角度
新型コロナの抗原検査やPCR検査の
検体を採取している場面が、テレビのニュース映像で
しばしば流されるが、
それを見るたび全国の耳鼻咽喉科医は
「その、角度は違う!」
と、毎回心の中でツッコミを入れてるに違いない。
正しい、検体の取り方とは?
綿棒を水平にまっすぐ鼻腔底に沿って入れて、
上咽頭の突き当りまで入れます。
インフルエンザの時もそうですが、
ここから採取することにより
より確実にウイルスの有無を知ることが出来ます。
じゃあ、さっきの写真は何か?
あのやり方は医者ではなく、自分でやるときの
「鼻腔ぬぐい液」の採取法。
これらの違いは、以下のように説明されています。
★鼻咽頭ぬぐい液
新型コロナウイルスは上気道から感染するため、
感染初期には、最も標準的で信頼性が高い検体とされています。
医療従事者が採取するため、飛沫に曝露される危険性があり、
感染予防策を徹底したうえで、
適切な部位から採取することが重要です。
★鼻腔(鼻の入り口)ぬぐい液
医療従事者の管理下であれば、被検者自身が採取でき、
医療従事者が採取した場合の鼻咽頭ぬぐい液と
同様に有用とされています。
検出感度は鼻咽頭ぬぐい液に比べやや劣るとされていますが、
実用性と医療者の感染予防の面から有用な検体です。
耳鼻科医は鼻腔の構造を感覚として完全に理解しているので、
鼻咽頭からの採取が容易にできますが、
内科、小児科の先生にとってはハードルが高く、
つい、鼻にちょっと入れただけでお茶を濁しがちのようです。
どれくらいの感度の違いがあるのか分けりませんが、
オミクロン株になってから、
肺でなく上気道でウイルスが増殖するようになってきたので、
上咽頭から検体が採取できれば、
早期のものでもより的確に診断することが出来ると思います。
上咽頭からさらに扁桃の検体まで採取できれば
より感度が上がると思うので、
ワタシなどは突き当ったらさらに突っ込んで
のどの方に綿棒が回り込むように採取しています。
インフルエンザの検査も
絶対耳鼻科医の方がうまいと思ったが、
今回も同じことが言えそうです。
やっぱり、耳鼻科医って、強いなあ。
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