副流ウイルス
新型コロナは小学生や未就学児童への感染が広がってきました。
この年代はただでさえ熱が出る風邪が多いので、
診察には大変に神経を使います。
発熱者には電話で問診をし、
疑いがある場合は、駐車場まで出向いて
患者さんはクルマに乗ったままPCR検査。
家族内感染など疑いが濃厚ならば、
先に抗原検査をします。
基本的には飛沫を浴びることはありませんし、
マスク、ガウン、フェイスシールドをしていますので
感染リスクは低い。
だが、この間、準備をして
じゃあ、クルマの窓を開けてください、
と言って、窓がスーッと開いたとたん、
タバコのニオイが・・・・。
この時点でタバコの粒子はエアロゾルとなって、
完全にワタシの鼻の中に入ってるわけで、
新型コロナもエアロゾル感染があるということを考えれば、
実にイヤーな感じ。
そこで、気になって調べてみました。
飛沫あるいはエアロゾルには
どれくらいのウイルスが含まれているのでしょうか。
いろいろな文献、論文を見てみますと
鼻咽頭のぬぐい液のウイルス量は病日によって変化します。
もっとも多いのが第0病日で、
次第に低下し第6病日以降ほぼゼロになります。
その量はもっとも多い第0病日で10⁵∼⁶/㎖といわれています。
10⁶/㎖と仮定してウイルス数を試算した
昨年に出た大阪府立大学の研究グループの論文によると
1000㎛(=1㎜)の粒子には500個のウイルスが含まれているが
100㎛の粒子には0.5個、つまり2個に一個
10㎛の粒子には約2000個の飛沫に一個しかウイルスが含まれていないそうだ。
エアロゾル(飛沫核)は5㎛以下の粒子だから
ウイルスを含む飛沫核は1~100万個に一個の割合
ということになります。
1000㎛の粒子は1秒以内に落下してしまうので
直接飛沫を浴びなければ大丈夫。
100㎛の粒子でも数秒で落下するといわれている。
やはり、窓を開けただけで車内から外に出るのは
5㎛以下の粒子と考えられます。
タバコの煙は0.3~1㎛の粒子であり、
その濃度は10⁷個/mlという高濃度
ウイルスの10倍から100倍ということです。
仮に10倍ということで単純に計算すると、
タバコの粒子に対してウイルスを含む飛沫核の割合は
10~1000万分の1ということになります。
タバコ粒子が何個入るとタバコのニオイを感じるか、
というデータは見当たらず、
ウイルスを何個吸い込めば感染するかというデータも
ちょっと検索できませんでしたが、
ウイルスが一個でも入ったら感染するということはありません。
免疫状態が健全ならば
ウイルスが10個や20個入って感染することはまずないでしょう。
まとめますと窓を開けてタバコのニオイがしても
それとともに吸引されるウイルス量は
タバコ粒子数百万個当たりウイルス1個ということで
非常に微量ということです。
なので、タバコのニオイとともにウイルスが入ってくる、
というイメージは杞憂とみて良いようです。
長時間ならばともかく屋外での30秒程度の検査時間なら
問題は無いでしょう。
でも、気持ち悪いよねー。
早く、コロナ終わってほしい。
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