アドナへのご質問
当ブログにはいろいろな質問が寄せられ、
一般に役立つことであれば、
可能な限り答えられる範囲でお答えするようにしてるのですが、
今回、ユニークなご質問をいただきました。
++++++++++++++++++++++++++++++++++
記事とは無関係なことですみません。教えてください。
アレルギー性鼻炎にアドナは効能的には有効と思うのですが、
受診した場合、保険は通らないのでしょうか?
それとも耳鼻科の先生のコメントがあれば保険は通るのですか?
アレルギー性鼻炎や後鼻漏にアドナは使われると思うのですが。
++++++++++++++++++++++++++++++++++
最初は何かの間違いかと思いましたが、
よく考えたらひょっとしたらそうではないかも、なので取り上げてみました。
「アドナ」は有名な薬で、しばしば使う薬ですが効能は「止血剤」です。
例えば、鼻出血や、術後の出血を抑えるためごく普通に使われる薬です。
もちろん、アレルギー性鼻炎の適応はありませんから、保険的には認められません。
アレルギー性鼻炎の治療や、後鼻漏にアドナが使われる、という話は
ワタシ自身は聴いたことがありません。
だから、質問した方はなにか別の薬とのカン違いなのかなあと考えていましたが、
ふとあることに気づきました。
アドナの「止血効果」は「血管の強化」です。
「血管の透過性を低下させ毛細血管を強化」します。
他の止血剤が凝固・線溶系、
すなわち血液を固まらせる仕組みに作用して止血効果を発揮するのに対し、
全く異なる機序を持つので、併用しやすく、
効果はマイルドですが副作用が極めて少ない薬なのでよく使用されます。
ここで、気になるのは「血管透過性」です。
血管から血液が漏れれば出血ですが、血管は正常の状態でいろんな物質を外に漏れださせています。
例えば、水分や栄養や外敵を攻撃する白血球など。
風邪をひいたときにミズッパナが増えるのは
外敵を攻撃するリンパ球などを送り込みやすくするため
血管が透過性を亢進させているからです。
ということはですよ・・・・・・
免疫の暴走であるアレルギー性鼻炎は血管の透過性が不本意に亢進した状態なので、
アドナが効くかも????
原理的にはあってはいるようだが・・・うーん、・・・・・ワカリマセン。
アドナは古い薬で、調べたら1959年発売。
なんとオレと同い年だあ(゚Д゚;)
実は古い薬はきちんとデータが整ってないまま、保険収載されたりしてるので、
経験的に効いてるけど、その作用機序も不明な点もあり、あいまいです。
経験的に「効いてる」し「安全性も高い」ので
いまさらお金と時間をかけて薬剤効果を再検証することはまずないでしょう。
一般に止血剤以外の目的で使われるケースはあまりないと思われますので、
質問の方がどういった経緯でこのご質問に至ったかをぜひ知りたい。
そして、もし本当に効果があるのなら
特に抗原のはっきりしない、治療に難儀する「血管運動性鼻炎」なんかに
この薬が有効かどうかを確かめたいですね。
ひょっとすると「大発見」につながるかも。
1件のコメント