ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2018.09.19

組織のメンツが真実に優先される場合

NHKで放送された未解決事件ファイル「警察庁長官狙撃事件」を見ました。

 

 

 

 

 

 

 

このストーリーのポイントは、

警察がこの事件の犯人は「オウム真理教」である、と考え、

それに沿って捜査を進めたため、真実にたどり着けず

過ちがわかってきてからも警察がその軌道修正をしなかった、

という点でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

当時、センセーショナルな反社会的事件を次々に起こしていたオウム真理教は

たしかに、動機も十分で「ありうる話」ではあったわけですが、

実際はどうもそうではなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つまり、この件に関してはあらぬ疑いをかけられた、ということになります。

 

 

 

 

 

 

 

 

「冤罪」ということで思い出されるのは、

我が地元での女児誘拐殺人事件、いわゆる「足利事件」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このときも警察は容疑者の菅谷さんが犯人である、

というストーリーを設定し、それに基づいて捜査を進め、

そのストーリーにそぐわない証拠はあえて無視したといいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

NHKの番組を見ると

警察組織というのは上下関係が厳しく、閉鎖的で、

何よりも「メンツ」を重んじる、という体質があるようです。

 

 

 

 

 

 

 

そのため、途中から修正したり、下のものが上層部に意見する、

ということができない仕組みになっているのだなあと感じました。

 

 

 

 

 

 

 

そして、誤認逮捕やでっちあげの立件をしても、

それが間違いであるとわかった場合でも罰せられることはないらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、もう一つ、冤罪という件で

医者の間で大いに問題になったのは大野病院の事件です。

 

 

 

 

 

 

 

 

これは2004年、福島県立大野病院の産婦人科医師が、

帝王切開後の妊婦死亡に対し、業務上過失致死と医師法違反の疑いで

逮捕、起訴された事件です。

福島県立大野病院産科医逮捕事件

のちに産婦人科医の無実は証明されましたが、

救急医療にかかわる医師を中心に大きな衝撃と恐怖を与えました。

これも一種の「冤罪」といえるかもしれません。

この件で逮捕した冨岡警察署は県警本部長賞受賞しちゃったそうですし

結果的に「誤認」であっても取り消されないらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 つまり、いったん疑いをかけられたら、

それをくつがえすのは非常に大変であり、

事実が捻じ曲げられることは充分にある、ということです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 とくに、善意によって行われた医療行為が、

医者の罪に問われるようだと、

医者は患者さんのために努力することを止めてしまい、

医療崩壊になってしまいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 事実、この事件によって分娩や救急医療から撤退した

医師、医療機関は少なくないと聞きます.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 自分がいかに潔白であっても、どうにもならない場合がある、

というのは実にコワイ話です。

なんか、もう早く医者やめたくなっちゃうなあ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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