ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2010.11.10

注射ギライ


 毎日毎日インフルエンザの予防接種をしている。
 今年はどうなるかわからないが、
北海道と沖縄では始まって来ているようだ。
 さて、予防接種、泣く子、泣かない子、いろいろだが、
泣かない子の方が多いようだ。
 昔々、自分が子供の頃、注射は大キライだったなあ。
(今でも、するのもされるのもキライだけど。)
 昔は集団接種が多く、
学校の体育館や保健室でした記憶が多い。
 体育館かなんかで、問診票を先生に渡して、
「はい、いいよ。」
と言われると、注射の列に並ぶ。
 2人の先生で注射をしてることが多かった。
 すると、ナゼカ2つの列の長さに差ができるのだ。
 子供的にはあらゆる情報源を駆使して
「少しでも痛くない方に」並びたい。
 その情報とは、
先生の年齢だったり、風貌だったりもあるのだが、
何といっても参考になるのは
先に注射を打った子供の反応だ。
「うう、イッテー。」
という奴もいるし
「ぜーんぜーん、いたくなーい。」
などと声高にアピールする奴もいる。
 しかし、もちろん、そのセリフは
額面通りに受け取れない ことくらい、
子供でも分かっている。
 アイツは、大げさだとか、
あとの者をビビらせようとしてるとか、
ホントはすっごく痛かったのだが、
あとのやつにもこの痛い方の先生に受けさせようと罠をはるやつとか・・・・。
 ともかく小学生が算数や国語の授業で使うよりは、
はるかの多くの脳細胞を動員して、究極の決断を下すのだ。
 すると、同じような思考回路を経て選択をした子供たちによって、
列の長さに差が出る。
 そして、自分の列の前の子の反応と、
隣りの列の子の注射後の反応を観て、
うん、これでナントカ乗り切れるだろう、
とひそかな期待をいだくのだ。
 と、そんな時、
「はーい、こっちすいてるから、君から後ろは、
こっちの列に移りましょう。」

などという先生の気まぐれなひと声によって、
綿密な計算に基づいた計画は、
はかなくも瓦解するのであった。
 それで、予想の何倍も痛い注射 を打たれ、
ああ、ちくしょー、あっちの列だったはずなのにー、
などという 無念の涙 をのんだことがある子供は
私だけではあるまい。
 そんなことを思い出しながら、
毎日毎日、どうやったら痛くなく打てるだろうと考えながら、
あれこれ工夫して、注射を打っている。
 だから、小さい子が泣かなかったり、
幼稚園児に「あれ、全然痛くなかった。」などと言われると、
注射ギライの私としては、実はすっごく、ウレシイのだ。
 ウチも2人のセンセイが打ってるけど、
たまに、女の先生の方がいい、なんていう子もいるんだよなあ。
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2010.11.02

亀井教授の言葉


 先日は、恩師である群馬大学耳鼻咽喉科の亀井元教授の葬儀に行ってきました。
 受付時間の短縮などで患者様には大変ご迷惑をおかけしました。
 亀井先生が教授になられたのは昭和59年。
 私の入局が昭和60年なので、まさに教授就任後初の入局者、
妻の入局が昭和61年ですから、
まあ2人とも「亀井チルドレン」なんて言い方もあるかもしれません。
 亀井先生のことを一言で評すと「ジェントルマン」だったと思います。
 非常に温厚な人柄で、我々医局員に対しても、
丁寧な言葉遣いで、決して「呼び捨て」などにはしませんでした。
「小倉さん、これ、どう思いますか。」
「小倉先生、この文献まとめておいてください。」
 などと言った物言いで、
教室員を呼び捨てにして怒鳴りつける教授も中にはいますが、
全くそういうことはありませんでした。
 一緒に手術に入ると、手術室の看護婦さんにも
「ぺアンを取っていただけますか。」
などと敬語を使い、器械を受け取ると
「サンキュー」
と答えるのが常でした。
 妻が耳鼻科に入ったのも、
入局説明会で、教室員と教授がフランクに話してるのを見て決めた、
と言ってました。
 妻と知り合ったのは彼女の入局後ですから、
間接的に、亀井先生のおかげで結婚できた、といえなくもありません。
 亀井先生の言葉の中に常に私が大事にしてる言葉があります。
 まだ私が独身時代の若いころ、ある患者さんの受け持ちになりました。
 その方は、まだ30代半ばの女性の方だったのですが、
舌がんだったのです。
 治療方針を決めねばなりません。
 手術、放射線、抗がん剤、しかもそれらも様々な術式、薬の種類があります。
 何が最適なのか。
 その時、教授回診で先生が私に言った言葉は次のようなものでした。
「小倉さん、この患者さんをあなたのお姉さんだと思って治療してください。」
 そうです。
 この言葉で治療方針に対する迷いがなくなりました。
 それ以後、現在でも患者さんを診るたびに、
その人が
自分の親だったら、恋人、妻だったら、我が子だったら、はたまた自分だったら、
どんな治療を行うか。
 そう考えると答えはおのずと出ます。
 今でも、毎日、事あるごとにこの言葉に帰り、
また、患者さんに手術など勧める場合でも
「いや、もしうちの子だったら、これは切開しますよ。」
などと説明します。
 まあ、私が医者やっていく上での「座右の銘」っていうとカッコよすぎですが、
指針、道しるべみたいなものになってますね。
 
 亀井先生にとっては
私は全く「不肖の弟子」であったわけで、
その点ではまことにお恥ずかしいかぎりですが、
こうして医者をやっていく上で大変お世話になったと思っています。
 先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
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2010.10.26

耳管開放症の治療

 さて、途中に緊急連絡が入ってしまいましたが、
耳管開放症の話をするんでした。
 治療ですが、これが、かなり難しい。
 そりゃ、そうだ、
中島美嘉さんがツアーをキャンセルするくらいですから。
 簡単に治るものなら、とっくに治してるわけだ。
 病態としては耳管が開いちゃってるわけなので、
それを閉じればいいのだが、
耳管は、開きっぱなしでもダメだが閉じたきりでも困るのだ。
 今度は耳管狭窄症から滲出性中耳炎を起こしてしまう。
 現在よく使われているのが
漢方薬の「加味帰脾湯」だ。
 そもそも、耳管開放症の原因として、
急激な体重減少による場合が多い。
 極端なダイエット等で、組織のヤセが生じると、
耳管が閉じなくなることがあるのだ。
 この加味帰脾湯による、耳管周囲の血流増加作用によって、
組織をむくませ、開きっぱなしを軽減しようというものだ。
 有効性を示す文献もいくつか出ており、
漢方薬内服という、簡便さもあって、広く行われている。
 当院でも処方例は多いが、まあ、中等症異常には難しいですね。
 その他に、鼓膜の響きを抑える意味で、
鼓膜にテープを貼ったり、チューブを入れることもあります。
 軽度の伝音性難聴があると耳管開放症の症状が軽減するという説もあります。
 そして、物理的に耳管開口を塞いじゃう方法として、
生理食塩水の点鼻も用います。
 鼻の穴から水を垂らして耳管に流れ込むようにしてあげる。
 効果は一過性ですが、連続使用によって改善、という報告もある。
 通気管を用いて鼻腔から耳管に薬剤を注入する方法も試しましたが、
あまり効果ありません。
 耳管開放症のポイントは中耳に近い側での耳管の最も細いところが、
開いてるせいなので、鼻の方からいろいろやっても効果が少ない、
と、この間学会で聴いて来ました。
 と、以上は当院の外来でも行ってるいろんなですが、
うまく行く人もいれば、そうでないヒトもいる、という感じです。
 なかなか決め手になる治療が無いのが現状なのです。
 この他に今のところ、かなり効果のある療法として「耳管ピン」があります。
 中耳からシリコン製の「ピン」を耳管に挿入し、
開放している耳管を充填する、というものです。
 ここまでの治療は外来でも行えますが、
「耳管ピン」となると、病院、それも国内でも数か所の限られた施設でのみしかできません。
 まだ、手技が確立しておらず、発展途上の手術ですが、
最近の「改良型耳管ピン」は成績もいいようです。
 耳管開放症は悩んでいる方が多く、このようなホームページもあります。
耳管開放症情報交換の場」(←クリック)
(このサイトのリンクに当院も載ってます。)
 この病気の解決法が早く確立するといいです。
 私も、日々あれこれ悩んで考えてるのですが。
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2010.10.24

耳管開放症の中島美嘉さん

 中島美嘉さん、耳管開放症で公演中止。
 一昨日のスポーツ新聞の見出しに載ってましたなあ。
 おおお、と思ったのですが。
 先日、薬剤師会で講演した時に、
めまい、耳鳴りの話だったので、
「突発性難聴だった浜崎あゆみさん」
「メニエール病だった相田翔子さん」
「真珠腫性中耳炎だったコロッケさん」
の話題を交えて話したのだったが、
中島さん、耳管開放症だったのかあ。
 といっても、実はワタシ、中島美嘉さんをよく知らず、
その新聞の記事を読んで、ははあ、あの人かな、と思ったくらいで、
名前は知ってるけど、すぐ曲は浮かばない。
いや、聴けば絶対知ってると思いますけど。
 ところで、気になったのは、そのスポーツ新聞に
「耳管開放症とは」
と、解説を書いていたどっかの耳鼻科の先生の話。
 話を聞いた記者がダメだったかのかもしらんが、
この先生、よく耳管開放症のことわかってないのでは、
というような内容だった。
 実はこの「耳管開放症」なかなか難しい。
 そもそも、きちんとした系統疾患として認識されてきたのは、
ごく最近のことなのだ。
 それまでは「耳管狭窄症」は多いが「耳管開放症」はまれ、
などとかたづけられ、あまり重視されなかった。
 最近の研究で実はかなり多いこと、そしていろいろな病態があることがわかって来た。
 耳管というのは中耳と鼻腔をつないでいる管で、
中耳と外気の気圧の調節をしてる。
 山登って、耳がつーんとなった時、アクビすると治るアレだ。
 この管、普段は閉じているのだが、アクビやモノを飲んだり、
口をあけたりする時に随時開いてこまめに圧力調節をしている。
 これが開きっぱなしになっちゃうのが耳管開放症で、
鼻腔と中耳が直結しちゃうので、
自分の声や鼻の呼吸音がびんびん耳に反響しちゃう。
(自分の声が響いて聞こえることを「自声強聴」といいます。
よく「強」を「強調」と間違えることがあるので学生さんは要注意)
 程度が強いと難聴や、場合によってはめまいも起すというものだ。
 そして、耳管開放症のもう一つのタイプとして最近提唱される
「鼻すすり型耳管開放症」というのは、
開放している耳管が、鼻すすりにてロックしてしまい、
一見耳管狭窄症のように見えてしまうため、
誤診されてることが多いのだ。
 私も2,3年前学会に行ってこの話を聞いて、
ああ、あの患者さんは狭窄症じゃなくて開放症だったんだ、
とあとから思い出す例がいくつかあります。
申し訳ない。
その頃は、この病態がわかってなかったから仕方ないといえば仕方ないんだけど。
(そのスポーツ新聞の取材した先生は、まだよく知らないかも?)
 じゃあ、治療はどうするんだ、という話は次回。
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2010.10.20

心不全の勉強会


 先日、診察終了後、医師会館まで、
久々に内科の研修会に参加してきた。
 まあ、耳鼻科の専門医の単位には関係ないし、
自由参加だが、開業医やってる以上、
内科の事も少しは知らんといかんと思い、
来年度からは医師会の休日急患も回ってくる関係もあって、
行ってみたわけなのだ。
 内科の研究会も、
喘息や気管支・肺疾患や、めまい、
また、インフルエンザ関係だと日常大いにかかわりがあり、
場合によっては一般内科の先生よりもこっちの方が詳しい分野だったりするわけだが、
この間行ったのはテーマは「心不全」。
 血圧がどうの、なんてヒトまでは来るわけだが、
さすがに心臓が止まりそうな患者さんは耳鼻科には来ないわけで、
いやー、なかなか難しかったです。
 そもそも、略号がちんぷんかんぷん。
 CTRやAVblock、ST上昇位はまあわかるが、
AMI?PND?
 しかし、これらは、英語で、
「Acute Myocardinal Infarction」
「Paroxysmal Nocturnal Dyspnea」
などと、ちゃんといってくれれば
ああ「急性心筋梗塞」「発作性夜間呼吸困難」のことかとわかる。
 しかし、NIPPVが「非侵襲的陽圧呼吸」だとか、
BNPが「脳性ナトリウム利尿ペプチド」といわれても、
まず、ピンとこない。
 前者は人工呼吸器の類だろうとは思う。
 BNPに至っては、全然分かんないので帰って調べたら、
心不全の病態の指標として、頻繁に測定される物質だという。
 発見されたのが1988年で保険適応になったのが1996年という。
 オレが国家試験受けたのが1985年だからなあ。
 すると、今これを知らない医学生、内科医はいないわけだが、
知らない耳鼻科医、眼科医、整形外科医なんてのは多いのでは。
(オレぐらいだったらヤバいなー。)
 さらにシロートでも、心臓病で内科かかってるオジイちゃんなんかは、
当然、知ってるわけなんだろうなあ。
 こうしてみると、
逆に、たまに耳鼻科の研究会なんかに来る内科の先生が
エライ、とんちんかんな質問をして、
我々を唖然とさせることがあるのもよくわかる。
 とりあえず、今回、いかに医者は他科の事に疎いか、
ということを肌で感じてしまったのだ。
 しかし、あそこにいた内科標榜のドクターは、
あの話100%わかってたのかなあ。
内科医もピンキリだが・・・・。
 でもまあ、研修会、学会に参加してない医者はヤバいけど、
ああいうとこに自ら参加する医者は大丈夫なんでしょうね。
 ああ、オレももっと勉強します・・・・。
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2010.10.02

禁煙外来の新聞取材を受けました

 先日、生まれて初めて新聞社の取材を受けた。
 突然、電話がかかって来て、
禁煙外来についての取材をしたいという。
 今まで、いわゆる『広告』で取材の申し入れはあったけど、
そういう怪しいのはみんな断っていた。
参照⇒「CCガールズの誘惑
 しかし、今回は「下野新聞」の正真正銘の取材なのだ。
 お昼休みにやって来たのは、
CCガールズみたいなダイナマイトなお姉さんではなく、
でも、若い、きれいな女性記者さんでした。
(ああ、写真とっときゃよかった。)
 実はワタシ、小学校の「壁新聞」で目覚めてから、
中学時代、サッカー部と掛け持ちで新聞部で学級新聞、学校新聞を作ってたのだ。
 新聞記者、今でもあこがれです。
 2,30分取材を受けて、その記事が
本日の「下野新聞」に載ってます。
 Web版にも載ってますぜ。(⇒クリック「下野新聞」)
 当院が栃木県でも数少ない、
禁煙認定指導医のいる禁煙治療保険認可施設ということで取り上げられたらしい。
 「小倉医師」、だってカッコいいじゃん。
 なんか如何にもマジメなお医者さんみたいで。
(いや、実際、マジメなお医者さんだけど。)
 あ、まてよ。
 マスコミの取材受けたの、前も一回あったぞ。
 大学時代の同級生で、産婦人科に行ったみゆきちゃんが、
皇太子妃雅子さまの出産に当たり主治医になった時に
「FRIDAY」の電話取材を受けたなあ。
 でも、その時には学生時代、私が彼女とは何の色っぽい関係もなかったので、
記事にはならんかったけど。
 下野新聞さん、今度はバンドの方で取材してねー。
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2010.09.17

Non Smoking Boogie


 当院は禁煙認可施設で、
禁煙治療に保険が使えます。
 院長、副院長とも、昨年、日本禁煙学会の認定指導医の資格試験を受け、
合格しました。
 んで、こんなのに載ってます。
禁煙治療に保険が使える医療機関情報
 さて、ここのところ、禁煙外来希望者が急に増えています。
 まあ、直接の理由はタバコの値上げが大きいと思います。
 しかし、値上げだからやめる、という単純な理由ではなく、
前々からやめようと思っていたが、これをきっかけに、
という方がほとんどのようです。
 確かに、近年、喫煙環境の減少、
特に公共交通機関や飲食店での禁煙化が進んでいます。
 そーいやあ、舘ひろしさんがやめたんだよなあ。
 あんだけ、テレビ、雑誌で広告されると、
禁煙成功しないわけにも行かないし、
成功後も、ちょっと一本なんてことがあると、
写真週刊誌の餌食になっちゃいそうだ。
 たかがタバコなのに、大麻や覚せい剤みたいな扱いになっちゃうかも。
 そういった意味では舘さん、禁煙して、
リバウンドも不可能ならば
健康も獲得して、タレントさんとしてのイメージもぐっとアップして
良かったじゃないですか。
(最近、薬物関係で再々逮捕、なんてダメタレントがいたぞ。)
 うちの外来にも舘さんのちょっとキモいポスター貼ってありますが。
 そーいえば、ファイザー製薬、最初から「舘ひろし」の予定だったんだろうか。
 ひそかに交渉して、断られた大物喫煙タレントがいたら、
ぜひ名前を知りたいもんだ。
 そして、次もだれかやるんでしょうかね。
 今度は女性タレントとかスポーツ選手とか。
 ネットで調べると女優では松たか子さんとかスモーカーで有名らしいですね。
 野球選手やゴルフ選手には喫煙者が多いらしいし。
 でも、イチローは吸わないだろうな、やっぱり。
 横綱「白鴎」は吸うんだろうか?
 だって、横綱は「スモウ・キング」だから・・・。
 まあ、くだらないオヤジギャグは置いといて、
ともかく、禁煙により、
身体的(本人および家族の)、社会的、経済的に幸せになりたい方は、
是非ご相談ください。
 現在のところ、保険認可になっているのは
「ニコチンパッチ」と「経口禁煙補助薬」の2種類があります。
 ということで、この週末は四国松山まで、
「日本禁煙学会総会」に参加してお勉強してまいります。
(連休を使って行ってきますので、休診はありません。)
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2010.09.10

多剤耐性アシネトバクター

 多剤耐性菌が問題になっています。
 要するにほとんどの抗生物質が効かない細菌です。
 多剤耐性アシネトバクターによる院内感染が
帝京大学で発生したり、
インドから帰国した男性から
NDM1といわれる耐性酵素を持つ大腸菌が検出されたとか。
 でも、なかなかこういう事の本質が正確に伝わらない気がする。
 やたら、こう恐怖をあおったり。
 オソロシイデスネー、しか言わないゲストコメンテーターとか。
 報道する側がそもそもきちんと理解してないような気がするなあ。
 新型インフルエンザのときにも感じた、
もやもやを感じてしまいます。
 多剤耐性アシネトバクター、実は当院でも患者さんから検出されてます。
 驚くことは無い。
 アシネトバクターは、そこいらにいる弱毒菌。
 セラチア、緑膿菌、アシネトバクター、キャンピロバクター、エンテロバクターは
その頭文字をとってSPACEと呼ばれる弱毒菌5人衆だ。
(緑膿菌はPsudomonasでPなのだ。)
 まず、耐性菌はどこにでもいる、という認識が必要です。
 しかも、普通は何も悪さをしない。
 健康なヒトに病気を起こすことはまず、ありません。
(ただ、慢性性中耳炎だけは別です。いつも困ってます。)
 問題はこういった耐性菌を世の中に増やさないこと。
 抗生物質の濫用によって、こういった菌が
「選ばれて」いるわけだ。
 健康な人々が抗生剤を飲むことによって、
薬の効く菌は死滅するがその分耐性菌が増える。
 その耐性菌はその人には直接何の影響もないが、
巷に出て行って、社会に潜伏する。
 多くは死滅しちゃうんだろうけど、
数が重なると、そっから病院とかに紛れ込んで、
時に、「免疫弱者」に重大な感染症を引き起こすわけだ。
 セラチアも、ちょっと前、院内感染で問題になりましたね。
 だから、カゼのときは抗生剤は飲んじゃダメよ、
といつも言ってるんだがなあ・・・・。
 また、そのうち機会を見てこのブログで耐性菌のお話をしたいと思います。
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2010.08.21

耳鼻科勤務医の夏


 以前も書いたけれど耳鼻科は夏はヒマだ。
 昨日なんかは、来院患者さんも久々に100人を下回り、
こうなると「待ち人数ゼロ」の時間も出てくる。
 自動ドアーの開く音がして、誰もいない待合室に小さい子が飛び込んでくると
「ナニー、これー、チョー空きすぎー。」
などと歓声を上げるのが診察室にも聞こえたりする。
 じゃあ、耳鼻科がみんなヒマかというと、そうでもない。
 この時期ヒマなのは「開業医」の耳鼻科で、
「病院勤務医」の耳鼻科はそれこそ1年中で一番忙しいはず。
 風邪や中耳炎などの患者さんはほとんど総合病院の耳鼻科には来ません。
 主として、入院、手術が中心でその関連の方が主体です。
 夏休みは、子供の「扁桃腺」や「アデノイド」などの手術が、
数多く「予約」で入り、病院はごった返します。
 夏休みは、通常「手術日」を拡大して手術するのですが、
「予約」は「夏休み期間の沖縄便」並みに6月中には埋まってしまいます。
 それらが通常の業務に乗っかってくるので、
夏休み期間中は大忙しでした。
 もちろん病院は「お盆休み」はありませんから、
働き通しです。
 入院患者さんがいるので、日曜日も少なくとも隔週で出勤です。
 私が2年目で行った病院で、上の先生からもらった夏休みは「1日」でした。
 「非番」の日曜日と続けて「2日間」休んでよいと。
 同じ病院で内科や小児科の先生は交代で1週間も夏休みとるというのに・・・・。
 しかし、数年して今度は自分が「医長」になったら、
7、8月の夏休みは「ゼロ」になっちゃいました。
 通常の手術日以外にも毎日数件の手術してるので、
部下は休んでも自分が休むわけにはいかないのだ。
 まあ、9月になって2,3日休みとりましたが。
 夏の間は毎日午前中外来やって、午後手術。
 お昼食べてる間が無いので、オペ室に運んでもらい、
1件目の手術が終わって麻酔覚ましてる間に食べる、
なんてこともあったなあ。
 手術が終わって病棟に回診に行くと、
病室の窓から「花火」が見える。
 前橋の花火大会は毎年8月15日でした。
 病院が川沿いなので、良く見えるんです。
 まあ、そこでずっと見てるわけにはいかないけど。
(病棟だからビールも飲めんし・・・。)
 あの頃はよく働いたなー、などと思いながら、
午後の時間が過ぎていく・・・。
 もう、今日は来ないかねえ、なんていうと、
受付終了間際になって、どどど、って来たりするのだ。
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2010.08.12

8月13日から16日まで休診です。


 今年も8月13日から4日間、お盆休みをいただきます。
 16日まで休み、17日火曜日よりは通常通り診療いたします。
 また、年に一度の家族旅行でダイビングに行っちゃうので、
急患の電話出られません ので、悪しからず。
 耳鼻咽喉科救急の対処法は当院ホームページに書いてありますので、
参考にしてください。
 日赤や地方の公的病院は通常お盆休みはありません。
P7300042_convert_20100801124426.jpg
「レディア」もこの時期、残念ながら動物病院にお泊りです。
「さびしいよー。」
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医療系をまとめました。
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