ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2008.03.16

連敗

 連敗です。完敗です。
2008年J1第2節(埼玉スタジアム2002)
 浦和レッズ 0-2 名古屋グランパス
 んー、ヤバイね、まずいね。やっぱ、俺が行かなかったせい?
 嵐のような花粉症の診察で、へとへとになって
「さあ、リフレッシュするぞ。」と、夜、録画を見て、ダメージの追い討ちをくらってしまいました[emoji:v-406]。
た、立ち直れない・・・。
 高原、何だそのヘナチョコぶりは!坪井、あたり負けてるぞ!暢久、展開力なさ過ぎ!都築、情けないぞ![emoji:v-293]
 何が悪いんでしょう。私が思うに、中盤の支配力が昨シーズンに比べて、著しく低いです。
中盤で、ためられない、ボールを奪えない、相手のパスの出所を抑えられない。
そのために、守備面では余裕を持ったディフェンスができず、後手後手に回る。
攻撃面では前線への効果的なパス出しができないので、2トップが、完全に封じられて、シュートさえ打たせてもらえない。
 ポンテの不在と言ってしまえばそれまでですが、あまりにも中盤の連携がない。つながるパスは後ろ向きの足元へのパスばかり。パススピードもかなり遅くなってるはず。その原因は、ボールを持っていない選手の、いわゆる第2第3の動きが少ないこと。仲間を信じて、飛び出す動きと、そこにパスを出すことを感じてる出し手との関係が、ほとんど見られません。[emoji:v-427]
 もっと中盤で動き回ることによって、前へのパスが出しやすくなるし、パスの選択肢が増えます。それによって、相手のディフェンスも守りにくくなります。後半、永井が入って、一時的によくなったのは
彼が動き回ることによって、相手のディフェンスが、マークを絞りにくくなったからです。
 それにしても、昨日のグランパスはよかったですね。ボールを持った味方を、次々に追い越していく動きは、オシム時代のジェフ千葉を彷彿とさせました。チームがピクシーを信頼して、監督の言うとおりやれば大丈夫、と考えている様子が見て取れました。名古屋って、もともと資金もタレントも豊富なチームだったが、監督とフロントがここんとこいまいちだったのですが、今年は、ベンゲル[emoji:v-498]時代の再現がなるかも?
 あー、やっぱり、早く俺が行かねば!次は、新しい旗もって行くから!待ってろよー[emoji:v-315][emoji:v-364](って誰に言ってんだ?)

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2008.03.15

春の心はのどけからまし

 「世の中に 絶えて花粉のなかりせば 春の心はのどけからまし」
 この季節になると、いつもこの歌が、何回も頭に浮かびます。
もと歌はもちろん在原業平の
「世の中に 絶えて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし」
解釈:この世の中に桜の花がなかったならば(咲いたり、散ったりで、心を悩ますこともなく)春を、のどかな気持ちで過ごせるだろうに。

という「古今和歌集」にある歌ですが、(高校のとき、習いましたねっ。解釈、これであってますか、熊倉先生?)ホンッとにスギ花粉がなければ、春はどんなに楽しいでしょうね。今日も、朝から70人待ち。ウチはインターネット受付なので待ち人数と診療終了人数が、常にコンピューターに出るんだけど、何人診ても待ち人数が50~60人から変わらず
 もっとも、いつもインターネットをうまく利用してる人たちは10~20分程度の待ち時間で呼ばれている。でも、なかには、ネット予約になれてなかったり、知らなかったり、できなかったりで運悪く長くお待たせしてしまう方もこの時期多くいて、申し訳ない
 ともかく、こっちは朝から晩まで、しゃべり通し。声はガラガラだし、のど飴のなめすぎで、気持ち悪くなるし。
 昼休みもろくになく、意識が朦朧として昼食前のほんの15分前に脱いだ白衣が、どこにあるか見つからない。看護婦さんは、耳のレントゲンと言ったのに、何故か器械を回転させて鼻骨のレントゲンのセッティングをしてるし。午後の外来に行って、また60人待ちでならんでるカルテを見て、思わず職員とみんなで、笑っちゃいましたね
 
 ま、いつかは終わる。
 山のようなカルテを前にして、私がいつも、心に唱える座右の銘があります。
「かつて、終わらなかった外来はない 
これは、私が若い頃、医局の先輩M先生と、果てしなく続く泥沼のような下咽頭癌かなんかの手術をしていた時、かのM先生が
「小倉先生、がんばろう。歴史上終わらなかった手術はないんだよ。」
と、いってくれたことに源があります。
 さあ、来週もがんばるぞー。終わらなかった花粉症もないんじゃー

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2008.03.14

許されざる者

  診察をしてると、生活上のいろいろなことに対して専門的なアドバイスを求められることがある。お風呂に入っていいかとか、プールはどうだとか、食べ物は、遠足は、サプリメントは、酒は、タバコは等々。
 やってはいけないこと、やらないほうがいいもの、少しならいいもの、全然問題ないものなど、いろいろです。
 もちろん、医者によって、意見、見解の相違があるのも事実ですが、何でもかんでもダメ、ではなくて、どこまでなら、やっても良いか、というのを、なるべく許可してあげるのが、医者の実力だと思っています。
 ちなみに、「風邪のときにお風呂ダメ」というのは迷信で、元気ならば熱があっても、比較的元気なら入って大丈夫です。かえって体の代謝がよくなり、風邪が早く治ります
これは、全然問題ない例。
 中耳炎や副鼻腔炎のときのプールは、意見の分かれるところですが、私は急性期でない限り(滲出性中耳炎の状態なら)許可します。水泳などで、呼吸器系が強化されれば、かえってメリットになることもあります。
 QOL(クオリティ・オブ・ライフ)という考え方が、医療の現場に導入されて、だいぶ医者の考え方も変わってきました。子供の頃、水泳が習えなくて、一生泳げなくなってしまえば、その人の人生にとって、かなりの損失でしょう。
 ペットについては、私自身、かつて猫を飼っていて、猫アレルギーになってしまったのですが、なるべく許してあげたいです。ウチに来ている子で、ハウスダストや、ダニ、花粉などアレルギーのいっぱいある子の母親から、相談を受けました。知り合いの家で、室内犬を飼っていて、その子も、ぜひ飼いたいと言っている。
ここで、ダメと言うことは簡単ですが、(我が家でも室内犬を飼っている関係もあり)何とか、許可してあげたい。そこで、血液検査をして、現時点では犬のアレルギーがないことを確認して、いろいろな注意事項を守ることを、約束して許可しました。
 一方、これだけはダメ、というものもあります。
 花粉症のとき、布団を外に干すこと、洗濯物を外に干すことは厳禁です。帽子や、マスク、ウインドブレーカーなどの花粉がつきにくい服装も必須です。こういったことをきちんとしないで、「花粉症が治らない」、なんてことは絶対言わないように。
 私なんか、本人は全然花粉症がないのに、家族に花粉症の者がいるので、この時期、外出するときは必ず帽子とウインドブレーカーです。しかも外で花粉を払ってから、必ず玄関で脱ぎます。メンドくさいが仕方ありません。
 タバコに関しては、私は最近きびしいです。自分が吸っていた10年くらい前までは
「んー、なるべくやめたほうが、いいんだけどねー。」
くらいのレベルだったのですが、最近はもう全然吸わないので
「タバコ吸ってんの?そりゃ、治るわけないよ。」
から
「このまま吸い続けると、死んじゃうよ。
くらいまで、脅します。自分は吸わないので、強気です。
 喫煙者の方々、最近、肩身が狭いのではないですか?
禁煙することにより、健康的にも、経済的にも、社会的にも、家族的にも、また地球環境的にもいことばかりです。当院、禁煙外来に一度、ご相談ください。たくさんの、成功者が出ています。
(アー、でも今月花粉症で忙しいから、来月以降のほうが、ゆっくりお話できるかも・・・と言うのは、自分勝手?)
 まあ、プロの目から見ると、世間一般での常識が、必ずしも医学的に正しくない場合もあるので、気になることがあれば、お気軽にご相談ください。

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2008.03.13

ピアスの白い糸

 商売柄、よくピアスをあけます。特に3月は、卒業などをきっかけにピアスを開けに来る、若い人が多いですねー。
 さて、皆さん。
「ピアスをあけたあと、ピアスの穴から、白い糸みたいなものが出ることがあって、それを引っ張ると失明する。」という話、いわゆる都市伝説を聞いたことがあるでしょうか。
この話、結構有名で、どこで聞いてもたいがいの人が「聞いたことがある。」といいます。
さて、この話の真偽は[emoji:e-3]
 お答えしましょう。
「ピアスを開けたあと、穴かな白い糸みたいなものが出ることがある。」→→→「本当です[emoji:v-363]」
「それを、引っ張ると失明する。」→→→「ウソです[emoji:v-363]」
 ピアスを開けてしばらくして、穴から白っぽいひも状の物が出てくることは、まれですが、実際にあります。それは、一体なんでしょう。答えは落屑した上皮、簡単に言えば、「垢」です。ピアスを開けて、しばらくすると、穴の中が表皮のようになります。肉の上に皮が張ってくるのです。だから、ピアスを抜いても、穴はふさがらなくなります。これを医学的に「上皮化」といいます。
 細胞には寿命がありますから、そういった上皮になった細胞も少しづつ死んで、また新しいものに変わるわけです。古い細胞は、いわゆる「垢」として排泄されるわけですが、普通は、少しづつなので、目にはそれとわかりません。
 ところが、うまい具合にそれが堆積するとそれが、ひも状につながって出てくることがあるのです。
 体から糸が出てくる。しかも、白い。血管ではないとすれば、神経に違いない。そういえば、ケンタッキーフライドチキンにも似たようなのがあったぞ。何の神経?ひょっとして、目につながっている?
引っ張ると失明しちゃうかもー!戻せ、戻せー。[emoji:e-270]
 ってんで、また押し込んだりする。「明日、起きて、目が見えなかったらどうしよー。」[emoji:v-12]
などと考えて、不安な一夜を過ごした人は、100、200人ではききますまい。
 大丈夫だから。抜いちまいな。ウチにも2人くらいそういう症状で来た人がいます。引っ張らないように、そーっと来院したわけですが、無造作にピンセットでつまんで引っこ抜いてあげます。
 というわけで、この都市伝説の真相、医者でも意外と知らない人が多いかも。教科書や、文献にはありませんからね。知らない人に教えてあげましょう。[emoji:v-218]

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2008.03.12

セカンド・ウェーブ

 花粉症、多いですねー[emoji:v-356]。今年は、平成17年以来の流行で、カルテを見ると、3年ぶりって方が結構多いです。
 さて、タイトルの「セカンド・ウェーブ」、って何のこっちゃ、と思うでしょうが、これは私が勝手に名づけたものです。
 花粉症の推奨される治療は、花粉が飛び出す、約2週間前を目安に、いわゆる抗アレルギー剤(現在は第2世代の抗ヒスタミン剤といいます)を飲み始めます。このことによって、アレルギー症状の発現を抑制したり、遅らせたりすることができます。これを、初期治療といいます。
 その後、症状に応じて治療をステップ・アップしながら、シーズンを通して薬を飲んでいく、というものです。これと、適切な防御を行うことによって、8割程度の方は、かなり快適にシーズンを送れます[emoji:e-278]。
 この治療をするために1月下旬から2月上旬にかけて、たくさんの患者さんが訪れ、2~3か月分薬を持って行きます。よって、年一回しかお会いしない「常連さん」がいっぱいいるわけです。
 または、レーザー治療をするために12月~1月に来院する方も多いです。
 この方たちの来院が「ファースト・ウェーブ」です。まだ、症状が出てないので、その年の傾向や、飛び始めの予測日を説明し、新しい知見や最新の花粉予防テクニックなどについて、アドバイスをします。花粉症の治療に、まじめに取り組む「よい患者」[emoji:v-290]さんたちです。
 さて、現在来られているのが「セカンド・ウェーブ」、第2波です。花粉症の症状が、いよいよ本格化してきたから、病院に来ました、という方たちです。多くは、発症して数日間という方が多いので、すこし強めの薬を出したり、回避、防御をする上での生活上の注意を説明し(多くの方はきちんとした防御をしていません。)、来年は、もうちょっと早く来てね、と、初期治療の重要性を説明します。
 この時期からだと、治療開始によって、症状は軽くなりますが、症状を完全にコントロールすることは、困難なことが少なくありません。まあ、毎年花粉症に悩まされる、「普通の患者」[emoji:v-291]さんたちです。
来院日から計算して、およそ花粉飛散の終わりまでの日数の薬を出します。
 その次に来院されるのが、私が最も恐れている「サード・ウェーブ」です。
この群は、「まったく治療をせず、根性でがんばってきたが、もう限界だ、何とかしてくれ[emoji:e-270]。」といったスポ根挫折型の方や
「甜茶や、カテキン、サプリメント、鼻に塗る軟膏、漢方薬や鍼、灸、整体、お札やまじない、加持祈祷?」といった、あまり効果のはっきりしないモノに頼ったがダメだったという、民間療法破綻型
(ちなみにこの手のものの中で、唯一ヨーグルトだけはエビデンスがあります。別にカスピ海でなくても、可です。)
また「内科、小児科、アレルギー科など花粉症専門でない病院で治療したが、やっぱりダメだ。」と気づいて、あわてて耳鼻科の門をたたく、かかる病院間違えた型
それから「中耳炎や、副鼻腔炎(蓄のう症)などを合併した。」ので来院した合併症型、などがあります。
 この方たちの、治療と説明が一番大変です。一回の治療では、到底改善しませんし、生活指導も非常に、初歩的なレベルから説明しなきゃならない場合が多く、時間がかかり、骨が折れます。
この群がいわゆる「困った患者」[emoji:v-292]さんたちです。
 皆さん、まだ間に合います。取り返しのつくうちに早く来院してください。で、我慢するなら最後まで我慢してくれ[emoji:e-2]

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