ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2018.09.15

言わぬが花

 栃木県内でインフルエンザの患者さんが出たらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この手のニュースは、予想外に早く伝播するらしく、

どこをどう伝わったかわからないが、

・・・・ということなので、検査をしてください、

などという方も現れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その「陽性者」が、どんな経緯、状況で検査をしたかは知らないけれど、

あー、しちゃったのかー、そして、出ちゃったのか―、という感想です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 インフルエンザは毎年、冬場に流行するわけですが、

夏だっていないわけでは無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 熱が出て、風邪症状を示す人にみんな検査していれば、

たまには見つかるはずである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 でも、それは知らない方がいい場合も多い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 インフルエンザはもともと基本的には自然治癒する病気であり、

冬場の寒冷乾燥時期には感染力も病原性も強いが、

夏場の熱い時期は、高温と湿度を嫌うウイルスの勢力は弱く、

かかる側からしても、主たる感染経路である鼻やのどの粘膜も

この時期は抵抗力があるので、

うつりにくく、かかっても治りやすく、

普通の風邪として知らないうちに経過している場合が多いと考えられます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なので、この時期はインフルエンザである、ということなんか、

分からない方がイイのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 例外はもちろん「感染弱者」が集団で暮らす、

老健施設や、病棟内で熱発者が多発した場合で、

その時は検査で確認し、速やかに対処しないといけません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最近は種々の迅速診断キットの普及などによって、

インフルエンザだ、RSウイルスだ、マイコプラズマだ、などと診断がつくもんだから、

それらを一緒くたにして、検査して来い、会社に来るな、登園禁止だ、などと

騒ぎ立てる、親や、幼稚園、保育園の先生なんかが多くてうんざりします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 RSだって2歳以上なら普通の風邪だし、

マイコプラズマだって基本ほっときゃ治ってしまう。

マイコプラズマの、それも疑いくらいでオゼックスなんか飲ますんじゃねーぞ。

あとで、中耳炎になったときに治んないから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 例外は溶連菌で、治り切らないとそのまま菌がいついて慢性扁桃炎になり、

運が悪いと腎臓病になっちゃう場合もあるので、

抗生物質飲む前に検査しておくのは重要なんですけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなわけで、世の中にはあえて知らない方がイイ世界もあるのです。

 

 

 

 

 

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