エタンダールⅣとシュペルエタンダール
航空母艦の艦載機というと、
映画トップガンにあるように
戦闘機が華であるように思われるが、
実は、重要なのは攻撃機である。
てなわけで、今回はコレ。
フランス、ダッソー・ブレゲー・シュペルエタンダール。
秋葉原の中古プラモデル店でなんと500円。
イギリス、エアフィックス社製であるが、
これ、中身はフランスのエレールというメーカーのもの。
かなり古いキットです。
今回、このシュペルエタンダールの先代にあたる
「エタンダールⅣ」のキットがストックにあったので
まとめて作っちゃうことにしました。
こちらは500円ではなく、新品だったので2000円くらいしたかと思います。
説明書やデカールが立派です。
ただし、実機同様、シュペルエタンダールの金型を流用しており、
キットの初発は同じく30~40年前くらいの古いもののようです。
シュペルエタンダールの「シュペル」はフランス語で英語の「スーパー」にあたります。
だから「F-86セイバー」に対する「F-100スーパーセイバー」みたいな。
フランス語で「スーパーマーケット」は「シュペルマルシェ」というそうだ。
比べてみると、こんな感じ。
ついでに「エタンダール」は「旗、軍旗」の意味らしい。
エレール社のプラスチックはなぜか非常に柔らかく独特の感触。
古いキットなのでやたらシンプル。
射出座席上部にある黄色と黒のフェイスカーテンハンドルは、
完成後も見えてアクセントになるので自作しました。
ファントムやトムキャットでは2つの輪っかがついているのですが、
エタンダールⅣ、シュペルエタンダールでは輪っかは1個のようです。
伸ばしランナーを線香であぶってリング状にして自作しました。
お線香、便利です。
普段立ちこめているシンナーとは違うありがたい香りが部屋に漂います。
そして、完成。
まずはエタンダールⅣ。
フランス海軍仕様です。
っていうか、この機体、フランス海軍以外での運用はありません。
アメリカ以外では戦後初の攻撃型空母クレマンソー級で1962年から運用開始。
機首のあごの部分にフィンがついている独特のデザイン。
ローリング防止のために試作機の段階で追加されたそうです。
ネイビーブルーの機体はいいですね。
アラが目立ちにくいし・・・・。
独特の平面形。カッコイイ。
ただ、機首のエラは何となく変だなあ。
フェイスカーテンハンドルがアクセントになっています。
この角度から見ると、なんとなく「蛾」を連想させます。
さて、お次の「シュペルエタンダール」。
箱絵はフランス海軍の機体だが、
実はこのキット、アルゼンチン海軍仕様のデカールも入っています。
なんか、実際よりかわいい感じがするが・・・
こちらは色はネイビーブルーでなく、
エクストラダークシーグレイにしてみました。
シーハリアーなんかもこの色で、大好きな色です。
艦上攻撃機「シュペルエタンダール」の名前を広く世界に知らしめたのが、
イギリスとアルゼンチンの間で1982年に勃発した「フォークランド紛争」。
アルゼンチン海軍の「シュペルエタンダール」は
その空対艦ミサイル「エグゾセ」によって、
イギリス海軍の駆逐艦「シェフィールド」を撃沈させたのだ。
発売元のエアフィックスはイギリスの会社だが、
よくアルゼンチン海軍のデカールを入れましたね。
これが、その「エグゾセ」。
フランス語で「トビウオ」の意味だそうです。
この巨大なミサイルを一個だけ搭載、というのが、カッコいい。
下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる、ではなく
一発必中の職人芸。
超低空から侵入し、敵艦の姿も見ず遠距離からミサイルを発射する。
主翼の錨のマークも海軍魂が感じられていいなあ。
アルゼンチンのナショナルカラーのスカイブルーも
モケイ映えして、大変によろしい。
ニコちゃんマークは、やっぱ可愛すぎ。
実はシェフィールドに命中したエグゾセは不発弾で、
残っていたロケット燃料により火災になり航行不能になり、
曳航中浸水で沈没したという説もあるけど、
航空機のミサイルが軍艦を沈めたことに変わりはない。
結果的にこのシュペルエタンダール+エグゾセが
イギリス海軍機動部隊にフォークランド諸島への接近をあきらめさせたのだ。
機首にレーダーが搭載されたため、ロングノーズ化して
エタンダールⅣに比べてデザイン的にバランスが良くなった。
お尻を落としたクラウチングスタイルは艦上機の証。
ただし、アルゼンチン海軍は空母を当時1隻もってはいたが、
シュペルエタンダールは配備直後で
その時点ではまだ空母着艦が承認されておらず、
地上基地からの発進でした。
コックピット。
追加工作は効果的かな。
しかし、フランスの飛行機はどれも美しい。
これは、イギリスとは全く対照的。
この機体はワタシが好きなジェット機ベスト5に入るな。
戦車はドイツがカッコいいけど、イギリスはダサイ。
どうもイギリス人のデザインセンスには問題があるようだ。
1978年に運用が開始されたシュペルエタンダールは
フランス海軍では2016年にその座をラファールに譲ったが、
アルゼンチン海軍とイラク空軍では現役だそうだ。
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