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2023.05.06
5月6日は「連休明け」の土曜日。
外来は100人ちょっとで、
まあ、こんなものでしょうという具合でした。
そして、一般診療が終わったあと、最後の発熱外来。
5月8日からは新型コロナの感染症法上の分類が5類になるので
検査は感染に注意して院内で行うことが
できるようになります。
思えば、この2年間、
雨の日も、風の日も、雪の日も、暑い日も、寒い日も、
手袋、ガウン、フェイスシールド、マスクは2重につけて、
駐車場に出向いて鼻腔から綿棒を奥まで突っ込んで
コロナの検査をしたものでした。「抗原検査は行く」
これも今日で終わり、と思うと、
何か感慨深いものがあります。
最後の5人は新型コロナ、インフルエンザともに陰性で、
検査後電話して診察室に入ってもらい、
あらためて診察をしました。
このような面倒な段取りもなくなるわけです。
コロナが始まって以来、
原則発熱患者さんをお断りすることは一切なく、
また、検査で陰性だけを確認し、
診察もせず解熱剤だけでほったらかし、
ということもなく
その時その時の感染状況に応じた、
適切な診断と治療をやってこれたという思いがあります。
それもすべて、未知の感染症に対し、
自らを危険にさらしながらも、
献身的に協力してくれた
当院スタッフ及び調剤薬局の方々のおかげと
感謝しております。
ただし、新型コロナが無くなったわけではないので
月曜日以降も発熱患者さんは駐車場でお待ちいただき
電話の指示に従って診察室に入るようにお願いいたします。

2023.05.01
お医者さんはどうしても自分の使い慣れた薬を使う傾向にあります。
例えば、小児科のセンセイは、
大人のセキの患者さんに咳止めとして
「アスベリン」という薬を出すことが多い。
しかし、内科のセンセイは、
おそらく「メジコン」が第一選択薬でしょう。
どちらも「中枢性鎮咳薬」で作用機序は同じですが、
「メジコン」は1~12歳の子どもに使うと
3人に1人の割合で副作用が出るとの報告があり
また、海外では市販薬を高用量に改造したものが年少者に濫用され、
「危険ドラッグの入り口」になっていることもあり、
日本でも注意喚起が行われています。
いっぽうアスベリンには、そのような副作用がなく、
0歳の子供から安心して使用できるので、
メジコンも小児用製剤があり、
能書き的には0歳3か月から使用可能ですが、
小児科のセンセイの咳止めはほぼアスベリン一択です。
アスベリンは散剤とシロップ、ドライシロップがあります。
なのでたまにお母さんが咳の風邪でかかった場合、
小児科医はつい使い慣れたアスベリンを
大人用の錠剤で処方するのです。
ところが、大人ではメジコンに目立った副作用は認められず、
鎮咳薬としての効果はアスベリンよりかなり強いので
内科医は迷わずメジコンを処方するのです。
これぐらいでは、さしたる問題はないのですが、
他科の疾患に対し無理やり当てはめようとすると、
上手くいかないこともあります。
皮膚科の先生は抗ヒスタミン剤を多用します。
抗ヒスタミン剤とはかゆみの原因となる
ヒスタミンという化学物質をブロックする薬ですが、
花粉症の第1選択薬も第2世代の抗ヒスタミン剤とされています。
なので、皮膚科のセンセイの中には、
今出してるクスリが花粉症の薬でもあるので、
耳鼻科にかからなくてもいい、
と患者さんに説明する方もあるようです。
これは必ずしも間違っていないし、
それで済むならワレワレも助かります。
薬の効果が不十分だと、
皮膚科医は別の抗ヒスタミン剤をもう1剤加えます。
この処方はアトピー性皮膚炎などでは
普通に行われることのようですが、
耳鼻科医はこのような処方をしません。
そもそも耳鼻科の「アレルギー性鼻炎」の病名では
抗ヒスタミン剤の2剤併用は保険診療上認められていないので
査定されてしまいます。
抗ヒスタミン剤はその構造式から
「三環系」「ピペラジン系」「ピペリジン系」
「アゼパン系」「ジアゼパン系」「フェノチアジン系」
といくつかのグループに分類されます。
「三環系」はアレロック、クラリチン、アレジオン、ルパフィン、デザレックス、
「ピペリジン系」はアレグラ、エバステル、タリオン、ビラノア、
「ピペラジン系」はジルテック、ザイザル、
「アゼパン系」はアゼプチン、
「ジアゼパン系」はレミカット
「フェノチアジン系」はゼスランなどが代表的な薬です。
ここで注意していただきたいのは、
これはあくまで構造式の違いによる分類であって、
薬効の強さのグループ分けではありません。
花粉症の抗ヒスタミン剤として
一番効果の強い薬のアレロック、ルパフィンと、
一番弱いクラリチンはともに同じ三環系です。
さて、皮膚科のセンセイは、
このグループ分けを考慮し、
アレジオンに加えて、アレグラ、
それでもダメならゼスランも入れとけ、
みたいな抗ヒスタミン剤のてんこ盛りで
攻めてくることがあるようです。
しかし、これでは花粉症は抑えられません。
花粉症の症状を起こす主たる物質は
抗原抗体反応により
鼻粘膜に浸潤したマスト細胞から放出されるヒスタミンなのですが、
ほかにも様々なケミカルメディエイターが放出、産生されます。
その中でロイコトリエンという物質が特に重要です。
大ざっぱに言ってヒスタミンはクシャミ鼻水の主因となり、
ロイコトリエンが鼻詰まりをきたす、と考えていいでしょう。
ヒスタミンの反応は即時的でロイコトリエンのそれは遅発型、
という特徴もあります。
なので中等症以上の花粉症の治療は
抗ヒスタミン剤と抗ロイコトリエン剤を併用する、
というのが基本です。
皮膚科のセンセイは
この抗ロイコトリエン剤の使用経験があまりないので、
花粉症の治療を失敗することがあります。
逆に小児科のセンセイは抗ロイコトリエン剤が大好きです。
ロイコトリエンという物質は喘息において
気管支を収縮させる作用をもつため、
気管支喘息の予防薬として抗ロイコトリエン剤を
普段から多用しているからです。
いっぽうで抗ヒスタミン剤に関しては、
気道の杯細胞からの粘液分泌を抑制し、
痰の排出を困難にさせる、
痰の粘稠度を高めるという作用があるために、
これを嫌う小児科医もいます。
今年は抗ヒスタミン剤を用いず、
抗ロイコトリエン剤だけで、花粉症の治療を試みた
小児科のセンセイの処方もお薬手帳で見ましたが、
やはりこれも無理です。
「アトピー性皮膚炎」「気管支喘息」「アレルギー性鼻炎」は
同じメカニズムで起こる類縁疾患で、
クスリも共通に用いられるものがかなり多いですが、
やはり「アトピー性皮膚炎」や「気管支喘息」の枠組みで
中等症以上の「花粉症」を正しく治療することはできません。
花粉症は効能が「花粉症、アレルギー性鼻炎」と
書いてある薬だけ飲んでれば済む、
ということではない。
整形外科のセンセイが、
じゃあ、ついでに花粉症のお薬も出しとくね、
ってのは、もう全然ダメってことです。

2023.04.29
今年の花粉症が大量だったので、
他院から薬をもらっていたが
症状がひどくてこちらに受診、
という方を今シーズンは数多く見ました。
一応「花粉症の薬」が出ているのですが、
なるほど、これではダメだろうというケースが多いです。
まず何でもアレグラを出す医者が多い。
アレグラ、一般名フェキソフェナジンは、
市販薬の強力なCMキャンペーンにより、
もっとも知名度が高い花粉症の薬だと思います。
だが、その効果はあらゆる薬の中で最も弱いランキングです。
スギ花粉のスコアがクラス4以上の人には、
今年の飛散量だとこの薬ではまず無理でしょう。
だが、もっと問題なのは、薬だけ出して何の説明もしない医者が多い。
例えば、内科のセンセイが、糖尿病の患者さんを治療するとき、
薬を出すときに、必ず生活指導をするはずです。
食事の量や内容、時間などのほか、
運動や体重のコントロールなど、
いろいろ細かく指導、指示をするはずです。
だが、花粉症の患者さんに対してはそれらを行わない医者が多い。
例えば糖尿病の薬を毎日かかさず飲んでいても、
朝昼晩と糖質たっぷりの食事をとり、
間食にケーキや甘いものを食べていたら
血糖値は改善されないでしょう。
花粉症も同じこと。
薬を飲んでいるからと言って、
外遊びをしたり、布団洗濯物を外に干してしまっては、
症状がひどくなるに決まっています。
耳鼻科だからといって
花粉症の患者さんのハナを吸引したり、
鼻にスプレーをしたりの治療をすることはありません。
鼻粘膜の過敏性をきたしている花粉症患者さんに
鼻処置を行えば、数時間は鼻水クシャミが止まらないでしょう。
当院で行っていることは、
体質に合った薬の選択と、その人にあった生活指導です。
多分、花粉の少ない年はテキトーなクスリ出してしておけば
患者さんは症状が出ても、こんなものか、仕方がないと
シーズンが過ぎるまで我慢していたのでしょうが、
今年はどうも我慢しきれなくなった方が多かったようです。
今年「破綻」しちゃった方は、来年は早めにご相談ください。

2023.04.28
今年2023年のスギ・ヒノキ花粉は
過去最大級の飛散量を記録し、
また例年に比べてかなり早い時期に飛散開始、終息、
となったとみられます。
最近は、もはやヒノキの花粉もほぼ終了とみていいと思いますが、
それで外来がヒマになったかと思いきやさにあらず。
最近、目立つのは猛威を振るった花粉症の余波です。
花粉症が未治療であった、
あるいは耳鼻科に受診せず
内科、小児科、アレルギー科などを受診したため
適切に治療されなかった患者さんの
合併症、後遺症が非常に多い。
代表的なのが、中耳炎と、副鼻腔炎です。
ことに副鼻腔炎に関しては、
患者さんが花粉症との関連を気付いていない場合が多いので
注意が必要です。
主な訴えはタンのからむセキ、
のどの痛み、イガイガ、声枯れなど。
鼻の症状の訴えはあまりありません。
本人は「風邪をひきまして」といって来院されるのですが、
話を聞くと、2,3週間前に花粉症がひどかったが、
今はもう大丈夫、とのこと。
たしかにハナはかんでも全く出ないし、
鼻詰まりもない場合も多い。
鼻内を見ると鼻腔からのどにかけて粘稠な鼻汁が流れており、
レントゲンを撮ると副鼻腔に陰影が認められます。
鼻から流れた「後鼻漏」は食道ではなく、
声帯から気管に流れ込むので、
これが、たんが絡むセキ、のどの痛み、
声枯れの原因になっています。
ここのところこればっかし。
耳鼻科の病気と思わず内科で
風邪です、とか、咳喘息です、などといわれ
延々と咳止めや吸入薬もらってる人も
世の中には多いだろうなあ。

2023.04.17
先週は全国的に黄砂が飛んで大変だったようです。
九州地方や関西、日本海側に比べれば、
関東地方は黄砂の量はだいぶ少ないですが、
それでも黄砂にやられた、
というアレルギー性鼻炎の方を何人か診ました。
「黄砂アレルギーです。」
といってこられる患者さんもいますが、
そもそも黄砂にアレルギー性はありません。
黄砂の主体は二酸化ケイ素という物質で、
砂なので鉱物のカケラですから、
それ自体にアレルギー反応たる
抗原抗体反応を起こす抗原性はありません。
黄砂は微細な粒子なため、
鼻から気道の奥深くまで吸引され、
その気道粘膜を物理的に刺激します。
例えば、コショウを吸い込むとくしゃみが出たり、
チョークの粉で咳き込んだりすると同じ
「非特異的反応」です。
時期的にスギ・ヒノキ花粉症の終盤の時期に飛来することが多いので
それまでにスギ、ヒノキの花粉症で
鼻粘膜、咽喉頭、眼の粘膜にダメージを受けた方は、
そこにまだアレルギーの細胞が滞在しているので、
それらが再活性し、アレルギー的な症状を起こすのです。
黄砂に付着した化学物質や花粉、
はたまたウイルスまでもが危険、
という人もいますが、
可能性はゼロではないとはいえ、
量的にはまず問題にはならないでしょう。
黄砂にくっついて何千キロも飛んできたウイルスが、
いったい何個生きたまま人体に侵入することができるのか。
また粉状の二酸化ケイ素を多量に吸入すると、
塵肺の一種である珪肺の原因となったり、
また発がん性のある物質でもあるので、
長期にわたって吸入するとアレルギーがなくても危険ですが、
鉱山で働く労働者の労働災害と違って
黄砂を数日間吸入する場合に問題になるのは、
花粉症患者さんのアレルギー的症状だけでしょう。
ネットのニュースである耳鼻科のセンセイが、
「黄砂がぶつかり、花粉が傷つくと花粉が破裂するんですね。
破裂した花粉はアレルギー物質をたくさん放出するので、
より症状が強くなってしまいます」
と、見てきたようなコメントをしていましたが、
黄砂で本当に花粉が破裂するかは疑問だし、
そもそも花粉がアレルギー物質を放出するわけではないので
この説はちょっとマユツバです。
だが、花粉症の方、特に花粉症のコントロールが不良だった人は
黄砂に対しても十分な防御をしたほうがいいのは事実です。
こういった「盛った話」、
マスコミがホント好きだからなあ。

2023.04.09
金曜日は講師を務める准看護学校で、
禁煙セミナーを行ってきました。
1,2年生を対象に2年に一回行うこのセミナー、
今までは夏に開催していましたが、
本年度は新学期の最初になりました。

今回は2年前にはなかった
新型コロナと喫煙の関係を
新たなコンテンツに加え、
2020年4月に全面施行された改正健康増進法、
また、主流になりつつある加熱式タバコの話も
さらに詳しい内容にしました。

ついでにライブの宣伝も。

かつては一般女性よりも喫煙率が高かった
女性看護師さんの喫煙率も
いまや一般女性を下回りつつあるようですが、
若い看護学生の皆さんには、
さらに社会全体の喫煙率を減らす
健康増進の担い手となってほしいとの思いを込めました。

今後のご活躍に期待します。
みんな、楽しそうだけど、ちゃんと聴いてたかな。


2023.04.06
先生のブログとても参考になります。bスポットで一つ質問させてください
長年、後鼻漏に悩んでいます。過去には副鼻腔炎の手術も受けました。
今現在、左の鼻から後鼻漏が出て悩んでいます。
鼻水は透明のネバネバしたもので、粘着性です。
副鼻腔炎ではないと診断されたので、
bスポット治療を15回程受けましたが、
正直、効果はあまり感じません。
そこで、質問なんですが、
後鼻漏に対してbスポット治療は有効なのでしょうか?
また、bスポット治療というのな、
耳鼻科医の世界ではどういった扱いなのでしょうか?
(どの程度標準的な治療として受け入れられてるのでしょうか)
今の耳鼻科の先生はbスポットを凄い推してるのですが、
正直、通うのが疲れてきたので継続すべきか迷っており、
ご質問させていただきました。
*********************************************************************
この質問を受けてから、ずっと考えていました。
Bスポット療法は果たして本当に有効なのか。
これは大変難しい問題です。
当院でも強く希望される人には
塩化亜鉛を塗布していますが、
正直、目覚ましい効果は実感していません。
耳鼻科医の世界でのBスポット療法の位置づけですが、
広く一般に受け入れられているというわけではありません。
オカルト的治療法ととらえている耳鼻科医や、
この治療法そのものを知らない耳鼻科医も少なくないと思います。
しかし、ネット上での注目度は高く、
以前も当ブログで何本か記事を書きましたが
「2020年10月Bスポット療法について」
「2021年6月パンドラの箱」
「2021年11月Bスポット療法の真実」
そのたびに、多くの反響があり驚きます。
実際には、これが効く人もいるが、効かない人もいる、
効く人はどうして効いているのかわからない、
というのがこの治療法の現状だと思います。
お金がかからず、重篤な副障害もないと思われ、
対象ががんなどの命にかかわる病気ではないので、
試しにやってみるのはいいけど、
効果が実感できないなら続ける必要はないと思います。
この本はお勧めです。「代替医療解剖」
また、反響、反論があるかなあ。
今度の日本耳鼻咽喉科学会総会で、
Bスポット療法に関するシンポジウムがあるので
是非聴いてこようと思っています。

2023.04.04
来月の話ですが
5月18,19,20日は日本耳鼻咽喉科学会総会のため
休診になります。

今までは、木、金、土で開催される総会というと
木、金だけ休診にさせてもらって、
土曜日は外来をやっていましたが、
それだと、特に開催地が遠方の場合、
金曜日の昼過ぎには学会場を出なければならず、
正味3日間の半分しか聴けないことになります。
以前も、聴きたいが日程の都合で聴けなかった
講演、セミナーなどが数多くあり、
残念な思いをしてましたが、
今回思い切って全日程に参加することにしました。
すると、水曜日と日曜日に挟まれるので
学会の前後に観光できる、というメリットも。
ソレか! Σ(´∀`;)
最近はオンデマンド配信もあるので、
そっちで聴けばいいじゃないか、という意見もあるが、
オンデマンドは一部企画セッションのみだし、
家ではあまり聴かないんだよなー。
やはりライブのインパクトがないと。
今年は6,7月開催の耳鼻咽喉科臨床学会が
東京で、しかも土日開催なので、
そっちは休診にせず総会に休診をいただくことにしました。
連休となりご迷惑をおかけしますが
何卒ご了承ください。
たぶん、そのころは花粉症も終わって、
コロナもインフルも沈静化していると思います。

2023.04.02
今年の花粉症は過去10年で最多ですが、
ことによると過去最高かも知れません。
少なくとも当院では、開院以来最多の患者数を記録し、
1日あたり来院者数、3月の月別レセプト枚数も
過去最多となりました。
前回の大量飛散は11年前の東日本大震災の年だったので、
原発事故で外出制限が起き、
花粉症の患者さんは増悪しませんでした。
1月、2月中から毎年薬を取りに来院される患者さんには、
今年の花粉は相当多いですからね、
例年以上に注意してくださいね、
と念を押し、注意事項の紙もお渡ししたうえで
シーズン分2か月、3か月分をまとめて処方したのですが、
無事花粉のシーズンを乗り切られていたでしょうか。
新規の患者さんも多く、今年花粉症デビューの人も数多くいました。
残念ながら、今のところ一度なってしまうと
元に戻れないのが花粉症です。
舌下免疫療法で緩解に導けるケースもありますが。
ここに来て来院される方の中には、
内科や小児科で花粉症の薬をもらっていたが、
症状が悪化して当院受診、という方もよくいらっしゃいます。
おくすり手帳や治療内容を見ると、
やはり内科、小児科の先生は花粉症に関しては素人なんだな、
ということがよくわかります。
そして、そうした方の中には
中耳炎や、副鼻腔炎などの合併症を併発されている方も少なくありません。
ともかく花粉症は我慢してはいけない病気、
症状が思わしくなければ手遅れにならないうちに
専門医への受診をお勧めします。

2023.03.31
先日受診したアラブ系外国人の患者さん、
日本語はホント片言です。
主な訴えは「発熱」「咳」「のどの痛み」「息が苦しい」。
半月前に内科を受診し、コロナの検査をして陰性で
ペニシリン系抗生物質と咳止め、去痰剤、解熱鎮痛剤。
1週間後、改善がないため、
24時間やってるクリニックを受診し、
コロナとインフルエンザの検査をして陰性で、
抗生剤がクラリスに変更、あとはほぼ同じ処方。
改善ないため、1週間後当院に受診。
問診だけでほぼ診断はついていましたが、
鼻の中をちらっと見て、診断確定、
重度のスギ花粉症でした。
日本人だと、スギ花粉症はなじみ深いですが、
外国にはないため、その方も自分が花粉症であるとは
考えつかなかったようです。
花粉症の治療を行い、無事改善。
最初から耳鼻科に来れば、どうってことはなかったのに。
風邪症状はまず絶対耳鼻科に行くべし、
ということは大変重要なことです。
目で見て診断できる耳鼻咽喉科は、
やはり風邪症状を訴える症例には最強です。
それにしてもロクに診察もしないで
風邪の診断で、なおかつ
風邪には全く無効な抗生物質を出すバカ医者が、
まだ世の中にはいるということだ。
