ブリストル・ブルドッグ~戦争を知らない戦闘機
もう一機。
ブリストル・ブルドッグ。
箱にあるのは「大戦のあいだで最も有名な戦闘機」。
イギリスでは戦闘機の名前は製造メーカーの頭文字から始まる名前が基本なようです。
ブリストル社はブルドッグのほかにブレニム、ボーファイターがありますし、
ホーカー社はハリケーン、ハンター、ハリアーなど、
スーパーマリン社はスピットファイア、スイフトといった具合。
第一次世界大戦が1914~1918年、第二次世界大戦が1939~1945年で
この機体の運用開始が1927年、退役が1937年ということで、
ちょうど「大戦間」にあたるわけです。
イギリスの飛行機で、イギリス空軍に配備されましたが、
フィンランド、スウェーデン、オーストラリア、ラトビアなどでも採用。
デカールもスウェーデン空軍とイギリス空軍の2択です。
例によって台紙が変色していましたが、問題なく使えました。
小さくて構造がシンプルなので、
形になるのは早い。
計器盤も操縦桿もない。
かくて、完成。
スウェーデン空軍仕様にしました。
ちなみにスウェーデン空軍のマークは国章の3つの王冠に由来します。
現在は青と黄色ですがこのころはモノクロだったのですね。
星形のジュピターエンジンにはカウリングが無いタイプで、
独特の外観です。
超高性能ではないが、安価で頑丈な飛行機として重宝されたそうです。
張り線は、今回はハインケルともども釣り糸でいきました。
複葉機の手間はここですが、楽しいのもここです。
永世中立国であるスウェーデンは軍備に力を入れている国で、
戦闘機は自国開発のサーブが歴代採用されていますが、
黎明期には、イギリスから購入していたのですね。
サーブ社が設立されたのが1937年、
ちょうどこの機の退役と重なります。
三つの王冠マークは何となくハロウィンのかぼちゃみたいにみえる。
日本でも中島飛行機が2機購入し、九〇式艦上戦闘機設計の参考にしたそうです。
2つの世界大戦の間に存在したブリストル・ブルドッグは
フィンランドの対ソ戦以外はほとんど実戦経験がありません。
戦争を知らない戦闘機ブリストル・ブルドッグは
はたして幸せな戦闘機だったのか。

