TOYOTAの悲劇
6月の夏至に最も近い週末といえば、言わずと知れたル・マン24時間レース。
以前も書いたことがあるが、毎年この時期は妙にソワソワ。
今年はスカパーで中継アリ。
そんわけで、日曜日は朝からテレビつけっぱなし。
耐久レースなのでずっとテレビの前にはりついてるわけではなく、
他の事をしたり、食事をしたり、外出したり、その合間にテレビをチェック。
総合優勝にからむLMP1クラスは、今年はトヨタ、ポルシェ、アウディが2台づつエントリーし、
ここがレースのメインである。
スタート時は結構な雨が降っていて、ペースカー・スタートだったが、
一仕事終えて、戻ってみると晴れていた。
それにしても、日本車が過去優勝したのは1991年のマツダ787Bのみ。
これは感動した。
トヨタも、日産も、莫大な資金と時間をかけたが、いまだに総合優勝は無い。
日産は1989年、デイトナ24時間を制してル・マン制覇に期待が高まったが、リタイア。
トヨタに至っては2位どまりが4回ある。
今回、トヨタは相当の覚悟をもってル・マンに臨んだらしい。
夜を迎える前にトップに立ったが
残り4時間、依然、トップを走っている。
今回は、行けるか?
おそらく、ワタシを含め全モーター・ファンが考えていたのは1994年、1998年のル・マン。
1994年、最後のCカーのレース終盤、2位ポルシェに6分の差をつけて首位を快走するサードトヨタ94C。
しかし、残り3時間となったときまさかのトラブル。
ピットにはたどり着いたものの作業に12分を費やし優勝を逃す。
だが、残り3時間は切った。
しかし、まだ、安心できない。
1998年、ル・マン必勝の決意のもとに怪物マシンTS020を持ち込んだトヨタだったが、
トップを走っていた車がなんと終了30分前に、リタイア。
コレもテレビで見てて、絶対勝ったと思ったが、なんてこった、という結末であった。
しかし、今年は、その30分も切った。
どこにもスキはない。
おお、ついにトヨタ30年目にして悲願の初優勝か。
解説の由良拓也さんが、あと6時間走っても大丈夫ですね、なんて言った矢先。
あとワンラップ、残りわずか6分で「ノー・パワー!」の車載無線。
ナニ、なんだって!!
のんびりビールを飲んでいたワタシも、その横でスマホなんぞをいじっていた妻も、
思わず画面にくぎ付けに。
パワーダウンのトヨタ、しばらくよろよろ走ったが、路肩にスルスルと止まる。
同ラップのポルシェが迫る。
止まったトヨタの横を走り抜けていくポルシェ。
世界中が凍り付いた。
一体、何が起きたのだ!?
トヨタはまたしても勝者になれなかった。
優勝は大逆転のポルシェ。
残酷な結末。
ワタシはトヨタファンではなく、どちらかというとアンチトヨタであるが、
これは、カワイソウすぎるなあ。
ここまでやっても勝てないのか。
ポルシェはこれで18勝。最多を更新。
しばし、我が家もボ―ゼンとしていた。
ここまで、毎回勝利をほぼ手中にしながら、ついに勝てない。
あれ、どこかのサッカー・チームみたい、ですか。


[…] 参考記事「TOYOTAの悲劇」「あの悔しさはすべて伏線だ」 […]