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2020.06.23
「鼻茸」というのは一般の人には聞きなれない名称ですが
「はなたけ」と読みます。
鼻の中にできる「ポリープ」のことで、
松茸、椎茸、舞茸などのキノコとは何の関係もありません。
一般に慢性の副鼻腔炎(蓄膿症)があるとできることがあるのですが、
その発生には体質的なものがかかわっていて、
慢性副鼻腔炎があったとしても誰にでもできるわけではありません。
最近、テレビで何かやったらしく、
昨日はテレビで見たが、ワタシは鼻茸かもしれない、
という初診の患者さんが2名いました。
一人は鼻茸あり、もう一人はありませんでした。
鼻茸にはいくつかの種類があるのですが、
今回は先月手術したちょっと特殊な鼻茸の話。
40代の女性の患者さんは、膿性の鼻汁と鼻づまりのため、
今年3月から、近くの耳鼻咽喉科に通っていました。
抗生物質やアレルギー性鼻炎のクスリが何回も出ていますが、
一向に鼻づまりが改善せず苦しいので受診しました。
鼻内を見てみると
左の鼻からは確かに膿性のハナが出ているのですが、
鼻粘膜はそれほど腫れていません。
右側は、一見よく通っているようです。
膿性の鼻汁を吸引すると、左の鼻腔の奥の方に何かあるようです。
鼻茸でした。
前から見るとわかりにくいのですが、
奥の方に充満した形になっています。
前の先生は見逃したらしい。
そして、右の鼻の奥の方をファイバースコープで見た写真がこれです。
こちらは鼻茸のない方の鼻。
でも、突き当りに何かあります。

これは上顎洞性後鼻孔ポリープというやつで、
左側の上顎洞から出たポリープが、後ろにまわって
反対側の鼻の方まで出口を塞いじゃっているものです。

矢印の部分が左側から回り込んだポリープです。
完全に、閉塞。
こりゃあ、苦しいわ。

ポリープ自体は炎症性のものなので、
治療である程度縮むこともあるのですが、
ここまでなっちゃうと、とるしかない。
ということで、こないだとりました。
右の後鼻孔もスッキリ開通しました。

ポリープ自体は反対側の左の上顎洞から出ているのですが、
ここもスッキリしました。
広くあいた自然孔から、上顎洞内がみえています。

この手の上顎洞性後鼻孔ポリープはほぼ単一性なので、
多発性のポリープよりは手術が簡単です。
ただ、あまりのデカいので、鼻の穴から出ないことがあり、
のどに落として、口から出すこともあります。
局麻なので、じゃあ、これから口に落ちるけど、飲まないでね、
と声をかけて、最後の部分をちょん切るのですが、
ぬるっとした弾力のある「のど越しの良い」ものなので、
たまにそのまま、ごっくんと飲んじゃう人がいます。
別に害はないのですが・・・。
この方も相当デカかったですので、
手術前にはのどから出るかもよ、といってありましたが、
鼻からとれました。
鼻の孔よりはるかにデカイのですが、弾力があるので、
ムリムリッという感じで出てきます。
取った方も、取られた方も、また見ているスタッフも
スッキリとする手術です。
調べたら2008年にも、この件でブログ書いてますね。
時たま、遭遇する病気です。

2020.06.16
業者さんが来て、
新型コロナウイルスの「抗体検査」ができますけど、
やりませんか、と持ち掛けてきました。
新型コロナウイルスの検査としては「PCR検査」
という検査をよく耳にされたと思います。
PCRとはポリメラーゼ連鎖反応の略で、
英語で言うとPolymerase Chain Rreactionの頭文字となります。
採取した検体の中からウイルスの遺伝子の一部を切り取り、
それを増幅させて検出する方法で、
手間と時間がかかります。
ウイルスの遺伝子を増幅させたものなので、
陽性ならば、今、そこにウイルスがいる、
ということがわかりますが、
ウイルスを採取しそこなうと、陰性に出てしまいます。
これを偽陰性といいます。
また、ウイルスがいる、ということは「感染」しているわけですが、
症状が出ていること、つまり「発症」していることとは、また別です。
つまりPCR検査陽性なら、ヒトにうつす可能性がある、
ということですが、陰性の人からもうつることがあります。
また、いったん陽性になった人から、
ウイルスが消えたかどうかの確認にも用いられます。
一方、抗体検査とは、ウイルスに対抗して体が作った
抗体があるかないかを調べる方法で、
抗体は血液中をめぐっているので、血液を採取します。
PCR検査に比べ、時間も手間もかからず、コストは安いです。
ただし、この抗体を検知する簡易検査の感度は
検査キットによってばらつきがあるようで、
4月に日本感染症学会がPCR検査と照らしあわせてやったテストでは、
A社は40%、B社は0%、C社は60%、D社は80%
の的中率だったそうです。
B社、全然当たってねえじゃん。(-_-メ)
ということで、中にはあてにならないものもあると。
しかし、最近出た2社の方は、
簡易キットではなく、精密抗体検査という
検査センターに検体を送るタイプですが、
感度が高く、業者さんが紹介したヤツは、
100%だ、と言っていました。
しかし、ここにも問題点が。
抗体陽性が認められた場合、
もし100%ならば、その人が
新型コロナウイルスに罹患したことは間違いありません。
だが、今、ウイルスがいて感染力がまだあるのか、
もうウイルスが消えちゃってるかまではワカラナイ。
一般には抗体ができれば、もう次はかからない、
ということが多いのですが、
今回のウイルスはPCRで陰性化したあと、また発症した人がいるので、
抗体の持続性にもまだ不明な点があります。
なので、抗体検査で陽性となった場合は
①新型コロナウイルスにかかったが、もうウイルスはいない
②新型コロナウイルスにかかって、まだウイルスがいる
のどちらか、ということになります。
なので、PCR検査をしてウイルスの有無がわかるまでは
他人との接触は避けるべきである、
ということになります。
そして、抗体陽性でも、また再びかからないとは言い切れない、
ということです。(確率は少なくなりますが)
いっぽう、抗体検査陰性となった場合は
①新型コロナウイルスに、まだかかっていない
②新型コロナウイルスにかかったが、まだ抗体ができていない
のどちらかということになります。
②のパターンは「ウインドウ期」といわれ、
ウイルスが身体に侵入してから、
抗体がつくられるまでの間にタイムラグがあるので、
その時期に検査をすると、
身体にウイルスがいるが陰性に出る、
ということになります。
たとえば、おたふくかぜでは
発症後3日程度で抗体陽性になりますが、
おたふくかぜの原因となるムンプスウイルスの感染は
さらにその2,3週間前におこっています。
B型肝炎などでは抗体陽性まで約1カ月程度かかります。
そして、今回の新型コロナウイルスについては、
その期間は感染後14日程度であるといわれています。
いっぽう新型コロナウイルスの潜伏期間は平均5日程度なので、
発症していても抗体陰性の場合がかなりあり、
その場合はPCR検査で、確認しなければなりません。
なので、まとめますと、
症状のない人に抗体検査をして陰性だった場合、
①過去に新型コロナウイルスにかかったことは無いか、
②かかって14日以内であるか(その後症状の出るでないにかかわらず)
のどちらかである、ことしか分かりません。
あまり意味ないな。
しかし、全く意味が無いわけではありません。
この抗体検査を、特定の地域において
一時期に数百人から数千人規模で調べると、
その地域全体のおよその抗体保持率がわかります。
すなわち、新型コロナウイルスの「ウェーブ」が
通過した地域かどうかがわかります。
これは疫学的に大変重要なことで、
その抗体保持率と、被験者の症状の有無、
そして、実際にPCR陽性により確認された患者数、
さらに死亡者数を照らし合わせると、
新型コロナウイルスの発症率、致死率が推測できます。
PCR検査は、瞬間的な感染しか分かりませんが、
抗体は時間を置いた感染歴をはかることができるからです。
そんなわけで個人が調べる意味はあまりないような気がしますが、
ネットで検索しますと、
「新型コロナ抗体検査できます」
などとホームページにあげている医療機関はけっこうありますね。
現在のところ保険適用はないので、
自費で6000円から10000円くらいで
検査しているところが多いようです。
イチマン円(@_@)
実は、今日業者さんから言われた金額は
具体的には言えませんが、かなり、安い。
6000円でもぼろ儲けです。
ウチもコロナ騒動で来院患者激減ですので、
経営的には苦しく、
この抗体検査をやれば、それなりに損失補てんになるでしょうが、
あまり意味のないことをやる気もしないので。
いろんなクリニックのホームページをみますと、
医学的意味についてはあまり明確に説明していません。
中には、医学的説明はしません、なんていうクリニックもあり、
てめえは、医者か、と言いたくもなります。
本来であれば、これは国が主導して、
国民に広く採血をお願いし、
それによって地域ごとの抗体保持率を把握して、
第2波への対策にする、というのが筋だろうに、
医療機関の金儲けの手段になってるのはどうなんでしょう。
医療機関ではいろいろな理由で日々血液検査を行っていますから、
それを流用させてもらって、
国の負担で無料検査を行い、
データを集積することはできないんでしょうか。

2020.05.23
新型コロナウイルスの治療薬として期待された
「アビガン」は「有効性を示せず」
という結果に、今のところはなっているようです。
これは「効かない」ということではなく
「効くのか効かないのかわからない」
ということです。
そもそもクスリの治験は「有効性」と
「副反応(副作用)」をはかるものですが、
「有効性」の判定はなかなかムズカシイ。
なぜなら人間には本来持ってる「免疫力」があり、
要するに、クスリ飲まなくても自然に治る力がある。
そして、それには「個人差」がタイヘン大きい。
とくにウイルスに対する免疫力というと、
人種、遺伝、病歴(感染歴)、環境、年齢、生活様式などに
大きく左右され、
クスリ飲んで良くなったとしても
クスリで良くなったのか、免疫力で治ったのかの判定は、
さまざまな因子を考慮しないといけないので、
簡単には判定できません。
例えばインフルエンザ薬として、
日本で認可され広く使われている「イナビル」にしても、
ヨーロッパの治験では「有効性を示せず」
認可されていません。
でも日本ではあの「1回吸入すればいいクスリ」で
インフルエンザが、治って良かった良かった、
とみんな喜んで使っているわけです。
いえ、けっして「ニセモノ」ではありませんよ。
「イナビル」でインフルエンザのウイルス量が減少することは
実証されています。
ただ、ヨーロッパの治験では臨床症状の消失までの期間に
有意な差が確認されなかった、ということです。
新型コロナウイルスが多くは自然治癒する風邪であることが、
その判定を困難にしているようで、
アビガンの治験は継続されるようですが、
めちゃくちゃ効く、というわけではない、ということで
「イナビル」程度には効く、ということかも知れません。

2020.05.21
昨日コメント欄にご質問いただきました。
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当方、脳出血で片麻痺。お風呂から出ると、鼻水がとまらない。
耳鼻科にかかったことはありません。
片麻痺だと鼻も麻痺になるのでしょうか?
1時間位鼻水がでます。体が温まるから?
貴院に通院してみたい気もしますが、診察は2階なのでしょうか?
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さて、実際に診察したわけではないので
確定的なことは言えませんが、
今のところ診断名はおそらく「老人性鼻漏」、
片麻痺との直接的な関連はありません。
老人性鼻漏とは、あんまりな病名ですが、
病態は鼻粘膜の機能低下です。
英語の「Old Man’s Drip」の訳です。
鼻の役割としてはニオイをかぐことは大変重要な働きですが、
もっと重要な役割に呼吸する空気の管理があります。
鼻の中は広い空間の中に鼻甲介というヒダが張り出しており、
吸気、呼気はその隙間を通っていきます。
鼻粘膜の総表面積は片側で160~180平方センチメートルとかなり広く
しかも血管が浅いところに走っているので
ここに空気が接触しながら通ることにより、
吸い込まれた空気に加温、加湿が行われ、
気管、肺にダメージを与えないようになっています。
一方、肺からやってくる呼気は高温多湿です。
これが鼻粘膜を通るとき、鼻粘膜のほうが温度が低いので
飽和水蒸気圧の関係で、水が出ます。
コップに水滴がつく「結露」と同じ現象です。
鼻粘膜はこれらの水分を吸収する働きがありますが、
加齢によりその機能は低下し、
また血管の委縮により鼻腔の温度が下がり、
より「結露」しやすくなります。
お風呂に入ったり、熱いラーメンをすすったりすると、
高温の蒸気が鼻の中に入ってきて、そこで冷えて結露します。
体が温まるからではなく、
鼻が冷えているからです。
むしろ、体が温まって、血管が拡張し、
鼻の温度が上がった方がいいわけですが、
高齢者は、末梢循環が悪く、なかなか血管が拡張しません。
高血圧や、動脈硬化のある方、冷え性の方は、
特にそういった傾向があります。
脳出血を起こされたということは、
末梢循環不全があることが想定されますので、
その意味では関係がある、といえます。
その意味で「足湯」は効果があるといわれています。
いっぽうで、鼻腔の血管から漏出する水分ではないので、
普通に鼻水やアレルギー性鼻炎のクスリとして用いられる
抗ヒスタミン剤などは効果がありません。
食事のたびに水っぱなが止まらなくなる、ということで
来院される年配の方は多いのですが、
アレルギー性鼻炎の合併のない方は、
なかなか、治療が困難です。
また食事性のうち、刺激物による知覚神経刺激が
副交感神経反射を起こし、鼻腺からの分泌が起こる場合もあります。
これは、冬、寒いところで冷たい空気が入った時に起こる
水パナと同様のメカニズムです。
さらに高齢者の場合は、鼻腔粘膜の線毛機能が低下しているので、
鼻粘膜上にたまった水分が、後方へと運ばれることなく、
そのまま外にたれてしまう、
ということになりやすいのです。
このように老人性鼻漏はなかなか改善がムズカシイ。
末梢の血管を拡張する漢方薬が有効との報告もありますが、
決め手にはなかなかならないようです。
マスクなどで鼻粘膜の乾燥、温度低下を防ぐ、
末梢血管の循環を促すように手足を温めたり、運動を行う、
などの方法で、様子を見てゆく、というところでしょうか。

2020.05.20
今朝のNHK朝のニュースで、
開業医の来院患者数が減っている、
というニュースをやっていました。
最初に登場した内科医院では2割減、
次に紹介された小児科のクリニックは7割減とのことでした。
内科は、高血圧症とか、糖尿病とかで
定期的に薬を取りに来る患者さんが多いので
あまり減らないいっぽう、
小児科は風邪などの急性感染症が多いので、
学校や幼稚園がお休みになり、
国民全員が「風邪予防」に取り組んでいるため
風邪をひく子供そのものが減っているので
減少幅が大きいのでしょう。
当院も、来院患者さんの数は半分くらいでしょうか。
風邪が減っており、外出抑制で花粉症も悪化せず、
それに伴って発症する中耳炎、副鼻腔炎が減っているため
ということはあるでしょう。
今まで反復性中耳炎などでかかっていた子も、
ここにきてどんどん良くなるケースが多く、
もう来なくていいですよー、
という患者さんが最近かなりありますねー。
普段だと「もう、来なくてもいいですよー」
というのは医者にとっては大変うれしいことなのですが、
ここ最近はちょっと心に引っかかるものがあるような
・・・・そこまでではないか。(^^;)
(開業して2~3か月の間は、患者さん少なかったので
たしかにそういう感情があったですが・・・。
ちょっと、ナツカシイ。)
また4月5月はプール授業前の学校健診のシーズンで、
例年なら健診票を持った子供が多く来院するのですが、
今年は健診が全く行われていないので、
その分も空いてるわけです。
ワタシは(妻も、さらに)極端に経済に疎いので、
現在当院の収支が赤字なのかどうか、ワカラナイですが、
どうなんでしょうかねー。
トントンくらいなのかなあ。
でも、トントンということは、
ワタシの給料はゼロ、ということなのか・・・・。(^^;)
まあ、最近はほとんどお金を使わないので、
スーパーに週一回行って4,5000円、
あとは在庫のプラモデルを作るだけ、
飲み代もスタジオ代もかからない日々ですから、
急には困ってないですが、
この先どうなるんでしょうねー。
世間ではオンライン診療を推進しよう、
という動きもありますが、
耳鼻咽喉科の場合はどうも難しそうです。
セキが止まらない、
内科にかかったがよくならない、
という患者さんがみえました。
内科のクリニックでは、院内に入れてもらえず、
ほぼ診察もなしで、クスリだけ出たそうです。
話を訊くと、
のどは痛くないがタンが絡んだ感じ。
熱はない。
セキは朝晩に多い。
ハナは出ない、つまらない、花粉症はない。
喘息の既往もない。
周囲に同様の症状の人はいない。
タバコは吸わない。
胃のもたれや胸やけはない。
問診だけでは全然わかりません。
それで、鼻の中を見てみると、
鼻内の粘膜は蒼白で浮腫状、
中鼻道から一筋のキミドリ色の粘液が細く流れています。
診断は一発で確定。
鼻粘膜が蒼白、というのはアレルギー性鼻炎独特の所見。
中鼻道とは、鼻の中の気道の一つで、
その奥は副鼻腔につながっている。
そこから出る膿性の鼻汁は鼻の前には出ず、
本人にもそれとわからないまま、
のどに流れ込みます。
もちろん、かんでもハナは出ません。
診断は
「花粉症を含む何らかの
アレルギー性鼻炎に合併した副鼻腔炎」です。
患者さんが、鼻は何ともありません、
といってもそれは必ずしも鼻の病気がないことではない、
ということはよく経験します。
花粉症ですといってもそうではなかったり、
逆に花粉症はありません、
といっても実はそうだったりすることは日常茶飯事です。
ほかにも耳の痛いのが、ノドの炎症のせいだったり、
歯が痛いのが、蓄膿症のためだった、
などということはよくある話です。
これらは、目で診れば一発でわかるが、
問診からでは、なかなかわからない、
というものなので、
やはり耳鼻咽喉科のオンライン診療は難しいでしょうねー。
毎年花粉症で、鼻が詰まります、
といってもみると鼻の中がポリープいっぱいで
血液検査で花粉症は全くなく、
好酸球性副鼻腔炎だった、なんてこともよくありますから。
それにしても、のども見ないでクスリ出す内科もなんだかなー。
新型コロナウイルスは完全排除できる病気ではないし、
かかったら絶対ダメ、という病気でもないので、
「治療上の有益性が危険性を上回る場合」
をよく判断した方がいいでしょうね。
それで、カネとってんだからなー。
ああ、今日もヒマなので、
診療時間中にブログが書けてしまった。

2020.04.01
当院では原則インターネット受付になっておりますが、
4月1日よりそのURLが変更になりました。
以前利用していたe-netがサービス終了になったことにより
E-PARKというサービスに乗り換えになりました。
当面は以前のURLがらジャンプできることになっていますが、
順次新しいアドレスのご登録をお願いします。
本日初日でどうなるかなあ、と思いましたが、
新型コロナウイルスの影響で来院数が少ないこともあり、
今のところスムーズに移行できているようです。
インターネット受付により待合室の「密集」を避けることができ、
ネット受付で来院された方の待ち時間は早ければ0分、
遅くても15分以内程度になっています。
以前は早く来て待っている方もいらっしゃいましたが、
ここ最近のコロナ騒ぎで待ち人数が減ったのを
手元で確認してから来院される方が多くなり、
待合室スカスカでいい感じです。
当院の受付用アドレスはこちらです。
https://ssl.fdoc2.jp/m8783323/hybAppoint/lineSelect/index?SITE_CODE=hp

2020.04.01
新型コロナウイルスに感染した場合、
他の症状がなくても嗅覚の異常、
味覚の異常が先行することがある、
ということが報じられています。
味覚障害はほぼ嗅覚障害がその主体であることが多いのですが、
むろん、新型コロナウイルスに限った症状ではなく、
他の風邪症候群や、まったく別の疾患でも出る症状です。
個人的にはコロナウイルスはそもそも風邪のウイルスなので
そりゃ、そういうこともあるでしょう、という感想ですが、
なにせ「未知の」ウイルスなので何があるかワカラナイ。
現時点では、嗅覚、味覚障害だけで
PCR検査を受けることはできません。
もともと鼻の病気、たとえば花粉症、アレルギー性鼻炎とか
副鼻腔炎などがなくて
「急に」においや味が感じられなくなった場合は
新型コロナウイルスに感染している場合も考えられます。
そこで、日本耳鼻咽喉科学会から次のような要請がありました。
①「におい」や「あじ」の異常を感じてから2週間は、
できるだけ不要不急の外出を控えてください。
マスクをつけて会話をしてください。
手洗いもこまめにしてください。
医療機関への受診は控えて、毎日体温測定をしてください。
②37.5℃以上の発熱が4日以上続く場合や、
咳、息苦しさ、だるさがあれば、
お住いの区市町村の帰国者・接触者相談センターにご相談ください。
厚生労働省のホームページから検索することもできます。
③嗅覚障害・味覚障害に対しての治療(対症療法)は、急ぎません。
まずは何も使わないで様子を見ましょう。
自然に治ることが多いです。
発熱や咳などの他の症状がなく、
嗅覚障害や味覚障害の症状が2週間以上経過しても変わらない場合は、
耳鼻咽喉科外来までお問い合わせください。
ということですので、
皆様もこのような形での対応をお願いします。
くわえて病院、診療所に対しては、
急性発症の嗅覚・味覚障害の患者さんが来院した場合、
内視鏡やX線などの検査はしないこと、
初診時にステロイドや消炎鎮痛剤の投与を行わないこと、
が指示されました。
くれぐれも冷静な対応で、
感染を拡大させないように
皆で注意しましょう。

2020.03.31
先日、足利市で新型コロナウイルス感染者出ました、
と書いたら、2件のコメントで指摘があり、
安足健康福祉センターは足利市だけではないので佐野市かもしれないです、
とのこと。
たしかに調べたら安足健康福祉センターの管轄は
足利市と佐野市なんですねー。
そもそも安足の足は足利市ですが、
安は安蘇郡のこと。
安蘇郡とは葛生町あたりだという漠然としたイメージだけでしたが、
佐野市も明治18年の市制施行までは安蘇郡だったらしい。
1955年以降は阿蘇郡とは葛生町、田沼町のことでしたが、
2005年にこの2つの町が佐野市に合併したので
今は、安蘇郡は存在しないとのこと。
知りませんでした。
なので、今回の患者さんは、足利市か、佐野市、
ということらしいので訂正します。
ですが、ここまでくれば調べていないが感染している人は、
どちらの街にもいるでしょう。
先週スイミングに行ったとき、
インストラクター氏が、
いやあ、足利でも出ましたね、足利の東のほうらしいですけど。
といったら、もう一人の生徒のオジサンは、
いや、ワタシは足利でも西の桐生よりの人だとききました、
というから、わからないですね。
居住地は個人情報に配慮して、公開しないのでしょうが、
じゃあ、どうして大泉のお医者さんのときは
医院名まで公開されてしまったのでしょうか。
病院ではいろいろな人が出入りするから、という意見もありますが、
例えば美容師さんだったりラーメン屋さんだったりの時はどうなのかなあ。
他の職業の場合は「自営業」としか出ていないようです。
マスコミは医者をいじめるのが好きだからか。
さて、その件はさておいて
志村けんさんが昨日3月30日、
新型コロナウイルスによる肺炎のために
逝去されました。
70歳だったそうです。
国民のだれもが知っている超有名人の死、
しかもそれほど高齢でなく
入院直前までふつうに仕事をしていたとなれば、
なかなかセンセーショナルなニュースです。
ただ、ワタシが大好きだったころのドリフターズは荒井注さんで、
志村けんさんは最初のころは、「ドリフ見習い」というキャプションとともに
体操コーナーあたりにちょこちょこ登場したのを覚えています。
まだ、セリフもなかった。
なんだコイツ、と思いましたが、
まさかのちにここまでの大物になるとは。
調べたところでは志村さんはかなりのヘビースモーカーで
1日に40~60本もタバコを吸い、
数年前にも肺炎で緊急入院したことがあるらしい。
その入院の時からタバコをやめたそうですが、
すでに時遅く、
長年の喫煙で肺がかなり弱っていたのでしょう。
コロナでなくても肺炎になれば
命が危ない状態だったのかも知れません。
志村さんの死は我々に2つのことを教えてくれます。
一つはタバコを吸っている人は
ふだん、元気そうに見えても
新型コロナウイルスにかかった時に重症化しやすく、
時に致命的な経過になるということ。
そして、もう一つは、ウイルスはそこかしこにいる、
ということ。
感染ルートは非公開ですが、
志村さんは、その男気から
コロナ騒ぎで閑古鳥のなく飲食店にお金をおとそうと、
かえって積極的に夜の街を飲み歩いていたそうで、
そのために感染してしまったようです。
志村さんの死は、大変残念ですが
そこからわれわれが、このウイルスとの戦い方を
いくらかでも学び取ることができれば
このやっかいな敵との戦いに役立つような気がします。

2020.03.26
日に日にいろんなニュースが飛び込んでくる
新型コロナウイルス関連ですが、
トム・ハンクスさん、田島幸三氏に続いて、
ジャクソン・ブラウンさん、志村けんさん、
そしてなんとチャールズ皇太子の感染が報じられました。
こりゃあ、世界中のそこかしこに
ウイルスがいるということですね。
それにしても、志村けんさんは
そこら辺の居酒屋で公演の打ち上げなんかすることもあるでしょうが、
チャールズ皇太子のようなやんごとなき方が
どこでもらっちゃううんでしょうねー。
そして、イタリアが中国を抜いて死者がトップになったのに続いて、
スペインも死者が急増、中国の死亡者数を上回ったという。
この、イタリア、スペインの死亡率の高さは驚くばかりですが、
ハグや、握手といった生活習慣の違いよりも、
病院のベット数の不足や、
集団感染を起こしやすい個人主義の国民性、
そして喫煙率の高さが大きく関係しているように思われます。
そういえば志村けんさんも
ちょっと前まではかなりのヘビースモーカーだったらしい。
タバコ、怖いなあ。
お隣の館林厚生病院では医師、看護師に陽性者が出たので、
2週間の外来閉鎖だそうです。
妻も働いたことのある病院、ワタシも何回かバイトに行きました。
第一戦に立って罹患してしまった
お医者さん、看護師さんはまことに気の毒で
平癒されることを願っております。
今こそ、国民は一丸となって
イタリアやスペインのようなオーバーシュートを起こさないために
自粛、危機管理をするべきでしょう。
重症化の最危険因子であるタバコも、止めましょう。

2020.03.25
オリンピック、延期になりましたね。
やっぱり、という思いが国民の大半であろう。
ついこの間には、予定通り完全な形での開催、
を力強く語っていた安部総理大臣ですが、
悪びれず延期の発表をする態度には、
さすが政治家、昨日言ったことはもう過去のこと
オレのせいじゃないもんねー、という感じで、感心(?)しました。
さて、そんな中、ついに当足利市でも、
新型コロナウイルスの感染者が確認されました。
70代の男性の方ですが、渡航歴はなく、
新型コロナウイルス感染者との濃厚接触も未確認だそうです。
軽症、あるいは無症状で感染している人がいるという可能性が高いわけで、
今後、一層の注意が必要となりました。
当院ではインフルエンザの検査は医師会からの申し入れで、
すでに見合わせておりますが、
ネブライザー治療につきましても、
今後、当面のあいだ、使用を見合わせることにしました。
もちろん、患者さんに接するマスク部分は毎回交換し、
消毒したものを使用していますが、
感染をおこす可能性が完全に否定できません。
日本耳鼻咽喉科学会からの勧告や指示はありませんが、
念のためしばらくは休止とさせていただきますので、ご了承ください。
