ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2009.04.22

足利市長選

 足利市長選、始まりました。
大豆生田さんと、飯野さんとか言う元副市長(だっけ?)のヒトとの一騎打ちですね。
 実は、前々回の市長選の時、私、大豆生田さんの応援演説で足利中回りました。
 大豆生田さんは、実は薬局のコミネ君の後輩です。
薬剤師さんなんですね。
 その関係で、政治とは全く縁もゆかりも無い私が、応援演説を頼まれることになっちゃったのです。
 それまで、選挙演説会なんて聞きに行ったこともない私が、
なんと、演説をする方になっちゃったのだからびっくりでした。
 まあ、大豆生田さんとは、その前から知り合いで、
家族で一緒にバーベキューなんかしたこともありましたし、
本人やご家族が患者さんでウチにかかったこともありました。
 ともかく、彼の誠実な人柄と、政治に賭ける熱い情熱はよく知ってましたので、
応援弁士を引き受けたわけです。
 その時は、現市長に負けちゃったわけですが、
実際に参加してみて、いろんなことがわかりました。
 選挙ってのは、自分がいいと思ったヒトに一票を投じるもの、と思ってましたが、
そうでもないことがあるようだと。
 要するに、組織、団体が自分たちに利益をもたらしてくれるヒトに票を取りまとめる
「組織票」ってのが、かなり多いらしい。
 私も、応援する以上、勝ってもらいたいので、知り合いやなんかに声をかけると
自分は大豆生田さんに入れるけど、
親は会社のほうから相手候補に入れるよういわれてるのでどうしてもダメみたい。
なんて、話がやたら出てくる。
 どうも、特定の大規模な支持団体を持たない大豆生田さんに対し、
相手は、地元の有力企業やいろいろな団体から支持を取り付けてるみたいなのです。
なるほど、これが「組織型の選挙」ってやつなんだ。
日本の選挙はこれが多く、田舎に行くほどその傾向が強いという。
 でも、これはおかしいですね。
団体に属さない、個人の意見が政治に反映されない。
強者はますます力を持ち、弱者はさらに衰退してしまう。
 やっぱり、自分の目で見て、政治家を選んで欲しいです。
 実は、医師会ってのもいわゆる「圧力団体」です。
選挙のたびに、ポスターがまわってきたり、後援会に名前を書いて欲しいと紙が回ってきます。
 私は、一回もポスターを貼ったり、名前を書いたことはありません。
 別に医師に不利益でも、社会全体から見て利益になることならそのほうがいいでしょう。
 そうやって、医師会の推薦は無視して自分の意思で投票してます。
 今回の選挙も、自分の意思で投票します。
 足利市は、このところ衰退の一途をたどってます。
近隣の佐野市や太田市の躍進振りを見ると、このままではかなりヤバイ、と思います。
小売店がつぶれ、人口が減少し、ショッピングモールも賑わいません。
映画館も無くなっちゃったし、子供も少ない。
若い人がどんどん、この町から離れていきます。
 今回の対立候補の方も、現市長の後継を立てようとした団体がいろんなヒトに声をかけたが
何人も断られて、やっと頼み込んでたってもらったという経緯を耳にしました。
無理やり頼まれて立候補した人と、
ずっと以前から市長になって足利を良くしようという情熱に燃えてる人なら
どちらを選べばいいかは明らかです。
 私としては、是非、大豆生田さんに、市長になってもらい
思い切った改革で、この町を建て直して欲しいですね。
 あれ、なんかこのブログ、応援演説みたいになっちゃいましたね。

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2009.04.21

右も左もワカリマセン

 
 さて、4月になって、職場にも新人がデビューする頃ですね。
まあ、当院は別に新しい顔ぶれは無いんですけど。
何となく、新鮮な気持ちになる季節です。
 もう、はるか昔、医者になったばかりの事を思い出しますね。
 さて、医者になって新人の頃はそれこそ右も左もわかんないのだが、
実際に耳鼻科医になると、本当に文字通り右と左がよくわかんなくなります。
 どういうことかっていうと、患者さんと相対して、
患者さんの右耳は向かって左の耳、左の喉の辺りは向かって右の喉の辺りなわけだ。
 当たり前なんだけど、これが、けっこう混乱するんです。
 「どっちの耳が痛いんですか。」
 と尋ねて、
 「右です。」
 と、言われたら、カルテに
 「Rt.-Otalgie(右耳痛)」
 と、まず書けばいいのですが、
 「こっちの耳です。」
 と、指差された場合
  えーと、指してる耳が向かって左ってことは、
 患者さんの右耳だな、という段階を経ないといけない。
 逆に、
 「右です。」
 といわれて、カルテに右って書いて、じゃあ診てみますね、といっていきなり左耳を診そうになる。
 まあ、これは、しばらくすると慣れるのだが、そうすると逆に日常生活で混乱します。
 そこ右に曲がれとか、ちょっと左のほう見てみて、ってのはそうでもないのだが、
「その、左のヤツとってくれる?」
などという、自分から見て前にあるものの右左が混乱しちゃうのだ。
 今までは出来ていた瞬間的な判断ができなくなっちゃうのです。
 どの科でも、そういったことは少なからずあると思うが、
耳鼻科は特に右左の確認が多いような気がする。
内科なんかは少なそうだが、やっぱ、眼科とか整形なんかも多いのかなー。
 そういえば、それに関連してCTの見方が耳鼻科と脳外科で逆さまなのご存知でしょうか?
 CTスキャンを撮ったとき、耳鼻科は患者さんと、相対したと同じ向きに見ます。
つまり向かって左に患者さんの写真の右が来ます。
一方、脳外科では、手術の時、術野は患者さんのアタマのほうから見ることになります。
そうすると、医者の左右と患者さんの左右が同じになるので
CTの写真を向かって右に患者さんの右が来るように掲示します。
レントゲン写真は裏も表もシャーカステンにかければ見られますが、
その掲示の仕方が互いに裏返しなのです。
 大学病院時代、脳外科とカンファランスをすると、
この点がどうも厄介でした。
 今でもたまに、
「どっちの耳が痛いんですか?」
と尋ねると
「ええ、先生から見ると左なんですが、私からすると右の耳です。」
などと、気を使った答え方をしてくださる方がいます。
 大丈夫です。
もう25年もこの手のコトやってますから。

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2009.04.19

1-0の中味


 さて、今回は私の今季初の、ナイトゲーム。
私が、スタジアムに行くと、必ず勝つ、という勝利のジンクスは今夜はどうか。


  2009年J1第6節
   浦和レッズ   1-0   京都サンガ   (埼玉スタジアム2002)
       (前半  1-0)
       (後半  0-0)


 勝ちましたね。
しかし4戦連続1-0かい!
 これを、得点力不足と見るか、堅実な守備と見るか。
 フィンケ自身は
「(このスコアでは)イタリア人の監督と思われるかも知れない。」
とジョークを言ったようですが。
 しかし、同じスコアでも内容はどんどん進歩している!
 横浜戦の1-0はPK。試合内容はリアクションサッカーだった。
 大分戦の1-0はオウン・ゴール。攻めていたがシュートは10本。
 名古屋戦の1-0は崩して原口。中盤でパスがつながりシュートは15本。
 今回、京都戦の1-0はポンテからエジミウソンの裏への飛び出し。
 完全に、試合を支配しシュート数は17本。
 得点は認められなかったが、うち2本相手のゴールネットを揺らしたシュートもあった。
 相手GKの好セーブに阻まれたのもけっこうあったし。
 開幕、鹿島戦では、パスをつなぐことだけに専心し、ゴールに向かうイメージは希薄だった。
 それが今日のゲームを見るとゴールに向かう様々なアイディアがいっぱいだ。
名古屋戦から、試合内容はさらに向上してる。
ボールをもらった選手は、つなぐためのパスではなく
ゴールに至るまでのパスをイメージしてるのが見て取れた。
 それにしても、感心したのは、浦和の選手たちがトラップが上手くなったこと。
トラップとは受けることだが、実はアクションの始まりでもある。
ボールを自分のものにしてから、何をするか考えるのではなく、
ボールをもらったら次に何をするかということを考えているので、
トラップしてからの動きが早い。
 マッチ・デイ・プログラムを読んだら、フィンケは浮き球の処理の練習をしてるそうで
なるほどなー、と思った。
 今回、攻めた割りに点が取れなかったことについては、いろいろ言われるかもしれないが、
大丈夫、このまま行けばもっと入るって。
 さて、唯一の心配は仕事で次節の千葉戦行けないこと。
私が行くようになっての4連勝なので、ジンクスが心配だ。
まあ、今節、千葉は今季初勝利を勝ち取ったらしいので、
浦和のもつ「連敗ストッパーのジンクス」は、心配がなくなったのだが・・・。

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2009.04.18

ヒゲナマズの逆襲

 前回のドクター・ホリデイの記事いかがでしたでしょうか?
 さて、そーいえば、こんなことがありました。
 開業して数年たったある土曜日、
その日は学校検診で耳鼻科受診を指示された(いわゆる「ひっかかちゃった」)子供たちで
外来はけっこう込んでました。
 私は、あまり「ひっかけない」方なんですが、チェックの厳しい先生もいます。
 「ったく、この位、わざわざつけなくてもいいじゃん。」などと内心思いつつ
 「ハイ、大丈夫みたいねー。」
と、治癒、プール可にマルつけて、ハンコ押してかえします。
 紙出さないと、プールに入れないのでプール開き前の土曜日が最も混みます。
 
 ・・・・そして、
「ハイ、○○君ですね。こんにちは。小5、鼻炎って言われたわけね。
普段、ハナとか出るの?」
「えー、フツーです。」
 んー、何がフツーなんじゃ。出ないって事?
そこに突然
「ウチ来る時は、ハナかんでるな。」
連れてきた、おじいちゃんとおぼしき男性が、口を挟む。
「くしゃみとかはどうかな?」
「うーん、フツー。」
「くしゃみも出とるんじゃないか。」
またまた、おじいちゃんが入ってくる。
 当院は、親が来ても口がきける子なら、まず子供に話を聞く方針だ。
そもそも、周りが口出すから、ちゃんと会話が出来ない子になっちゃうんじゃないか。
 全く最近の子供ときたら、何を聞いても
「フツー」と「ビミョー」と「チョー」の三択で答えやがる。
 それにしてもこのおじいちゃん、作務衣とか着て、変わった感じだし、
何となくさっきからだんだん、こっちのほうに近づいてくるなー。
大体、一緒に住んでるわけでもないみたいだし、
無視して患者さんに、集中しよう。
「はい、じゃあ、ちょっとハナ診てみましょう。あー、ちょっと、悪いかもね。
副鼻腔炎があるかもしれないなー。」
と、その時、そのおじいちゃんがささっとオレのところに近づいてきて
「こんにちは、サクライです。ご無沙汰してます。」
と、囁いた。
 え、サクライ?ゴブサタ?
も、もしかして、往復ビンタの「ヒゲナマズ」!?
 と、びっくりしておじいちゃんの顔を見ると、ニヤニヤしてるその顔は
紛れも無く、元担任のサクライ先生だったのだ。
あの、往復ビンタの。
「あ、ど、どうも、ナマ、いや、サ、サクライ先生。
その節は、た、大変お世話になり、その後、私も医者になって、耳鼻科で、いや、その。」
突然の事に、アタマん中が真っ白になって、自分でも何言ってるかわからない。
「じゃ、じゃあ、レントゲン、撮ってみましょうか。」
といって、あわててレントゲン室へ逃げ込んだ。
 いやー、あせったあせった。
 結局、その子は副鼻腔炎が見つかり、薬で治療することに。
 そして、診察後、急いで薬局に電話をいれる。
「おー、コミネ、大変だ。ナマオが来たぞ。」
「えー、ナマオって、まさか、あのビンタのナマオか?」
あだなの「ヒゲナマズ」から通常は「ナマオ」と我々は呼んでいた。
「もうすぐ、そっち、行くと思うから。気をつけろ。
ナンカ、作務衣みたいなの着てるから。」
「おお、そりゃ大変だ。了解、サンキュー。」
 何に気をつけろってわけでもないんだが、とりあえず連絡してやんないと。
 コミネ君には、あとで、おかげで心の準備が出来て大いに助かったと、感謝されました。
 でも、誤解ないように言っとくと、我々は別にサクライ先生を、嫌ってたわけではありません。
それどころか、とても好きな先生でした。
確かに、おっかなくて手が早いけど、まあ、こっちが悪さして起こられるのは当然だし。
後で、ネチネチ言うとか、えこひいきをするとか、そういうのが一切無く
男らしく、さっぱりした先生でした。
 そもそも、私なんか、その先生の指導のおかげで、
栃木県青少年作文コンクールで、特選がとれたのじゃ。
それで、「作文学習の窓」っていう、県内の小学生向けの作文指導の副読本に
私の作文が載ったのは、
この間の「ドクター・ホリデイ」に私の文章が掲載される37年前の出来事だった。
 今回「ドクター・ホリデイ」に掲載されたのも、今、こうしてブログ書いてるのも、
当時のサクライ先生の作文指導のおかげかも。

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2009.04.16

お約束のドクター・ホリデイ掲載原稿、全文です。

 皆さんは星占いを信じますか?私は、断固信じません。
 もちろん、医者たるもの科学者のはしくれですから、そんな非科学的なことは信じない、
というのは当然のスタンスですが、私の場合もっと積極的な理由があります。
 協和発酵の方からこのテーマの原稿を勧められた時、浮かんだのは、ある男のことです。
 それは、生年月日が私と同一、幼稚園、小学校、中学校、高校が一緒で何と現在、
当院のすぐ近くで調剤薬局をしている薬剤師、小峰衆一君の事であります。
 生年月日が同じってことは、星占いも同じなわけで、こやつと同じ運命とはというのはどうも私には受け入れがたい。
 付き合いの最初は、幼稚園のクリスマス会でキリストの生誕劇をやった時、私が東方の博士で、彼が羊飼い役だった以来だから、そりゃクソ長い。
おまけに、小学校3年生から同じクラスになり、小学校の時のサッカースクール、中学も当然サッカー部で一緒、中学時代はついでに生徒会なんかも一緒にやってました。
 この男の性格は、一言でいうとトンデモナイ。頭は切れるが、スケベで、酒好きでいいかげん。小学校、中学校時代は彼のせいでずい分先生方におこられました。(彼にいわせると、逆のことを言いますが。)
 小学校6年生の頃、担任が出張で授業が自習になりました。図工だか、なんだったか。
ともかく、ナンカのきっかけで私と彼はクラスの女の子の顔に絵の具で次から次へと落書きをし、女の子がとなりのクラスの先生のとこに駆け込みました。
 早速、呼び出し。2組のK先生は女の子たちに訊きました。
「この二人に、私がビンタをくれるのがいいか、それとも、君たちが好きなように二人の顔に落書きをするか、どっちか選びなさい。」
クラスの女の子は「落書きの刑」を選びました。
そして、油性マジックで我々二人は顔中落書きだらけにされてしまいました。
「帰るまで、そのまま落としてはいけない。」
と先生に言われ、そのまま給食を食べ、
昼休みはその顔で、驚く下級生たちの前で校庭でサッカーをし、
午後の授業を受けて帰りの掃除の時間になりました。
 我がクラスの担任、通称「ヒゲナマズ」が帰ってきました。へらへら掃除をしてた我々の顔の落書きだらけの有様を見て
「なんだっ、お前らその顔はっ。」
「いやこれは、自習時間に、かくかくしかじかで・・・。」
って、全部説明が終わんないうちに
「バカヤロ、(パン、パン、パン、パン)」
と、二人とも往復ビンタ。
「顔、洗って来い。落とすまで帰ってはならん。」
と、怒鳴りつけられました。
季節は真冬。手洗い場で冷たい水を流し、
蛇口にぶら下がったネットに入った石鹸で顔をゴシゴシやると、
ビンタもらったほっぺたが痛いのなんの。
「油性、落ちねえな。」
「しかし、最初んときにビンタもらってたほうがよかったな。」
「結局ダブルで食らっちまったな。」
 おー、今思い出してもおぞましい。こんなエピソードはまだまだいっぱいある。
その後も、中学でもこいつといると、どうも先生に怒られる。
高校でクラスが離れ、大学は、もちろん全く関係がなかったので、
もうすっかり忘れていたのだが・・・。
 開業の時に、また彼が現れたのだった。
院外処方を持ちかけられそのまま、もう10年以上も調剤をお願いしている。
大体、就学や理科が苦手で、政治学、経済学は教師も舌を巻くほどだったバリバリ文系のコイツが、何で薬学部出て薬剤師なんかなってんだ。
 まあ、読書家なのは昔からで、膨大な知識を持ってるが、
最近もよく文献を調べたり学会や研究会に積極的に参加し、
私の知らない知見を教えてくれたりする。
(あるいはオレを出し抜こうとしている?)
まあ、その点非常に助かってるし、処方や疾患の上での疑問点をバシバシ直接訊いてくれるのは、医者と薬剤師の関係として、とても良いことだ。
 開業医という、閉塞しがちな立場で、役に立つ知見や情報は何よりも大事。
そして、お互い忌憚のない意見がいえることが、患者さんの役に立ってるのかなーと思っている。
 しかし、よりによってこいつとこんなにずっと付き合うとは思わんかった。
やっぱ、星のめぐりが悪かったのか。あ、いや、星占いは信じないんでした。
サッカーはさすがに最近はフットサルになったが、
カヌー、スキー、ダイビングと相変わらずよくツルんで遊んでる。
 まあ、これからもよろしく、とりあえず。
って、感じ。

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