ハインケルHe-51~華々しくデビューしたものの・・・
たまには複葉機。
箸休め(?)に作ってみました。
ハインケルHe-51。
ハセガワのキットで、発売は1970年、
同社初の複葉機として発売されました。
コレは、水上機版とのコンパチになったキットですが、
買ったのは1980年代でしょうか。
ミュルサンヌは前橋市の模型屋さんなので。
もう一機、並行して。
ブリストル・ブルドッグ。
これはどこで買ったのかなあ。
オリジナルは1969年の発売のようです。
このパッケージは1991年の6回目の再販。
すでにエアフィックス社は1981年に倒産し
MPCの買収を経て1986年からハンブロール社の傘下に入っています。
これはメイド・イン・フランス。
エアフィックスもハンブロールもイギリスの会社ですが、
同じく倒産してハンブロールの傘下になった
フランス、エレール社の工場で生産されたのだろうか。
キットの発売年はほぼ同じだが、
右のエアフィックス製のシャキッとメリハリのあるパイロットに比べて、
左のハセガワくんはかなりのっぺりです。
この頃はまだ、タミヤを除く日本のキットは世界の後進でした。
同じ衣装にしときます。
第2次世界大戦前のパイロットの服装がよくわからないので。
さて、いつものように素組みですが、
排気管くらいは穴開けます。
こちらハインケルHe-51のBMW製V12の排気管。
手前が開口後。
こっちはブリストル・ブルドッグの排気管。
かくして完成。
ハインケルHe-51、1933年就役。
ナチスが政権をとった年です。
エンジンはBMW製V型12気筒。
航空機のエンジンは星形や、逆V型が多い中、
これは自動車みたいなエンジン。
なので、こんな形の頭でっかちの機首になっています。
さて、この機体はドイツ空軍の十字のマークではありません。
今回の仕様は1936年のスペイン内戦にドイツから義勇軍として派遣された
「コンドル軍団」。
1918年に第1次世界大戦に敗れたドイツは、
軍備の保有を禁じられていたが、
1935年、ヒトラーはベルサイユ条約を破棄し、再軍備宣言をします。
その時、ドイツ空軍の主力として大々的にアピールされたのが
このハインケルHe-51でした。
ハインケル社は、軍備禁止下にあってスポーツ機として
戦闘機になり得る航空機の開発を進めており、
その発展型のハインケルHe-51は新生ルフトバッフェのシンボルでした。
そんなわけで、ヒトラーは1936年スペイン内戦に
新兵器のテストをかねて介入したのです。
当初は旧式機相手にそれなりの戦果をあげましたが、
実はこの機体は、その当時すでに性能、武装とも時代遅れになっており、
1カ月後、ソ連軍がポリカルポフI-15、I-16を援助すると
これらに対し全く歯が立たないことが判明しました。
ナチスのプロパガンダによりドイツ国民の喝采を浴び
華々しく登場したハインケルHe-51は
あっという間に第1戦を退き、練習機としての地位に下げられました。
そんな、ドン・キホーテ的なこの機体が
つかの間の活躍をしたのが、
このスペイン内戦の極初期だけでした。
ブルドッグは次回に。
コメントはまだありません
コメント/トラックバック トラックバック用URL: