アレルギー性鼻炎とスイミングに関するご質問
度々ブログを読ませていただいています
耳鼻科医の小倉先生に質問なのですが、
小2の子供の持久力をあげるためにスイミングを考えています。
ですが、息子は花粉症もハウスダストなどのアレルギーも強くあり、
スイミングにより悪化することもあるとネットの記事で読み心配です。
現在も風邪を引くとアレルギーが強く出て完治までものすごく時間がかかります。
先生はアレルギーのある子のスイミングについてどうおもわれますか?
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コメント欄にこのような質問をいただきました。
実際に診察もしていないし、
検査データもありませんので、
あくまで一般論としてのご回答です。
結論から言えばアレルギー性鼻炎、花粉症の子にスイミングをやらせるのは賛成です。
屋内プールの環境は温度は一定で湿度も高く、
ハウスダストやダニはもちろんスギ花粉症シーズン中であっても
花粉の飛んでいない空間です。
プールの水の塩素が鼻粘膜を刺激する可能性もありますが、
鼻からプールの水を吸引するわけでもなく、
塩素そのものは刺激物質ではありますがアレルゲンではありません。
水泳の上達につれ反応は少なくなることが考えられます。
冬場はプール内外の気温差が大きくなり、
これにより鼻炎症状が惹起されることがありますが
多くは一過性です。
呼吸機能の訓練、免疫機能の改善については、
特に喘息ではその効果が認められ、
小児喘息についてはスイミングの有効性が示されています。
アレルギー性鼻炎、喘息と並ぶ
3大アレルギー疾患のもう一つアトピー性皮膚炎に対しては、
皮膚への直接的な侵襲から、
スイミングは推奨されていないようですが、
ワタシはアレルギー性鼻炎に関しては、
プラス面、マイナス面を考えると
トータルではメリットの方が多いと考えます。
少なくとも、花粉症シーズンに
屋外でサッカーや野球をやらせるよりは
はるかにいい、ということは確実です。
免疫能、呼吸機能の改善により風邪をひきにくくなれば、
それも鼻炎症状の改善につながると思います。
まあ、本人の意思がもっとも重要で、
やりたくないものを無理にさせることはないですが、
本人がやってみたい、というのであれば
アレルギー性鼻炎を理由にスイミングをあきらめさせる理由はないでしょう。
以上、ご参考までに。

