ルブリンスキー、知ってる?
ワレワレ耳鼻咽喉科は日常外来で処置や小手術を行うことが多い
特殊な診療科です。
たまに、内科など受診すると、
検査結果や画像を見ながら話するだけで、
触りもしないことが多く、
外来診療形態の違いを感じます。
それでも、時代の流れとともに耳鼻咽喉科診療の形態も
少しずつ変化してきました。
さて、これは何でしょう。
これはルブリンスキー氏喉頭蓋起子といって
耳鼻咽喉科の外来で間接喉頭鏡検査のとき使う器械ですが、
若い耳鼻咽喉科のセンセイは、
おそらく見たことも聞いたこともないのではないでしょうか。
間接喉頭鏡というのは、
歯科のデンタルミラーのちょっと大きいもので
このように使って、口を開けただけでは見えない、
喉頭蓋~喉頭を観察します。
中に喉頭蓋が、喉頭側に倒れこんでいて
喉頭の観察が困難な人がいます。
そのような場合にこの器具を使います。
サスマタ状の先っぽを喉頭蓋と舌根の間、
喉頭蓋谷に当ててぐっと押すと、喉頭蓋が前に倒れて
喉頭が観察できるというもの。
図の青い部分がルブリンスキーです。
想像されるように、
よほどしっかりノドを麻酔しないと、
うえっとなって喉頭の観察どころではありません。
ワタシ自身、この器械を使ったことがありますが、
うまく使えたためしは殆ど無く、
すぐにファイバースコープに切り替えていました。
そう、ファイバースコープの普及により廃れた手技ですが、
ムカシはこれでみんな喉頭がんとか診断していたんです。
スゴイね。
ワタシが勤務医のころは、
ユニットの器械の中に、
1本ルブリンスキーが入っていたものですが、
開業の時にはこの器械は購入しませんでした。
もう、今や使ってるセンセイはいないのでは。
今回の記事は、耳鼻咽喉科医の読者向け、かな。
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