ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2016.10.25

医療否定ブーム

 

週刊現代の話じゃないが最近「医療否定本」はブームですね。

 

 

 

 

 

 

 

本屋さんの新書コーナーに行くと「薬剤師は薬を飲まない」がベストセラーらしいし、

「高血圧はほっとくのが一番」とか「歯は磨いてはいけない」

「だから医者は薬を飲まない」などなどずらり並んでいます。

 

 

 

 

 

 

 

なかには「眼科医は市販の目薬はささない」ってのまであって、

そりゃ、そうだろ、なんで自分とこにあるのに買ってくるかよ、と思ったが。

 

 

 

 

 

 

 

 まあ多分、耳鼻科でいえば、市販の点鼻薬に「血管収縮剤」が入っているので

連用すると「薬剤性鼻炎」を起こしてしまうため、

耳鼻科医は患者さんにゼッタイ勧めないということがありますので、

「目薬」についてもそんな成分があるからだろうという想像はつきますが。

 

 

 

 

 

 

 

 

まあ医者だって薬のむし、ワタシもドックで高血圧を指摘されてからは、毎日降圧剤のんでます。

 

 

 

 

 

 

 

 

これらの本を読んでないのでわからないけど、

多分おおむね正しいことが書いてあるのだろうけれど、

真実を述べながら、間違った方向に結論を導く場合もあるので、要注意です。

こういうセンセーショナルなタイトルつけると売れるんでしょうね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 もちろん、実際に正しいことが書かれてて、

現代の医療に対しての問題点を鋭くついいてる本もあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ワタシも常々このブログで書いているように

「風邪」にいきなり抗生物質を出す医療機関はもうだいぶ減りましたが、

いまだに「風邪の発熱」⇒「抗生物質の使用」と短絡的に思っている人が

患者さんばかりか、医者の中にもいるのは正すべき問題だと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

ワタシも「なぜ、風邪のときに抗生物質を飲むべきでないのか?」

というタイトルの本は書けると思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

そういえば「なぜ~なのか?」というのは本のタイトルの常套句で、

多分はじめは「なぜ、さおだけ屋はつぶれないのか?」

とかいう本が売れたせいだと思うが、

ちょっと検索すると

「なぜ成功する人は神社に行くのか」

「稼ぐ人はなぜ長財布を使うのか」

などと、ぞろぞろ出てくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なるべく突拍子もないタイトルの方が目を引きやすい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大事なことは情報の正確さを見極め、一方的な極論におどらされないことでしょうね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さおだけ屋」や「長財布」ならいいけど、こと医療となると

文字通り命にかかわる問題なので、くれぐれも医療否定本をうのみにしないように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぜ、人は週刊誌やテレビの言うことをそんなに信じるのか?」

 

 

 

 

 

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