A-4F スカイホーク
アメリカ海軍の攻撃機というと、今はF/A-18ホーネットが、
本来は戦闘機なのだが攻撃機の能力も兼ね備えた、
マルチロールファイターとして運用されているが、
かつて攻撃機はその役割によってさまざまな「専門職」を与えられていたので、
実に多彩な機種が同時に運用されていた。
そのなかで、軽量で爆弾倉を持たず、
小型で離着陸性能が良いので軽空母や局地でも運用できる
独自のコンセプトで成功したのがこのA-4スカイホークです。
エタンダールを作ったあと艦上攻撃機が急に作りたくなったのですが
ハセガワ社製は古くてパネルラインなど間違いが多い、と聞いたので、
絶版になっているフジミのキットをヤフオクで落札しました。
一見よさそうですが・・・
デカールが死んでいました。(T_T)
とくに垂直尾翼の部隊マークは、完全にやられていて、
バラバラ防止のニスを使っても使い物になりません。
仕方なく塗装で何とか。
まず、マスキングテープをダメデカールの上に貼り、
カットして型紙を作ります。
これを使って、まず中の青色を吹きます。
次にフチの部分を残して中をマスキング。
イエローを吹きます。
まあ、いいか・・・・(-_-メ)
てなわけで、でっちあげたA-4F スカイホーク。
やっぱり、ハイビジはイイ。
ちなみにハイビジとは、1980年代から順次採用された
アメリカ海軍の低視認性塗装(Low Visibility;通称ロービジ)に対して、
それまでの部隊マークがはっきりとしている従来型の仕様に対する言葉ですが、
高視認性なんて言葉はもともとないので、
ちょっと表現としてはおかしい。
絶好調に対して、絶不調なんていう言葉が作られた経緯に似てますね。
これが「ロービジ」のスカイホーク。
同じくフジミのキットですがつくったのはもう20年くらい前かなあ。
マーク類はわざと見えにくくなっていて、よく見ないとわからない。
面白いマークなんですけどね。
まあ、これはこれでいいんですが、
A-4のような古い機体はハイビジの方がしっくりきます。
こっちは、逆にあまり、まじまじと見ないように。(^^;)
非常にコンパクトなデルタ翼。
折りたたみなしで空母のエレベーターに収まる。
第二次世界大戦時代の空母のエレベーターにも収まったという。
エド・ハイネマンの優れた設計で、
安価で、タフで、整備性に優れ、使いまわしの良い飛行機として
「ハイネマンズ・ホットロッド」と呼ばれました。
E型以降では新型航空電子装置(アビオニクスパック)の追加により、
背中が盛り上がったせむし状になった。
そして、艦上攻撃機ということで、このクラウチング姿勢。
マッチョなスタイルが何となく、幻の金メダリスト、
ベン・ジョンソンを思い出します。
今回はデカールの件があったので、
ともかく、完成させることが至上命題でした。
他のデカールも粉々になるのでニスをスプレーし、
それでもノリが劣化していて台紙からはがすために一晩水につけっぱなしにしたり、
はがすときは特殊なピンセットで慎重に行いました。
攻撃機ではあるが、戦闘機並みのその軽快な運動性で、
海軍曲技飛行隊ブルーエンジェルスに採用されたり、
アメリカ海軍戦闘機兵器学校、いわゆるトップガンでは
MiG-17役の仮装敵機として活動。
映画「トップガン」にも教官機で登場。
また、ベトナム戦争ではズーニーロケット弾でのMiG-17撃墜記録もあります。
装備はすべて翼下パイロンに。
外側の筒が4連装のズーニーロケット弾。
実は、このA-4もアルゼンチン海軍が採用していて、
対イギリスとのフォークランド紛争では
アルゼンチン海軍唯一の空母「ベインティシンコ・デ・マヨ」から発艦し、
イギリス軍を攻撃したという。
この言いにくい名前の空母は
元はアルゼンチン海軍がオランダ海軍から購入した空母「カレル・ドールマン」、
そしてそのまた元をたどると、そのフネはイギリスが建造した
空母「ヴェネラブル」としてイギリス海軍艦籍であったのだ。
これがアルゼンチンの空母として
かつて生まれ育った母国イギリスと戦うことになるとは、
まさに因果は巡る糸車。
英艦時代の艦名「Venerable」は
「由緒正しい」という意味というのも、また皮肉な話である。
A-4のアルゼンチン海軍仕様のプラモデル、どっかないかなあ。
あれば作ってみたい。
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