2008.03.25
4月から保険制度が改正になる(らしい)。
私は、この辺のこと、非常に疎くて、優秀な事務員にまかせっきりである。
大体、文章を読んでも、さっぱり意味がわからない。そこに書いてある文章は、確かに日本語のようだが、私程度の読解力では、さっぱり理解できない。(おかしーなー、国語はずっと5だったんだけどなー。[emoji:v-388])
老人医療も変わるらしい。何だこの「後期高齢者」って。聞いたことない日本語だ。
件(くだん)の優秀な美人事務員に言わせると
「これって、絶対、天下りだと思います。」
何か新しい組織ができて、保険証も、管轄も変わるらしい。
「きっと、人件費とかもいっぱいかかって、官僚やなんかが、甘い汁を吸うんです。[emoji:v-359]」
ナニが、どう動いているのかはわからないが、彼女の怒りは、納得できる。
保険改正に伴う、膨大な、設定変更を、受付のコンピューターに打ち込むのは、彼女たちなのだ。
毎晩、遅くまで、残業になることだろう。それも、この花粉症の嵐の真っ只中に! 私にしろ、そのソフトを半ば強制的に買わされるわけだから、被害者である。
コンピューター会社も、甘い汁吸ってるぞ。
そもそも、国民健康保険制度はすごくいい制度だと思うのだけど、一部の心無い医療経営者のために、存続の危機に瀕している。
医者も悪いんだよ。
薬漬けや、検査漬け、いらない注射を打ちまくり、あくどく儲ける医者が、いるわけだ。
以前、70歳以上の高齢者は、外来、無料だった。その頃、信じられない話を聞いたことがある。
ウチにかかっていた患者さんが、内科医院でCTスキャンを撮ったのだという。
「あれ、○○さん、どっか悪かったんでしたっけ?」
「いや、内科のいつもかかってる先生が、『○○さん、今月から70歳で医療費タダになるから、一度CTでも、撮っておこうか。』って言うんで、撮ったんさー。『何にもない。きれいだよー』って、言われたんさー。」
「・・・・・(絶句)。」[emoji:v-12]こんなことやってりゃ、保険は崩壊するに決まってるよ。
でも、あそこの先生は、いっぱい薬をくれる、すぐ注射をしてくれる[emoji:v-15]、なんて喜んじゃうお年寄りがいるのも事実だ。
今、子供の医療費が一部無料で、でも自治体によって対象年齢が違う(?)んだよね、確か。
で、私は、あえて、どこが何歳まで無料ってのを知らないでいる。(不勉強の言い訳では、ないぞ。)
それを、知ると、何かそれにとらわれそうで、ニュートラルな診療がしにくくなる気がするので。
以前、急患で日曜日に来た患者さんのお母さんに、診察が終わって
「今日、休みだから、お会計は、今度のときでいいです。」
と言ったら
「えっ、お会計、かかるんですか?」
と訊かれて、あせった。いつもウチにかかってる子供だったので
「いつも、ないんでしたっけ?[emoji:e-263]」
と、間抜けな質問をしてしまいました。
ともかく、事務の皆さん、がんばってください[emoji:e-51]。あとで、何かおいしいものでもご馳走しますので[emoji:e-146]。
2008.03.24
この間の土曜日で連続200人オーバーはやっと途切れ、一山超えたかなーと思いましたが、
また本日200人越えで、この半月ずっとこんな感じですね。やれやれ。[emoji:v-292]
今日最後の患者さんは、時間外(でも続いちゃってるけど)の魚の骨。あー、もうみんな、晩飯食ってるのかー。腹減ったなー。
そういえば、研修医の頃、大学の当直なんかをするわけですが、もっともいやだったのが鼻出血と魚の骨でした[emoji:v-404]。急患では、耳が痛い、熱が高い、呼吸が苦しい、鼻が殴られて曲がった、10円玉を飲み込んだなど、いろいろな患者さんが来るわけですが、鼻血と骨は、その場で結果が出ます。
患者さんの症状によって、緊急手術が必要ならば、待機の先輩医師を呼ぶわけですし、まず薬を出して、また明日来てくださいということもできる。状態が、かなり悪ければ、とりあえず入院させて経過を見ます。
その点、鼻出血も、重症なら入院ということもあるわけです。
一方、魚の骨は困ります。何しろ、原因は、はっきりしてるので、診断も何もありません。患者さんとしては、早くとって楽にしてくれ、というわけです。取れなくて困るということはほとんどありません。
見つからないのが困るのです。魚の骨くらいではレントゲンに写りません。
患者さんは、軽く考えていますから、先輩の先生が来るまで待っててくださいというわけにも行きません。また、そんなことで、呼び出すわけにも行きません。
でも、新米医師[emoji:v-116]には、なかなか見つからないものなのです。
やはり、何回も見ていると、カンやコツもわかってきて、意外とあっさり取れるものです。最近、視力はどんどん落ちているのに、あー昔は、こういうの見つかんなかったろうなーと思うものがすぐ見つかります。もちろん、顕微鏡や、ファイバースコープなどのアシストも大事なのですが、どこを探せばいいか、ということがわかるようになってきます。
以前、病院にいたころ、夕方、魚の骨の異物の方が来ました。午前中、内科の病院にかかったら
血液検査から、レントゲンまで撮られて、見つからず耳鼻科に行くようにいわれてきたそうです。
外来で、ちょっと見てすぐ取ってあげました。患者さんは喜んでいましたが、午前中のあの、高額な診療代は何だったんだ、と嘆いていました[emoji:e-443]。
まあ、この場合は、患者さんの病院の選択ミスですが、医療技術の低いところのほうが、報酬が多くなるという、保険診療の矛盾もありますね。
最後に、興味深い話を。
2-3年前、夜、当院に急に耳が痛くなった3歳くらいの子が急患できました。
「風邪はひいてましたか?」
「いいえ。」
「鼻水出てました?」
「いいえ。全然。普通にご飯、食べてたんですが、急に耳を、押さえて泣き出して、大騒ぎなんです。」
この時点で、ムムムッと思ったわけです。
一応、両耳を見て
「んー、中耳炎はありませんねー。ところで、おかず何でした?お魚じゃなかったですか?」
「えー、はい、そうですけど・・・。」
「あっ、そう、はい、じゃあ、お口アーンして。ほらっ、取れましたよ、魚の骨。」
キツネにつままれているような、お母さんと、おばあちゃん。そして、子供はけろっと泣き止んでいます。
そうです、魚の骨が扁桃腺に刺さると、耳の痛みを訴えます。
もちろん、中耳炎も考えられますが、食事のときというのは嚥下によって、耳管が、働いてるときなので、鼻も出てない子供が、いきなり泣き出すような激痛になることは、あまり考えられません。
こんなこと、経験がないと、ナカナカ、気づきませんし、家族も、夢にも思いません。
でも、この時はもう、口の中見る前から、確信してました[emoji:v-218]。
で、今日最後の、アジの骨、めちゃ細かったけどすぐ取れて、事なきを得ました。
めでたしめでたし[emoji:e-402]。