ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2008.03.05

注射

 以前ほど多くないけど、よく訊かれるのが
 「花粉症の注射って、してもらえるんですか?」
という質問。原則的に答えはNOです。
 花粉症の注射として考えられるものはざっと3種類あります。
 ひとつは免疫療法、かつては減感作療法といわれました。アレルギーの原因物質(これを抗原といいます)つまりスギ花粉症ならスギのエキスを、少ない量から毎週毎週少しづつ増やしながら注射をしていきます。これによって免疫を変化させて、アレルギーを起きなくしようという方法です。
 この方法の欠点は、まず1~2年の長きにわたり、毎週、毎週注射をしなければならないこと。そして、スギのように抗原量のべらぼうに多いものについては、焼け石に水状態になり、ナカナカはっきりした効果が見えないことです。よって、当院ではあまりお勧めしていません。
 次に、変調療法といわれる注射ですが、牛の血液や尿から抽出した薬剤を週1回、4~5回注射をします。結構、痛い注射です。
 これは、はっきり言って、効果ははっきりしません。いまどき、これやってるとこはないでしょう。狂牛病の問題で、薬そのものもあるかどうか、といったレベルです。
 3番目は、これが皆さんが、想定してるやつだと思いますが、いわく「シーズンの初めに、一回打って置けば、1シーズンOK!」というやつです。
 この注射、絶対やってはいけません。
 これは、脂溶性ステロイドの筋肉注射です。ステロイドというのは、いろいろな作用がありますが、
免疫を抑える作用というのがあります。骨髄移植や臓器移植の際の拒絶反応を抑えるのに使います。免疫というのは、体を病気から守るシステムです。
 アレルギーというのはそもそも、体を守るための免疫が暴走して起こる病態です。だからステロイドは花粉症に効くのですが、同時に体の他の免疫も落としてしまいます。
 いわば、人工的にエイズを作ってるようなものです。この状態で、たとえばインフルエンザなどの重症な感染症にかかると命にかかわることがあります。そして内服と違って脂肪に溶け込むステロイドなので、途中でやめることができません。
 つまり、ゴキブリ退治にオフスイッチのない火炎放射器を使うようなもので、目的と手段が合致していません。
 さすがに最近は、これをやっているとこはほとんどないでしょうが、もしいたら、その医者の良識と良心を疑うところです。治療の内容と、危険性を十分説明しているとは考えられないからです。
 そういえば、注射の好きな人って意外といますね。特に年配の男性の方に多いかも。
「先生よー、風邪、ひいちまったみてえだ。うーんと効く、いてーえ注射、打(ぶ)ってくんねえ。こちとら、江戸っ子でえ。」
 この世に、「風邪の注射」というシロモノは存在しません。そもそも、注射とは、口から薬が取れないか、その病気に対して使える薬の剤形が注射剤しかない、という場合に限ってするものです。風邪はウイルス疾患ですから、もちろん抗生物質なんかいりません。
 もし、風邪の注射をすぐしてくれるお医者さんがいたら、いらない薬を使って悪どく儲けてる人か、
毒にも薬にもならない薬を使って江戸っ子のあなたの希望を聞いてくれる、心の広いやさしい人かのどちらかです。
 

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2008.03.04

ワイアレス

 先日のC.R.P.のライブ[emoji:v-266]に来ていただいた方ならわかると思いますが、私と、リードギターの土井先生は、ワイアレスシステムを使っています[emoji:v-269]。つまりギターとアンプをシールド(要するの電線の事、アヤちゃんはコードって言ってましたが)でつながずに、ギターに小さな送信機をつけて、無線で音をアンプのほうに飛ばすわけです。
 これによって、プレイヤーは線から開放されて、飛んだり、はねたり、回転したり、私のようにギターソロを弾きながら観客席に飛び込んでいくこともできるわけです。
 一度この味をしめてしまうと、もう元のようなシールドは使えません。しかも、使ってみて意外なメリットが発見されました。
 昨年7月、熊谷の八木橋デパートで開催された「オヤジバンド大会」に出演したときのことです。7階だか8階だかに大きなホールがあって、そこでやったのですが、われわれのリハーサルの時、突然地震が襲ったのです。そう、あの新潟県中越沖地震です。何せビルの最上階だから、揺れる、揺れる。
 ステージの上の大きな照明が一斉に振り子運動を始めました。[emoji:e-270]係りの人が
「早くステージから避難してくださーい。」
とマイクで叫んだので、私と土井先生はギターを持ったまま、すばやくステージから飛び降りて避難[emoji:e-282]。シールドのつながった前原先生は、逃げ遅れて、一人ステージに取り残されました。
 まあ、結局照明は落ちてこなかったんですけど、おー、ワイアレスでよかった(前原先生、見殺しにしてごめんね。)と思ったりしたわけです。
 また、やはり昨年8月に、野口医院の納涼祭で野外ステージに立ちました。そのとき、突然襲った雷雨[emoji:e-16]。近くに落雷もあり、音響もバリバリノイズが入って危険な状態。結局、ギターアンプは雨で2台つぶれてしまいましたが、後から考えると自分が感電しなくてよかったなーと[emoji:e-1]。
 でも、ワイアレスだとアンプとはつながってないので、危険ははるかに少ないワケです。前原先生は100ワットとつながってたわけで、これは、危ない[emoji:v-40]!
 てなわけで、地震にも雷にも強いワイアレス、最高っす。(ついでに火事[emoji:e-269]、オヤジ[emoji:v-509]はどうなんだ?おー、自分がオヤジバンドだ[emoji:e-462]。)
 んでもって、この間のライブでこのワイアレスに非常に興味を示していたのが、見に来てくれた髭の紳士、ジャズ・ギタリストのA氏。
 「小倉先生、どうなの、あのワイアレス。使いやすい?音とかシールドに比べて、どう?」
などと、興味津々。
 すぐにも、試してみたそうな口ぶりだったけど、A氏のように、いつも静かに座ってギターを弾く人にはあまりワイアレスの意味がないのでは・・・[emoji:e-279]。

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2008.03.03

耳の日

 今日3月3日は耳の日[emoji:e-318]です。朝から何人かに、話をしましたが「あー、そーですねー。」
くらいの反応ですね。一人だけ、昨日お父さんが「明日は耳の日だから、耳鼻科行くぞ。」と言った家がありました。まあ、一般的にはひな祭りだし、祝日にでもならない限り認知度は低いです。
 いや、祝日になっては困るぞ。この時期は耳の日ではなく、花の日なのだ。鼻の誤変換ではありません。スギ花粉症[emoji:e-448]の真っ只中です。こんな頃に祝日が入ったら、その前後にしわ寄せが来て、外来が収拾つかなくなる。何で、みんな花粉が飛ばないと病院に来ないんだー[emoji:e-2]。もっと早く来て、薬を持ってってください。
 この時期のテーマはいかに再診率を下げるか、です。処置や治療が必要な人にきちんと時間が取れるように、当院では花粉症の人はなるべくシーズン前に来てもらって、十分な生活指導と、必要な分だけの薬を2ヶ月、3ヶ月まとめて持っていってもらってます。そのほうが患者さんも助かるはずだし、処方せん料や再診料がかからないからお得だし。(うちは院外処方だから儲からないけど。)年一回しか会わない患者さんってすごく多い。
 しかし、花粉症が始まらないと来院しない患者さんも依然多く、まだまだ説明不足だなーと思っています。
 しかもみんな、花粉症をなめてるぞ。[emoji:e-262]
 今朝も犬の散歩に行ったとき、通学路の旗振りをしてるO氏に会いました。この人一家そろって花粉症。マスクもしないでいるのが気になりましたが、まあ朝だからいいかと思い声をかけました。
 「花粉症、どうですか。」
 「イヤー、もうだめです。」
 (うっ、もうだめなのか・・・[emoji:e-263]。)
 「朝はまだ少ないからいいですけど、お昼から午後は花粉が多くなるから気をつけてくださいねー。今日も多いですよー。」
 「アーそうですか。じゃあ布団なんかも早くとりこんだほうがいいですね。」
 (げっ、布団なんか干してるのか、[emoji:v-40]自殺行為じゃ。)
 「いや、布団や洗濯物を干すと、花粉がついて、はたいてもぜんぜんダメなので、この時期は干さないでくださいね。」
 「えー、洗濯物もですかー。そりゃ、大変だあ。あははは・・・。」
あはははじゃないですよ、あんたのことだよ、今年大変なんだよ、大丈夫かなこの人[emoji:v-292]。
 昨年の猛暑の影響で、今年の花粉は去年の3倍くらいと見込まれています。
まだ準備してない人は、早めに耳鼻科にご相談を。

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2008.03.02

GOKURAKU-YA

昨夜は足利織物会館GOKURAKU-YAでC.R.P.のライブでした。たくさんの方にお越しいただいて、ありがとうございました
 昨日は、朝から緊張で早く目がさめてしまいました。別にいまさらライブで緊張するわけではないのですが、ここんとこ声の調子が悪くちゃんと声が出るか不安で不安で・・・。
 しかもその前の日、緊急飲み会(何だ、そら)が入ってしまい、2次会でポリスなんか歌わされちゃったりしたので無駄に声を酷使してしまった。
 大体、花粉症のシーズンにライブ組むのはやや無謀だったか。何せ花粉症の診療といえば、しゃべりまくって生活指導を説明するだけ。朝から同じことを延々と繰り返す。でもいつもと違ってなるべく小さい声で、声帯に負担をかけないように。なるべく患者さんに近づいたりして・・・。昼休みはマスクをしてずっと寝てた。
 それでもまだ花粉シーズンの走りなので患者さんも200人を越えず、わりと無難に終わった。
 ライブは始まっちゃえば、もう突っ走るだけ。今回のテーマは「ハード・ロック」。でもよく考えるとハード・ロックってジャンルって今はもうないよね。ロックンロールやパンクって今も通じるけど、今の若い人にはわからないかも。要するにヘビー・メタルが生まれる前のうるさいロックですね。私が中高生の頃聞きまくってたやつだ。
 エアロスミス、グランドファンク、ブラック・サバス、ついでにバン・ヘイレンなど、アンコールを含めて21曲、今回もいい汗かきました。肝心のデキは・・・まあ例によって終わった後は「いやー、すんません。」とお互いに謝りあい、「まー、なかなかよかったよね。」と慰めあういつもの展開でした。
終わった後のビール、またコレがうまいわけだ。(でも土井先生、ギターソロを忘れてしまうので、演奏前のビールはほどほどに)
GOKURAKU-YA2008年3月1日

 で、終わった後は、見に来てくれた阿部マスターのお店「ブルーノート」へ。それにしてもホットコーヒーとホットグレープフルーツでアレだけ盛り上がる まえはらクリニックのスタッフの皆さんには圧倒されました。なんなんだ、このノリは。
 その後、知り合いの紹介で東京から見に来てくれた形成外科の先生(この人もバンドでドラムやってる)などとスナックでまた盛り上がる。そこでまたディープ・パープルやロッド・スチュワート、レッド・ツェッペリンなどを歌いまくり、シメにラーメン屋に寄って家に帰ったのは4時すぎだった。
いやー、俺って元気だなー。(今年49歳
 んでもって、今朝は8時前に耳が痛い急患の子の電話で起こされました。
 (ガラガラ声)「じゃあ、診ますけど、どれくらいで来られますか。」
 「はい、すぐ、10分くらいで行けます。」
 「いや・・・、あの・・・、じゃあ20分くらいで来てください。」
と、しぶしぶベットから出たのだった
 

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2008.02.29

家庭の秘密

 ブログはじめて気になるのは、みんな読んでくれてるのかということ。
 本日は副院長(妻です)が、レントゲンの前で患者さんのおかあさんと私のブログの話で盛り上がっていた。
 「なんか言ってた?」
 「おもしろいっていってたわよー。」
 「あっそー、どの辺が?」
 「うん、あそこの奥さんも、だんなさんの朝ごはん作らないんだってー。」
って、そこかい[emoji:v-405]。
 まあブログなんかでこういった家庭の秘密が少しづつ流出してしまうわけですが、なんと言っても一番他人の家庭の秘密を知ってるのは保育園の保母さんでしょう。
 子供は体面や世間体がないので、家庭で起こったことをナンデモ話してしまうようです。保母さんがうまく水を向ければ得意になって、あらゆることをどんどん話す。で、保母さんが受けると子供はますますうれしくなって、あることないことしゃべりまくるようです。夫婦喧嘩だの、食事の献立だの、その時お母さんが賞味期限の切れた食材をまずお父さんに食べさせてみただの、個人情報の保護もへったくれもないです。
 ウチも共稼ぎなもんで下の子なんかは4ヶ月から保育園にお世話になっていました。そこですっかり保母さんに手なずけられて、いろいろなことを言ってたみたいです。
 ある時私が、子供を迎えに行くと、保母さんに
 「もうお元気になられたんですね?」
と声をかけられました。[emoji:v-361]一瞬何のことかわからなかったのですが、突然思い当たるふしが・・・。
 その日の朝ひどい二日酔いで床の上に横になって
 「うおー、もう酒やめるぞー。」
などとうめいていた記憶が・・・[emoji:v-406]。うーん、ヤバイ・・。ほかにも何言われてたやら。
 そういえばこの間、うちにかかった子供に
 「おはよう、今日はどうしたのかな?」
とたずねたら
 「あのね、げーげーしてるの。トイレでね、パパがね、げーげーしてるの。」
すわ家族内に、ノロウイルスか、インフルエンザか、と思ったのですが、お母さんが
 「主人、昨日飲み過ぎたみたいで・・・。」
と、あせって説明してくれました。ま、二日酔いは感染らんわな。
とりあえず、子供の前では気をつけましょう。それにしても、保母さんの飲み会ってすごそうだなー。スクープ、スキャンダル出まくりなんだろなー。
 

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