ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2010.05.03

あそこで負けちゃ、やっぱイカン。


 なんだかあわただしくゴールデン・ウイークに突入し、
しばらく更新を怠ってましたが。
(内容も内容だし・・・。)
 土曜日のJリーグ、エコパに4時は無理なので、
テレビ観戦を決めていた。
 でも、せっかくの連休突入日のサタデー・ナイトなので、
ちょっと外出、つことで試合は夜中、帰宅後、録画で。
 そこに、心の隙があった。


  2020年J1第10節
  清水エスパルス     2-1     浦和レッズ   (エコバスタジアム)
         (前半  1-1)
         (後半  1-0)


 なんと、開幕から「負けなし」の清水エスパルス。
 今年加入の元おなじみの「うまい人」もいるし、
今や日本代表フォワードの柱となったノッてる「とれる人」もいるし、
足技もうまくポストになりヘッドの強い「たかい人」もいる。
ついでにサブのFWとキーパーも「みたことある人」だったりして。
 しかも眉毛の太い、全体に体毛の濃そうな監督は6期目で、チームは完成期になって来ている。
 試合は緊張感のある、互いに主導権をとりあうものだった。
 首位のチームとがっぷり組んで戦った、という点は評価されるし、
Jの試合としては、最近珍しくユニ交換してる選手もいた。
 ・・・・でもなー。
 ロスタイムの失点。
 あの時は、その少し前から、なんとなく予感があった。
(「知ってる人」の「ヘッド」もあったし。
ただし、あの人のヘッドは昔はほとんどみたこと無かったんですけど…。
1,2点はあった?)

 ああ、引き分けでいいけど、
なんとなく、全体に 「ユルイかも。」
 と、思ったら・・・・。
 深夜一人でビデオ見てたもんで、翌朝、
「昨日は負けたけど、首位相手に内容は悪くなかった。」
 と言うと、娘に
「勝った時は、まあ、勝って良かったが問題点もあったな、っていうし、
負けると、負けたが内容は悪くなかった、っていつも言うよね。」
 と、言われました。
 すいません。
 やっぱ、あそこで負けちゃだめだよね。
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2010.04.29

「肺炎球菌ワクチン」についてのお話~その3


 第3章 肺炎球菌ワクチンについて
 肺炎球菌には90種類以上の型が報告されています。
 これは表面抗原の違いで、同じ肺炎球菌でも違う服を着てるわけです。
 この型によって効くワクチンが違ってくる。
 例えば、インフルエンザのワクチンで、
ソ連型も新型も「H1N1」なのに従来型のワクチンは、
新型には効かない、という話は昨年の経験でご存知でしょう。
 今回認可になってる肺炎球菌ワクチン「プレベナー」は
7価のワクチンです。
 ということは90種類のうち7種類にしか効果が無い、ということです。
 なーんだ、たった90分の7なのー、と思うでしょ。
 しかし、90種類といってもその頻度、病原性から、すべてが重要というわけではないので
このワクチンによって「侵襲製の高い肺炎球菌感染症の75%に効果あり」といわれています。
 実は現在「13価」のワクチンが開発中で、
こちらですと、90%程度になるようです。
 「肺炎球菌ワクチン」には以前から主として高齢者用の「ニューモバックス」という製品があります。
 こちらは「23価」のワクチンです。
 23種類の肺炎球菌に対して免疫をつけることができます。
 じゃあ、これ打てばいいじゃん、と思いますが、
実はそうはいかないんです。
 一般に「2歳以下」の子供では免疫機構が未熟なため、
通常のこのタイプの「多糖体ワクチン」では、免疫がつかないのです。
 そこで、この「プレベナー」では特殊な技術で乳幼児にも
免疫がつくようになってるので、「2ヶ月の赤ちゃん」から打てるようになっています。
 「13価」のワクチンはまだできてないので、
とりあえず「7価」を打っといて、2回目以降は「13価」に乗り換え、って事は可能です。
 本来こういったワクチンは「公費」で集団接種し、
地域の保健状態を改善するのが理想ですが、
今のところ「自費」接種です。
 1回1万円程度、奨励されるスケジュールだと4回接種ですから、
費用対効果を考えます。
 適応としては「肺炎球菌による侵襲型感染症の予防」ということになっており、
これは「細菌性髄膜炎」「菌血症」「侵襲性肺炎」をさすので、
「中耳炎」は、入っていません。
 先ほどの「75%」をカバーも、「中耳炎」に限ると「60%強」になっちゃうみたいです。
 しかも、もちろん「肺炎球菌の中耳炎の60%」ですから、
肺炎球菌による中耳炎が全体の40%とすると
雑な計算で「急性中耳炎の4分の1位に効果」ってことですかね。
 だから、これ打てば中耳炎に対してはある程度の効果は期待できますが、
中耳炎にならなくなる、ってわけではないです。
 
 まあ、怖いのは「髄膜炎」とかです。
 考え方としてはこれは「保険」みたいなものですから、
リスクが高いお子さんは積極的に受けるべき。
 中耳炎はオレが何とかするけど、
「髄膜炎」「菌血症」になったら死んじゃうこともあるんだから。
 つまり、保育園児や、上に保育園、幼稚園の兄弟アリ、喘息あるいは喘鳴を起こしやすい
「2歳以下」のお子さんは打った方がいい。
 小さい子ほど重要です。
 0歳代で保育園行ってる、なんてお子さんは是非受けるべきでしょう。
 5歳以上は原則的にそれほどの意味はないと思います。
 当院でも予約を開始しますので、
受付にご相談ください。
 安全性についてですが、副反応は他のワクチンに比べ高率で、
接種部位の腫脹・硬結は8割に、
発熱は30~40%の子で出るようです。
 全体で何らかの副反応が出る率は初回で89.5%、
追加免疫を含めた累計では98.3%というかなりの数字が出ています。
 まあ、腫れて熱が出るのは普通、と考えていいようです。
(おまけ)
 以前書いたので、このブログの読者の皆さんは
ご存知と思いますが、
 「細菌性髄膜炎」のもう一つの重要な起炎菌は「インフルエンザ菌」ですが、
これは「ヒブ」といわれる「夾膜型インフルエンザ菌B型」で、
「急性中耳炎」を起こす「非夾膜型インフルエンザ菌」とは別物なので、
「ヒブワクチン」は「髄膜炎の予防」には有効ですが、
「急性中耳炎の予防」には無効ですのでお間違えないように。
 未読の方は過去のブログ「ヒブ・ワクチンって何?」(←クリック)を、ご一読ください。
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2010.04.27

「肺炎球菌ワクチン」についてのお話~その2


 肺炎球菌の話の続きです。
 第2章 肺炎球菌の耐性化
 近年「PRSP」というものが問題になっています。
 これは「ペニシリン耐性肺炎球菌」のことで、
いわゆる「薬の効かない菌」のことです。
 抗生物質を飲むと菌が死んで、中耳炎や肺炎が良くなります。
 中耳や肺からは菌がいなくなりますが、鼻腔からは菌は消えません。
 
 こういった菌はヒトからヒトにうつります。
 しかし、鼻の中なら別に何の症状も出ないので、もらってもそれとはわかりません。
 特に、保育園、それも年齢の小さい子供たちのクラスでは頻繁にこのようなことが起こります。
 幼小児の4割がこういった「潜在的病原菌」を普段から持ってるといわれますが、
これが「集団保育の子供たち」では9割にもなるといいます。
 近年、こういった菌の中に抗生物質が効かない菌が増えてきました。
 菌の耐性化は偶然起こるものですが、
いったん耐性化した菌は、ヒトからヒトへとうつります。
 抗生剤を使ったとき、耐性菌だけが生き残るので、
やがて、感染の主要な菌になっていきます。
 このような耐性菌が増えた理由は抗生物質の濫用です。
 本来、風邪はウイルス感染ですから、抗生物質は無効です。
 最近の考え方だと熱が39度だろうと40度だろうと
それだけでは原則的に抗生物質は使いません。
 しかし、かつてはそうではなかった。
 耐性菌の増加は
安易に「念のため」とか「とりあえず」で抗生物質を出していた我々医者の責任です。
 中耳炎を起こすから「予防」のため、なんてのもダメです。
 抗生剤飲んでても中耳炎になりますし、
そのためにかえって治りにくくなることもあります。
 まさか今はいないでしょうが、
兄弟で「溶連菌」の子が出ると、
症状の無い兄弟全員に抗生剤を飲ませるセンセイもいたらしいです。
 大分前に「MRSA」というものが話題になりました。
 これは「メチシリン耐性黄色ブドウ球菌」のことで、
やはり薬が効かない「耐性菌」です。
 しかし、「MRSA」が「PRSP」と大きく違う点があります。
 それは「MRSA」は「弱毒性」という点です。
 同じブドウ球菌でも「MRSA」は、通常の健康な人に感染症を起こすことはまずありません。
 低体重新生児、ガン末期、などの免疫力の弱い人に感染を起こすので
主として病院内の「院内感染」が問題になります。
 ところが「PRSP」はそんなことは無く、健康な人にも
どんどん感染症を起こしてきます。
 近年、中耳炎が治りにくくなってるのはこのためで、学会でも問題になっています。
 中耳炎で問題になってるって事は、
中耳炎そのものがべらぼうに多いからなので、
同じ肺炎球菌の「重症感染症」も治りにくくなってることが推測されます。
 中耳炎であれば鼓膜切開などの手術もありますし、
すぐに生命の危険は無いわけですが、
こういった菌が「髄膜炎」「菌血症」「肺炎」などを起こした場合は深刻です。
 そのため、小さい子の肺炎球菌の制御は大きな意味があるわけです。
 第3章ではいよいよ肺炎球菌ワクチンについて説明します。
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2010.04.27

「肺炎球菌ワクチン」についてのお話~その1


 最近、問い合わせの多い「肺炎球菌ワクチン」ですが、
ここで、ご説明しましょう。
 今回から数回にわたってご説明しますので、
興味のある方は、是非お読みください。
第1章 肺炎球菌とは
 私が、医学生の頃「細菌学」の授業の最初に聞いた話です。
 その、最初に教授が言ったことは、
「諸君は細菌というと、赤痢菌やペスト菌を連想するだろうが、
そんな菌に日常遭遇することはまずありません。」
 要するに「細菌」には3つのグループがあり
①体に入れば必ず病気を起こすもの(赤痢菌、ペスト菌etc.)
②通常は病原性を持たないもの(いわゆる常在菌)
③場所によっては「常在」するが、臓器に進入して病気を起こすもの
に分けて考えることができる。
 我々が通常の臨床で遭遇するのは③のグループの菌が多い。
 そんなわけで、講義の第1回は 「黄色ブドウ球菌」 だった。
んで、次に習ったのが「溶連菌」として有名な 「溶血性連鎖球菌」。
 もう、30年も前の話だが良く覚えています。
 肺炎球菌は、この③のグループに属する菌で、
その名のとおり「肺炎」の原因菌としては最重要ですが、
ヒトの鼻咽腔に「常在」することがあり、特に幼小児と老人で問題になります。
「中耳炎」の原因菌としては頻度がもっとも多い菌です。
 肺炎球菌が引き起こす病気として、もっとも危険なのは
「細菌性髄膜炎」 です。
 発症率は 5歳未満の10万人に2.9人 といわれていますが、
3分の1程度は死亡や重い後遺障害が残るといわれており大変危険です。
「細菌性髄膜炎」の原因としては「インフルエンザ菌B型(ヒブ)」の方が
頻度は高いですが、重症度は肺炎球菌のほうが高いといわれています。
 次に 「菌血症」 があります。
 発症率は 5歳未満の10万人に328人
 菌が血液の中に入ることによって多くの臓器にうつります。
 そしてもちろん 「肺炎」 です。
これはぐぐっと頻度は上がります。
 で、「中耳炎」 ですが、これはさらに3桁くらい頻度が上がります。
 まあ、そんなわけで「肺炎球菌感染症」を日頃一番診てるのは我々耳鼻科医なんです。
 毎日のように、
「うーん、こりゃ、肺炎球菌ですね、」
というセリフを口にしてます。
 肺炎球菌はインフルエンザ菌と並んで急性中耳炎の2大起炎菌ですが、
インフルエンザ菌と比べて、臨床症状が激しいのが特徴ですね。
 そして、その「肺炎球菌」が、近年、大きく変貌しています。
 ~第2章に続く
 次回は近年の肺炎球菌の問題点についてお話します。
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2010.04.25

勝ちの妄想、負けの予感


 キック・オフは先週と同じ4時だが、今日は土曜日なんであわただしい。
 出発前にビデオのチェックを。
 ええと、中継はテレ玉はなし、スカパーか、おっと、今夜は「レッズ・ナビ」あるんだ。
 ちょっとだけ、やな予感。


  2010年J1第7節
  浦和レッズ      0-1       ジュビロ磐田    (埼玉スタジアム2002)
        (前半  0-0)
        (後半  0-1)


 途中で昼飯を買って埼スタに。
 結果はあまり語りたくないが・・・。
 先週の胸のすくような勝利の後、今日は簡単に勝てると思ってたでしょ。
 いやー、みんな、思ってた思ってた。
 口では油断できないとか、過去のレッズは良い試合の後には…とか言うけど、
 でもやっぱり勝つと思ってたでしょ。
 私はスタジアムで後半40分までは逆転で勝つのでは、なんて思ってた。
 レッズのパスサッカーはポゼッションではジュビロを圧倒し、
終始、ゲームの主導権を握る。
 パスも崩しも悪くないし、ドリブルやサイドチェンジの緩急もあった。
 事実、決まってもおかしくない決定機は結構あったし。
 じゃあ、無かったのは「運だけ?」 かっていうと、やっぱりそうではない。
(埼スタのポストはレッズの味方じゃなかったのかよー)
 あれだけ攻め込まれたジュビロのシュートが前半レッズよりまさってたのは
やはりパスの出所を抑えきれてなかったせいだし、
 ドン引きされた相手を揺さぶって前に引き出すアイディアは、
今回もあまり見られなかったし。
 新潟や川崎相手にうまく行ったのは、彼らがフォアチェックに出てきてくれたから。
 まあ、今後の清水、名古屋の連戦が前半戦の大ヤマであることは間違い無い。
 彼らはドン引きはないですから、ガチンコで、是非打ち負かしていただきたい。
(気になる元レッズの選手もいるし)
 チーム自体はここのところいいサッカーしてきてると思うので、
自信を持って、決戦に臨んでほしいものです。
 それにしても、レッズ・ナビは負けた試合の方が盛り上がるんだわ・・・・・。
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