ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

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2011.03.11

やすらはで寝なましものを

やすらはで寝なましものを さ夜更けて
    かたぶくまでのティッシュを見しかな

 【解釈】(こんなことなら)さっさと寝てしまったのに、
      鼻をかみ過ぎてゴミ箱に山と積もったティッシュが傾くまで
     (ずっと鼻をかみながら)夜を明かしてしまったよ。
 【解説】「寝なましものを」「まし」は反実仮想(現実には起こらなかったことを、
              もし起こればと想像すること)の助動詞で、「ものを」は逆接の接続助詞。
     「さ夜ふけて」 「さ」は言葉の調子を整えるための接頭語で、
              全体で「夜は更けて」という意味になります。
     「ティッシュをを見しかな」「かな」は詠嘆の終助詞で
              「ティッシュの山を見たことですよ」という意味。
    (用例)「のどけからまし」⇒「のどかであろうに」
        「うれしからまし」⇒「うれしかったであろう」
        「無いよりはまし」⇒「スギ花粉の時のガ-ゼマスク」
        「無いほうがまし」⇒「小学生がアゴにかけてる花粉用マスク」


 今年も例年通り当院の玄関にはしばらく前から張り紙が。
001_convert_20110311133610.jpg
 近づいてみるとこう書いてあります。
003_convert_20110311133714.jpg
 皆さん、よろしくお願いします。
 気温もだんだん上がって来ましたが、
もちろん病院の窓は開けるわけにはいきません。
 今年は花粉が特に多いので、大変です。
 しかも、本番はまだまだこれからです。
 過去最高だった平成17年に迫る勢いです。
 幼稚園生は外遊び禁止、小学生もお昼休みに外に出てはダメです。
 学校や幼稚園の先生にも事あるごとに言っています。
 卵アレルギーの子に無理やり卵食べさせますか? 
 光化学スモッグ注意報が出たら子供を教室に入れますよね?
 花粉症に関して、まだその辺をよく理解していない先生がいらっしゃるのが嘆かわしいです。
 被害者は子供です。
 これを読んだ教育、保育関係のセンセイ方は速やかに適切な処置をとってください。
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2件のコメント
2011.03.09

肺炎球菌ワクチンについてのご質問がありました

 コメント欄にこんな質問をいただきました。
 いつも拝見しておりますが、初めて書き込みさせていただきます。
耳鼻科漬けの子持ちには大変勉強になるブログで助けられております。
さて、我が家の1歳2カ月時、まさに5日土曜日にプレベナーの追加接種(4回目)を打とうとしていたところに中止の事態。これまで3回打っているとはいえ、効果のほどはいかがなのでしょうか。髄膜炎自体も怖い病気なので、保育園児の母としてその点が心配です。

 大変いい質問です。
 外来でも似たようなご質問を受けましたので、ここで採りあげてみます。
 さて、結論から言うとその点に関してのデータは手元にありません。
 だから、確定的な事は言えませんが、ある程度の推測はできます。
 そもそも、予防接種とはどんなものか。
 これは、病原性を持った微生物を無毒化あるいは弱毒化させて
体内に取り込ませ、それを体が認識して「抗体」という
微生物を攻撃する物質を作らせることが目的です。
 ただし、一回の毒を抜かれたモノでは、体がきちんと認識しないかもしれない、
また、ちょっと認識してもじきに抗体をつくるのをやめちゃうかもしれない。
 というわけで、2回目3回目の接種をするわけです。
 これをブースター効果といいます。
 ということは、お子さんは3回の接種を受けて、
ある程度抗体ができてると考えられます。
 一方保育園に行っておられるわけで、
世間的にも肺炎球菌のブーストは受けてるかもしれません。
 なぜなら「肺炎球菌」は麻疹などと違って、
フツーにそこいらへんにいる微生物だからです。
 つまり4回接種とされてるのは、
4回打たないと完成しない
のではなく、
4回くらいは念を入れときたいです
という意味なのです。
 またここで、年齢的な意味もあります。
 プレベナーは年齢とともに4回接種、3回接種、2回、1回となっています。
 これは、小さい子ほど細菌性髄膜炎のリスクが高く、
年齢とともに少なくなるので、まあ2歳超えれば大丈夫でしょ、
その間に肺炎球菌も多少経験してるかもしれないですし、
ということからきています。
 ということで、導き出される推測は
「万全ではないが、かなり効いている。」
と考えていいのでは。
 
 まあ、3回は打てて良かった、まずまず安心、というところでしょうか。
 逆に、もちろん4回打ったところで万全とはいえないのですから
油断は禁物なんですが。
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2011.03.07

ワクチンに関する重要なお知らせ

 ニュース、報道等でご存知の方が多いと思いますが、
新しいワクチン関係で動きがありました。
 まず、子宮頚がんワクチン「サーバリックス」ですが、
全国的な需要の増加に供給が追い付かず、
新規の接種が一旦見合わせになっています。
 すでに打たれた方で追加接種の方は接種できます。
 今後時間とともに流通は改善されると思われますので、
情報が入り次第お伝えいたします。
 まあ、インフルエンザワクチンのように
流行前に済まさねばいけないものではないので、
しばし、お待ちください。
 一方、細菌性髄膜炎の予防ワクチンとしての
ヒブワクチン「アクトヒブ」、肺炎球菌ワクチン「プレベナー」ですが、
4例の死亡例が相次いで報告されたため、
先週末から接種見合わせとなっております。
 こちらは原因が究明されるまでの間は、
追加接種の方も接種できません。
 現実問題としては原因究明はかなり困難だと思いますので、
再開の見通しは当分無いと個人的には思いますが・・・。
 すでに打たれた方に何かが起こるわけではないので、
そちらはご安心ください。
 ご心配な方はご質問いただけばわかる範囲でお答えいたします。
 ともかく、原因はまだ分かりませんが
不幸な転帰をとられた患者様とご家族の方には
心からお悔やみを申し上げます。
 
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2件のコメント
2011.03.02

花粉症の検査と発症

 あしひきの山鳥の尾のしだり尾の 
         長々しハナを一人かむなむ

 【解釈】(花粉症で)山鳥の尾のように長い長いハナ水がいつまでも切れず一人かむのだなあ
 【解説】「あしひきの」は「山(山鳥)」にかかる枕詞
     「山鳥の尾の」山鳥」はキジ科の鳥で雄の尾が非常に長いと言われ
     「長いこと」を表す時に使われる。
     「の」は連体格助詞で「…で」や「…であって」の意味。
     全体で「山鳥の尾であって」のような意味になります。
     
     「しだり尾の」「しだる」は「下に垂れる」という意味の動詞で
     連用形「しだり」に「尾」が付いた名詞。
     「の」は「のような」の意味の格助詞で「下に垂れる尾のような」の意味。
     最初からここまでが、「長々し夜」を導き出す序詞になります。
     大変くどい言い回しですが、
     それが、花粉症のかんでもかんでも出てくるハナの忌まわしさを
     強調した形になっています。
     枕詞は次の語句を引き出すもので決まっています。
    <用例>「あしひきの」⇒「山、峰」
       「あおによし」⇒「奈良」
       「ぬばたまの」⇒「髪、黒、夜、夢」
       「おぐじびの」⇒「ロックな耳鼻科」
       「むなげぶる」⇒「ガッツなベース」


 先週木金あたりから、この地方でも花粉の本格飛散が始まり、
いよいよ来た、という感じであるが、
やはり飛散開始は「平年並み」だったので、
2月の中旬くらいだと思うから、その辺から薬始めてねー、
と呼びかけてた患者さんたちはちょうど良かったことと思います。
 さて、バンドの話ばかりでは申し訳ないので、
少しためになる話を。
 病院に行くと血液をとってアレルギーの検査をすることが多いと思います。
 これは IgE という物質を測定しています。
 IgEは免疫グロブリンの一分画で本来体を守る免疫系のパーツなのですが、
体の「誤解」により、無害な物質を攻撃してしまう物質です。
 この「無害な物質」がスギ花粉だったりヒノキ花粉だったり、
ハウスダストやイエダ二などで、これらは「抗原」と呼ばれます。
 「抗原」なんて言うと「悪の元凶」みたいなイメージですが、
被害妄想に陥った人体が誤解のもとに
「くしゃみ」「鼻水」「鼻詰まり」「流涙」で「攻撃」を加えるものなので、
花粉側にしてみれば迷惑千万な話です。
 さて、ここで今回言いたいのは、
スギIgE抗体価が高い≠スギ花粉症
ということです。
 スギ花粉の侵入によって体がIgE抗体を作っても、
まだそれだけでは花粉症になったとはいえないのです。
 完全に解明されてない面もあるのですが、
アレルギー発症のためには、もうワンステップが必要です。
 多くの方は抗体上昇から速やかに発症しますが、
抗体が陽性のまま発症しないヒトもいます。
 だから、血液検査で「スギ花粉症です」といわれても
今まで花粉症の症状が出たことが無ければ、
花粉症の薬を飲む必要はありません。
 そのかわり、さらなる花粉の吸入によって、すぐにも発症する可能性があるので
花粉症のヒトと同様に、マスク、コート、帽子、眼鏡などの
「花粉防御」は厳重にすべきです。
 一旦発症しちゃうともう、戻れませんから。
 その最後のステップにインターロイキンという物質がかかわってるという説があるので、
これをブロックする「アイ・ピー・ディー」という薬は、
この時点の患者さんにひょっとして有効ではないかと個人的には考えているんですが、
確証が無いので特にお勧めしていません。
(高い薬だし、マスクの方がゼッタイお勧め)
 この間聴いた講演では、
抗体陽性者のアレルギー発症は50歳を境にぐっと確率が減る、そうです。
 実は、家族内で唯一花粉症の無い私、
今、51歳なので、もはや、逃げ切ったか?
(そりゃもうトシだってことで、ちょっとサビシイ面も・・・・。)
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2011.02.13

真冬のアデノ


 連日、発熱のお子さんが多いです。
 特に小さいお子さんは、まだ自覚症状を表現できませんから、
視診、迅速キットなどの他覚的所見が重要です。
 まず、インフルエンザ患者さんとの接触の有無などを訊きながら、
鼓膜をチェック。
 ここで、明らかな中耳炎があって、
インフルエンザとの接触が無ければ、
まあ、「中耳炎のお熱」で、診断・治療を勧める。
 鼓膜に発熱の原因になるような異常が無ければ、
次にのどを見て、溶連菌感染などを診る。
 扁桃周囲のどぎつい発赤をみれば、
十中八九「溶連菌感染症」だから、
迅速検査をしてみる。
 看護婦さんに綿棒をもらい、
のどにぐりぐりで、早ければ1分以内に診断がつく。
 のどにも耳にも発熱のフォーカスが見当たらなければ、
インフルエンザの迅速検査。
 鼻汁の吸引清掃をして、また別の綿棒をもらって、
これは鼻からぐりぐり。
 そんなわけで、処置につくスタッフは、
常に2種類の綿棒をポケットに入れてすぐ出せるようにしてるのだ。
 昨日、来院された1歳の女の子。
 休日に発熱で救急病院を受診し、
インフルエンザの検査を受けたが陰性。
 でも、可能性はあるので、熱が下がらなかったらまた明日病院を受診してください、
と言われて、当院に受診。
 で、耳をみると中耳炎があり。
 しかし、程度から行くとで40度出るほどの所見ではないなあ、
と思いつつ、口の中を診てみる。
「あー、これだ、これだ、扁桃腺、腫れてますねえ。」
 ということで、お母さんに説明。
「検査をしてみましょう。はーい、アデノ取りまーす。」
「えー、アデノですかー。」
 扁桃腺と聞いた時から、溶連菌検査を想定してそれ用の綿棒を用意してたスタッフは
あわてて冷蔵庫にアデノウイルスの検査キットを取りに走った。
 結果、陽性。
 アデノウイルスは、主に夏に流行する「咽頭結膜熱(プール熱)」の
原因ウイルスとして有名です。
 飛沫、接触、糞便などから感染、潜伏期は4~7日程度だが、
型によっていろいろな臨床症状がある。
 抗生剤は無効で、
治療は症状に応じた対症療法のみだが、
発熱は5日程度の高熱が続きます。
 今回は眼は腫れていませんでしたが、
扁桃の溶連菌とは違う独特の腫れ方と、
鼻の吸引処置でアデノイド(鼻の突き当たりにあります)の腫れが感じられたことから
こりゃあ、アデノかIM(伝染性単核球症)だろーなー、と思ったわけだ。
 しかし、アデノといえば夏風邪の代表的ウイルス。
夏ならともかく、最近はこういうのが真冬にも出るので、
油断できませんなあ。
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2011.02.08

すぐに身に降るながめせしまに

花の量はうつりにけりないたづらに
        すぐに身に降るながめせしまに

 【解釈】花(スギ花粉)の量はうつろいいくものだから
     何もせずぼーっとしてるとすぐわが身に降ってきますよ。
 【解説】スギ花粉の量は年ごとに大きく異なる。
     昨年少ない花粉量だったので
     治ったかと思ってぼやぼやしていると
     あっという間にわが身に降るように襲ってきて大変ですよ、
     という作者の警告を述べている。
    「いたづらに」は「むだに、むなしく」の意。
    「ながめせしまに」は「眺めせし、間に」で「もの思いにふけっている間に」であるが、
    「ながめ」は「物思い」と「長雨」の掛け言葉、
    この場合、その前の「ふる」も「時間が経過する」と「雨が降る」の掛け言葉である。
    用例)ながめせしまに⇒もの思いにふけっている間に
       ながしまに⇒ながしている間に
       おう、かねだ、ひろおか⇒おう、金だ、拾おうか
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 江戸の安政年間、紀州有田の濱口儀兵衛は
大地震のあと、海の水が引いて行くのを見て、
津波の襲来を予感し、自らの稲わらに火をつけて、
祭りの準備に気をとらわれている村人に避難を呼び掛け、
結果的に9割以上の村人の命を津波の被害から救ったという。
 最近かかる患者さんの中に、
耳鳴りや、風邪、インフルエンザなどで受診したが、
カルテをひっくり返すと、以前花粉症での治療歴のあるヒトがいる。
 ここ数年、花粉症の薬をとりに来てないが、
そういったヒトに、花粉症は大丈夫ですか、と訊ねると
他で薬をもらってるから大丈夫、という方がいる。
 それはそれで、結構なので、
内科の先生なんかでは説明しない様な専門的な注意事項だけ説明して終わりになる。
(これも大変だけど)
 問題は、
「最近は、症状があまり出ない。」
とか
「以前は花粉症があったが、もう治った。」
などとおっしゃる方である。
 そういった方には、メンドクサイけど、
ここ数年、特に昨年の花粉の量が少ないことを説明し、
花粉症が基本的には治らない病気であることを説明し、
今年がどれだけ花粉が多いかを話し、
薬を出すか、また、薬なしで防御を強化して、
少しでもヤバければ来てもらうかなどの相談をしなきゃならない。
 忙しい時にカルテの前のページにそういった事実を発見すると
ああ、見なかったことにしたいなあ、という気持ちが芽生えるのだが、
濱口儀兵衛の話を思い出して、勇気を奮いたたせて話し始めるのであった。
 津波、来ますよ。
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2011.02.06

田子の浦に


田子の浦にうち出でてみれば真っ黄色にぞ、
      富士の高嶺にスギは降りつつ

 【解釈】田子の浦まではるばる来てみると、富士山に真っ黄色にスギが降っているようであるよ。
 【解説】田子に浦に出て富士山が見えると、スギの花粉が多いためか、
     真っ黄色にけぶって花粉が降っているかのようで、
     今年は花粉量が多くて困った、という作者の嘆きを表している。
     この歌、万葉集では、「田子の浦に~降りつつ」ではなく
     「田子の浦~降りける」となっている。
     この場合の「ゆ」は細いところを通って、広いところに出る、という意味を持っている。
     したがって解釈は「田子の浦を通って視界の開ける場所に出てみると~」
     と訳さねばならない。
     用例)長道恋ひ来れば⇒長い道のりを恋慕いて来ましたら
        FC東京、チェザーナインテルに⇒FC東京、チェザーナを通ってインテルに
        川原温泉に行く⇒川原を通って温泉に行く
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 そういえば八ッ場ダムのとこの川原湯温泉はどうなるんでしょう。
 なんてことより、忙しくてブログどこではなかった。
 急にあったかくなって、花粉も飛んじゃうんじゃないか、
とあせったヒトは、私以外にも多かろう。
 昨日土曜日は花粉症の薬をとりくる方が多数来院し、
まあ大体は年いっぺん来る方々だが、
昨年の状況をうかがい、今年は昨年の5~10倍ですからどうしましょう、
と作戦を考える。
 薬の種類を変えるか、このままで行くか、また何か追加するか。
 そして、また花粉対策のポイント、注意事項を確認して、
また来年会いましょう、
今シーズンの成功を祈る、なんて。
 それにしても、診察、相談して話すこと多いので早口で説明するんだけど、
処置や検査をするわけでないので、診察料だけなんだなあ。
 内科だと患者さんの顔見るだけで
「特定疾患ナントカ加算」「生活習慣病管理料」とか、いろんな点数が取れるんだが、
耳鼻科はそういうのがないのだ。
 まあ、アレルギーの薬は高いので、
患者さんは薬局でいっぱいお金払うから、
耳鼻科外来でお金いただくの申し訳ないからまあいいんですけど、
けっこう説明疲れるんですよ。
 そう、どっちかっていうと、お金の問題より実際悩んでるのは
ライブがあるので、声帯をあまり酷使したくない、ってことなんだなあ。
(毎日、外来終わると声がガラガラです。)
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2011.02.01

10~11シーズンのインフルエンザ事情


 インフルエンザは流行のピークなのか、
毎日たくさんの患者さんを診察します。
 昨年から、インフルエンザであることが確実であれば、
簡易検査をしなくてよい、ということに変わったので、
家族内にインフルエンザ確定診断のヒトがいて、
本人の診察結果が明らかであれば、
(中耳炎や溶連菌感染の所見が無ければ)
すぐタミフルやリレンザを出します。
 逆にいえば、簡易検査してインフルエンザ出なかった患者さんに、
インフルエンザの薬を出すことがほとんど無くなりました。
 簡易検査はかなり精度があがり、以前は半日たたないと出ない、
などといわれてましたが、けっこう早く出ますね。
 こっちの取り方がうまくなったのか、
(ともかく鼻汁を良く吸引してから検査すること)
でも多分、キットが改良されてんだろうなあ。
 時間も説明書では反応を15分待つのですが、
今は大体2、3分、早ければ1分以内に「陽性」が出ちゃいます。
 この間の研究会で、子供は初期から検査をして、
重症化を防ぐべきだ、と聴いたので
熱が出て時間がたってなくても、早めに検査をしています。
 また、周りにインフルエンザ患者がいて、
本人は最高37.2℃までしか熱上がんないけど、
という大人の方の検査をしたところくっきり陽性が出たりします。
 簡易検査の本領発揮ですね。
 感染拡大の阻止に大いに役立ちます。
 一方、昨年と違い、インフルエンザに社会が慣れた面もあります。
 先日、幼稚園のお姉ちゃんがインフルエンザ陽性で、
隔離ベッドで待っててもらいました。
 すると下の子を連れたお母さんが同じベッドで待とうとするので
スタッフが声をかけたところ
「どうせ、もう感染っちゃってるし、この際、下の子もかかった方が都合がいい。」
などという方がいらっしゃった。
 インフルエンザはウイルス疾患なので、
かかるにしても「薄く」かかった方がいい。
 今、上の子はたくさんのウイルスを持ってるので、
これで下の子が「濃く」かかると重症化することもあるんですよ。
ということを説明し、別の場所で待ってもらった。
 昨年「新型インフルエンザ」が登場した時は、
マスコミが大騒ぎし、新型ワクチンに長蛇の列ができ、
それこそ、ペストかエイズかという位に恐れられたものだが、
わずか1年で、ここまで意識が変わっちゃうんだなあ。
 その一方で、じわりと鳥インフルエンザが流行ってるのが気がかりです。
(ヒトヒト型に変異しませんように)
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2011.01.26

身も焦れつつ

 全く、ここんとこ駆け込みレーザーが多くて大変だ。
 今年の花粉がスゴイ、という情報はマスコミを通じて駆け巡ってるらしく
レーザーにすがろうと病院に訪れる。
 もう、予約はかなりいっぱいだけど、
それでも何とかやりくりして手術を入れてます。
 もうちっと、早く来ていただきたいですなあ。
 毎日毎日ぼくらはレーザーで鼻を焼いてていやんなっちゃうよ、
とタイ焼き屋のおやじか、
はたまた、土用丑の日近辺のウナギ屋のおやじか、
という今日この頃だ。
 このレーザーはスギ花粉が飛散を始めちゃうと
もう間に合わないので、あとわずかなのだが、
早く飛ぶか遅く飛ぶかわかんないので、
とりあえず、もう少し予約を受けています。
 でももうすぐ締め切っちゃいますよー。
    ・・・・・・・・・・・・・・・
 来るスギをまつ帆の浦の夕なぎに 
           焼くやレーザー身も焦れつつ

 【解釈】いずれはやって来るスギ花粉症を待ちながらレーザーをやってる私は
     もう疲れて、自分のレーザーでこの身が焦げそうですよ
 【解説】迫りくるスギ花粉の猛威におびえつつも、
     こう毎日レーザーばっかでは身が持たんなあ、肩もこるし。
     いっそ、花粉が飛べばそれも終わるが、そしたらもっと大変だしなあ、
     という作者のジレンマが歌われています。
     松帆の浦は現在の淡路島ですが、「待つ」と「松」をかけています。
     ついでに作者は「スギ」と「過ぎ」をかけているので、元歌の藤原定家の上を行く??
     「焼くや」の「や」は「間投助詞」。
     調子を整えたり感動、詠嘆の意味を添えたりする。
     (用例)行く春、鳥啼き魚の目は泪(奥の細道)
         きりぎりす鳴く霜夜のさむしろに・・・(藤原良経)
         ハヤシ三平(どうもすいません、もうたいへんなんすから)
    ・・・・・・・・・・・・・・・   
 それにしてもインフルエンザも多くて、
今日は、確診が2ケタだった。
 こっちも早く片付かないと困るなあ。
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2011.01.19

医師の焚く火の

 
 耳鼻科医院 医師の焚く火の昼はレーザー
   夜は焼き肉 ものをこそ思へ
 
 【解釈】耳鼻科医院は花粉症の準備で毎日忙しいが、
     昼はレーザーで患者さんの鼻を焼いて
     夜は焼き肉屋に飲みにいくとここでもモノを焼いてるなあ。
 【解説】花粉症の季節が迫って来て
     毎日、何人もの患者さんの鼻をレーザー手術している作者が
     仕事が終わって仲間と焼き肉屋に飲みにいけば、
     またここでも、無煙ロースターでカルビなどを焼きつつ、
     ああ今日は一日中モノを焼いてるなあ
     と、不思議な考えにふけっている情景である。
     「ものを思ふ」は本来「恋をして物思いにふける」という意味であるが、
     この場合、作者はカルビはともかく花粉症には恋をしてないと思われる。
     「~こそ・・・思へ」の「思へ」は「已然(いぜん)形」でご存知強調の係り結びである。
    (用例)「今こそ別れめ」⇒「今こそ別れよう」
        (ところで、これ、マジで「別れ目」と誤解してるヒト多いのでは?)
        「鼻こそ焼きけれ」⇒「(肉などではなく)鼻を焼いたのだ」
        「鼻くそ焼きけれ」⇒「(ついでにレーザーで)鼻くそも焼いてしまった」
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・
 時まさに開戦前夜。
 毎日レーザーだが、昨日は診察終了後飲み会で
焼き肉屋に行き、カルビ焼いてると
ああ、1日中なんか焼いているなあ、なんて思うわけだ。
 今日来た患者さんで、花粉症予防のため
12月からアレロック、オノンを毎日飲んでるっていうスゴイヒトがいた。
 初期療法と言って花粉症の始まる前から薬を飲む治療は今や主流だが、
早ければ早いほど効くということは無いです
 
 去年も書きましたが、初期療法は花粉の飛び出しと同時かやや早く、で十分。
 ここらへんだと2月中旬か。
 まあ、安全域をとって東京で花粉が始まったら飲もうねー、
と患者さんには言っております。
 12月から毎日2剤続けたらどんだけお金かかっちゃうのよ。
 スギだけでも4月中旬まで、ヒノキあれば4月いっぱいは飲むわけだし。
 アレロックもオノンも初期療法では使いますがどっちかでいいだろね。
 症状によって2剤併用は、有効ですので一緒に飲んで
もちろんいい薬ですが。
 花粉症って患者数がべらぼうに多く、
根本的な治療法がないんだけど
死んじゃう病気じゃないのと、
時期が来れば何とかなっちゃうので、
専門医で治療しないヒトも多い。
 だから、時々信じられない民間療法や、
お医者さんの中にもよくわからないままなんとなく薬だしてるヒトがいて、
いろいろビックリさせられます。
 患者さんも得するヒト損するヒト、いるんだろうなあ。
 まあ、やっぱり命にかかわらないということで、
みんな軽く考えてるんでしょうねー。
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