オーラル・フレイル
先日の「あさイチ」の特集は「オーラル・フレイル」でした。
オーラル・フレイルは
「Oral=口の」と「Flailty=虚弱」を組み合わせた造語で、
「口腔機能低下症」と訳されます。
もともとは2014年日本老年医学会が2014年に提唱した
「フレイル」の派生概念として設定されたと思われます。
「フレイル」とは健康な状態と要介護状態の中間に位置し、
身体的機能や認知機能の低下が見られる状態のことを指します。
そのまま身体機能障害に進む可能性がある状態ですが、
適切な治療や予防を行うことで
要介護状態に進まずにすむ可能性もあるという概念です。
咀嚼や嚥下ならば、耳鼻咽喉科領域かと思いきや、
出てくる先生はみんな歯医者さんでした。
「オーラル・フレイル」は
日本歯科医師会が大々的にアピールしているモノらしい。
最近の歯医者さんは必死です。
ワタシの子供時代は、クラス内で虫歯のない子供はまれで、
歯医者さんは学区内にいっぱいありましたが
どこの歯科医院もいつも混んでいました。
それが、少子化と、子供の歯の衛生環境が急速に高まったことで、
この半世紀で劇的に虫歯の子供が減少したと思われます。
歯医者さんは、歯痛の子供を待っているだけでは、
おそらく商売が成り立たなくなっています。
何とか、新しい病気や顧客を「発掘」しなければなりません。
そこで、インプラントをやったり、
矯正歯科をやったり、いびき改善のプロテーゼを作ったり、
老人の誤嚥性肺炎の問題にも介入するようになっているようです。
審美歯科なんつーのもあったなあ。
嚥下の学会では
日本耳鼻咽喉科学会の関連学会である
「日本嚥下医学会」の会員数が1290人なのに対し
歯科医師が作る「日本摂食嚥下リハビリテーション学会」は
会員数が16000人を超えるそうです。(゚Д゚;)
ちなみに耳鼻科医の方の「日本嚥下医学会」の設立は1981年、
歯医者さんの「日本摂食嚥下リハビリテーション学会」の設立は
ずっと新しく1994年。
やる気と勢いが違います。
耳鼻咽喉科医師はみな忙しいので、
あまりオーラル・フレイル的なことには関わっているヒマがない、
というのが現実のようです。
かくいうワタシも嚥下障害は苦手分野です。
本当はもっと医者がきちんと関わらなければイケナイ、
とは思うのですが・・・・。
それにしても、歯医者さんのイメージといえば
ドリルのキュイーンという音でしたが、
ドリルを持たない歯科医が、今後は増えるのであろうか・・・。
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