エアロゾル感染とは
梅雨明けはまだしないもののマスクがツライ季節になってきました。
いったいいつまでマスク必要なのか。
そもそも意味あるのか。
新型コロナウイルスに関しては未知のウイルスなので
分からないことばかりです。
感染経路は、当初、接触、飛沫感染といわれていましたが、
その後「エアロゾル感染」という言葉が出てきました。
「エアロゾル感染」とは何か?
実はワタシも良く知りませんでした。
医学生時代に習ったのは、微生物の感性経路には
①接触感染②飛沫感染③空気感染
の3種であると。
①は良いとして、
②は患者さんのセキ、くしゃみなどの水分中に微生物が含まれて、
それを「もらう」ことにより感染する。
「もらう」とは直接吸い込む場合と、
付着したものに触れた手指などを介しての場合があります。
③の空気感染とは、飛び出した飛沫から水分が蒸発しても
その中にあった病原体が感染力を失わずに空気中を漂う状態で起こる感染で
この直径5㎛以下の粒子を「飛沫核」といいます。
飛沫は重いので2メートル以内の「ソーシャルディスタンス」で落下しますが、
飛沫核は広い空間で漂い続けます。
もっとも、飛沫でもくしゃみやセキなどで「発射」されれば、
スイカの種飛ばし競争みたいに10メートル以上飛ぶ場合もあるでしょう。
じゃあ、エアロゾルは何だ。
高校の化学で習った「ゾル」は液体を分散媒とする「コロイド」のこと。
コロイドは液体の中に微粒子が均等に分布した状態で、
ろ紙は通るが半透膜は通らない、
牛乳は「ゾル」なので「チンダル現象」が観察される。
ナツカシイなあ。
そして「エアロゾル」は液体が分散媒の「ゾル」に対し、
気体を分散媒としたコロイドのこと。
つまり「空気中に微粒子が分散した状態」。
スプレー式のキンチョールも「エアゾール」だけど、
科学的には霧も煙も、広い意味ではスギ花粉もエアロゾルということですね。
というとコロナウイルス感染症の「エアロゾル」の「分散質」は、
飛沫から水分の蒸発した「飛沫核」ということになり、
「空気感染」と同じではないの?
この場合、ウイルスが生体外では生存、繁殖できないことを考えると、
飛沫核となって水分を失ったウイルスがどれくらいの時間感染力を持つか、
ということが、問題になるわけですね。
この正確な時間をはかることは、
飛沫が飛沫核になってからウイルスが死ぬまでの時間だけではなく、
飛沫核中に含まれるウイルス量と、
どれくらいの量のウイルスを吸入すると感染が起こるか、
というかかわりもあり、なかなか測定は困難でしょう。
だが、「飛沫」は突然「飛沫核」に変化するわけでは無く、
時間とともに水分が蒸発して「飛沫核」になってゆくので
そう考えれば「飛沫感染」するものは
多少なりとも「空気感染」を起こしうる、と考えられますし、
今回の新型コロナウイルスにも当てはまるでしょう。
ただ「空気感染」という言葉を出すと、
あまりにショッキングなイメージがあるり、
さまざまな誤解を招きかねないので、
あえて「エアロゾル感染」という
今までにない曖昧なイメージの言葉を使ってる、
とワタシは思うのですが、どうでしょう。
そういうことでマスクは「エアロゾル感染」を防ぐ効果は全くありませんが、
「飛沫核」のもとになる「飛沫」の飛散を防ぐ、
という意味はあります。
「マスクは主として他人のため」ということです。
「ゾル」は流動性があるが、
ゼリーや豆腐のように高い粘性をもって固体状になったものを「ゲル」という、
という、いわゆる「ゲル化」も高校の化学で習いました。
化粧品関係では「ジェル」といいますね。
ここで思い出されるのが1967年公開の
「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」です。
カマキラス、クモンガとゴジラ親子が住んでる怪獣等の名前が
「ゾルゲル島」だったのだ。
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