ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2022.02.08

角度

 新型コロナの抗原検査やPCR検査の

検体を採取している場面が、テレビのニュース映像で

しばしば流されるが、

それを見るたび全国の耳鼻咽喉科医は

「その、角度は違う!」

と、毎回心の中でツッコミを入れてるに違いない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 正しい、検体の取り方とは?

綿棒を水平にまっすぐ鼻腔底に沿って入れて、

上咽頭の突き当りまで入れます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 インフルエンザの時もそうですが、

ここから採取することにより

より確実にウイルスの有無を知ることが出来ます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 じゃあ、さっきの写真は何か?

あのやり方は医者ではなく、自分でやるときの

「鼻腔ぬぐい液」の採取法。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これらの違いは、以下のように説明されています。

 

topics_corona_003.gif

★鼻咽頭ぬぐい液
新型コロナウイルスは上気道から感染するため、

感染初期には、最も標準的で信頼性が高い検体とされています。

医療従事者が採取するため、飛沫に曝露される危険性があり、

感染予防策を徹底したうえで、

適切な部位から採取することが重要です。

topics_corona_004.gif

★鼻腔(鼻の入り口)ぬぐい液
医療従事者の管理下であれば、被検者自身が採取でき、

医療従事者が採取した場合の鼻咽頭ぬぐい液と

同様に有用とされています。

検出感度は鼻咽頭ぬぐい液に比べやや劣るとされていますが、

実用性と医療者の感染予防の面から有用な検体です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 耳鼻科医は鼻腔の構造を感覚として完全に理解しているので、

鼻咽頭からの採取が容易にできますが、

内科、小児科の先生にとってはハードルが高く、

つい、鼻にちょっと入れただけでお茶を濁しがちのようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どれくらいの感度の違いがあるのか分けりませんが、

オミクロン株になってから、

肺でなく上気道でウイルスが増殖するようになってきたので、

上咽頭から検体が採取できれば、

早期のものでもより的確に診断することが出来ると思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 上咽頭からさらに扁桃の検体まで採取できれば

より感度が上がると思うので、

ワタシなどは突き当ったらさらに突っ込んで

のどの方に綿棒が回り込むように採取しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 インフルエンザの検査も

絶対耳鼻科医の方がうまいと思ったが、

今回も同じことが言えそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 やっぱり、耳鼻科医って、強いなあ。

 

 

 

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