ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

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2010.10.24

耳管開放症の中島美嘉さん

 中島美嘉さん、耳管開放症で公演中止。
 一昨日のスポーツ新聞の見出しに載ってましたなあ。
 おおお、と思ったのですが。
 先日、薬剤師会で講演した時に、
めまい、耳鳴りの話だったので、
「突発性難聴だった浜崎あゆみさん」
「メニエール病だった相田翔子さん」
「真珠腫性中耳炎だったコロッケさん」
の話題を交えて話したのだったが、
中島さん、耳管開放症だったのかあ。
 といっても、実はワタシ、中島美嘉さんをよく知らず、
その新聞の記事を読んで、ははあ、あの人かな、と思ったくらいで、
名前は知ってるけど、すぐ曲は浮かばない。
いや、聴けば絶対知ってると思いますけど。
 ところで、気になったのは、そのスポーツ新聞に
「耳管開放症とは」
と、解説を書いていたどっかの耳鼻科の先生の話。
 話を聞いた記者がダメだったかのかもしらんが、
この先生、よく耳管開放症のことわかってないのでは、
というような内容だった。
 実はこの「耳管開放症」なかなか難しい。
 そもそも、きちんとした系統疾患として認識されてきたのは、
ごく最近のことなのだ。
 それまでは「耳管狭窄症」は多いが「耳管開放症」はまれ、
などとかたづけられ、あまり重視されなかった。
 最近の研究で実はかなり多いこと、そしていろいろな病態があることがわかって来た。
 耳管というのは中耳と鼻腔をつないでいる管で、
中耳と外気の気圧の調節をしてる。
 山登って、耳がつーんとなった時、アクビすると治るアレだ。
 この管、普段は閉じているのだが、アクビやモノを飲んだり、
口をあけたりする時に随時開いてこまめに圧力調節をしている。
 これが開きっぱなしになっちゃうのが耳管開放症で、
鼻腔と中耳が直結しちゃうので、
自分の声や鼻の呼吸音がびんびん耳に反響しちゃう。
(自分の声が響いて聞こえることを「自声強聴」といいます。
よく「強」を「強調」と間違えることがあるので学生さんは要注意)
 程度が強いと難聴や、場合によってはめまいも起すというものだ。
 そして、耳管開放症のもう一つのタイプとして最近提唱される
「鼻すすり型耳管開放症」というのは、
開放している耳管が、鼻すすりにてロックしてしまい、
一見耳管狭窄症のように見えてしまうため、
誤診されてることが多いのだ。
 私も2,3年前学会に行ってこの話を聞いて、
ああ、あの患者さんは狭窄症じゃなくて開放症だったんだ、
とあとから思い出す例がいくつかあります。
申し訳ない。
その頃は、この病態がわかってなかったから仕方ないといえば仕方ないんだけど。
(そのスポーツ新聞の取材した先生は、まだよく知らないかも?)
 じゃあ、治療はどうするんだ、という話は次回。
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2010.10.20

心不全の勉強会


 先日、診察終了後、医師会館まで、
久々に内科の研修会に参加してきた。
 まあ、耳鼻科の専門医の単位には関係ないし、
自由参加だが、開業医やってる以上、
内科の事も少しは知らんといかんと思い、
来年度からは医師会の休日急患も回ってくる関係もあって、
行ってみたわけなのだ。
 内科の研究会も、
喘息や気管支・肺疾患や、めまい、
また、インフルエンザ関係だと日常大いにかかわりがあり、
場合によっては一般内科の先生よりもこっちの方が詳しい分野だったりするわけだが、
この間行ったのはテーマは「心不全」。
 血圧がどうの、なんてヒトまでは来るわけだが、
さすがに心臓が止まりそうな患者さんは耳鼻科には来ないわけで、
いやー、なかなか難しかったです。
 そもそも、略号がちんぷんかんぷん。
 CTRやAVblock、ST上昇位はまあわかるが、
AMI?PND?
 しかし、これらは、英語で、
「Acute Myocardinal Infarction」
「Paroxysmal Nocturnal Dyspnea」
などと、ちゃんといってくれれば
ああ「急性心筋梗塞」「発作性夜間呼吸困難」のことかとわかる。
 しかし、NIPPVが「非侵襲的陽圧呼吸」だとか、
BNPが「脳性ナトリウム利尿ペプチド」といわれても、
まず、ピンとこない。
 前者は人工呼吸器の類だろうとは思う。
 BNPに至っては、全然分かんないので帰って調べたら、
心不全の病態の指標として、頻繁に測定される物質だという。
 発見されたのが1988年で保険適応になったのが1996年という。
 オレが国家試験受けたのが1985年だからなあ。
 すると、今これを知らない医学生、内科医はいないわけだが、
知らない耳鼻科医、眼科医、整形外科医なんてのは多いのでは。
(オレぐらいだったらヤバいなー。)
 さらにシロートでも、心臓病で内科かかってるオジイちゃんなんかは、
当然、知ってるわけなんだろうなあ。
 こうしてみると、
逆に、たまに耳鼻科の研究会なんかに来る内科の先生が
エライ、とんちんかんな質問をして、
我々を唖然とさせることがあるのもよくわかる。
 とりあえず、今回、いかに医者は他科の事に疎いか、
ということを肌で感じてしまったのだ。
 しかし、あそこにいた内科標榜のドクターは、
あの話100%わかってたのかなあ。
内科医もピンキリだが・・・・。
 でもまあ、研修会、学会に参加してない医者はヤバいけど、
ああいうとこに自ら参加する医者は大丈夫なんでしょうね。
 ああ、オレももっと勉強します・・・・。
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2010.10.02

禁煙外来の新聞取材を受けました

 先日、生まれて初めて新聞社の取材を受けた。
 突然、電話がかかって来て、
禁煙外来についての取材をしたいという。
 今まで、いわゆる『広告』で取材の申し入れはあったけど、
そういう怪しいのはみんな断っていた。
参照⇒「CCガールズの誘惑
 しかし、今回は「下野新聞」の正真正銘の取材なのだ。
 お昼休みにやって来たのは、
CCガールズみたいなダイナマイトなお姉さんではなく、
でも、若い、きれいな女性記者さんでした。
(ああ、写真とっときゃよかった。)
 実はワタシ、小学校の「壁新聞」で目覚めてから、
中学時代、サッカー部と掛け持ちで新聞部で学級新聞、学校新聞を作ってたのだ。
 新聞記者、今でもあこがれです。
 2,30分取材を受けて、その記事が
本日の「下野新聞」に載ってます。
 Web版にも載ってますぜ。(⇒クリック「下野新聞」)
 当院が栃木県でも数少ない、
禁煙認定指導医のいる禁煙治療保険認可施設ということで取り上げられたらしい。
 「小倉医師」、だってカッコいいじゃん。
 なんか如何にもマジメなお医者さんみたいで。
(いや、実際、マジメなお医者さんだけど。)
 あ、まてよ。
 マスコミの取材受けたの、前も一回あったぞ。
 大学時代の同級生で、産婦人科に行ったみゆきちゃんが、
皇太子妃雅子さまの出産に当たり主治医になった時に
「FRIDAY」の電話取材を受けたなあ。
 でも、その時には学生時代、私が彼女とは何の色っぽい関係もなかったので、
記事にはならんかったけど。
 下野新聞さん、今度はバンドの方で取材してねー。
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2件のコメント
2010.09.29

今年のインフルエンザ予防接種について


 インフルエンザワクチンについて最近お問い合わせが増えてきました。
 先日お知らせした「今年のインフルエンザはどうなる←クリック」とおり今年のワクチンは一種類です。
 原則、13歳以下は2回接種、それ以上は1回接種が推奨されています。
 料金は、当院では1回目3000円、2回目2000円です。
 足利市にお住まいのかたは助成がありますので、
当院では1歳から小学校6年生までは1回目は無料、
妊婦の方は無料、
65歳以上の方は1000円になります。
 自己負担額は各医療機関が設定した料金と助成金の差額ですので、
病院によっては子供さんや妊婦さんはは差額分を払うところもあります。
 他の市町村にお住まいの方はご確認ください。
 ワクチンはどこで打っても内容は一緒です。
 ワクチンは充分量があるそうです。
 来月から予約をお受けして、10月18日の週から
接種開始予定です。
 今年は浦和レッズが優勝しないので、注射の値引きセールはありません。
(いや数字上ではまだ絶対ないと決まったわけではないが、
今の勝ち点ではどー考えても無理でしょう。)
 さすがにこの成績では、そっち方面の問い合わせは無い模様・・・・。
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2010.09.17

Non Smoking Boogie


 当院は禁煙認可施設で、
禁煙治療に保険が使えます。
 院長、副院長とも、昨年、日本禁煙学会の認定指導医の資格試験を受け、
合格しました。
 んで、こんなのに載ってます。
禁煙治療に保険が使える医療機関情報
 さて、ここのところ、禁煙外来希望者が急に増えています。
 まあ、直接の理由はタバコの値上げが大きいと思います。
 しかし、値上げだからやめる、という単純な理由ではなく、
前々からやめようと思っていたが、これをきっかけに、
という方がほとんどのようです。
 確かに、近年、喫煙環境の減少、
特に公共交通機関や飲食店での禁煙化が進んでいます。
 そーいやあ、舘ひろしさんがやめたんだよなあ。
 あんだけ、テレビ、雑誌で広告されると、
禁煙成功しないわけにも行かないし、
成功後も、ちょっと一本なんてことがあると、
写真週刊誌の餌食になっちゃいそうだ。
 たかがタバコなのに、大麻や覚せい剤みたいな扱いになっちゃうかも。
 そういった意味では舘さん、禁煙して、
リバウンドも不可能ならば
健康も獲得して、タレントさんとしてのイメージもぐっとアップして
良かったじゃないですか。
(最近、薬物関係で再々逮捕、なんてダメタレントがいたぞ。)
 うちの外来にも舘さんのちょっとキモいポスター貼ってありますが。
 そーいえば、ファイザー製薬、最初から「舘ひろし」の予定だったんだろうか。
 ひそかに交渉して、断られた大物喫煙タレントがいたら、
ぜひ名前を知りたいもんだ。
 そして、次もだれかやるんでしょうかね。
 今度は女性タレントとかスポーツ選手とか。
 ネットで調べると女優では松たか子さんとかスモーカーで有名らしいですね。
 野球選手やゴルフ選手には喫煙者が多いらしいし。
 でも、イチローは吸わないだろうな、やっぱり。
 横綱「白鴎」は吸うんだろうか?
 だって、横綱は「スモウ・キング」だから・・・。
 まあ、くだらないオヤジギャグは置いといて、
ともかく、禁煙により、
身体的(本人および家族の)、社会的、経済的に幸せになりたい方は、
是非ご相談ください。
 現在のところ、保険認可になっているのは
「ニコチンパッチ」と「経口禁煙補助薬」の2種類があります。
 ということで、この週末は四国松山まで、
「日本禁煙学会総会」に参加してお勉強してまいります。
(連休を使って行ってきますので、休診はありません。)
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2010.09.16

今年のインフルエンザはどうなる?

 インフルエンザのワクチンの案内が来て、
ああ、もうそんな時期かと思う。
 思えば昨年は新型インフルエンザで大変だったなあ。
 昨年の私の予想通り、ソ連型は姿を消したため、
今年の予防接種は、
パンデミック2009(H1N1、いわゆる新型インフルエンザ)、A香港型(H3N2)、B型
の3種の「ブレンド」になりました。
 昨年のように「新型」「季節型」と分けて打たなくていいわけです。
(ホントは去年もこれができればよかった。)
 さあ、今年の流行はどうなるか。
 昨年かかった人は、おそらくまだウイルスの変異があまり無いと思われるので、
かかりにくい、と思います。
 昨年かかってない、おそらく3~4割のヒトを中心に流行があるかもしれません。
 問題は、ウイルスが2年目に感染力や病原性を増すことがある、
という過去のデータです。
 事実スペイン風邪ではそのような事がありました。
 新型ウイルスが人間の細胞内での暮らしに慣れて、
よりスムーズに増殖をするようになるため、と考えられます。
 この点は要注意ではあります。
 しかし、一方いい話題も。
 近年、急速に増加してきたタミフル耐性ウイルス。
 そのほとんどが「Aソ連型」でした。
 今回、Aソ連型の「消滅」により、その点はリセットされちゃいました。
 つまり、現時点では、タミフル耐性ウイルスはほとんどいないはず。
 さて昨年の「新型」で、日本のインフルエンザ死亡率はダントツで世界最低でした。
 人口10万人対の死亡率で、
日本は0.16、これはドイツ0.31などに比べても優秀で
カナダは1.32、アメリカに至っては3.96です。
なんと日本の25倍の死亡率です。
 これは初期からタミフル、リレンザなどの
抗ウイルス薬が使用できたことによるのは明らかで、
日本の国民皆保険制度の「いいところ」が発揮された形です。
 (オバマさんも国民皆保険、やりたいわけだ。)
 しかし、いずれ「新型」も耐性化する。
 今年は新たに吸入式の抗インフルエンザ薬「イナビル」が発売になります。
 現時点では、タミフル、リレンザ、そしてこの新しいイナビルを
バランス良く使って行くことが「耐性化」を遅らせるポイントでしょう。
(単一の薬剤だけを使うと早く耐性化します。)
 そして、何といっても大事なのが予防のワクチン。
 抗ウイルス薬を「予防」に使うのはやっぱりダメですよ。
 昨年かかった人もできるだけワクチン打っといた方がいいです。
 去年のような事態にはならないと思いますが、
今年、どんなことになるかは実際、ふたを開けてみないとワカラナイ。
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2010.09.10

多剤耐性アシネトバクター

 多剤耐性菌が問題になっています。
 要するにほとんどの抗生物質が効かない細菌です。
 多剤耐性アシネトバクターによる院内感染が
帝京大学で発生したり、
インドから帰国した男性から
NDM1といわれる耐性酵素を持つ大腸菌が検出されたとか。
 でも、なかなかこういう事の本質が正確に伝わらない気がする。
 やたら、こう恐怖をあおったり。
 オソロシイデスネー、しか言わないゲストコメンテーターとか。
 報道する側がそもそもきちんと理解してないような気がするなあ。
 新型インフルエンザのときにも感じた、
もやもやを感じてしまいます。
 多剤耐性アシネトバクター、実は当院でも患者さんから検出されてます。
 驚くことは無い。
 アシネトバクターは、そこいらにいる弱毒菌。
 セラチア、緑膿菌、アシネトバクター、キャンピロバクター、エンテロバクターは
その頭文字をとってSPACEと呼ばれる弱毒菌5人衆だ。
(緑膿菌はPsudomonasでPなのだ。)
 まず、耐性菌はどこにでもいる、という認識が必要です。
 しかも、普通は何も悪さをしない。
 健康なヒトに病気を起こすことはまず、ありません。
(ただ、慢性性中耳炎だけは別です。いつも困ってます。)
 問題はこういった耐性菌を世の中に増やさないこと。
 抗生物質の濫用によって、こういった菌が
「選ばれて」いるわけだ。
 健康な人々が抗生剤を飲むことによって、
薬の効く菌は死滅するがその分耐性菌が増える。
 その耐性菌はその人には直接何の影響もないが、
巷に出て行って、社会に潜伏する。
 多くは死滅しちゃうんだろうけど、
数が重なると、そっから病院とかに紛れ込んで、
時に、「免疫弱者」に重大な感染症を引き起こすわけだ。
 セラチアも、ちょっと前、院内感染で問題になりましたね。
 だから、カゼのときは抗生剤は飲んじゃダメよ、
といつも言ってるんだがなあ・・・・。
 また、そのうち機会を見てこのブログで耐性菌のお話をしたいと思います。
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2010.08.30

目にはさやかに見えねども


 気象情報では、相変わらずの猛暑とか、暑さの記録更新を告げ、
9月もまだまだ暑いですのでご用心、なんていっています。
 しかし、お盆過ぎから外来患者さんには異変が。
「今週になってから、急に鼻水、くしゃみが。」
「この2,3日、妙に目をかゆがっていて。」
 なんてヒトが続出。
 カルテをひっくり返すと、
以前のアレルギー検査で、ブタクサやイエダ二が強く反応している。
 鼻を見ると明らかにアレルギー性鼻炎の所見が。
 ああ、生物学的反応は感覚的印象より正確だ。
 秋来ぬと目にはさやかに見えねども、
   ヒトの鼻にぞおどろかれぬる。

 【解釈】(毎日暑くて)秋が来たという様子ははっきり目には見えないけど、
     (アレルギー性鼻炎の患者さんの)鼻の中を見ると自然にはっと気付いた。
 【解説】 夏の間は花粉症にしろダニ・ハウスダストにしろアレルギー性鼻炎の患者さんは
     症状、所見が軽快する。まだ、夏だと思っていた作者は、
     患者さんの鼻粘膜の状態を見て秋の訪れに気付くのである。
     「ぬる」は、おなじみ「~ぞ」を受けての係り結びである。
    「おどろかれ」は「おどろく」に「られ」がついた形。
     「おどろく」は「はっと気付く」の意。
     「られ」は、可能、尊敬、受身、自発の4種類があるが、
     ここでは「おどろく」の心情表現があるので「自発」である。
     「自然と~」「思わず~」などの訳を当てる。
     「おどろかされる」と受身で訳すと減点ですので気をつけましょう。
     
      <用例>山岸ならPKをとめられると思った。(可能)
         ポンテ様がいい時間帯にゴールを決められた。(尊敬)
         ロスタイムにやられた。(受身)
         サポーターの気持ちがしのばれる。(自発)
        ・・・・・・・なんか、引きずってるなあ。
 
 なんだかんだで、過ぎゆく夏。
 
 そーいや、ツクツクボーシやコオロギの声が・・・。
     (ナニ、コーロギだと?あのやろー)
 まあ、夏休みも終わり。
 この土日は、夏休みの宿題で大変だった、という家も多いんだろうなあ。
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2010.08.23

コメント欄のご質問にお答えします。

 ブログのコメントコーナーにこんなコメントをいただきました。
お忙しい中ありがとうございます
あの…前にも聞いてもらったんだけど…
いま、あたしは20代で…今年の4月から看護学校へ入学したため地元を離れて暮らしています
滲出性中耳炎でおととしぐらいから、月に2~3回ぐらい耳鼻科に通ってました
左耳は全く聞こえないわけじゃないけど…あまり聞こえません…
鼻から空気を入れる治療?を先生からすすめられたんだけど…
スッゴく痛くて怖くて、イヤで…
鼓膜切開をしてもらって耳にチューブを入れてもらってました
抜けたりしたんで耳鼻科に通い出して3年ぐらいの間に3回チューブを入れてもらってました
その時はよく聞こえてたんだけど…学校入学する前の3月頃にチューブが外れて…そのまま地元を離れてしまい…7月まで耳鼻科には通っていませんでした…
夏休みに入り…今は地元に帰ってるので耳鼻科に行ってます
先生にまたチューブを入れてほしいと頼んだんだけど…
今は耳には水がたまってないって言われて…鼓膜の傾きがキツイから耳が聞こえにくくなっていると言われて…
痛いけど我慢して…週に2回通い…鼻から空気を通してもらって治療をしてもらっています…
もうすぐ夏休みが終わり…地元を離れるんですけど…場所が変わってもやっぱり定期的に通院したほうが良いですよね?
1番悩んでるのが…交通の便が悪くて病院(クリニック)が遠いことなんです…
学校がある場所が田舎で本当に交通の便が悪く…耳鼻科に通うのが大変なんです…
痛いうえに通院が大変になってくると…耳鼻科に通うのがが苦痛で仕方がないんです…
右耳は普通に聞こえるから…生活には支障はないんだけど…
正直いつまで通院すれば良いのかがわからなくて…
鼻から空気を通してもらって治療をしてても…その時は聞こえるけどまた聞こえにくくなって…
完治するのは難しいんですよね?
やっぱり…定期的これからもずっと通う必要があるんですか?
学校の近くに大きな病院があり…
学校が休みの土曜日も診察しているので…
その病院なら近いから通院はしやすいから…受診してみようか考えてるんだけど…
大きな病院だから…受診をためらってます…
滲出性中耳炎で…大きな病院を受診しても良いんですか?
まだ3年学校へ行くんで…学校がある場所でも耳鼻科に通院して…ちゃんと治したいとは思ってるけれども…
完治するのかしないのか先が見えない…
定期的に通院するとなったら、病院(クリニック)が遠いから月数回であってもしんどい……
それなら近くてすぐ通える大きな病院に行きたいけど…大きな病院だから迷ってます…
自分で言ってて…本当に勝手なわがままな患者だなあって思うけれども…
悩んでます…

 と、こんな内容です。
 「・・・・・」が多いところが、相当悩まれてる感じです。
 実際に診察してないので、正確なお答えはできませんが、
少し検討してみましょう。
 「手掛かり」がいくつかあります。
①3回くらいチューブを入れたが外れてしまった。
②通気した時は良いが、また戻ってしまう。
③今、水はたまっていないが、鼓膜の傾きがキツイ、といわれている。
④今、20代である。
 知りたいことが4つあります。
①小さい頃、中耳炎を繰り返したことは無いですか。
②小さい頃、副鼻腔炎、蓄膿症などと言われたことは無いですか。
③アレルギー性鼻炎、花粉症などはありませんか。
④自分の声が響いたり、鼻をすする癖はありませんか。
 お話を伺うと、なんとなく鼓膜の所見が浮かんできます。
 おそらく、いわゆる「アテレクティック・イヤー」気味の耳なんでしょうね。
 アテレクティック・イヤーとは何か。
 鼓膜は「太鼓」の皮みたいにピンと張った状態が正常です。
 それが、長く滲出性中耳炎が放置され、
中耳に水がたまった状態が続くと、
鼓膜の皮が薄くなってぺナぺナになってしまいます。
 「鼓膜の傾きがキツイ」というのは、
おそらく鼓膜が、向こう側に接着するほど「内陥」しているということだと思います。
(私はこれをいつも「ボディコンの鼓膜」と呼んでましたが「ボディコン」が死語になってしまった。)
 イメージ的にはやけどのあとの水疱を針でついて潰した状態とか。
 汗をかいて、シャツごしに「胸ポチ」がわかっちゃう状態とか。
(どうしてもエロ路線に行ってしまう・・・・。)
 ともかく鼓膜がペチャンコで向こう側にはりついちゃってる状態です。
 耳管といわれる耳と鼻をつなぐ管の機能異常からおこり、
耳管狭窄症でも鼻すすりタイプの耳管開放症でもなります。
 鼓膜はペチャンコなので聞こえが悪く、
通気にて一時的に良くなっても、
またすーっとしぼんでしまいます。
 耳鼻科で通気直後に患者さんにハナすすりをしてもらい、
その様子をファイバーで観察すると、わかります。
 普通はチューブが自然に外れてしまうことは少ないので、
この方のようにすぐ脱落しちゃうのは、
鼓膜に「コシが無い」ことに起因する場合が多いです。
 さて、では治療方針です。
 一般に「耳管機能」は幼小児では悪く、
成長とともに成熟してきます。
 20代、ということであれば、今後加齢による耳管機能の改善は望めません。
 耳管機能は、鼻の病気によって悪化しますから、
アレルギー性鼻炎などの鼻の病気の治療によって、
鼓膜の状態の改善が期待できます。
 アレルギー性鼻炎などがあれば、自覚的な鼻詰まりが無くても、
そちらの治療をしてみるべきです。
  しかし、鼻も悪くない、アレルギー性鼻炎もない、といった時には
事態は深刻です。
 まずその場合、耳管開放症の有無が最も問題になります。
 先ほどの④の質問はそこなのですが。
 それがあれば、そちらの治療ですが、
一応「自分の声が響く」という記載がないので、
耳管狭窄症のみだと考えられます。
 耳管開放症の治療は、またまた難しいので、
別の機会に説明します。
 さて、鼓膜が変化してしまった以上、
通気のみでは治りません。
(もちろん、程度によっては徐々に治るものもないわけではないですが・・・)
 チューブ留置は検討されるべき治療です。
 鼓膜がある程度チューブに耐えられれば、
水がたまっていなくともチューブ留置をすべきです。
 ただし、鼓膜が極端に薄いと脱落、そしてその後の穿孔を残す恐れがあります。
 鼓膜に極端に薄い部分がある時は、比較的厚い部分との境に切開を置き、
厚い部分に「あごを乗せるように」チューブを入れると安定します。
 その辺は、実際に診ないと分かりません。
 では、通気は意味がないのかというと、そうでもありません。
 鼓膜の鼓室への癒着を防ぎ、慢性中耳炎、癒着性中耳炎、真珠腫性中耳炎への移行を
阻止するため、定期的な通気は必要です。
 しかし、週2回は必要ないでしょう。
 具体的な頻度は難しいですが、
乾いている耳ならば大人であれば1~2カ月に一回くらいでいいのでは。
 ただしこれは「完治」を目指すものではなく「増悪、進行を防ぐ」行為です。
 大きな病院は、いろいろですね。
 大学病院とかでは、相手にされないでしょうからやめといた方がいいですね。
そもそも大学病院の先生は「滲出性中耳炎」はあまり詳しくありませんし。
 
 常勤の先生が毎日外来やってる病院ならまあ、大丈夫でしょうが
曜日変わりでパートの先生が来てる病院は
こういう「慢性の経過」をとる病気は、やめといた方がいいかも。
 なかなか、これ以上は実際に診てないのでわかりません。
 セカンドオピニオンとして、
いくつかの医療機関で意見を聞いてみるのもいいかもしれませんね。
 その際、診断、ではなく、
「長期的な今後の見通し、方針」をしっかり聞いてください。
 通気して、また来週来てね、では意味無いですから。
 では、お大事に。
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5件のコメント
2010.08.21

耳鼻科勤務医の夏


 以前も書いたけれど耳鼻科は夏はヒマだ。
 昨日なんかは、来院患者さんも久々に100人を下回り、
こうなると「待ち人数ゼロ」の時間も出てくる。
 自動ドアーの開く音がして、誰もいない待合室に小さい子が飛び込んでくると
「ナニー、これー、チョー空きすぎー。」
などと歓声を上げるのが診察室にも聞こえたりする。
 じゃあ、耳鼻科がみんなヒマかというと、そうでもない。
 この時期ヒマなのは「開業医」の耳鼻科で、
「病院勤務医」の耳鼻科はそれこそ1年中で一番忙しいはず。
 風邪や中耳炎などの患者さんはほとんど総合病院の耳鼻科には来ません。
 主として、入院、手術が中心でその関連の方が主体です。
 夏休みは、子供の「扁桃腺」や「アデノイド」などの手術が、
数多く「予約」で入り、病院はごった返します。
 夏休みは、通常「手術日」を拡大して手術するのですが、
「予約」は「夏休み期間の沖縄便」並みに6月中には埋まってしまいます。
 それらが通常の業務に乗っかってくるので、
夏休み期間中は大忙しでした。
 もちろん病院は「お盆休み」はありませんから、
働き通しです。
 入院患者さんがいるので、日曜日も少なくとも隔週で出勤です。
 私が2年目で行った病院で、上の先生からもらった夏休みは「1日」でした。
 「非番」の日曜日と続けて「2日間」休んでよいと。
 同じ病院で内科や小児科の先生は交代で1週間も夏休みとるというのに・・・・。
 しかし、数年して今度は自分が「医長」になったら、
7、8月の夏休みは「ゼロ」になっちゃいました。
 通常の手術日以外にも毎日数件の手術してるので、
部下は休んでも自分が休むわけにはいかないのだ。
 まあ、9月になって2,3日休みとりましたが。
 夏の間は毎日午前中外来やって、午後手術。
 お昼食べてる間が無いので、オペ室に運んでもらい、
1件目の手術が終わって麻酔覚ましてる間に食べる、
なんてこともあったなあ。
 手術が終わって病棟に回診に行くと、
病室の窓から「花火」が見える。
 前橋の花火大会は毎年8月15日でした。
 病院が川沿いなので、良く見えるんです。
 まあ、そこでずっと見てるわけにはいかないけど。
(病棟だからビールも飲めんし・・・。)
 あの頃はよく働いたなー、などと思いながら、
午後の時間が過ぎていく・・・。
 もう、今日は来ないかねえ、なんていうと、
受付終了間際になって、どどど、って来たりするのだ。
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医療系をまとめました。
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