2013.03.25
今日は、こんなご質問です。
先生、こんばんは。
中耳炎を調べていてこのブログにたどり着きました。
三歳男児(まだ幼稚園へは通っていません、この4月から通園予定です。上に五歳の幼稚園児の兄がいます。)について質問させてください。
今までに4回鼓膜切開(左耳)しています。
3月頭に風邪から鼻水が長引き、発熱と左耳の耳だれで中耳炎になっていました(約10ヶ月ぶりです)。
メイアクトとビオフェルミンの混合(1日3回)とメチスタDS33.3とプランルカスト(朝晩2回)を処方され、一昨日受診すると右耳は治っていましたが左耳はまだ治っていませんでした。
今回は、前回鼻汁培養でブランハメラが検出されました。
薬は、ワイドシリンとビオフェルミンの混合(1日3回)、オーグメンチン配合錠250RSと白糖の混合(朝晩2回)、プランルカストとメチスタDS33.3(朝晩2回)が処方されました。
が、先生のブログを読ませていただくとブランハメラにワイドシリンは効かないのでは?と思いますし、以前別の耳鼻咽喉科へ行った時にワイドシリンが処方され下痢しているので飲ませたくないのもあります(下痢については明日、病院に電話して伝えようと思っています)。
そこで質問なのですが
1.ワイドシリンとオーグメンチン配合錠250RSといったペニシリン系の薬を同時に処方することは、普通にあるのでしょうか?
またブランハメラにオーグメンチン配合錠250RSは有効でしょうか?
そして有効であるならオーグメンチン配合錠250RSだけ飲んでも中耳炎には効果があるのでしょうか?
2.去年5月に中耳炎(左耳)になった際に抗生剤を飲んでも完治に至らず、チューブも検討しようか…との話しになり、薬を全く飲ませずに、約2週間後に再診した際は、なぜか治っていました。
なので、今回も自然に治るのでは…と期待したりしています。
中耳炎が自然に治ることは頻繁にありえますか?
自己の免疫力か細菌に勝ったということになるのでしょうか?
成長と共に体が大きくなり体力がつけば、中耳炎も起こさなくなるのでしょうか?
いろいろ質問してすみません。
深く悩んでいて今に至ります…
うーん、今回の質問はなかなか興味深いですね。
まず、最初に耐性菌の話をします。
ペニシリンやセフェム系の抗生物質はその構造から
βラクタム系と総称されます。
βラクタム環という化学構造が基本骨格になってるためです。
1980年代になり、このβラクタム環を破壊する
「βラクタマーゼ」という酵素を産生する細菌が登場し、
薬の効かない耐性菌として問題になりました。
そこで、高域ペニシリンにβラクタマーゼをブロックする物質を組み合わせて
作られた薬が「オーグメンチン」です。
耐性菌のさらなる増加によって2000年代に入って
小児の中耳炎に特化した薬「クラバモックス」が開発されましたが、
これも成分はオーグメンチンと同じ
アオモキシシリン(ペニシリン)とクラブラン酸(βラクタマーゼ阻害剤)
の合剤です。
そののち、インフルエンザ菌や肺炎球菌は
βラクタマーゼとは別のメカニズムで薬剤に対する抵抗性を獲得していきました。
なんとなく、ミサイルとミサイル防衛システムの軍拡競争みたいです。
ただし、ブランハメラは昔ながらの(?)
βラクタマーゼ1本槍がほぼ100%なので、
ペニシリン単独では効かないがβラクタマーゼ阻害剤があれば効く、
というところです。
では、質問者の主治医の処方はおかしいのか?
という点です。
ここで、注目すべきは
ペニシリンと、βラクタマーゼ阻害剤の配合比率です。
1985年に発売されたオーグメンチンでは
ペニシリンとクラブラン酸の配合比が2:1、
しかし2006年に発売されたクラバモックスは
その比が14:1なのです。
以前に比べて市中の菌の耐性化が進んだ結果、
中耳炎の難治例にはそれまで体重1kg当たり
30mg程度で
処方されていたペニシリンをその倍量以上での投与が推奨されています。
クラバモックスではペニシリンの力価は
体重1kg当たり
90mgになっています。
そうです、この先生はオーグメンチンで足らないペニシリンの力価を
単剤のペニシリンで補おうとしたのでしょう。
かなり「オタク」な処方と言えよう。
ここは、クラバモックスを出しちゃえば済む話なのだが、
そうしないのは何かあるんですかね。
クラバモックスは独特の飲みにくさがあるので、
それを回避するため、こんな手の込んだことしたのか。
しかし、この処方は一般的ではないので、
少なくとも薬剤師さんはその意味を説明すべきですね
しかし、この処方、保険とおるんですかねー。
審査の先生がオーグメンチンと、クラバモックスの
成分だけでなく配合量も知らないと・・・。
1番目の質問に対してはこんなとこです。
2番目に関しては・・・・
もちろん病気が治るのは人間の自然治癒力で、
ほっといて治ることは、少なからずあります。
が、ほっといて悪化することもさらに多くありますので、
よく経過を見た方がいいでしょうね。
成長とともに中耳炎は起こしにくくなるのは事実ですが、
保育園に行くようになると中耳炎をおこしやすくなることも
また事実です。
そんなわけで、お大事に。

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2013.03.20
ブログの更新がなかなかできず、
やっと土曜日のレポートである。
実は土、日、月、火と仕事で
やっと今日はお休み。
この間の日曜日は休日当番医で、
日赤のところの急患診療所に朝から夕方まで勤務。
インフルエンザがまだまだ多くてビックリした。
(しかし、この1週間は急患診療所でインフルエンザゼロだった
というので、なんなんだ、という感じだが・・・・。)
2013J1第3節
大分トリニータ 2-2
浦和レッズ (大分銀行ドーム)
(前半 2-2)
(後半 0-0)
久々にJ1復帰の大分、
九州石油ドームはいつの間にか大分銀行ドームになっていた。
大分なんて、別府や湯布院もあるし、
アウェイで行ってみたい土地の一つだが、
土曜開催ではちと無理。
J1開幕以降、公式戦3連勝と好調のレッズ、
一方J1復帰後未勝利の大分、
世間一般にはレッズ楽勝と思うのだが、
年季の入ったレッズサポはそうは思わない。
こーゆーパターンで弱いレッズ。
案の定(?)開始早々にみっともないミスから
立て続けに2失点。
あーーーーー、やってもうたーーー。
レッズの一つの「負けパターン」である。
これで、後半にようやく1点返すが、
その後の1点が取れず負け、というシナリオだ。
しかし、今回は前半のうちに同点に追いついたので、
お、これは勝てるかも、と思ったが・・・・。
クロスバー、相手キーパーのスーパーセーブ、幻のPK、
そして、コーロギくんのあの一発・・・・。
やはり、まだレッズに来てゴールをあげてない、
早く1点取らねばというプレッシャーが
絶好の決定機を決められない要因だったのか。
それともまだ、コーロギ、冬眠中か。
実は、今期ワタシが最も期待してるのは
ほかならぬ興梠くんで、是非得点を量産してほしいと思ってるし、
鹿島戦でのゴールなんか、もろ期待しちゃってる。
実際に動きも良く、ポストがきちっとおさまりさばきもウマイ。
レッズ好調の大きな要因だと思うが
やはりフォワードは得点という「結果」が重要視される。
早く1点取ってすっきりしてのびのびやってほしい。
くれぐれも鳴り物入りでレッズ移籍後得点が取れず
輝きを失ってしまった「タ○ハラ」選手の轍を踏まぬよう。

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2013.03.14
火曜日開催のACL第2戦。
その前に、やっぱおさらいを。(イヤだけど)
2013年AFCチャンピオンズリーグ 予選F組 第1戦
広州恒大 3-0
浦和レッズ (広州天河体育中心)
(前半 1-0)
(後半 2-0)
今年のレッズの初の公式戦になった2月26日の子のゲーム、
思い出したくもないが、実際もうずっと昔の出来事みたいだなあ。
久々の海外のゲーム、初めて見る緑のユニホーム、
しかも相手チームのカラーが赤、・・・・。
違和感のある雰囲気のまま始まったのは
選手も同様だったかも。
そして、大敗。
リッピの戦術うんぬんよりもレッズのちぐはぐさで自滅したような試合だった。
しかも、あの外国人フォワード、
「ムリキ」の前に全く「無力」だった・・・・。
(シャレでごまかすしかねー。)
しかしその後、Jリーグでは強豪チームに2連勝。
で、迎えた第2戦である。
2013年AFCチャンピオンズリーグ 予選F組第2戦
浦和レッズ 4-1
ムアントン・ユナイテッド (埼玉スタジアム2002)
(前半 1-0)
(後半 3-1)
タイのチームは未知数だったが、結果は大勝。
しかし、初のチャンピオンズリーグ出場で
ペースをつかめないうちに退場者を出した相手がさらに浮足立ったのは明らか。
しかも、柏木のあたり損ねのボレーゴールも
関口のまさかのクロスがそのままゴールも
原口の見たこと無いヘッドのまぐれ(?)ゴールも
パスをカットされてのオウンゴールも
よくこんなラッキーゴールが重なったなという4点。
まあ、運も実力のうち、
しいて言えば相手にアウェイゲームの緊張を与えた
スタジアムとサポーターの力でもあるかもしれない。
何よりターンオーバーが機能して
関口、那須がきちっとレッズのサッカーにフィットしていたことが
確認できたことの収穫は大きい。
それにしても、終了間際のあの失点・・・・。
あれって、去年さんざん見たけどまだ今年もあるのか?

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2013.03.10
いや、マジで最初は行くつもりでした。
16時キックオフの埼玉スタジアム。
最初に今年の予定見たときから、
お、最初はこの試合だな、と思ってましたが。
忘れてました、花粉症の事。
そういえば、先週土曜日
午前中の診察終わったの15時15分だった・・・・。
朝、始業前の受け付けで115人待ち・・・・。
それでも希望を捨てず、全速力で仕事したのですが、
やっぱ、ダメでした。
テレビには間に合いましたけど、
ああ、サイタマまで瞬間移動できないものか・・・・。
2013年J1第2節
浦和レッズ 1-0
名古屋グランパス (埼玉スタジアム2002)
(前半 0-0)
(後半 1-0)
前節、前田のデスゴールを回避した(笑)名古屋。
思えばこのカードは去年最終戦、
ホームで有終の美を飾り3位獲得、
ACLが転がり込んできたあの試合以来なのだな。
あの時はスタジアムで歓喜の歌を歌ったが、
今回も歌いたかったなあ。
前半から激しいプレッシャーをかけてくる名古屋に、
ポストに当たるなどのヒヤヒヤしたシーンもあったが、
次第にポゼッションを高め自分たちのサッカーに持ち込んだレッズ。
後半のゴールシーン、
啓太からのタテのフィードを興梠が受けて宇賀神にアシスト、
絵に描いたようなきれいな展開であった。
あとのインタビューで、
練習でやってたとおりの事が出来た、と言ってたところを見ると、
ホントにあの「絵」を何回も何回も描いて練習してたのだなあ。
前節の原口→柏木のゴールといい
ミシャサッカーが実を結びつつあることが実感できる。
それにしても啓太、
いつの間にあんなにキックの精度が上がったのだ(笑)。
次のホームはACLで火曜日夜。
何で水曜日じゃないんだー。

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2013.03.03
さて、バタバタしてるうちにJリーグが始まってしまった。
実は先週火曜日にレッズの公式戦は
アジアチャンピオンズリーグ予選リーグ第1戦として
中国広州で始まっており、
本来そのレポートから開始すべきなのだ。
このブログで公式戦のレポートを休んだことはまだ1回もないはず。
しかし、ここ最近の公私の多量の業務と、
その試合そのものがあまり記事にしたくない内容、スコアだったもんで、つい…・。
で、やっぱ、今シーズンはこの試合から行きましょ。
2013年J1第1節
サンフレッチェ広島 1-2
浦和レッズ (エディオンスタジアム広島)
(前半 0-1)
(後半 1-1)
昨年の優勝チームのホームゲーム、
昨年の開幕戦と同じカード、
しかも相手の浦和はミシャ監督をはじめ
柏木、槙野、そして今季移籍の森脇と主力は広島からの移籍組、
昨年の対戦はともにホームが勝ちの1勝1敗・・・・。
これ以上の注目カードは無いっしょ。
NHKの地上波生中継のカードチョイスも
企画会議ではまず無難にこの試合の放映が決まったと思う。
(後は、「デスゴール」の前田のいる
ジュビロ対グランパスもちょっと話題になったかもだが、
多元中継で押さえてましたね。)
14時キックオフのゲームだが、
2日前から花粉が本格的に飛んでどっと患者さんが来たため
午前の診察が終わったのが15時15分過ぎになってしまい、
録画追っかけ再生での観戦であった。
昨年、このカードで0-1のスコア以上にチンチンにされたレッズは
このゲームで見事に1年の成長を証明して見せた。
高いボール支配から再三広島ゴールに迫り、
酒年の得点王リーグMVPの佐藤寿人に
ほとんど仕事させなかった。
相手ミキッチの故障欠場もラッキーだったけど。
昨年シュート数が広島14の浦和は5であったが、
教は浦和9の広島7、前半に限って言えば、
ほとんど広島サイドに攻め込んだ内容だった。
かくして開幕戦アウェイゲームとしてはレッズにとって
なんとJリーグ開設以来の初勝利であった。
今シーズンへの期待がいやが上にも膨らんじゃうんだが・・・・。
それにしてもテレビ観てても常にハラハラドキドキ、
おなかあたりに妙なモヤモヤした緊張感があり、
後半1点返されてからは、あああ、早く終わんないかなあ、
と、そればっかり思って観てました。
こんなに不安で落ち着かないゲームって、
やっぱり日本代表の試合やオリンピックではぜったい味わう事のない
「浦和愛」があればこそのものだなあと、
久々にサッカー観て思った次第です。

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