ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2020.06.08

影響を受けたレコード(国内編)⑬「非実力派宣言/森高千里」

森高千里さんは1987年5月25日

シングル「NEW SEASON」でデビュー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 1987年といえば、おニャン子クラブが人気を呼び、

1980年代初頭からのアイドルブームが熟成して、

ヒットチャートを独占していた松田聖子さんは結婚、出産。

中森明菜さんが1985年、86年と2年連続レコード大賞を受賞、

と、女性トップアイドルの座に君臨していました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 森高千里さんはデビュー当時は

普通の女の子アイドルの一人という印象でした。

同期は酒井法子さん、工藤静香さんなどです。

(・_・D フムフム。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ところが、このヒトは天才だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 1988年に発売されたシングル「ミーハー」で

初めて作詞を担当すると、

その年に出たアルバム「見て」では、

2曲を除きすべての作詞を行っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その素材の取り方、言葉のセンスが独特で、

「あれ?」と思うところがあったのですが、

彼女の才能の全貌が明らかになったのが、この

「非実力派宣言/森高千里」1989年7月25日発売です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このアルバムで森高千里さんはカバー曲を除く全曲を

自ら作詞しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その世界は独特のものでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

普通、アイドル歌手がお仕着せのカワイ子ちゃんから脱皮するとき、

アーティスティックな方向性を持ち込むことが定石です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

英語の歌を歌ったり、シティポップスや、

ジャズ的なアプローチをしたり、

ともかく、ワタシはアーティストなの、

そんじょそこらのアイドルではなくて

れっきとした「実力派シンガー」として認識して頂戴ね、

というパターンです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だが、大概、それがツマラナイ。

松田聖子もしかり、中森明菜もしかり。

他の、ニューミュージック系と呼ばれる

女性シンガーのすべてとは言わないが、

その多くは言うまでもなく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それが森高千里さんはそれを逆手に取ったかのような

「非実力派宣言」。

自らを「ミーハー」と呼んだ世界をさらに発展させました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この曲の歌詞は、ユニークでした。

「実力は興味ないわ、実力は人まかせなの」

「実力がどうしたの、実力が好きなのね」

この、開き直り方はスゴイ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけにジャケットも「食いだおれ太郎」みたいな、

およそ「おしゃれな大人の女性アーティスト」のイメージとは

かけ離れた装丁です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このアルバムを転機に、

森高千里さんの作詞家、アーティストとしての才能は

他の追随を許さない「森高ワールド」を

形成していきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自作「古今東西」1990年10月17日発売では、

ゴキブリ退治の「ザ・バスターズ・ブルース」、

北朝鮮飯店でも演奏している「〽ロックもへちまも関係ないわよ」

と、世界制覇を目指す「テリヤキ・バーガー」など、

突き抜けた作詞能力を発揮。

そののちも「臭いものにはフタをしろ!!」「やっちまいな」

「私がオバさんになっても」「ハエ男」

などの傑作をモノにします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いっぽうで、カバー曲として

サンタナの「OYE COMO VA」や

キャロルの「ファンキー・モンキー・ベイビー」をとりあげる

独自のセンスをみせています。

カバー曲としては1994年のアルバム「STEP BY STEP」で

ザ・ビートルズの

「Everybody’s Got Something To Hide Except Me And Monkey」

をとりあげていますが、

あまた名曲のあるザ・ビートルズのナンバーから、

この曲を選び出すセンスには脱帽しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ザ・ビートルズといえば、

森高千里さんは1992年のペパーランドから、

全曲ドラムも自分で演奏していますが、

そのドラムスタイルがリンゴ・スターの影響を強く受けていることが

よくわかります。

相当、ビートルズをコピーしてるな、という印象です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その「ペパーランド」は

森高千里さんが熊本時代にバンドやっていたときの

ライブハウスの名前だそうですが、

もちろん、そのおおもとの由来はザ・ビートルズのアニメ映画

「イエローサブマリン」に出てくる平和な国「ペパーランド」です。

1968年の映画ですが、

ワタシが中学生のころテレビで放送されてみた覚えがあります。

ビデオもインターネットもない時代、

テレビでビートルズの映画をやる、ってんで

勢い込んでみたら、ビートルズ出てねえじゃん、

と肩すかしを食った記憶アリ。(^^;)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 もうひとつ、森高千里さんの代表曲「渡良瀬橋」のPVは、

彼女のアイデアでザ・ビートルズの「Let It Be」へのオマージュとして作成され、

カメラワークやレイアウトをコピーしています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 話それましたが、

ともかく、この「非実力派宣言」をきっかけに

森高千里さんの書く歌詞にドはまりし、

すっかり彼女のファンになりました。

これだけの歌詞が書けるヒトは、

忌野清志郎氏と森高千里さんしかいない、と思っています。

あとは、松本隆氏、松任谷由実さんなども

才能あると思いますが、

ロック的なインパクトの点ではこっちかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 以後、彼女のアルバムは発売と同時にかならず買っており、

毎回、毎回、何やってくれるか楽しみでワクワクしていました。

しかも、そのたびにいい意味で期待を裏切るようなアイディアが満載でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 1992年のアルバム「ROCK ALIVE」からは作曲も手掛けています。

その「ROCK ALIVE」のタイトルチューンでは

森高さん自身でギターも弾いているのですが、

コーラスに「E7」とか「C」とかギターのコードが入っていて

そのまま楽譜なしでギターが弾けるようになっています。

なんと奇抜な発想。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 つづくアルバム「ペパーランド」の「ロックンロール県庁所在地」では、

作詞作曲のほかすべての楽器をひとりで演奏しています。

ホント、このヒト、スゴイです。

なかなか、こういう詞は書けないです。

 

https://youtu.be/QAj26Le852M

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結婚、出産後、歌手活動を休止していましたが、

2012年、デビュー25周年を機に

足利市民会館を皮切りにコンサート活動を再開しました。

当然、行きましたが、

実は森高さんのコンサートを見るのはこのときが初めてでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ちなみにワタシは1990年4月14日に結婚していますが、

実は結婚前の妻も森高千里さんのファンで

1989年7月発売のこのアルバムを所有していました。

次の「古今東西」が1990年10月の発売ですので、

我が家にはこの「非実力派宣言」は、2枚あります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、これで、「影響を受けたレコード(国内編)」も終了。

昔から、歌謡曲以外は、ほぼ洋楽しか聴かず、

バンドでも英語の歌ばっかりのワタシですが、

今回の選択を振り返ってみると、

国内盤の場合は、歌詞の好き嫌いが

かなりの比重を占めることがわかりました。

やっぱり、ワタシはロックはボーカル中心に聴いているんだなあ、

と改めて認識しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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