ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2020.10.25

オンライン講習にて

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 週末、日本耳鼻咽喉科学会総会のオンライン講演を

ずっと聴いてて、ふと気が付いたことがあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いろいろな分野に様々な専門的な言い回しがあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いわゆる専門用語、テクニカルタームではなく、

日本語の「使い方」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 たとえば気象用語では、風の強さは

強い風が風速15~20m

非常に強い風は20~30m

猛烈な風が30m以上らしい。

なので「猛烈な風は、午後には非常に強い風になりました」というと

風が弱まったことになります。

日本語的には?な表現です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 株式、経済用語はさらに奇奇怪怪で、

ワタシはまったく疎いので全然わかりませんが、

ニュースを聞いていると

「下げ止まり」「しっかり」「小戻す」「弱含み」など

日本語のようで日本語では無い表現をよく耳にします。

ネットで調べると「しっかり」は

「相場がいくらか高くなって、上げ気味な状態。」

だ、そうだ。

「上げ気味」もよくわかんねー。(@_@)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 サッカーでも「ラインを上下させる」

というのは

ディフェンスの横並びの位置を相手陣内に近いほうにしたり、

自陣ゴール近くまで移動したりすることで、

知らなければ何のことかワカラナイ。

「チンチンにする」は、

相手をコテンパンにやっつける、もしくは

一対一の場面で相手をボールコントロールで翻弄する、

場合に使いますが、サッカー以外では何のことやら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それで、学会の講演を聴いていて、

やけに耳に残ったのが

「~にて」という言い回し。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「CTにて、これこれの所見が認められ・・・・」

「電気メスにてこれを切開し・・・・」

「この処置をベッドサイドにて施行し・・・・」

「合併症にて不幸な転機を・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これらはすべて「~で」で置き換え可能ですが

全て意味が違い「CTにて」は「CTの画像では」

「メスにて」は「メスを用いて」

「ベッドサイドにて」は「ベッドサイドに於いて」

「合併症にて」は「合併症によって」

という意味をすべて「にて」と言っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 たぶん、普通の日本語の会話では

あまり登場しない言い回しなのでは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 実は、この言い回しは

カルテに手術記事を書くときに多く用います。

伝統的にオペ記事の言い回しは「~にて」を使うようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 耳鼻咽喉科は外科系なので、皆この言い回しを用いますが、

内科の先生も使うのかなあ。

 

 

 

 

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