ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2012.10.26

風邪は早めの対応が大事?


 風邪は早目の対処が肝心、
コレはマルかバツか?
 まあ、常識的にほとんどの人がマルをあげるでしょう。
 コレは、もちろんマルで正解です。
 じゃあ、
風邪をひいたので早目に病院を受診する、
コレはマルかバツか?
 さて、皆さん、いかが?
 実はコレは必ずしも正しいとは言えません。
 おいおい、医者がそんなこと言っていいの?
 そのわけを考えてみましょう。
 みなさんは、こんなジョークをご存知でしょうか。
 風邪の時、ほうっておくと治るまで3日もかかるが、
医者にかかるとたった72時間で治る。

 コレはかなり正しい。
 風邪は基本的にウイルス感染なので、
風邪そのものの薬はない。
 熱を下げる薬や、咳を緩和する薬や、
痰を切りやすくする薬はありますが、
風邪を治すわけではない。
 風邪は体が病原ウイルスに対する抗体をつくって
ウイルスを身体から駆逐すれば治るので、
早くお医者さんにかかっても、
風邪が早く治ることはないのだ。
 もちろん、インフルエンザや、急性中耳炎などは、
治療が遅れると治るのに時間がかかるのは事実だが、
他の一般の風邪は早期に病院に来てもらっても
はっきり言ってすることがない。
 まあ、お子さんの場合など熱が中耳炎の場合があるので
よく中耳炎を起こす方は
耳などの症状が無くても、
受信していただいて
確認することは意味があります。
 特に小さいお子さんの場合は症状を自分から伝えることが
うまく出来ないので中耳炎を見逃す可能性があります。
 ただ、中耳炎がなく、鼻も咳もなければ、
高熱であっても特に薬を出すことはないので、
そのまま帰って様子を見ていただく。
 熱がなかなか下がらないとか、
一旦下がった熱が再び上がるとか
咳や鼻やその他の症状がヒドイようなら
また受診してもらうということです。
 困るのは大人の人で仕事休めないから、
点滴かなんかして早く治して欲しい、などという例。
 点滴神話は困りもので、
早いうちに点滴でもすれば風邪が早く治ると
誤解してる人が結構いるということ。
 風邪に効く点滴なんてこの世に無いですから。
 さて、最初の質問の解答です。
 風邪の時は早目の対処が肝心、
早目の対処とは病院に行くことでも薬を飲むことでもなく
あったかくして早く寝ること。
 免疫作用は眠っている時に最も有効に働く。
 それでも良くならなかったら、
お医者さんに行きましょう。
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