終わりなき旅〜I still haven’t found what I’m looking for
夜19:30のキックオフはありがたい。
診察をあせったり、短縮、臨時休診の必要がない。
でも、これもテレビ局の都合、所詮はカネの問題なんだろうなあ。
日のとっぷり暮れた埼玉スタジアム。
今年最後の、そしてもっとも重要なゲームが始まる。
いや、この10年間でももっとも重要なゲームかも知れぬ。
いつものゲートから入場。
特別なゲームだからこそ平常心が必要。
マッチデープログラムは完売。
どうせ売れるんだからもっといっぱいつくっとけよ。
キャプテン阿部ちゃん、シャーレをかかげる姿が見たい。
***************************************************************************************************
2016年Jリーグチャンピオンシップ 決勝第2戦
浦和レッズ 1-2 鹿島アントラーズ (埼玉スタジアム2002)
(前半 1-1)
(後半 0-1)
***************************************************************************************************
意外にも今回はスタジアムビジュアルはなく、シンプルな
「PRIDE OF URAWA 」。
平常心で戦え、ということか。
飛行機事故にあったコロンビアのサッカーチームの黙祷のあと
国歌斉唱。
キックオフ。
第1戦を0ー1で落としたため、
引き分けはもちろん、
2点以上取って勝たなければいけない鹿島アントラーズは、
予想どおりガツガツ攻めてくる。
しかし、レッズの選手の動きは良い。
球際でせり勝ち、攻め上がりもスピーディーだ。
そして、前半7分、
高木のクロスにフリーの興梠がおさえの効いた見事なボレーを決める。
歓喜に包まれるスタジアム。
チケット発売日の関係から、今回はアウェイゴール裏以外は
おそらく全てレッズサポである。
全てがうまくいっていた。
この先に何の不安のかけらもないように思えた。
真珠湾でアメリカ海軍に大打撃を与え、ミッドウェーの攻撃準備も万全だった。
ただ、今にして思えば、その時、
すでにカタストロフィへのカウントダウンは、始まっていたのだ。
大会のレギュレーションにより、
アントラーズが勝つためには、2点が必要。
つまり、2-0でも2-1でも変わりがないので、
2点とることが目標の
アントラーズのゲームプランに大きな変化はない。
一方、レッズにはやすやすと取れた1点に
そこはかとない安心感、気の緩みが生じた。
そして40分、アントラーズ右サイドの強引な突破に
レッズディフェンスが倒される。
レッズの選手はファウルをアピールし、
一瞬動きが止まりかける。
だが、笛は鳴らなかった。
ここまで、水も漏らさぬ鉄壁の守りだったが、
初めて守備が後手にまわった。
フリーで上げられたクロスに、
これまた逆サイドからほぼフリーで入ってきた金崎が
頭で合わせ、ゴール。
ミッドウェイ海戦で言えば
空母加賀の甲板に急降下爆撃機ドーントレスの
最初の一撃が炸裂した。
だが、負けたワケではない。
引き分けならば、レッズの優勝である。
しかし、この点差を守るのか、
あるいはさらにもう1点取りに行くのか。
レッズサイドには迷いがある。
一方、アントラーズの側はシンプルであり、プランに変更点はない。
ゲームは後半へ。
後半、レッズの動きが悪くなる。
疲れではなく、迷いがプレーを萎縮させる。
迷いというより「怖れ」と言った方がいいのかも。
忘れたはずの負の記憶が、ムクムクと湧き上がる。
相手はタイトルをとり慣れた鹿島アントラーズである。
そして、その怖れから、
絶対にやってはいけないPKを相手に与えてしまう。
試合は完全にアントラーズのものになった。
鹿島から来た2000人を除く58000人は、
固唾をのんで試合の先行きを見つめる。
最後の4分に望みをつなぐが・・・
ラストチャンスも生かせず、
またタイトルへの扉は鼻先でピシャリと閉じられた。
天はまだ我等に試練を与えたもうか。_| ̄|○
アントラーズの優勝セレモニー見るワケは無いのでゾロゾロ帰るお客さん。
優勝セレモニーの力強いアナウンサーの声を
後ろに聞きながらスタジアムを後にする。
遠くに見える我々のホームで、
勝利の凱歌を上げる年間勝ち点3位のチャンピオンチーム。
また、今年も求め続けたものをこの手にすることは出来なかった。
Jリーグ開幕から11年続いた第一期のチャンピオンシップ。
2004年、最後のチャンピオンシップで浦和レッズは年間勝ち点1位をとりながら
ホーム埼玉スタジアムでPK戦の末、横浜Fマリノスに敗れ年間チャンピオンを逃した。
そして、今年また年間勝ち点首位は獲得したが再び敗れ、年間3位のチームが優勝した。
来年からチャンピオンシップはなくなる。
2度と復活しませんように。
1件のコメント