ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2019.04.27

G.W.といえば・・・

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さて、世間的には今日から10連休。(当院は明日から3連休、と5連休)

NHK的には大型連休、一般にはゴールデンウィーク、

今年は長いのでプラチナウィークと言ってたメディアもありましたが、

あまり浸透してませんね。(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今を去ること33年前、

昭和60年4月にワタシは医師国家試験を受けました。

合格発表は5月中旬ですが、

当時は慣例的に新入医局員はゴールデンウィーク明けから出勤、

ということになっていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 医学部を出ても、なんら実務的なことはできないペーペーですから、

まずは、勉強、勉強です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 先輩について、治療や病棟のことを覚えていき、

カルテの書き方なんかも学ばなければいけません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時間を見つけては、カルテの医学用語や、病名、処方されている薬

などをノートに書き写し、教科書や辞書などで調べます。

細かいコトまではいちいち先輩は教えてくれませんから、

自分なりに知識を増やさなければなりません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 入院患者さんの分厚いカルテを開いて、

病歴、所見、検査結果、手術記事、治療経過などを読み込んでいくわけです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 と、ナース・ステーションにおいてあるカルテを開くと

直近の病棟カルテの病歴・処置欄には

毎日日付のあとに「G.W.」の2文字の記載のみが繰り返されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なるほど、ゴールデンウィークは手術や検査などは入らないから、

毎日「G.W.」なんだな、

だがなんでわざわざカルテに毎日ゴールデンウィークなんて書くんだろう、

決まり切ってるのに、書くことが無いからかな、

憲法記念日とか、こどもの日とは書かないのかな、

などと勝手に思っていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 で、先輩に、連休中なので毎日G.W.と書いてあるんですか?

と、尋ねたところ・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あほか、こりゃ、「ホーコー」じゃ。

と、言われてしまいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ホーコー」????

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ほうこう」は漢字では「包交」と書き

「包帯交換」のことだったのです。

当時のカルテの医学用語はほぼドイツ語、

ドイツ語の「包帯交換」は「Gaze Wechsel」といい、

これを略号で「G.W.」と書いていた、ということでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 たしかにゴールデンウィーク中は手術は通常ないが、

術後の患者さんは毎日ガーゼ交換をするわけで、

これを行ったことについての記載だったのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いまは、カルテにドイツ語使うことはあまりないと思いますし、

電子カルテ化もされているので、このようなことはないと思いますが、

昭和の外科系医局ではこのようなアホな質問をする新人研修医が

毎年この時期、500人以上はいたのではないかと思われます・・・・。(^^;)

 

 

 

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