ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2009.12.09

インフルワクチン・ホームサイズ


 今日は11時半から「新型」インフルエンザの予防接種でした。
 まとめて来て頂いて、大変ご迷惑をおかけしましたが、
それもこれも、10mlバイアルのせいなのだ。
 通常、インフルエンザのバイアルは1ml入り。
大人で接種の1回量が0.5ml、子供は0.2~0.3mlである。
 だから1ビンから2~5人分が取れるわけです。
 ところが、厚労省は何をトチ狂ったか、今回新型のワクチンに、
10倍の10mlバイアルを作っちゃったんである。
 バイアルは開封すると24時間以内に使用しなきゃいけないことになってる。
だから、これを一気に打ち切ってしまわねばならないわけだ。
 しかも、今回の接種対象者は1歳から未就学児童が対象。
あとから、小学校低学年も前倒し追加されたけど、
最初は予約を受けてなかったので、小さい子ばっか。
 ということは、1回量0.2mlとして10mlだと
50人分を1日で打たなきゃならない計算なのだ。
 だからあらかじめ1日何人で受けてた予約の方にお電話して変更をお願いして、
まとめて来て頂いて1時間ちょっとで集中的に
一斉に約50人分を打ちました。
 ホントは来週の予定だったからまだ心の準備ができてない、といってたコーダイ君、すまなかった。
 ところで、医院によってはこの10mlバイアル、さばききれないとこもあるんじゃないの。
 今はもうやってない医院だけど、
以前、季節性のワクチンの時でさえ、
1mlのバイアルを使い切るために、
2人単位で予約しないと打たない、っていってた病院があったくらいだし。
 それにしても、昔のペットボトルがまだ無い頃の、コカコーラみたいだな。
(覚えてます?コカコーラ・ホームサイズ。キャッチコピーは確か「3杯ついでもまだ余る!」
これ知ってる人は○○歳以上です。)
 残すと、炭酸抜けちゃうんだよ。

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2009.12.08

RSは何の略?


 今日来た患者さん。
「子供が先日RSウイルスといわれまして。」
「ああ、RSね。風邪ですね。」
 さて、RSウイルスって何でしょう。
 「RS」。
車好きの人なら、思い出すのは
1980年代に日産が伝説のGT-R以来のツインカム搭載のスカイラインを発表したとき
「RS」のネーミングでした。
これは「レーシング・スポーツ」の略でしたね、前原先生。
 まあ、全然関係ないですね。
 じゃあ「RS」は、何?
「レッズ・サポーター」でも「ローリング・ストーンズ」でも
「リクライニング・シート」でもないぞ。
「Respiratory Syncytial ウイルス」で「RSウイルス」。
名前は難解ですが、要するに風邪のウイルスです。
我が国では2歳代までに国民の100%がかかり、
「セキやハナなどの風邪」の原因ウイルスとして非常にポピュラーです。
「Respiratory」は「呼吸器の」という意味です。
 感染を繰り返すごとに症状は軽くなりますが、
終生免疫はできないので、大人でもかかります。
 まあ、子供だったらほぼ毎年、かかってる子の方が多い位です。
 ウイルスに対する薬はなく、去痰剤程度で対症療法をします。
もちろん抗生物質は無効です。
まあ、大きい子や大人は薬なしでも「寝てれば治る」風邪です。
 ただし、そんなわけで母体からの移行免疫が十分でないので、
0~1歳の乳児、特に通常はあまり風邪を引かない6ヶ月未満の赤ちゃんに初回感染をした場合、
気管支炎、細気管支炎、肺炎などが重症化することがあり
しばしば入院治療を必要とします。
 そこで、インフルエンザの簡易検査みたいな
迅速検査キットが「3歳以下の入院患者」に限って使われます。
 まあ、3歳以上は検査する意味ないですから。
家に新生児がいれば、ってのはあるかも知れないが、
感染は飛沫もあるが、接触が多いとされてるので、
赤ちゃんに近づかなければ防げるはずです。
 ところで、今回の子、5歳で外来患者さんなんだけど、
そこの病院は何で検査したんだろう。
もともと、保険通らないから、患者実費か病院負担の無料サービスなんでしょうけど、
そこまでして、やる意味あんのかしら。
 お母さんは聞いたことないウイルスの名前言われて
またまた「新手」のウイルスかと思い
相当びびったらしいですけど。

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2009.12.07

インフルエンザで、最近よく訊かれる事


 ライブ終わって日曜日の朝、電話がなる。
「あ、先生ですか。ブログで見たんですけど、
インフルエンザの外来やるって。
で、うちの子今朝から耳が痛いって言ってるんですけど
それも診てもらえるんですか。」
「ええ、もちろん、いいですよ。」
「ありがとうございます。ところで二日酔いのほうは大丈夫ですか。」
「!!・・・・・はあ、だ、大丈夫です・・・。」
 そーいや、ブログにそんなこと書いたっけ。
しかし、いきなり電話で直に訊かれるとは・・・。
 てなわけで、日曜日はまたインフルエンザ臨時外来をやりました。
いや、二日酔いではなかったです。
ライブのおかげで声はガラガラでしたが。
 ピークは過ぎたようですが、けっこう来ましたね。
最後の子はインフルエンザでなく「溶連菌感染症」だったですが。
 高校生→中学生→小学生と来て、
ここんとこ小さい子のインフルエンザがやや増えてるのが気になります。
 ウチはまだ大丈夫ですが、
市内ではもうタミフルドライシロップがない病院もあるみたいで・・・・。
 まあ、病原性は季節型より低いとはいえ、
今後変化する可能性は大いにありますし、
小さい子の場合、中耳炎なんかを合併してくることが
少なからずありますので要注意です。
 さて、最近よく訊かれるんですが
「家族でインフルエンザが出て、その後少しだけ微熱があったのだがそのまま治まった。
どうすればいいのか?検査は?治療は?」
ということがあります。
 以前書いたように、発熱等の症状でインフルエンザ感染が明らかであれば
検査の必要なくタミフル、リレンザなのですが、
逆に熱がなければ検査は原則必要ないですが、やっても多くは「陰性」です。
 その場合にはタミフル、リレンザは必要ありません。
 インフルエンザはウイルス感染ですから、
状況によって、感染の程度に差が出ます。
 例えば「水ぼうそう」でも、全身に水泡ができ高熱が続く人もいれば、
3,4個ポツポツ出ただけで治っちゃう人もいます。
 さらには、かかった覚えはないが血液検査をすると抗体ができていた、
なんていう「不顕性感染」もあるわけです。
 インフルエンザウイルスも最終的には「抗体」が処理して治るわけですから、
熱が下がっちゃえばそれでいいわけです。
 溶連菌みたいに菌が残って、慢性化するってことはありません。
 ただ、「水ぼうそう」や「おたふくかぜ」みたいに
血液検査をしてかかったかどうか調べることが
今のとこはできないので、
はっきりしなかった人は予防接種をする意味はあります。
 このところ寒くなって合併症を起こす確率も増えているので
特に小さい子供にとっては、まだまだ油断できないインフルエンザです。

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2009.12.06

半世紀少年、がんばる。


 さて、傷心の埼玉スタジアムからとってかえしてGOKURAKU-YA。
毎年12月第1土曜日はCRP、恒例のウインターライブ。
なんか、去年も一昨年も「傷心の」ライブだったような・・・。
 でも、ロケンローはサイコーだ!
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 今回は前半は、オアシス、ザ・フー、ストーンズ、等。
 このブログにコメントしてくれた女子高生バンド♪「ABC」のリクエストにお答えして
“Paint It Black”も、やっちまいました。
PC050045_ks.jpg
 後半はグリーン・デイの「21世紀のブレイク・ダウン」からの曲中心で、
どんどんボルテージを上げていく。
オヤジ体力の限界だー。
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 アンコールは「ロコモーション」のほか、これまたこの時期恒例の「ハッピー・クリスマス」。
そして最後は今年50歳になった「半世紀オヤジ」の送る「20世紀少年(20th.Century Boy)」でした。
 お越しいただいた皆様、ありがとうございました。
 来年もがんばるぞー。
あ、まだあと一回「クリスマス・パーティー」でライブありますね。
さて、今年のお楽しみ企画は何でしょう。
乞うご期待!
 (追加)ライブ会場で、私、腕時計を紛失しちゃいました。
「セイコー・ランドマスター」お心当たりの方はご一報ください。

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2009.12.06

0-1の意味するもの


 週間予報では土曜の天気は晴れ。
んー、なんとなく雨が降らないかな、と思っていた。
 思えば、あれはももう6年も前、やはり優勝を狙う鹿島との最終戦。
 雨の中エメの同点ゴールで、鹿島の優勝を阻止した。
あの時のソガハタの悔しそうな顔。
 埼スタからの帰り道、まだ小さかった娘を肩車して傘さしてたら、
傘が木に引っかかったっけなー。
 天気予報がずれて、土曜日は冷たい雨になった。


 2009年J1最終節
  浦和レッズ    0-1     鹿島アントラーズ   (埼玉スタジアム2002)
     (前半   0-0)
     (後半   0-1)


 優勝を意識した鹿島の動きは硬かった。
 連覇しているチームとはいえ優勝のプレッシャーは相当なもののはず。
 レッズの付け込む隙はいくらでもあった。
 今日の試合を見て、多くのサポーターが思い出したであろうあの試合。
2007年の最終節、ちょうど今日の裏返し。
優勝に大手をかけたレッズはアウェイの日産スタジアムで横浜FCと対戦。
横浜FCはすでに降格が決まり、長らく勝ち星から遠ざかっていた。
だが、優勝を意識するレッズは、まったくいつものサッカーができずギクシャクしていた。
 結果、まさかの敗戦。
9割がた掴みかけていた「優勝」はするりとその手から抜け落ちた。
 そう、2年前の横浜FCのように、のびのびやって鹿島の足元をすくえば。
 しかし、「王者」鹿島はしたたかだった。
 6年前の再現も、日産スタジアムの奇跡も起きなかった。
 残念ながらこのチームとレッズの差は、まだまだ大きい。
 今日の試合、勝ち、引き分け、負け、どんな結果になっても
それは、ありえる展開だった。
 でもこの0-1には、今のこのチームの現状を納得させる説得力がある。
 しかし、決してダメなチームじゃない。
今日感じた悲しみは、去年の最終戦のときに感じたあの虚無感ではない。
 来年の最終戦、喜びと自信に包まれて1年前の冷たい雨の日のことを振り返りたいです。

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