ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2009.03.11

初心、忘るるべからず

 
 先日、麻酔科医をやってる元同級生のT先生と飲みました。
 夜、風呂のあと薬局のコミネから電話があり
「オマエの同級生の麻酔科の先生と飲んでるから来い」、
と呼び出されたわけです。
コッチは妻が夕食のお皿をテーブルに並べ始めていたので
(我が家の夕食は10時過ぎで遅いです。)
それを、食べないわけにも行かず、夕食を済ませてから、居酒屋に向かいました。
 着いたら、けっこう2人とも酔っ払ってまして、(居酒屋2件目だったそうです。)
あわてて私もガンガン飲んで追いついたわけですが、
よく考えるとこの2人は面識ないはず。
一軒目のお店で別々に飲んでいた時に、耳に挟んだ会話の内容から、
偶然、2人が私の共通の知り合いだということがわかったそうです。
 彼とは、ほぼ25年ぶりに再会したわけですが、
変わらず、いいやつでした。
 いや、「いいやつ」というのは当たらないか。
同級生とはいっても、彼は早稲田大を卒業してから群馬大に入った
いわゆる「学卒」組なので、当時は「さん」付けで呼んでました。
群馬大は地理的条件から、東大や早稲田を出てから受けなおす人の割合がけっこう高かったのです。
Tさんは学卒組の中でも、われわれの中に積極的に入ってくるタイプで、
我々は尊敬と親しみをこめて「Tジイ」と呼んでました。
(もちろんジイサンのジイです。)
 彼は、何でも、長く勤めた今の病院の体質に疑問を感じ、
今いる病院の方針は患者さんのためになってないと思い、
その病院を辞めて、この春、別の病院に移るそうです。
 今までいた大病院と違い、そこは田舎の病院で、麻酔科は彼一人になるそうです。
しかし、そこで、自分が一番いいと思う医療、本当に患者さんのためになる医療をやるんだ
と、張り切っていました。
 いやー、うれしかったです。
 誰もが医学生の頃や、医者になったばかりの若い時は、
自分がよい医療をやって世の中の少しでも多くの人々の役にたちたい、
と、思ったはず。(それすら無いヤツは医者になる資格無し。)
 それが、いろんなことがあって年数を重ねるうちに、
だんだん、そんな初期衝動、青雲の志、が薄れ、
悪い意味で慣れてきて、通り一遍の愛のない医療をするようになる。
中には、患者さんの利益より、自己の利益を優先する、営利企業、悪徳企業になる。
 そんな、ダメ医者になっていく人もいます。
 麻酔科といえば、患者さんを、人としてみれず、モノのように扱う麻酔科医もたくさん見てきました。
(実は私が病院を辞めて開業したのも、そういう麻酔科医にうんざりしたからです。)
 
 それが、50歳を過ぎて、(学卒だからオレより年上だ)
山の中の病院で一人常勤の麻酔科をやろう、理想の医療をやろう、
なんてのは見上げた心意気です。
 私は、こういう人といっしょに医学部で学んだことに誇りを感じます。
 彼と話して、私が青春時代から大事にしている「ロックな医者の心」に、
また新たにエネルギーが吹き込まれた思いです。
 T先生いや「Tジイ」も、新しい病院で、頑張ってください。

1件のコメント
2009.03.09

医者の喫煙率

 さて、皆さんはタバコを吸いますか?
 最近、目を通した医学雑誌の中にちょっと気になる記事がありました。
 それは、診療科別の喫煙率の年次推移、というものでした。
 つまり、お医者さんの中でタバコを吸う人がどれくらいの割合でいるか、
診療科によってはどうか、男女でどうか、年ごとにどうか、という統計だ。
 近年、公的な場所での分煙、禁煙化が進んでおり、先進国での喫煙率は
どんどん低下している。
 もちろん、一番の理由は健康に対する明らかな害、が一般に浸透してきたからである。
 で、その健康を守るお医者さんはどうか?という話だ。
 全体的な結果は、予想通り喫煙率の低下で
全体の喫煙率は男性医師で
2000年に27.1%だったものが2004年に21.5%、2008年には15.0%になった。
女性医師では
2000年に6.8%だったものが2004年に5.4%、2008年に4.6%になっている。
 まあ、予想された結果かな、という感じですが、面白いのは診療科別の喫煙率。
 男性医師で最も低いのはどこでしょう。
 答は「呼吸器科」の3.6%。
 そりゃ、そうだよねー。
実は、呼吸器科の専門医の受験資格に「非喫煙者であること」との要件があるらしい。
振り返って、我が耳鼻咽喉科は16.7%と、平均以上である事が情けない。
喉頭がんの喫煙との因果関係は、肺がんのそれと比べてはるかに高いちゅうに。
足利市では、耳鼻科医10人いますがでタバコ吸う人は1人で、喫煙率10%ですね。
(その一人はアイツだ)
 ほかの科を見ると、外科19.8%、産婦人科17.8%、泌尿器科19.1%と外科系の科の方が
内科13.0%、循環器科13.6%、消化器科13.7%、小児科13.4%と、内科系の科と比べ
タバコ吸う医者が多いことがわかる。
オペが終わって、一服、というところか。
 まあ、耳鼻科も「外科」なので、その辺の流れなんだろうなー。
 しかし、ダントツで喫煙率の高い科があります。
 それは「精神科」、なんと23.1%!
 あー、何となくわかるわ、これ。
 一方、女性医師の統計は全体に数が少ないのだが、タバコ吸う女医さんが多いのが
1位産婦人科で12.5%、2位整形で10.5%。
しかも、産婦人科の女医だけは
2000年3.8%、2004年7.5%、2008年12.5%と順調に(!)増えてるのはナゼ?
 まあ、私自身もタバコやめてもう12,3年になりますね。
 最近は禁煙補助薬が保険認可されてます。
当院も、指導施設の認可をとって、禁煙外来を行ってます。
実は、禁煙指導認可施設は、それほど多くはありません。
禁煙したい方、是非ご相談ください。

6件のコメント
2009.03.08

まだまだ、これから

 まあ、この件についても、コメントせねば。


 2009年J1第1節
  鹿島アントラーズ   2-0  浦和レッズ  (カシマスタジアム)
           (前半 1-0)
           (後半 1-0)


 フィンケ新監督の目指す「パス・サッカー」、確かにその片鱗は見えた。
レッズの選手はワン・タッチ、ツー・タッチのパスが多く、
明らかに昨年までとは、違うスタイルを目指している。
 パスを多用する「アクション・サッカー」で確かに主導権を握りつつあったが、
やはり、まだまだ熟成不足。
肝心のゴールにつなげるパスのイメージがまだ不十分なようだ。
 原口元気、良かったですね。
幻のPKもあったし。
ただし守備の面ではまだまだで、
平川の出来の悪さもあって、左サイドはやられまくってましたね。
まあ、その意味ではフィンケの選手交代は妥当でした。
しかし、左サイドバックの補強は急務ですね。
 内容的には完敗で、試合の中でレッズのスタイルを見切って、
戦い方を変えてくるアントラーズは、敵ながらさすが、と言わざるを得ません。
 とりあえず、戦いは始まったばかり。
フィンケ・スタイルがチームに浸透して、熟成されるのを見守りましょう。
12月の最終節がまたアントラーズなので
その時に、試合内容がどう変化してるか、っていうのを期待したいところです。
 それにしても、今なんか野球も大会やってるみたいで、
ニュースやスポーツ新聞見ても、なかなかサッカー出てこないのでうんざり。
WBC?白血球ですか?
そんなにすごい大会なの?

2件のコメント
2009.03.08

開幕戦がなんだ!ロケンローが最高じゃ

 昼間は悲しいことがあったけど、そのことはあとで書きます。
・・・・それにしても、鹿島つええなー。
いや、楽しいことから書きましょう。
 さあ、昨夜は我がCRPの「GOKURAKU-YAライブ」でした。
 今回もたくさんの方に来ていただき感謝です。
 今年初の、ライブ、今回のテーマはかねてからの告知どおり
「ブリティッシュ3大ビートバンド、ビートルズ、ストーンズ、ザ・フー」。
 ブリティッシュ・ロックの基礎を築いたといわれる3大バンドの歴史をなぞるという
最近BSあたりでよくある、ロック歴史番組みたいな構成です。
アヤちゃんは向かって左手奥にいます。(毎度写ってなくてゴメン)
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 見に来てくれたエミちゃんも巻き込んでのロックン・ロール大会。
明らかな練習不足で失敗も多かったけど、やっぱりライブは楽しいぜー。
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 いつも元気な「まえクリ軍団」。オデコ光ってるぞ。
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 ほかにも仕事でお付き合いのある方々、
私の中学時代の同級生なんかも来ていただいて、楽しかったです。
そんな中に、こんなカップルが!
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 おお、この方は尺八マイスターの松っつあんではないですか!
こんな彼女がいたとはビックリです。
   それにしても、この安定感はなんだ!
 さて、楽しくロケンローして、開幕戦惨敗の気分も晴れたぜ。
花粉症にも負けないぞー。

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2009.03.05

謝恩会に行ってきました

 昨日は、足利准看護学校の謝恩会に呼ばれて行ってきました。
 昨年も書きましたが、若い人の旅立ちを見るのは楽しいものです。
(あー、オレもジジイだなー。)
 実は、私、教師という職業にあこがれてました。
理由は主に「飛び出せ!青春」とかの青春ドラマですが、
もともと人にモノを教えるのが好きです。
 だから、診察の時の説明も苦になりません。
ただ、一人ひとりでは時間がかかるので、みんなまとめて説明できれば、と思いますが・・・。
 今でも、教師、やりたいなーと思います。
 そして、卒業式、となると、教師としてはクライマックスでしょう。
私の授業は1年生の10コマだけだし、学生さんの顔と名前もほとんど一致してません。
担任とか、教務とかでずっとつきあってて、いろいろ相談を受けたり、指導したりした生徒が
巣立ちの時を迎えるなんて、感無量でしょうね。
あー、先生方がうらやましい。
 最後には、みんなで歌を歌って感動は最高潮に。
結構みんな泣いてましたね。
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 きれいになった学生さんに、いっしょに写真をとってください、と言われるのも
オヤジとしてはうれしいところだ。         腕まで、組まれちゃったりして。
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 しかし、オレの携帯ストラップをみて、
「あー、これこれ。これって先生の好きなあれですね。
ほら、あの、えーと、そう、レッド・ソックス!」
と言ったオマエ、遡って試験赤点にするぞ!何、授業聞いてたんだ。
何で、私が、野球のマスコットを身につけるのよ!
このレディア君は「レッド・ダイヤモンズ」、ですから。
ったく、もう・・・・。

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