ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2014.02.20

新型インフルエンザ等対策特別措置法

昨夜は「新型インフルエンザ等に対する特措法」の話を

聴いてきました。

 

 

 

 

 

 

いつ鳥インフルエンザがヒトヒト感染能力を獲得し、

新たなパンデミックとなるかわからない。

 

 

 

 

 

 

2009年のいわゆる新型インフルエンザの流行時の対策、対応を踏まえて

新たに制定された「新型インフルエンザ等に対する特別措置法」。

 

 

 

 

 

 

 

まあ、この法律もまだまだ甘い、

と北大の喜田先生はでこの間、別の講演でおっしゃってましたが。

 

 

 

 

 

 

 

この法律の説明と、こういった新興、再興感染症を有事の際に治療する気のある医療機関

その際ワクチンを供給するのであらかじめ登録しておきなさい、という話である。

 

 

 

 

 

 

 

 

いずれにせよ、致死性の高い新型感染症が広まったら、

我々、第一線の医者はそれこそ真っ先に命が危ないかもしれないわけだ。

 

 

 

 

 

 

 

ワクチンだって効くか効かないかわからないし

全部の医療機関に回るかどうかもわからないのだ。

 

 

 

 

 

 

 

まあ、医者として現役の間にそのような事態になったら、

それも運命なので、死ぬ気で頑張りますぜ。

 

 

 

 

 

 

 

この間の月曜日に大量に浴びたインフルエンザウイルスは

何とか、今のところ発症には至っていないようだが・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

それにしても今回の栃木県健康増進課主催のこの会のタイトル、

「新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく特定接種の登録申請に関する説明会」

 

 

 

 

 

・・・・・・・長すぎっ。

 

 

 

(いかにも厚労省のお役人がつけたようなタイトルではある。)

 

 

 

1件のコメント
2014.01.29

2014年1月下旬でのインフルエンザ事情

 ついに足利市近辺もインフルエンザの流行期に入りました。

 

 

 

 

 すでに、いくつかの学校で学級閉鎖の措置が取られています。

 

 

 

 

 

 今年のインフルエンザの流行にはいくつかの特徴がみられます。

 

 

 

 

 

 まず、A型とB型が同時に流行していること。

 

 

 

 

 

 今までは流行のピークには時間的なずれがあるのが通常でしたが、

今シーズンはA型、B型がほぼ同数で流行しています。

 

 

 

 

 

 このような現象は少なくとも最近、簡易キットで

迅速診断ができるようになってからは初めてのことです。

 

 

 

 

 

 

 注意すべき点としてはもしA型にかかっても、

そのあとB型の感染者と接触すると、また感染してしまうということです。

 

 

 

 

 

 2009年以降保険の決まりが改定され、

家族内感染などでインフルエンザ感染が明らかな患者さんについては、

迅速検査をしなくてもタミフルなどの抗ウイルス剤の処方が可能になりました。

 

 

 

 

 

 ところが、そんな状況ですので、

今年は原則的に患者さんに検査を受けていただいております。

 

 

 

 

 

 

 昨日も前日から相次いで発熱した二人の小学生のご兄弟が、

兄はA型、弟がB型という結果でした。

 

 

 

 

 

 お母さんはお互いにオマエがオレにうつしたんだ、

などと兄弟げんかをしなくて済んだ、と苦笑いをしていましたが。

 

 

 

 

 

 

 また、

B型インフルエンザはA型に比べ、発熱の程度が軽かったり

熱が上がったり下がったりする場合がある 

ので診断が遅れたり、

また、

嘔気などの胃腸症状が表立ってしまい胃腸炎と誤解され

感染が拡大する場合もあるようですので要注意です。

 

 

 

 

 

 

 治療は今のところタミフル、リレンザ、イナビルは、ほぼ有効ですが、

A型インフルエンザの一部にタミフル耐性株が見つかっており、

注意が必要です。

 

 

 

 

 

 

 インフルエンザはご存知のようにA型に関しては、

H1型とH3型がヒトヒト感染の流行型インフルエンザとされています。

 

 

 

 

 

 H1型は以前、ソ連型と呼ばれたものでしたが、

2009年の「新型インフルエンザ」の登場により、

現在はpdm09にとってかわられています。

 

 

 

 

 

 ところが、新型インフルエンザ「pdm09」は全世界に猛威を振るった後、

昨シーズンは姿を消し、2012~2013シーズンのA型インフルエンザは

ほぼすべてが「香港型」とよばれるH3でした。

 

 

 

 

 

 そのまま消えるのかと思われた「pdm09」ですが、

今シーズンはA型はH1「pdm09」とH3「香港型」が、

これまたほぼ同数で流行しているので、インフルエンザの流行は

Jリーグの優勝チームを予測するよりはるかに予測が難しい。

 

 

 

 

 

 消滅前の「ソ連型」でタミフル耐性が問題になってきていたので、

新型の登場で耐性型がなくなり、その点は良かったと思っていたのですが。

 

 

 

 

 

 今回の耐性A型は「ソ連型」ではなく「pdm09」の変異株とみられているので

まだ、ごく一部ですが今後の動向に注意が必要です。

 

 

 

 

 

 もっともインフルエンザは自然治癒する病気であり、

新型インフルエンザは2010年の世界流行の事情により

日本国民の大多数が予防接種を受け、

また不顕性感染を含めて実際に罹患した人も多かったので、

我が国における抗体保有率は全人口で5割を超えており、

適切な対応さえ怠らなければ重症化することは少ないと思われます。

 

 

 

 

もちろん、インフルエンザは抗ウイルス剤なしで治る病気ですので。

 

 

 

 

 

 B型の場合は耐性化の報告はありません。

 

 

 

 

 

 因みにインフルエンザ薬「イナビル」に予防投与の適応追加がありましたが

適応はインフルエンザを発症している患者の同居家族または共同生活者のうち、

①高齢者②慢性呼吸器疾患または慢性心疾患患者③代謝性疾患患者④腎機能障害患者

に、限られております。

 

 

 

 

 

 保険給付の適応はなく保険外扱いになります。

 

 

 

 

 

 子供や、健常者は対象になりませんし、

抗ウイルス剤の乱用は新たな耐性ウイルスの出現の種

ともなりうるので、

厳に慎むべきです。

 

 

 

 

 

 インフルエンザ予防の基本はワクチン接種と健康管理ですので、

そこをしっかり実践しましょう。

 

 

 

 

 いちばん大事なのは「手洗い」ですよー。

 

 

 

 

風邪をひいたら、まず早く寝る。

 

 

 

 

 そして症状や、周囲の状況でインフルエンザの疑いがあれば医療機関、

なるべく耳鼻咽喉科の受診をお勧めします。

 

 

 

 

 

 

 

 

9件のコメント
2012.03.23

悪魔が来りて笛を吸う


 インフルエンザはなかなか止まりませんねー。
 以前、4月には終わってる、なんてことを書いたけど
ちょっと怪しくなってきました。
 まあ、春休みになれば終息に向かうと思いますが。
 この流行、やはり学校、幼稚園での感染が主流ですから
①インフルエンザが完全に治らない状態で登校、登園している。
②インフルエンザなのだが、インフルエンザではないとの診断で登校、登園している。
の2点が原因でしょうね。
 ①については、この間のブログ「インフルエンザの出席停止」に書いたとおり、
解熱後2日間(未就学児は3日間)かつ発熱後5日間出席停止の新基準を
キチンと指導してない医療機関もあるとみられ
感染が拡大している面もあるのでは。
 ②については、当院でもインフルエンザではありませんね、
などと言ってインフルエンザだった例がひょっとしたらあると思うし、
診断の限界がある面は否めない。
 特にB型は高熱にならない例もあり、熱が上がったり下がったりすることもある。
 今日のおばあちゃんも熱が37度なんだが
何となくおかしい、体が重い、しんどい、
ということで調べてみるとインフルエンザB型がくっきり。
 周囲にもインフルの人いないし、結構しゃきしゃきして元気そうだったんで
違うとは思うけど、と思いつつ調べて出たのでビックリ。
 インフルエンザは当人だけが治ればいいという問題ではないので厄介だ。
 ところで、土日祝日に熱発し、救急外来でインフルの診断を受ける人も多い。
 早期に診断がつくのは治療にも有利なので、
それは大変いいことなのだが、
休日診療所ではイナビルが処方されることが多いようだ。
 急患救急なので薬1日分しか処方されず
また残りのタミフル、リレンザを月曜日に別の病院に取り行くのは
非常に面倒なので一回の吸入で済むイナビルは
いかにも休日診療所向けではある。
(個人的にはタミフルもリレンザも5日分出しちゃえばいいのにと思う。)
 しかし、そんな中に、特に小中学生の男の子に
なかなか熱が下がらず来院される方が散見される。
 データ上は今のところタミフル、リレンザ、イナビルの効果には
有意な差は無いということになっている。
 妻と話したんだが、どうもイナビルがちゃんと吸えてない子が
けっこういるのではないか、と思う。
 イナビルはスプレーではなくパウダーを自力で吸引するので、
ある程度のテクニックが必要になってくる。
 大人ならあまり問題は無いが子供や、場合によるとお年寄りなんかは、
充分気管に取り込まれない可能性もあるのではないだろうか。
 同じ吸入薬でもリレンザは1日2回5日間なので
だんだん上手に吸えるようになることがあるが、
一回吸入のイナビルは最初で失敗したら終わり、という弱点がある。
 んで、当院はイナビルを処方しようかという子には
処方箋を書く前に院内で製薬会社から供与されたこの笛を使っている。
001_20120323083317.jpg
 これを、吸って(吹くのではなく)キチンと音が出れば、
イナビルを十分に吸える技術がある、というものだ。
002_20120323083317.jpg
 小学生くらいだと、吸えるように見えて実際になかなか音の出ない子がいて
そういう子はリレンザか、場合によっては10代でもタミフルを処方する。
 一般に女の子の方が器用でよく鳴らすが、
男の子はけっこう大きな子でもうまく鳴らない場合がある。
 この笛、メーカーに話せばすぐ持ってきてくれるので、
各医療機関や薬局には常備するべきだと思います。
この笛の袋の最後に書いてある
「[注意]イナビルを服用しても、この笛のような音はなりません。」
という1文はなかなか笑える。
 テストが終わった笛はその子にあげちゃうんですが、
家族に吸わせないでね、と言っておくことを忘れないように。
 インフル、感染っちゃいますからねー。
 
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2012.02.18

インフルエンザの出席停止


 先日インフルエンザの学級閉鎖の事を記事にしました。
 その後も患者数は増え続けかなりの流行になりました。
 この原因として、抗ウイルス剤のおかげで早く熱が下がるので、
まだウイルスを排出している状態で登校してしまうため、
という指摘が以前から専門家の間でされてきました。
 
 抗ウイルス剤はウイルスの増殖を抑える薬で、
早ければ早いほど良く効くが、
ウイルスを殺す力は無く、
侵入したウイルスが消滅するのは体の免疫系が処理するので
5日から7日かかるためです。
 昨日も学校でインフルが流行ってるが、
夕方から熱がちょっと出てきた、なんて患者さんの検査をしたら、
熱がまだ出て1時間もたってないのにちゃんと反応が出て、
すぐ今晩から抗ウイルス剤使うので明日には熱下がっちゃうだろうなあ、
なんて子がいました。
 学校保健安全法のきまりでは「解熱後48時間」が、出席停止の期間ですが、
この法律はタミフル、リレンザなどの抗ウイルス剤が開発されるはるか昔の
昭和33年制定なので現在の医療状況に則さないということです。
 そこで、一昨日の16日、文科省はインフルエンザの登校停止基準を
「解熱した後2日間」から
「発症後5日以上を経過し、かつ解熱した後2日間」
に改めることを決めました。
 だから、月曜日発熱、その日のうちにインフルエンザと診断され、
タミフル飲んで熱が火曜日朝に下がっても、
火、水と2日間経過しても
発症からのに数が5日経過した金曜までは学校に行けない。
今まではここで木曜日から登校可だったのが、
土曜日から可、ということになるわけだ。
 しかも幼稚園児に対しては、低年齢ほど感染させる可能性が高い、
という医学的知見を踏まえ
「発症後5日を経過し、かつ解熱したあと日間」
にするようだ。
 これは3月中に関連省令を改正し、
4月から施行予定だそうですが、
当院では今後このガイドラインでご説明しますので、
よろしくお願いいたします。
 
 だって、4月になったら
大概もうインフル流行終わってるでー。

 ちなみに「学校保健安全法」は文科省の管轄なので、
厚生労働省の管轄である「保育園」には適応されませんが、
同じ解釈で説明いたします。
(この辺もお役所だからなー。)
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4件のコメント
2012.02.02

今は香港

 年明けからじわじわ増えてきたインフルエンザ。
 今のところA型がほとんどです。
 B型は20~30人に一人くらいの割合かと。
 で、このA型、国立感染症研究所の解析によると、
ほとんどすべてがH3N2の「A香港型」です。
 つまり、昨年、一昨年のいわゆる「新型」と言われた
H1N1pdm2009ではナイ。
 今後、このH1N1の流行があるのか、
または今シーズンは現れないのか、
はたまたH1N1は「ソ連型」のように潜伏あるいは消滅してしまい、来シーズン以降ももう出ないなのか、
等々、気になるところではあります。
 おさらいですが、抗インフルエンザ薬は現状では
内服のタミフル(カプセル、ドライシロップ)、
吸入のリレンザ(1日2回5日間)、イナビル(1回のみ吸入)、
があります。
 この他に、点滴注射剤のラビアクタがありますが、
入院以外で使うことはまずないでしょう。
 いずれも発症後48時間以内、早いほど良く効きます。
 ところで、最近はインフルエンザ診断キットの品質が上がったのか、
ワタシの調べ方がうまくなったのか、
かなり診断精度が上がった印象です。
 熱が出てあまり時間がたっていなくても、これはアヤシイ、というヒトはまず必ず陽性に出ます。
 治療開始が早くなり治りもいいわけです。
 今のところ、検査は陰性だがタミフル出します、という事例はありません。
 やはり、まず鼻汁を良く吸引清掃してから、
上咽頭まで綿棒の長さいっぱいに突っ込んで
ぐりぐりする、ってのが大事でしょうね。
 また、今流行ってるのが下気道(気管、気管支)でも増える「新型」でなく、
上咽頭に多くウイルスを出す「旧型」の「香港型」であるのも診断率の向上に関係してるかも。
(むしろ、こっちか。)
 今日も、熱は36.7℃だが、全身倦怠感が強い患者さんが来院されたが、
検査するとうっすらだが、確かにA型陽性であった。
 ところで、インフルエンザ、流行っちゃいるけど、
爆発的、というほどではない。
 これは、学級閉鎖が功を奏しているとワタシは見ています。
 以前は、インフルエンザでクラスの半数近くが休んでも、
なかなか学級閉鎖の措置が取られなかった。
 給食の関係なんかもあるんだろうが、
1時間遅く登校とか、
感染制御にほとんど意味のないことしかしてなかった。
 ところが2009年の「新型」インフルエンザの時に、
「新型」ということでどんどん学級閉鎖が行われた。
 大体、学校とか、お役所とかの偉い人はアタマかたいので、
何より「前例」が大事なわけだ。
 で、この新型インフルエンザ騒ぎが良い「前例」になり、
最近は学級閉鎖がスムーズに行われるようになった、
とワタシは感じているんですが、どうでしょう?
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2011.10.07

2011-12シーズンのインフルエンザ予防接種

 CRPの前原先生のブログによると太田ではインフルエンザB型が出たらしい。
 今のところウチの近辺ではそれらしい患者さんはいないし、
他に出たという話も聞かないので、
散発的なものでいきなり流行期に入ることはないだろうが、
今シーズンはどうなるんでしょうね。
 そんなわけで、来るシーズン到来に備えて、
今年も予防接種の予約をそろそろ受け付けます。
 今シーズンから接種量の見直しが行われ、
昨年までとは少し変わっています。

 6か月~3歳未満の方は1回0.25ml2回接種。
3歳以上~13歳未満の方は1回0.5ml2回接種。
13歳以上の方は1回0.5ml1回接種。

 全体として小児の接種量が増えました。
 これは、我が国の接種量がもともと海外に比べて少なすぎるといわれていたので、
その分が是正されたと思います。
 でも、0.5mlを3歳の子に打つのはちょっと痛いかもね、
ガマンしてね、スマン。
 料金は
 6か月~3歳未満は1回2000円
 3歳以上は1回2500円
 65歳以上の方は市からの助成がありますので1000円

 2回接種の意味については過去のブログで説明しています。クリック⇒「2回目の接種
ただしこれは2009年、「パンデミック2009」がまだ「新型」と言われてた頃で、
インフルエンザが流行中に予防接種をするという異常事態だった年です。
 過去のメモリーを考えれば13歳以下でも昨シーズンしっかりA型にかかった人は、
一回でも何とかなる、という考えもあります。
 今年のワクチンは「A型pdm09(H1N1)」「A型香港(H3N2)」「B型」のブレンドです。
(昨年と同じ)
 あんまり早く打って、効果が切れちゃっても困るので、
インフルエンザの流行は1~2月ピークが多いことを考えると、
通常は2回接種は10月下旬と11月下旬、
1回接種は11月中旬以降が一応のお勧めです。
 インターネット受け付けはできませんので、
お電話か直接窓口で予約してください。
 ああ、オレも打つのか、
注射、やだなあ・・・・・。
 
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2011.04.06

インフルエンザ、昨今のお薬事情

 もう桜も咲いたちゅうにまだインフルエンザ出てますなあ。
 昨日来院した6歳の男の子は、
他院でインフルエンザと診断され
リレンザ使ったが、5日間熱が下がらなかったそうな。
 何で、リレンザだったの、とお母さんに訊いたら
「さあ?」との答え。
 それって、ちゃんと吸えてなくない?
 インフルエンザの薬で、どれが効くとか効かないとか、
いろんなところで噂があるけれど
結論から言えば現時点では 「全部効く」でいいと思います。
 一時、ソ連型が流行った最後の頃には
タミフル耐性株がかなり増えて問題になりました。
 そういえばこんなことも⇒2009年インフルエンザ闘病記
 しかしパンデミック2009(pdm2009)、いわゆる新型インフルエンザの登場で
ソ連型は姿を消し、同時にタミフル耐性もリセットされちゃいました。
 なので、今は、ほぼみんな効きます。
 もちろん、今後耐性誘導を防ぐためには
タミフルを偏重せず、各薬剤を均等に使うのが理想的です。
 ただ「異常行動」の問題が最終的な解決を見ていないため
10代の子供にタミフルは依然解禁されていません。
 もちろん、オレはカンケーないだろうとは見てますけど。
 まあ、そこで
10代は原則、リレンザかイナビル。
ただし、小学生とかで吸入が下手な子は一回失敗すると終わりのイナビルより
チャンスの多いリレンザがいい。
 小学校低学年以下は服用の確実性を考えタミフルで。
 お父さんなんかはすぐ服薬コンプライアンスが悪くなるから
一回のイナビルで。
 まあ、大人でも咳がすごくて吸入薬が吸い込みにくいヒトはタミフルで。
(喫煙者に多いぞ)
 そんな、情報を提示して患者さんと相談して薬を決めてます。
 1シーズンで2回かかったら、一回目とは別の薬がいい、
という話もありますが、まあ、どっちでもいいかな。
 そういう話をすると、じゃあ、今度はこっちにしてみる、
という方もいますけど。
 最近は半日待たなくても検査で陽性が出ることが多いので、
早期の服用はホント良く効き、普通の風邪より早く治る!
 それにしても、ソビエト連邦崩壊から今年で20年。
 最後に残った「ソ連」もこれで姿を消したんだなあ。
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2011.02.01

10~11シーズンのインフルエンザ事情


 インフルエンザは流行のピークなのか、
毎日たくさんの患者さんを診察します。
 昨年から、インフルエンザであることが確実であれば、
簡易検査をしなくてよい、ということに変わったので、
家族内にインフルエンザ確定診断のヒトがいて、
本人の診察結果が明らかであれば、
(中耳炎や溶連菌感染の所見が無ければ)
すぐタミフルやリレンザを出します。
 逆にいえば、簡易検査してインフルエンザ出なかった患者さんに、
インフルエンザの薬を出すことがほとんど無くなりました。
 簡易検査はかなり精度があがり、以前は半日たたないと出ない、
などといわれてましたが、けっこう早く出ますね。
 こっちの取り方がうまくなったのか、
(ともかく鼻汁を良く吸引してから検査すること)
でも多分、キットが改良されてんだろうなあ。
 時間も説明書では反応を15分待つのですが、
今は大体2、3分、早ければ1分以内に「陽性」が出ちゃいます。
 この間の研究会で、子供は初期から検査をして、
重症化を防ぐべきだ、と聴いたので
熱が出て時間がたってなくても、早めに検査をしています。
 また、周りにインフルエンザ患者がいて、
本人は最高37.2℃までしか熱上がんないけど、
という大人の方の検査をしたところくっきり陽性が出たりします。
 簡易検査の本領発揮ですね。
 感染拡大の阻止に大いに役立ちます。
 一方、昨年と違い、インフルエンザに社会が慣れた面もあります。
 先日、幼稚園のお姉ちゃんがインフルエンザ陽性で、
隔離ベッドで待っててもらいました。
 すると下の子を連れたお母さんが同じベッドで待とうとするので
スタッフが声をかけたところ
「どうせ、もう感染っちゃってるし、この際、下の子もかかった方が都合がいい。」
などという方がいらっしゃった。
 インフルエンザはウイルス疾患なので、
かかるにしても「薄く」かかった方がいい。
 今、上の子はたくさんのウイルスを持ってるので、
これで下の子が「濃く」かかると重症化することもあるんですよ。
ということを説明し、別の場所で待ってもらった。
 昨年「新型インフルエンザ」が登場した時は、
マスコミが大騒ぎし、新型ワクチンに長蛇の列ができ、
それこそ、ペストかエイズかという位に恐れられたものだが、
わずか1年で、ここまで意識が変わっちゃうんだなあ。
 その一方で、じわりと鳥インフルエンザが流行ってるのが気がかりです。
(ヒトヒト型に変異しませんように)
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2010.12.15

「タミフル」様のおかげです


 
 突然の急病で各方面にご迷惑をおかけしましたが、
もう大丈夫、完全復活です。
 しかし、体調は回復したものの体力は落ちていて、
今朝の犬の散歩は息切れしたっす。
 さて、今年からインフルエンザの薬は3種類あります。
おなじみ内服薬「タミフル」と吸入の「リレンザ」の他、
一回の吸入で済むという「イナビル」がある。
(厳密には注射用点滴製剤を入れて4種類だが、
これは通常入院患者さんしか使わんだろうから。)
 妻に検査を依頼し、持ってきてくれたのは
おなじみ「タミフル」でした。
「すぐ反応出て、看護婦さんもびーっくりするくらい濃かったわよー。」
 通常迅速検査での反応時間と反応の強さは
ウイルス量に比例すると考えられるので、
相当「濃く」インフルエンザに冒されたと考えられるわけだ。
 もちろん症状も強く、発熱も月曜、朝の38℃から、
38.4℃⇒39.0℃⇒39.3℃と1時間単位で上昇し、
お昼にはついに39.5℃まで上昇。
 しかし、これは40℃までいっちゃうのでは、
と思ったあと、午後3時ころから、急激な発汗が始まり、
今度は1時間ごとにパジャマがびしょびしょになって、
着替えを繰り返す。
(その数10回以上!)
 とともに、どんどん体が楽になり、
熱も38℃台後半から前半へと下がってゆく。
 夜風呂入って、ケンチキのチキンポットパイ食べて寝たら、
その晩はほとんど起きずに翌朝は平熱に下がっていた。
 翌朝、妻が
「あー、やっぱり、新型はタミフル効くわねえ。」
 そうなのだ、忘れてたけど2シーズン前にやはりインフルエンザになった時、
「タミフル」飲むも一向に熱が下がらず、大変な思いをしたのだった。
クリックして参照してください⇒「2009年インフルエンザ闘病記
 あの時は今思えば、旧型である「Aソ連型」の最後っ屁。
ばりばりタミフル耐性だったが、
今回の「パンデミック2009」いわゆる「新型インフルエンザ」は、
若くて勢いはあるが、まだまだ「タミフル様」にはかなわないのだ。
 しかも、これ読むと前回は39℃は超えてないみたいだし、
今回の方が感染としてはむしろ強かったのかも知れぬ。
 今回も、タミフル以外には抗生剤や風邪薬はもちろん、
解熱剤も一切使ってないから、
「タミフル」効いたんだなあ。
 タミフル開始して、半日くらいで効いてきて、
24時間たらずで解熱してるわけだ。
 ・・・待てよ、ウチの奥さん、
ひょっとしてそれ確認したくてオレに「タミフル」持ってきたのか?
 何で、一番新しい「イナビル」持ってこないか、ちょっと気になってたが、
熱も高いので、あれこれ質問する気にもならず
とりあえず飲んでたけど・・・・。
 実験だったのかっ。
 そんなわけで、みなさーん、
今年のインフルエンザは、前のソ連型の時タミフルが効かなかったヒトでも、
ちゃーんとタミフルが効くことが実証されましたのでご安心を。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・
 あー、これ見ると、前回のブログにも
今後は摂生して、マスクして、なんて書いてるなあ。
 やっぱ、オレゃあ、ダメ医者だなあ。
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2010.09.29

今年のインフルエンザ予防接種について


 インフルエンザワクチンについて最近お問い合わせが増えてきました。
 先日お知らせした「今年のインフルエンザはどうなる←クリック」とおり今年のワクチンは一種類です。
 原則、13歳以下は2回接種、それ以上は1回接種が推奨されています。
 料金は、当院では1回目3000円、2回目2000円です。
 足利市にお住まいのかたは助成がありますので、
当院では1歳から小学校6年生までは1回目は無料、
妊婦の方は無料、
65歳以上の方は1000円になります。
 自己負担額は各医療機関が設定した料金と助成金の差額ですので、
病院によっては子供さんや妊婦さんはは差額分を払うところもあります。
 他の市町村にお住まいの方はご確認ください。
 ワクチンはどこで打っても内容は一緒です。
 ワクチンは充分量があるそうです。
 来月から予約をお受けして、10月18日の週から
接種開始予定です。
 今年は浦和レッズが優勝しないので、注射の値引きセールはありません。
(いや数字上ではまだ絶対ないと決まったわけではないが、
今の勝ち点ではどー考えても無理でしょう。)
 さすがにこの成績では、そっち方面の問い合わせは無い模様・・・・。
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医療系をまとめました。
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