薬指の憂鬱
金曜日には鼻茸の外来手術があった。
心配だったのはこの指。
動くかどうかが心配なわけではない。
鼻内手術では左手はほぼ硬性内視鏡を持ってるだけなので、
細かい動作は要求されない。
心配だったのはオペの手袋が指に入るかどうかでしたが、
まずオペ用手袋の指の部分を切って装具に被せ、
その上から滅菌手袋を無理やりはめたら
なんとか装着することができました。
オペは問題なかったのだが、
日常診療で薬指が動かないのは
非常に不便を感じている。
右手は処置に使うので、
鼻鏡、耳鏡は必ず左手で扱うことになる。
鼻鏡を普通に開こうとするとつかえてしまうので
指をずらすと、今度はうまく把持できない。
こんな感じで鼻鏡もやや扱いづらいのだが、
しかし、なんといっても耳鏡である。
耳鏡ってこんなシンプルな形なのだが、
外耳道は屈曲しているので、
耳介を斜め上に引っ張り上げるようにしないと
鼓膜が見えないのだ。
左耳を診るときは、
主に左手の人差し指を耳介に引っ掛けて吊り上げますが、
場合によってはちょっと右手を使うこともできる。
だが右耳を診るときには、
人差し指と薬指で耳介を挟んで後上方に引き上げることになる。
これが全くできないのだ。
むろん、右手は使えない。
この40年近く、毎日毎日
全く無意識にやっていたこの動作が突如できなくなり、
研修になりたての頃、器械が上手く扱えなくて
苦労したのを思い出しました。
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