ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2020.06.04

影響を受けたレコード(国内編)⑨「RHAPSODY、PLEASE/RCサクセション」

RCサクセションという奇妙なグループを知ったのは

1972年から1973年にかけてのはず。

1972年12月20日に発売されている「三番目に大事なもの」

が、ワタシが初めて聴いたRCサクセションだったからです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

当時、フォークソングにハマっていて、

ガロの「君の誕生日」や、よしだたくろう「伽草紙」、

かぐや姫の「僕の胸でおやすみ」などをラジオからカセットに入れ、

雑誌「明星」「平凡」のソングブックを見ながら、

買ってもらったばかりのモーリスギターで

弾きかたりに挑戦していました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、この「三番目に大事なもの」は、

うまく歌えなかった。

忌野清志郎、変な歌い方をするシンガーだな、

という認識でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、RCサクセションの名はあまり聞かなくなりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは、ワタシの音楽志向が

日本のフォークから海外のロックに変わった、ということだけではなく

RCサクセションそのものが、売れなくなり、

活動休止状態になっていたためでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、1980年を迎えRCサクセションは、

突如、それも全く違った姿でシーンに登場します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それまでのねじれたフォークグループではなく、

ノリノリのロック・バンド、ライブ・バンドとして。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それには1979年に古井戸の解散とともに

RCサクセション加入を発表したチャボこと仲井戸麗市の存在が大きいが、

忌野清志郎自身も、ウイキペディアによると

複雑なコード進行の曲ばかり作って行き詰ったことの反省から、

シンプルなコード進行の曲であってもロックのダイナミズムを持つ

ローリング・ストーンズの楽曲研究を重ねたそうです。

そして、この頃、セックス・ピストルズのジョニー・ロットンに影響を受け、

それまで長くしていた髪を切り落とし、

ステージでは髪の毛を立てたり奇抜なメイクを施すようになったという。

ここでも、セックス・ピストルズが登場します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、この再スタートになる4年ぶりのアルバムを

ライブアルバムというかたちで発売したのが良かった。

1980年6月5日発売。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1980年4月5日の久保講堂でのライブを、

1980年6月5日にリリースする、というスピード感も重要だが、

スタジオ盤を出すべきというレコード会社の声に対し、

ライブの勢いを伝えたい、

という忌野清志郎が押し切ってのライブ盤発表だったとのことです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これは、日本のライブ盤の中でもおそらく1,2を争う名盤です。

ほかに思い浮かぶのは

「キャンディーズ・ファイナルカーニバル」くらいか・・・。(^^)v

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、バンドは1980年のサブカルチャーブームの中で

新しい若者文化の象徴として日本のロックバンドの旗印に祭り上げられます。

当時ワタシが熱心に愛読していた雑誌「宝島」にも

たびたび特集が組まれました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宝島の熱心な読者だったワタシ自身も、

このRCサクセションにハマりました。

ロックのカッコよさ、ライブの楽しさをこんなに体現できるバンドは

それまであまりありませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのステージには、忌野氏が参考にしたという

ザ・ローリング・ストーンズの姿が垣間見え、

本家ストーンズの来日は、おそらく未来永劫ないだろう、

と思われていた時代ですから、

これが日本で見られるとはアリガタイ的な

感覚もあったと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「雨上がりの夜空に」はバンドでもコピーし、

ダンスパーティーでこの曲を演奏すると最高に盛り上がりました。

またまた、発掘写真。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、1980年10月にはスタジオ録音のニューシングル

「トランジスタ・ラジオ」を発表。

歌詞には、忌野清志郎の洋楽ポップスへの愛が満ち溢れていて、

ワタシは、とくに

「ベイエリアから、リバプールから、

彼女が聞いたこともないナンバーを聞かせてくれるトランジスタラジオ」

という、くだりが好きでした。

忌野少年が聴いていたのは、間違いなくFENでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それに続き、新生RCサクセションの初のスタジオアルバムとして

1980年12月5日に発売されたのが、この「PLEASE」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ワタシは大いに期待をもって、このアルバムを聴きました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 1曲目の「ダーリン・ミシン」では、

お正月に向けて彼女が僕へのプレゼントに

赤いコール天のズボンを縫っている、という設定が、

ちょうど、発売日の季節感とマッチして印象的でした。

歌詞の内容としてはおよそロック的ではない、

むしろ四畳半フォークの素材かとも思いますが、

これはアメリカのルーツミュージック的な

ブルースに対するオマージュと読むことができます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 このアルバムを聴いて感じるのは、

忌野清志郎氏がいかに黒人音楽としてのブルース、

およびリズム&ブルース、ソウルミュージックを敬愛しているか、

ということです。

「Sweet Soul Music」では、

オーティス・レディングのドック・オブ・ベイが織り込まれ、

「例えばこんなラブソング」でも、R&Bに対する愛が感じられます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 折しも1980年はアメリカで

映画「ブルース・ブラザース」が公開され、大きな話題を呼びました。

日本公開は、このアルバムの発売から間もない1981年3月でしたが、

すぐに映画館に見に行きましたが、

カッコよさにすっかりシビレました。

これが、このアルバムのカッコよさとシンクロします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

他にも「いい事ばかりはありゃしない」は、ひょっとしたら

ザ・ローリング・ストーンズの

「You Can’t Always Get What You Want」が

ベースになってるんじゃないかなあ、

などと、聴いてて楽しくなってくる曲ばかりでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 RCサクセションはロックバンドでありながら、

フォーク出身なので、忌野清志郎氏の書く歌詞は、

非常に素晴らしい。

特に好きなのが「ぼくはタオル」。

パンクロックの歌詞はこうでなければ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 日本語のロックバンドに多くある、

シラケてしまうほど稚拙な歌詞とは、レベルが違う。

この同じ年、日本のパンクバンド「アナーキー」がデビューしています。

クラッシュのカバーなんかがあって、曲は良かったのですが、

ともかく、歌詞が幼稚でひどかった・・・。

なまじ日本語だと、ここが悩みどころです。

たぶんライブだと、歌詞が聞き取れないから

そうでもないんだろうけど。

その後、最近までのJ-POPも歌詞は適当ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 1980年のこの「大爆発」によって

こののち、RCサクセションは日本を代表するロックバンドとして

長く君臨することになります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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