ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2012.02.18

インフルエンザの出席停止


 先日インフルエンザの学級閉鎖の事を記事にしました。
 その後も患者数は増え続けかなりの流行になりました。
 この原因として、抗ウイルス剤のおかげで早く熱が下がるので、
まだウイルスを排出している状態で登校してしまうため、
という指摘が以前から専門家の間でされてきました。
 
 抗ウイルス剤はウイルスの増殖を抑える薬で、
早ければ早いほど良く効くが、
ウイルスを殺す力は無く、
侵入したウイルスが消滅するのは体の免疫系が処理するので
5日から7日かかるためです。
 昨日も学校でインフルが流行ってるが、
夕方から熱がちょっと出てきた、なんて患者さんの検査をしたら、
熱がまだ出て1時間もたってないのにちゃんと反応が出て、
すぐ今晩から抗ウイルス剤使うので明日には熱下がっちゃうだろうなあ、
なんて子がいました。
 学校保健安全法のきまりでは「解熱後48時間」が、出席停止の期間ですが、
この法律はタミフル、リレンザなどの抗ウイルス剤が開発されるはるか昔の
昭和33年制定なので現在の医療状況に則さないということです。
 そこで、一昨日の16日、文科省はインフルエンザの登校停止基準を
「解熱した後2日間」から
「発症後5日以上を経過し、かつ解熱した後2日間」
に改めることを決めました。
 だから、月曜日発熱、その日のうちにインフルエンザと診断され、
タミフル飲んで熱が火曜日朝に下がっても、
火、水と2日間経過しても
発症からのに数が5日経過した金曜までは学校に行けない。
今まではここで木曜日から登校可だったのが、
土曜日から可、ということになるわけだ。
 しかも幼稚園児に対しては、低年齢ほど感染させる可能性が高い、
という医学的知見を踏まえ
「発症後5日を経過し、かつ解熱したあと日間」
にするようだ。
 これは3月中に関連省令を改正し、
4月から施行予定だそうですが、
当院では今後このガイドラインでご説明しますので、
よろしくお願いいたします。
 
 だって、4月になったら
大概もうインフル流行終わってるでー。

 ちなみに「学校保健安全法」は文科省の管轄なので、
厚生労働省の管轄である「保育園」には適応されませんが、
同じ解釈で説明いたします。
(この辺もお役所だからなー。)
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