ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2011.02.01

10~11シーズンのインフルエンザ事情


 インフルエンザは流行のピークなのか、
毎日たくさんの患者さんを診察します。
 昨年から、インフルエンザであることが確実であれば、
簡易検査をしなくてよい、ということに変わったので、
家族内にインフルエンザ確定診断のヒトがいて、
本人の診察結果が明らかであれば、
(中耳炎や溶連菌感染の所見が無ければ)
すぐタミフルやリレンザを出します。
 逆にいえば、簡易検査してインフルエンザ出なかった患者さんに、
インフルエンザの薬を出すことがほとんど無くなりました。
 簡易検査はかなり精度があがり、以前は半日たたないと出ない、
などといわれてましたが、けっこう早く出ますね。
 こっちの取り方がうまくなったのか、
(ともかく鼻汁を良く吸引してから検査すること)
でも多分、キットが改良されてんだろうなあ。
 時間も説明書では反応を15分待つのですが、
今は大体2、3分、早ければ1分以内に「陽性」が出ちゃいます。
 この間の研究会で、子供は初期から検査をして、
重症化を防ぐべきだ、と聴いたので
熱が出て時間がたってなくても、早めに検査をしています。
 また、周りにインフルエンザ患者がいて、
本人は最高37.2℃までしか熱上がんないけど、
という大人の方の検査をしたところくっきり陽性が出たりします。
 簡易検査の本領発揮ですね。
 感染拡大の阻止に大いに役立ちます。
 一方、昨年と違い、インフルエンザに社会が慣れた面もあります。
 先日、幼稚園のお姉ちゃんがインフルエンザ陽性で、
隔離ベッドで待っててもらいました。
 すると下の子を連れたお母さんが同じベッドで待とうとするので
スタッフが声をかけたところ
「どうせ、もう感染っちゃってるし、この際、下の子もかかった方が都合がいい。」
などという方がいらっしゃった。
 インフルエンザはウイルス疾患なので、
かかるにしても「薄く」かかった方がいい。
 今、上の子はたくさんのウイルスを持ってるので、
これで下の子が「濃く」かかると重症化することもあるんですよ。
ということを説明し、別の場所で待ってもらった。
 昨年「新型インフルエンザ」が登場した時は、
マスコミが大騒ぎし、新型ワクチンに長蛇の列ができ、
それこそ、ペストかエイズかという位に恐れられたものだが、
わずか1年で、ここまで意識が変わっちゃうんだなあ。
 その一方で、じわりと鳥インフルエンザが流行ってるのが気がかりです。
(ヒトヒト型に変異しませんように)
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