オンライン講習にて
週末、日本耳鼻咽喉科学会総会のオンライン講演を
ずっと聴いてて、ふと気が付いたことがあります。
いろいろな分野に様々な専門的な言い回しがあります。
いわゆる専門用語、テクニカルタームではなく、
日本語の「使い方」です。
たとえば気象用語では、風の強さは
強い風が風速15~20m
非常に強い風は20~30m
猛烈な風が30m以上らしい。
なので「猛烈な風は、午後には非常に強い風になりました」というと
風が弱まったことになります。
日本語的には?な表現です。
株式、経済用語はさらに奇奇怪怪で、
ワタシはまったく疎いので全然わかりませんが、
ニュースを聞いていると
「下げ止まり」「しっかり」「小戻す」「弱含み」など
日本語のようで日本語では無い表現をよく耳にします。
ネットで調べると「しっかり」は
「相場がいくらか高くなって、上げ気味な状態。」
だ、そうだ。
「上げ気味」もよくわかんねー。(@_@)
サッカーでも「ラインを上下させる」
というのは
ディフェンスの横並びの位置を相手陣内に近いほうにしたり、
自陣ゴール近くまで移動したりすることで、
知らなければ何のことかワカラナイ。
「チンチンにする」は、
相手をコテンパンにやっつける、もしくは
一対一の場面で相手をボールコントロールで翻弄する、
場合に使いますが、サッカー以外では何のことやら。
それで、学会の講演を聴いていて、
やけに耳に残ったのが
「~にて」という言い回し。
「CTにて、これこれの所見が認められ・・・・」
「電気メスにてこれを切開し・・・・」
「この処置をベッドサイドにて施行し・・・・」
「合併症にて不幸な転機を・・・」
これらはすべて「~で」で置き換え可能ですが
全て意味が違い「CTにて」は「CTの画像では」
「メスにて」は「メスを用いて」
「ベッドサイドにて」は「ベッドサイドに於いて」
「合併症にて」は「合併症によって」
という意味をすべて「にて」と言っています。
たぶん、普通の日本語の会話では
あまり登場しない言い回しなのでは。
実は、この言い回しは
カルテに手術記事を書くときに多く用います。
伝統的にオペ記事の言い回しは「~にて」を使うようです。
耳鼻咽喉科は外科系なので、皆この言い回しを用いますが、
内科の先生も使うのかなあ。
コメントはまだありません
コメント/トラックバック トラックバック用URL: