F-4CファントムⅡ
MiG-21が東側諸国のベストセラーならば、
西側諸国のそれはF-4ファントムⅡで間違いない。
もともとはアメリカ海軍の艦上戦闘機として開発されたが、
その性能、使いまわしの良さで、アメリカ空軍も採用。
その後、日本をはじめとする西側諸国の代表機として、世界の空の半分を支配した。
今回は空軍仕様のF-4C、迫力のベトナム迷彩で。
この間、ロールスロイスエンジンに転換した
イギリス海軍仕様のファントムを作りましたが、
実は、ワタシ、この本家本元のアメリカ軍のファントムを作るのは、
生まれて初めて。
子供のころタミヤの1/100ブリティッシュファントムと、
ハセガワの1/72空自ファントム(旧金型)を作った覚えはあります。
ハセガワの新金型のキットは例によって前後で複雑に分割され組みにくそうだ。
果たして、この合わせ目を整形するのに多大な時間を要した。
この時期のハセガワのキットは繊細で正確なのだが、
ワタシのような大雑把なモデラーには苦痛だ。
なんとかかんとか、完成。
コーションマークが多いのも好きじゃないけど、
一生懸命貼りました。(でも、一部省略。)
実はファントムⅡは、子供のころ好きでは無かった。
だって、カッコ悪いんだもの。
他のアメリカの戦闘機、F-5、F-104やF-102、106などに比べて、
ずんぐりとデカくてブサイク。
実際に、開発当時関係者の間では「醜いアヒルの子」といわれたらしい。
で、その「醜いアヒルの子」が「美しい白鳥」になったかは疑問だが、
戦闘、爆撃から偵察まで何でもこなすタフな
「最強の猛禽」になったことは間違いない。
西側としては唯一5000機以上が生産され、
1958年の初飛行以来60年以上たつが、
本国アメリカでは退役したものの、
日本をはじめ、今だ現役で運用する国も多い。
グラマン社のネーミングが「ヘルキャット」「パンサー」「トムキャット」
などのネコシリーズ、
ロッキード社が「スターファイター」「シューティングスター」「スターファイア」
などの星シリーズなのに対し、
マクダネル社は「バンシ―(妖精)」「デモン(悪魔)」「ゴブリン(精霊)」
などのお化け(!)シリーズで、
「ファントム」は「幽霊、亡霊」の意味。
先代に「FH-1ファントム」という機体があるので「Ⅱ」をつけて「ファントムⅡ」と呼ぶ。
まさに21世紀の空を飛ぶ20世紀の「亡霊」である。
特に実戦を経験したこのベトナム迷彩仕様からは、
武器としての迫力、
「血の味」を知っている「Bird of Prey」の凄味が伝わってきます。
証(あかし)はこの整流板に書き込まれたキルマーク。
2つの赤い星がこの機体がMiG戦闘機2機を撃墜したことを示します。
ファントムⅡは複座、
戦闘機の複座はこの機体と後継のF-14トムキャット以外はあまりない。
空軍機なのに巨大な着艦フックがついているのは、
艦上戦闘機としてのこの機体の生い立ちを示します。
双発エンジンも広い海上で運用するため、
片方が壊れても空母まで帰れるようにとの配慮。
あれ、垂直尾翼のピトー管が曲がっちゃった。
直しとかなければ・・・。
この時期からハセガワのキットはミサイルなどの装備が別売になった。
セコイったらありゃしない。
なので、この機体もサイドワインダーはストックからかき集めたが、
主力兵器である4発のスパローミサイルは、空っぽです。
どうせ、ひっくり返さなければ見えないし。(^^;)
さて、こうなると海軍仕様のF-4B、ロングノーズのF-4Eも並べてみたくなる。
(実は、ストックにあるので(^^;)。)


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