高校生に向けて
この間、母校の足利高校で、
職業進路講演会でお医者さんという職業の話をしました。
先日、その講演を聴いた生徒からのアンケート結果が届きました。
概ねウケは良かったようで、
どんな印象・感想を持ちましたか、という設問では
1位おもしろかった75% 2位考えさせられた 32%
3位もっと興味がわいた 28.6%・・・
具体的な感想では
ワタシが話したことの中の2点が興味を引いたようです。
ひとつは、高校の勉強で、医者になってから何が役立つか、という話。
これは、前にも書きましたが「数学」です。
参照「勉強はしておいた方がいい」
これは、当時高校生だった自分が思ってもみなかったことなので、
医者を目指す、高校生に知っておいてほしかったことでした。
高田渡の「受験生ブルース」には、
「〽サイン、コサイン、なんになる~」
というフレーズがありましたが、実は数学、役に立つんです。
ただし、天才的な「数学頭脳」は必要ありません。
逆に、医学部は「理系であって理系でない」ので
「英語」や「国語」も、当然必要。
天才的数学脳の持ち主は、理学部や工学部に行くべきです。
「生物」は一見いちばん関連がありそうですが、
細かいところは大学に入ってから学ぶので、あまり重要ではない。
っていうか、オレ受験は「物理」「科学」で「生物Ⅱ」とってねーし。
そして、もう一つのテーマは、
これも以前ブログに書きましたが、
「医者の仕事は探偵だ」ということ。
医者でもあるコナンドイルが、
シャーロックホームズのモデルにしたのは
医学部の外科教授だったというのは有名な話。
患者さんの一見関係ないように見える話や所見から、
病気の正体を解き明かすのは、まさに謎解き、
探偵の仕事です。
たとえばイネ科のアレルギーの人が、
全然関係ない季節に鼻炎を発症。
ここで耳鼻科医が必ず訊かねばならない質問は、
「ウサギ飼ってませんか?」
ウサギの餌としてよく売っている「チモシー」は
「オオアワガエリ」という牧草を干したもので、
イネ科の花粉症を起こす重要な植物です。
これは初歩の初歩ですが、
最初にこのことに気づいたときは、ヤッタ、と思ったものです。
こういう謎解きで病気の原因や診断がわかった時は
やっぱ医者は探偵だな、と思います。
さて、今回話を聞いた生徒の中から
次世代の医者が出てくるといいなあ。
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