N抗体の保有率
厚生労働省の専門家会合で、
先ごろ以下のようなデータが発表されました。
国立感染症研究所が11月6日から13日にかけて、
全国で献血をした16歳から69歳の男女8260人を調べたところ、
新型コロナウイルスの感染後に得られるN抗体を持っていた人の割合は26.5%でした。
都道府県別では第7波で感染者が多かった沖縄県が46.6%と最も高く、
最も低かったのは長野県の9%でした。
年代別で最も高かったのは16歳から19歳の38%で、
60歳から69歳は16.5%と最も低くなりました。
このデータをどう読むべきか。
まずN抗体とは新型コロナウイルスの抗体のうち、
感染によって得られる抗体のことです。
ワクチンによって得られる抗体は、
スパイクタンパクに対するS抗体のみなのに対し、
感染によって獲得される免疫は、
S抗体とN抗体の両方になります。
ということはこの献血者のうち、26.5%が、
実際に新型コロナウイルスの感染歴があった、ということで、
その中には軽症や無症状で本人に感染した自覚が無い、
という例も含まれている、ということ。
さらには、このランダムな検体からの統計により
ざっくり国民の4人に1人くらいは
もうコロナにかかった経験があると言ってもいい、
ということです。
同様の統計が今年2月にもなされており、
この時のN抗体保有率は、
4.27%に過ぎなかったことを見ると、
オミクロンになってから急激に感染率が高くなった、
ということがわかります。
さて、このデータは諸外国と比較してどうなんでしょうか。
イギリスでも同様の調査が行われており、
イギリスのN抗体の保有率は80%を超えているそうです。
多くの欧米諸国でも同様の割合と見られ、
だからワールドカップでマスクをしていなくても大丈夫、
というわけですね。
我が国はまだその領域には達していない、
ということなのですが、
これは日本国民が真面目に感染予防、マスク生活を続けてきたせいだ
と判断できます。
真面目にやってきたのに、
ナゼ日本だけもっと我慢しなきゃいけないの、
それって損してるみたい、
と思う向きもあるでしょう。
でも、欧米は現在の状態に達するまでには、
相当の代償を払っているということを、
考慮しなければなりません。
日本の致死率0.2%は、
アメリカの1.1%、ブラジルの1.9%などから比べると
断然低く、イギリスも0.8%なので、
予防措置はそれなりに奏功してると思われます。
このまま、のらりくらりと乗り切る、
という方針も悪くはないし、
日本人にあってるのかもしれません。
それにしても、こうしてみると沖縄のゴールは近いが、
長野のゴールはまだまだ先だなあ。
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