「理系」と「文系」
最近見たfacebookのネタにこういうものがあった。
「理系と文系」
300円もって買い物に行き170円の買い物をしました。おつりはいくらでしょう。
理系の答え「130円」
文系の答え「30円」
ちょっとなるほどと思う反面、やっぱりそうじゃないだろ、
と理系の身としては反論したくなる。
文系「30円」はいいとして、
理系は「0円または30円」と答えるのではなかろうか。
300円というと一般に100円玉3枚を連想するが、1円5円10円50円玉が混じっていて
ピッタリ払えたかもしれない。
または、現金300円とはいってないので、お釣りのもらえる商品券かなんかだったら
130円ということもある。
300円持っていてもカードで払えばおつりは0円だ。
ひょっとしたら、これに消費税が加わり
さらに複雑な計算になるかもしれない。
そういった、メンドクサイことをいちいち場合分けして考えるのが「理系」なような気がする。
ワタシの好きな有名なジョークがある。
スコットランドの郊外を鉄道で旅行中の3人の科学者がいた。
一人は天文学者、一人は物理学者、そしてもう一人は数学者。
車窓から一匹の黒い羊が草をはむ様子が見えた。
天文学者が言う。
「スコットランドの羊は黒いんだ。」
物理学者が答える。
「いや、スコットランドには少なくとも一頭の黒い羊がいるということだよ。」
それに対する数学者のコメントは
「いやいや、スコットランドには少なくとも一頭の羊がいて、その少なくとも片側が黒い、というべきだよ。」
ここに出てくる人たちはみな「理系」だが一般にいわゆる「理系度」は
天文学者<物理学者<数学者ということだろう。
一般には高校に入ってのち、進路選択に当たって「文系」クラスと「理系」クラスに分かれる。
そして、理系コースを選んだものは、この「理系的思考」をたたきこまれるのだ。
とくに「数ⅡB」は面白かった。
問題を解くに当たって、いわゆる「場合分け」がイヤになるほど出てくる。
たとえば分母にくる x が x≠0 の場合と x=0 で分ける類のやつである。
最初は「解けた」と思っても場合分けを見逃して部分点しかもらえなかったりで、
えー、何だよー、ずりー、などといっていたが、
次第にこの「あまり普通は考えないけど、ありうる選択肢さがし」
というゲームにはまっていくのだ。
高校数学が日常の生活に直接役立つ、ということはまずないが、
医者をやっていくうえで、考えられるあらゆる可能性を想定し、
その中から有効な答えを探していく、という数学的思考法は日常的に非常に役立っていると思う。
その上で、さらに割り切れないのが人間の体なのであるが、
理系思考の我々は、まだなお、そこにも
何かまだ知らない場合分け、
付加すべき未知の係数きっとあるんだろうなあ
などと思いながら診療をしてるわけです。
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