療系をまとめました。
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