ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2010.12.22

忘年会時代(第3話)


 第1話、第2話の続きなのでそちらから先にお読みください。
 耳鼻科の忘年会芸は、毎年人気を呼んでいたが、
毎年、キャッチーなネタを考えれるのがまたキビシイのであった。
 今年は、どうしようかなあ。
 去年の「M.C.ハマー」は、良かったが、
顔、真っ黒くしちゃって、あと大変だったなあ。
全員で、トイレで顔洗ったけど、なかなか落ちなくてなあ。
「ハマー・タイム!」mc-hammer_convert_20101221215754.jpg
 ああでもない、こうでもないと思い悩む毎日・・・・。
 と、ある日、外来の女の子供の患者さんのシャツを見て
「今年は、これだ。」
とひらめいた。
 それは、当時女の子の大人気だった
「美少女戦士セーラームーン」。
 言わずと知れたこれである。
月に代わってお仕置きよ!2328_key.jpg
 早速、秘密裏に準備を始めた。
 そんな頃、耳鼻科外来に小児科のTセンセイがやって来た。
 この先生、私より10年近く上で、
小児科のナンバー2だったんだが、
結構仲良かった。
「あのさ、オグラ先生、お願いがあるんだけど・・・。」
「また、子供の気管切開ですか、やだなあ。」
「いや、そんなことじゃないよ。」
「じゃあ、どんな?」
「ねえ、忘年会、セーラームーンやるんだって?」
( げっ、ど、どっからそんな情報を・・・。)
・・・いや、手加減しませんからね。」
「そうじゃなくってさ、僕も入れて欲しいのよ。」
「!」
 そういやあ、この先生、酔っぱらうとオネエ言葉になるし、
そっちの趣味あるというウワサも・・・。
「・・・・ううう、まあ、いいでしょう。その代わり、一つ条件があります。」
「おう、どんな?」
 「セーラー・ムーンはボクがやります。
先生は、セーラー・マーズか、セーラー・ジュピターです。」
「ああ、じゃあ、僕、ジュピター で。」
「いいでしょう。じゃあ、頑張りましょう。」(握手!)
 などというような、患者さんのお母さんが聞いたら
ドン引きするような「密談」が交わされたのだった。
 ということで、話がまとまり、
T先生も一緒にやることになった。
 年末の忙しい合間を縫って、
各色のカツラなど、小道具を高崎まで買いに行ったりした。
 衣装作りももうお手の物だ。
 そして、本番、前橋「ミヤマ会館」だ。
 結果は予想以上の大成功で、
終わって、トイレで着替えていると
隣りの広間でやはり忘年会やってた「東京電力」のヒト(実はオレが見てた患者さんだった)が
「いやあ、センセ、スゴイですね。
あとで、我々も使いたいのでその衣装、貸してください。」
といったほどなのだ。
(実際、後日、病院まで借りに来た。)
 もう、ずいぶん昔だなあ。
 実は、このセーラー・ジュピターことT先生、
いまやG中央総合病院の 病院長 なのだ。
(ばらしちゃったけど、もう20年近く昔の話なので。)
 さて、しかし、このあともう一個、タイへンな後日談が・・・。
 人気ブログランキングへ

↑ランキングに参加しています。一日一回応援のクリックをよろしくお願いいたします。
拍手ボタンもよろしくねー。

コメントはまだありません
2010.12.21

忘年会時代(第2話)


続きですので第1話からお読みください。
 さて、「ネタ」はどうするか?
 「忘年会」なので、なるべくその年を象徴するネタがいいなあ、
ということで、雑誌やらテレビやら見ていたが、
ある日、
「これだ!」
というものを発見。
 その年、1990年に大ブームを呼んだ
「鉄骨飲料」
演じるは「鷲尾いさ子と鉄骨娘」 
 これである。
washio1.jpg
 さっそくCDを購入、コマーシャルをビデオに撮り、
準備に入る。
 昼間はできないので、
オペが終わった夜の外来で、
部下のN先生と受付のAちゃんと毎晩猛練習。
 「鉄骨飲料。鉄骨、鉄骨、鉄骨飲料、
     陽気に鉄分カルシウム、毎日こつこつ鉄骨飲料、
         いづれ血となる。骨となる。
               そーれそーれ鉄骨飲料♪~」

 衣装はそれっぽい生地で、3人分のミニスカワンピースを、
外来ナースのヒトが作ってくれ、
ナースストッキングをはいて本番に臨んだ。
 結果、本番の「ミヤマ会館」では
小児科男性ドクター5人による「白鳥の湖」をおさえて
堂々の初出場、初優勝を飾ったのだった。
 耳鼻科外来は一夜にして「宴会王」になったのだ。
(なんだそら)
 しかし、それ以後、毎年、秋になると、
ネタ探しに悩まなくてはならなくなってしまった。
 しかも、病棟の看護婦さんからは、
「今年は、耳鼻科、ナニ?」
と、再三の探りが入るようになった。
 そのうち、順位付けは無くなってしまったが、
(耳鼻科独走のせい?)
毎年、練りこんだネタで、大ウケを続けていたのだ。
~次回に続く
 人気ブログランキングへ

↑ランキングに参加しています。一日一回応援のクリックをよろしくお願いいたします。
拍手ボタンもよろしくねー。

1件のコメント
2010.12.20

忘年会時代(第1話)


 先日赤ぺケ病院耳鼻科の忘年会に行って、
まあ、いわゆる「演芸大会」みたいなもんを見て、
ああー、懐かしいなあ、と思ったものだ。
 私も勤務医時代は「忘年会」と言うと燃えたなあ・・・。
  ・・・・・・・・・・・・
 今を去ること20数年前、
私は、新たに耳鼻咽喉科の科長として、
部下のN先生とともに大学から
G中央総合病院に赴任した。
「ねえ、センセイ、忘年会あるけど、どうする?」
「どうする、って・・・・。」
 実は耳鼻咽喉科の属する5病棟は、
小児科、眼科、歯科口腔外科との混合病棟で、
病棟ナースと、各科外来スタッフと、各科のドクターでの合同忘年会なのだった。
 そこで、毎年、演芸大会で優勝、準優勝など各賞を競う、
という趣向だった。
 耳鼻科の私の前任者はそういうことに興味がなく、
ついでに仕事にもあまり興味がなく、
院内では耳鼻科は「どマイナー」な存在だった。
 私が赴任して、耳鼻科の手術件数は倍増、
外科や整形に乗っ取られていた手術日もすべて取り返し、
最近は他科の手術日も時々食い荒らしている状態。
 もちろん、外来、入院とともに患者数は大幅に増えた。
 ここはひとつ、忘年会でも、耳鼻科の存在をアピールしたい。
(っていうより、この手のモノがもともと好きだ、ってのが本音であった。)
「よし、参加しよう。
しかし、出るからには優勝を狙う。」

 私の、芸人魂に火がついた。
 実は、私には「勝算」があった。
 その2年前、F赤十字病院の医長として初めて赴任した時、
そこでも、同じような忘年会があった。
 そこは、耳鼻科、脳外科、麻酔科、泌尿器科と病棟の忘年会だった。
 その時、耳鼻科は一人常勤だったが、
耳鼻科外来のナース、事務のお姉ちゃんの勢いがすごく、
彼女らに主導されるまま、
私も、ミニのワンピースに網タイツを履いて
ピンクレディーのUFOを踊り、
見事特別賞をゲットしたのだった。
 しかし、その後酔っぱらった脳外科の部長ドクターに、
網タイツの中のパンツにビールをぶち込まれたが・・・・。
 ともかく、その時、つかんだのは
「宴会芸は、おバカさと健康的なお色気だ。」
という、法則。
 やはり、オレだけ網タイツでもキモいだけ。
 若い女の子がやると可愛いけどインパクトに欠ける。
 で、これらを一緒にやると、
女の子がより魅力的に、オレがよりおバカに見えてウケる、
という論理である。
 こうして書くと、あほくさいなあ。
 さて、ともかく、戦いの幕は切って落とされた。
  ~第2話に続く。
 人気ブログランキングへ

↑ランキングに参加しています。一日一回応援のクリックをよろしくお願いいたします。
拍手ボタンもよろしくねー。

コメントはまだありません
医療系をまとめました。
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  
最近の投稿 最近のコメントカテゴリー アーカイブ