日はまた昇る
毎朝7時半頃に外来の玄関を開けに行く。
ここ最近、冷え冷えで冷蔵庫のような診察室に入ると、
待合室方向から光が差し込んでくる。
朝日がさしこんでいる。
当院は街中、旧市街地にあるので付近は建物が立て込んでおり、
ある程度日が昇らないと陽がさしこまないが、
寒中から立春にかけてのこの時期だけ、建物の合間から朝日がさしこむ。
外から見るとこんな感じ。隣の家は真っ暗。
わずかな角度なのでこの現象は冬の何日間でもないかと思うが、
そういえば、子供のころここには自宅があって、今の自宅がある方に医院が建っていた。
小学生の頃、朝の食卓で父がふと
「真冬のこの時期だけ、ここに陽がさしこむなあ。」
と言ったことがあったのを思い出した。
ちょうど、太陽ののぼる場所が季節によって変わる、というのを理科で習ったばかりであった。
もう50年近くまえのことで父も母も亡くなり、
建物も、家族も、日々の暮らしも変わったが、
太陽は同じところから変わらず昇っているのだなあ。
気がつけば、その時の父の年齢をとっくに越えている。
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