ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2016.07.13

研修会で禁煙指導についての講義をしてまいりました

 

 水曜日の午後、その特定保健指導ナンタラの講習会の講師に出かける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 出発に手間取ったのは、会場がカーナビであれこれやったが入力できなかったため。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 県庁の近くらしいので、栃木県庁を行き先に入力して出発。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ともかく昨日のブログに書いたように

 配布資料のことでさんざん迷惑をかけたので遅刻だけは避けなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 昨日読んだ1週間前のメールに14:15までに来てください、というのを発見して

これだけは厳守しなければ、と心に誓う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 昼メシは途中で牛丼でも食べることにしたが、激しい雨。

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 この天気なので、アルバムのチョイスは「Hard Rain / Bob Dyran」。

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 カーナビによると、14:00頃到着とあるが、

 場所がしっかり特定できてないうえ、宇都宮市のど真ん中なので渋滞があるかもしれない。

 ともかく遅刻しないようにと、結局昼メシは我慢してしまい、だいぶ早く着いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 携帯で連絡をしようと思ったら、男性が出てきて「オグラ先生ですか。」と尋ねてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 駐車場に誘導してもらい、ビルの9階まで上がる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 講師控え室と書かれた部屋に案内され、

「間もなく、先生とやりとりしていた菊地が参ります。」

 と言い残して部屋を出る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そうだ、配布資料の件でさんざん迷惑をかけた菊地さんは電話で女性の声だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 このヒトの上司なんだな、やっぱり学校の先生みたいな怖いおばさんなんだろうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こんなに、締め切り守らない講師はいない、などと思ってるだろうなあ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 などと、思いながら部屋で待つと、突然のノック。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 びくっと、立ち上がるが入ってきたのは、お茶を乗せた小さいお盆を持った

可愛いらしいかんじの若いお姉さんであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ああ、ビックリした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しかし、さすが県庁所在地、お茶くみのお姉さんも美人だなあ、

と思いつつ椅子に座りかけると、

「今日は、どうもご苦労様です。菊地です。」

 と、そのお姉さんが言うではないか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 えっ、このヒトが菊池さん!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 思わず座りかけたのをまた立ち上がって、あわてて頭を下げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 このたびは宿題を忘れて、じゃなかった、資料の件いろいろご迷惑をおかけしまして・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しかし、菊地さんはやさしかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一応印刷しましたが、こちらで大丈夫でしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 渡された資料は本のように両面印刷できれいに閉じられていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 調子に乗って160枚以上もスライド作ったので、ずっしり厚かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 これをざっと100部!

 

 

 

 

 

 

 

 

 いやー、印刷、製本、さぞかし大変だったろうなー、申し訳ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 でも、やさしいお姉さんでホント良かった。(#^^#)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、再び一人で待つことしばし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 やがて時間になり会場に案内される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 参加者は93名。看護師さん、保健師さん、管理栄養士さんなど。

 例によって1枚目のスライドは「浦和レッズ」(^-^;

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 今回は特定健診・特定保健指導実践者育成研修会(それにしても長いな)として、

「禁煙に関する禁煙指導」という内容で90分間しゃべり続けました。

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 けっこう皆さん、真剣に聴かれてましたねー。

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 途中、先日の「ドラキュラ・ロック・フェスタ」の話や、バンドの宣伝もさせていただきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最後に、その菊地さんと写真をとっていただく。

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 ともかく、無事終わってホッとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 少しでも、禁煙指導に役だつお話ができていたら良かったのですが。

 

 

 

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2016.05.31

世界禁煙デー~タバコのない世界を目指して

 

     今日、5月31日は世界禁煙デーです。

 

 

 

 

 

 今年のポスターは、このヒトなのね・・・・・。

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 タバコの害は本当に恐ろしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 近年、レストランは禁煙化が進んでいるが、

ワタシがよく昼メシを食いに行く、いわゆる「大衆食堂」はまだ喫煙可のところがほとんどである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そこで、よく目にするのがこんな光景。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 もうとっくに会社をリタイアしたお年寄りが昼ごはんを食べ、タバコに火をつける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 目を細めてタバコを吸いこむと、とたんに、タンがらみの激しいセキを繰り返す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 食事中のワタシにとってはタバコを吸われることは大迷惑なのだが、

それよりも激しくせき込みながらも、

なおもタバコを吸い続けるお年寄りをみると、つくづくかわいそうである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 苦しいセキをしながら、自分の命を縮めながら、

それでも自らお金を出して買ったタバコを吸い続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これが、「依存症」の恐ろしさだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 タバコの奴隷になってしまった人々は

一生タバコ会社のためタバコを吸い続けるのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 毎年、地方紙がこの「世界禁煙デー」のキャンペーン広告を出すので、

当院も協賛して広告を掲載していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 去年、担当のヒトが来て今年も広告お願いしますよ、といってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 うーん、どうしようかなと思い、「あなたはタバコを吸いますか?」と尋ねた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 相手は、ワタシとそう変わらない年齢、何となくタバコクサイ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 すると、喫煙者であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そこで

 「今年は掲載しますが、あなたもタバコの害を記事にする以上、タバコを止めた方がいいです。

来年までに禁煙してください、そうでないと来年からは協賛しません。」

 と告げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今年は、担当者は直接面会に来ないで広告依頼の資料が送られてきて、その後電話があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「先日の資料、お読みいただきましたか。今年も是非、広告協賛をお願いします。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「その後、禁煙されましたか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あいては去年のやり取りを覚えていたと見え、一瞬の沈黙のあと

 「・・・・・いえ、まだ、吸っています。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「では、今年はダメですね。

もし、禁煙に成功されたら、来年からはまた広告協賛いたします。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 我ながら、オレも意地悪だな、と思うが、担当の方が禁煙されなかったことは大変残念であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 来年、禁煙しましたよ、広告オネガイシマス、とくれば喜んで大判のワクでも掲載するのだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 核兵器とタバコ、どちらが先に地球上から廃絶されるだろう。

 

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2016.04.24

自動車税の事務手続き

 

 そんなわけで、クルマを買い替えることになった。

 

 

 

 

 

 

 調べたら、ワタシのディスカバリー、登録は2000年。

 

 

 

 

 

 

 もう16年も乗ったのか・・・・。

 

 

 

 

 

 

 クルマを買い取ってもらえるか、インターネットで登録したら、スゴイ数の電話がかかってきた。

 

 

 

 

 

 

 まず、最初にかかってきた業者に依頼、すぐその日に来てみてくれた。

 

 

 

 

 

 

 大変丁寧な対応で、好感もてたが、肝心の査定はほぼ0円、ゴメンナサイといわれた。

 

 

 

 

 

 

 翌日に来てくれた別の業者さんも、感じのいいヒトでしたが、査定結果ほとんど同じ。

 

 

 

 

 

 

 まあ、この年式だからなあ。

 

 

 

 

 

 

 四駆なので、シベリアやアフリカにもって行けば充分売れるだろうが、

 そこまで運ぶのにお金がかかっちゃうので現実には無理。

 

 

 

 

 

 

 まあ、買い取り価格2万円ってことで他いろいろあると差し引きタダだが、

 今後、どの業者にみてもらっても大差ないだろうし、

 お金払って処分するよりいいのでそこで決定。

 

 

 

 

 

 

 クルマの税金関係の手続きをするため、先週金曜日、佐野の県税庁舎に行ってきた。

 足利ではダメで佐野まで行かなきゃならんのか。

 事務手続き、大の苦手。

 だが、昨日の業者さんは必要な手続きと、

 県税庁舎の電話番号までその場で調べて教えてくれて助かった。

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 昨日、一昨日にあった民間の中古車買い取り業者さんのテキパキとしてソツない対応と比べると、

 こちらでのいかにも「お役所仕事」的な応対にやれやれと思う。

 ヒマそうだったなあ。

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 何とか、手続き完了したようだ。(でも、きっとまだ何か残ってる・・・・)

 

 

 

 

 

 

 さて、行く途中、お昼休みに佐野まで行くので、

 そこらへんで食事をと思い立ち寄ったのが、県税庁舎にほど近いココ。

 (また、ネットで調べました。)

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 佐野といえば、「佐野ラーメン」だが

 ワタシはどうもあの「うどん」みたいなラーメンが好きではない。

 

 

 

 

 

 

 ということでメニューを眺めると「肉天ぷら定食」という見慣れない品目が。

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 せっかくなので、これにしてみました。

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 トンカツのころもが、天ぷらになったやつで

 味は、なんとなく想像のつく通りの味でした。

 家庭料理っぽくてヨカッタ。

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 うれしかったのは、この張り紙。

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 最近はレストランは禁煙が増えたが、

 ワタシの愛好するいわゆる「大衆食堂」的なお店は

 禁煙どころか分煙もほぼなく、タバコの煙で不快な思いをすることが大変多い。

 こういうジャンルのお店にもどんどん「禁煙」が広がってほしいものです。

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2016.03.20

禁煙セミナー@大阪

 

 連休初日(世間的には3連休中日)の20日は大阪まで禁煙学会のセミナーを聴きに行ってきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 朝6時40分足利駅。今日は天気よさそうだ。花粉飛びそうだ。(ワタシは花粉症無いのだが。)

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 この時間の両毛線は「小山」ではなく、「黒磯行き」なんだ。

「乗り鉄」としてはやや興味あり。

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 小山で乗換。

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 やまびこ。3連休とありほぼ満車でした。

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 そして、のぞみで大阪へ。

 遊びに行くわけではないが、新幹線でコーヒーを飲みながら本を読むのは至福の時間。

 「出張族」をウラヤマシイと思うゆえんである。

 ちなみにブックカバーは愛用の「浦和レッズ文庫本カバー」(^^;)

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 セミナー前にランチ。大阪に来たら必ずといっていいほど、コレだ。

ところで「ぼてぢゅう」のローマ字表記は「BOTEDYU」なのでは?

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 メニューもいつもの「ミックスモダン」。セミナー前なのでビールはナシ。

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 会場は大阪国際会議場。

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 10階ですね。いろんな催しあるなあ。一番上、何だろ?

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 10階、眺めいい、天気もいい。

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 ココです。

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 というわけでみっちり3時間聴講。いろいろ、勉強になりました。

 

 

 

 

 

 

 

 帰路につきます。予定より一つ早いのに乗れた。

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 N700系。

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 ホッとひといき。帰りはアルコールありで。

富士山を通過するころは真っ暗で見えなかったけど。

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 レッズの試合日なので、勝利のため、一応こんなものも。

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 ビミョーな駄菓子感がステキ。

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 そんなわけで、10時半帰宅。その後風呂入って録画したサッカーみます。

 

 

 

 

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2015.06.16

ロックボーカルと声帯

 

 

はじめまして。
喉頭アレルギー関連で色々調べていて、先生のblogに辿り着きまして、どうしても先生にお訊きしたい事がありまして、コメント致しました。

僕はV系メタルバンドをやっている者なんですが、うちのバンドのVo(女・20代後半)が声帯ポリープを患い、現在活動を休止しています。ポリープの治療に際し、病院で喉の検査をしてもらったところ、「喉頭アレルギー」も患っていると診断され、「今後はバンド活動や歌唱は厳しい」と言われてしまったそうです。

今はポリープの治療に専念し、ポリープが治ったらバンドとして活動を再開するつもりであったがゆえに、診断はショックであり、メンバー全員今後が不安で仕方ありません。
本人はもちろんのこと、僕もバンドのメンバーとして、Voとはずっと一緒に音楽をやっていきたいと考えています。やはり彼女の歌声が好きなので。
(もちろんポリープが治ってからですが)何とか「喉頭アレルギー」と付き合いながら、バンド活動を続けていくことは不可能なのでしょうか。

ちなみにリハーサルは週1で2時間、ライブは月1程で、たまにそれプラスしてレコーディングをしています。

どうか先生のご回答をお待ちしております。
宜しくお願い致します。

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 またまた、ご質問。

 

 

 

 

 

 ワタシは別に音声外科の専門医ではありませんが

 耳鼻科医でかつロックバンドのボーカルやってるとなると

 意外と日本でも数少ないかも、ということで。

 

 

 

 

 

 実は質問の方から直接、お電話いただき今度受診予定とのことです。

 

 

 

 

 

 

 ご質問の「喉頭アレルギー」は確かに疾患としては存在しますが、

 この場合どうなのかなと。

 

 

 

 

 

 一般に認識される「喉頭アレルギー」とは

 主として「花粉」「ハウスダスト」「ダニ」などの「抗原」を吸入した場合に

 その通過点である喉頭粘膜に付着し局所アレルギーを起こすというもの。

 

 

 

 

 

 症状はのどのイガイガ、かゆみ、セキ、異物感などです。

 

 

 

 

 

 

 したがって、喉頭アレルギーがあるからバンド活動は難しい、

 という状態はちょっと理解できません。

 

 

 

 

 

 ワタシの知らない知見や病態もあるのかもしれないので何とも言えません。

 

 

 

 

 

 そこでポイントはロック・ボーカリストの声帯ポリープの話だと思いますので

 それに沿ったお話をします。

 

 

 

 

 

 

 「声帯ポリープ」は歌手をはじめとする声を多く使う人の

 「職業病」ともいえる病気です。

 

 

 

 

 

 声帯は左右にありこれが接触して振動することにより声が出ます。

 

 

 

 

 

 この声帯の状態によって声の質が変わってきます。

 

 

 

 

 

 風邪をひいたり、大声を出したりすると声帯が炎症を起こし

 充血し、腫れぼったくなります。

 

 

 

 

 

 いわゆる「ガラガラ声」の状態になります。

 

 

 

 

 

 

 声帯がきれいに均一に振動しないせいです。

 

 

 

 

 

 しかし、例えばモノにぶつけて内出血した皮膚や、

 ドアに挟んで腫れた指がまた元に戻るように

 時間がたてば声帯のむくみは取れまた声は元に戻ります。

 

 

 

 

 

 

 ところがこの声がれの状態の時に無理に発声をすると、声帯に変化が起きます。

 大きくは「声帯ポリープ」と総称されますが分類すると3つのタイプに分かれます。

 

 

 

 

 

 その一つが狭義の「声帯ポリープ」で、

 充血した声帯を無理に振動させることによる微小な内出血、

 まあ、ちっちゃい血豆が粘膜下にでき、それがさらに育ったものと考えられます。

 

 

 

 

 

 初期には吸収されることもありますが育って茎を持つようになったものは手術適応です。

 

 

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 ただし、これは切る部分が小さいので手術による声の改善は期待できます。

 

 

 

 

 

 

 しかし、場合によっては声帯全体がブヨブヨにむくんでしまう

 「ポリープ様声帯」という状態になることがあります。

 喫煙者はこうなる場合が多い。

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 こうなると、「かすれ声」というよりはいわゆる「だみ声」になり、

 手術しても回復は難しい。

 

 

 

 

 

 シーナ&ザ・ロケッツのシーナさんはこのタイプでした。

 

 

 

 

 

 

 また、声帯結節というのもあり、これは両側声帯の前1/3にできるやや硬いコブ、

 まあ、ペンダコみたいなもんです。

 歌手の人に多く英語では「Singer’s Nodule」、

 日本語では「歌手結節」「謡人結節」などといいます。

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 右のように発声時に声帯がとじないのでハスキーボイスになります。

 大きくなれば手術しますが、発声習慣が改善されないと再発率は高いです。

 

 

 

 

 

 さて、いずれの場合も声帯の酷使が原因、

 ボーカリスト、それもロックとなると声帯への負担は相当なものです。

 

 

 

 

 

 ワタシ自身、ロックバンドで歌ってるので、この辺大変気になる問題です。

 

 

 

 

 

 質問の方は「V系メタルバンド」とのことですので、

 特に声帯へ負担の大きなジャンルです。

 (実はワタシ「V系」苦手(^-^;だったりして・・・)

 

 

 

 

 ざっくり

 HR/HM>R&B>パンク>ブルース>ポップ>ジャズ>フォーク>>ラップ>シャンソン

 くらいの順で声帯への負担が大きいでしょ(笑)。

 (以前やってたハードロック・バンド「Audiometry」では

 パープルやガンズ、オジーなど歌ってました。

 一番きつかったのはロニー・ジェームス・ディオのボーカルパートだった。)

 

 

 

 

 

 ここで、ワタシの経験から。

 

 

 

 

 ともかく、声帯を大事に使う。

 

 

 

 

 

 ライブではともかく、練習では出なくなってきたら休ませる

 不可逆変化ができる前なら時間がたてば回復します。

 

 

 

 

 ライブ前のリハはできるだけ手を抜いて歌う。(ことにしてます。)

 

 

 

 

 週末にライブのある週はバンド練習はしない。

 

 

 

 

 ただ、少しずつ練習すると声帯は「強く」なります。

 いわゆる筋トレと同じですが、発声法も大事。

 声帯に負担をかけない発声法を心掛けることです。

 2時間を超える練習はやめた方がいいでしょうね。

 

 

 

 

 

 多分、プロのボイストレーナーにはいろんなノウハウがあるんでしょうが、

 ワタシは知りません。

 ただ、スポーツでも「フォーム」によって違いが大きいですから、

 そういうことはあるでしょうね。

 

 

 

 

 

 あとは、ボーカリスト本人がタバコを吸わないことは当然ですが、

 バンドの他のメンバーも一緒にいるときはタバコはやめましょう

 

 

 

 

 

 

 ライブのあとの打ち上げで居酒屋でタバコの煙モクモクは、声帯にとって最悪です。

 

 

 

 

 

 てなこと言いながら、ワタシもライブ前に声の調子が悪くなることが多く

 いつもびくびくしてます。

 

 

 

 

 

 

 耳鼻科開業医は声使う職業なのでそこが問題です。風邪も、もらうし。

 

 

 

 

 

 

 でも、ご質問にあるような月1くらいのライブなら普通は何とかなるんじゃないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 コメント欄にyou tubeがはり付けてあったので聴いてみました。

 

 

 

 

 

 

 すごく上手です、いい声です。

 ギターはたしかにメタルだけど、予想より爽やかで

 なんか名探偵コナンのテーマソングになりそうじゃないですか。

 

 

 

 

 

 

 オリジナルなんでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 レコーディングではともかくライブでは、半音下げちゃう、ってのも手です。

 

 

 

 

 

 

 けっこうプロのバンドは、やってますね。

 

 

 

 

 

 

 あと、サビの一番高いとこ、自分は歌わずにマイクむけて観客に歌わせるとか。

 これは、アマチュアバンド、とくにオリジナルでは難しいけど。

 

 

 

 

 

 

 

 バンドは楽しいです。

 楽器は買い換えられるけど、声帯はそうはいかないので大事に使いましょう。

 でも人間の「ノド」は最高の楽器だと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1件のコメント
2012.04.25

愛でタバコはやめられる!


 禁煙と言えば保険適応のファイザー製薬の経口禁煙補助薬「チャンピックス」。
 当院の禁煙外来でも選択されることの多い薬であるが、
この薬は性格上テレビなどでもコマーシャルプロモーションを行っている。
 以前のイメージキャラクターは舘ひろし氏であった。
 どうもワタシはこの方はあまり好きではない。
 あっ、また、さだまさしに続いて問題発言が!
 だって、舘ひろしっていうとワタシ的には
「クールス」のイメージが強すぎてどうもダメなのだ。
 覚えてます?「紫のハイウェイ」!
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 ・・・・・・・かなしいほど、ダサかった。
 まあ、今の方が相当マシだが、
どうもこのイメージが抜けなくてなあ・・・。
 そして、製薬会社の方はプロモーション用のパンフレットや、
薬剤の資料なんかをこの写真のついたクリアファイルに入れて持ってきたのだ。
0309_img01.jpg
 なので、資料とともに毎回このヤニ臭いオジサンのファイルがイッパイたまってしまうので、
終いには、気持ち悪くなり、絵のついてない奴にして、
とわざわざお願いしてしまいました。
 それが、今シーズン、すでにご存じの方が多いと思いますが、
イメージキャラクターが、温水洋一さんと仲間由紀恵さんのファミリーに変わりました。
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 当院にもこのポスター貼ってありますが、
イイですよねー、絶対!
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 こんな表情されたらタバコやめたくなるオジサンは多いのでは。
(ポスターには温水さんが入ってないところがミソだなあ。)
 きっと、ワタシのような意見のドクターが少なからずいたのでは、
とも思っちゃいますね。
 温水さんと仲間さんが夫婦、ということに若干無理があるのでは、
という気もしないではないが、
実は温水さん、予想より若く1964年生まれの47歳、
ってことはオレより5こも若いんじゃん!
 ともかく、禁煙外来やってますので、
禁煙したい方はどしどしご相談ください。
 そういえば、仲間さんになってからポスターは1枚来たけど、
随分たつけど今回はクリアファイル無いの?
 あれば、今度はいっぱい持ってきてー!
(誰か、キープしちゃってるとか・・・・。)
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4件のコメント
2012.04.24

自己嫌悪


 先日のお昼の話である。
 ワタシは昼飯を食おうと一人でとある食堂(定食屋)に入った。
 テーブルが4つのその店では、
30代のサラリーマン風の男性が一人ラーメンを食べており、
別のテーブルに60代くらいの男性が一人食事中、
もう一つのテーブルには70過ぎとみられる老夫婦がちょうど食事を終えたところであった。
 ワタシが席に着くときに立ちあがったそのお爺ちゃんに、
奥さんが声をかけた。
 「あんた、まだ、食事中の人がいるんだからやめときなよ。」
 お爺ちゃんは灰皿を取りに立ったのだった。
 ためらうお爺ちゃんに、繰り返し説得し、たしなめる奥さん。
 メニューを見ながら事の成り行きをうかがっていたが
内心、ほっとしたワタシ。
 ところがそこに、別のテーブルの60代の男性の方が
「いや、オレは、別にいいよ。」
 と、声をかけた。
 「え、ああ、そうですか、じゃあ・・・」
 と、いったんは灰皿を置きかけた老人は再び灰皿に手を伸ばす。
 「でも、ほら、食事中だから。」
 と、奥さん。
 するとオジサン、
 「いいよ、オレも吸うから。」
 その一言で、お爺ちゃんは煙草に火をつけてしまった。
 他の二人の意見はどうなんだ。
(ワタシはまだ食事中じゃなかったけど。)
 おかげで、ワタシは食事前に臭い煙を吸わされる羽目になってしまったのだ。
 30代のサラリーマンはラーメンをすするとすぐに店を出てしまった。
 タバコを吸うお爺ちゃんに、その男性は、
「いやあ、(自由にタバコが吸えないなんて)まったく、妙な時代になっちゃったねえ。」
 などと言っている。
 (この時代に公共の場でタバコ吸う方がおかしいだろー。)
 背中を向けて座っていたワタシは何か言おうかさんざん迷ったが、
結局泣き寝入りしてしまった。
 こんな時、先日禁煙学会で講演を聴いた林望先生は、
いつも持ち歩いている禁煙マークのついたうちわを取り出してパタパタやるそうだ。
 そのあとで、案の定、食後にタバコを吸い始めたオジサンとお店のご主人との会話を聴くと
その「タバコいいよ」と言ったオジサンは喘息で
医者からタバコをやめるように言われてるそうだ。
(思わずその主治医に同情してしまった。)
 そういえば、痰が絡んだようなヒドイ咳をしている。
 おそらく、すでにCOPDも発症しているようだ。
 ったく、手前で勝手に死ぬのはいいが、
ほかの非喫煙者まで巻き込まないでもらいたい。
 いや、その人の医療費だって我々国民全体の負担でまかなってるのではないか。
 と思うと、何も言えなかった自分が非常に情けなく、
ああ、まだ禁煙専門医としてはまだまだなあと自戒するのだった。
 やはり、足利市も条例でも何でも作って、
早く街の禁煙を進めるべきでしょうね。
 ねっ、大豆生田さん。
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