ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2010.07.15

夏風邪ばかりじゃあありません

 先日来院された若いお母さん。
 先週のどが痛く熱が出て内科に行ったら、「夏風邪」といわれ薬が出た。
 すぐ熱が下がったが、また発熱、のどが痛くなったので来ました、とのこと。
 ふーん、なるほど、あれかなあ、と思いのどを診ると、
一見して、やっぱり。
 で、念のため検査をすると「溶連菌反応」がばりばりハンパなく出てる。
 
「おやおや。」
 この手の事は、それほど珍しいことではないけど。
 今回のポイントは
①夏風邪と思ったのに(?)抗生剤を出してしまったこと。
②溶連菌感染症を忘れていたこと。
 確かにこの時期ヘルパンギーナをはじめとする夏風邪大流行です。
(注:「夏風邪」とは、この時期に流行するヘルパンギーナ、手足口病、プール熱等のことで、
夏場にかかる風邪ではない ので、ご注意。
RSウイルスだったら、真夏にかかっても「冬風邪」です。)
 夏風邪は高熱が出るが、基本的に薬はいらないので、ほっとけばいい。
 抗生剤がなければ、症状が取れずに再診すれば溶連菌もわかるでしょう。
 ホントに夏風邪なら、抗生剤飲んでも飲まなくてもそのまま済んじゃったことでしょう。
 そもそも大人で高熱が出ればヘルパンギーナじゃないかも、と考えてもいいのだが。
 そして、家族、特に子供が熱を出してなかったかを訊きます。
 1歳、3歳の子がこの2週間以内に発熱したという。
 本日来院して、上の子は陰性でしたが、昨日1歳になった下の子が「溶連菌強陽性」。
 お母さんが、親子の接触の度合いから考えて、
うつるとすればこの子です、といってただけの事はある。
 今はほとんど症状ないんですけどね。
 まあ、ちょっと回り道したけど、発見されて良かったですね。
 だから、風邪のヒトはいきなり抗生剤のんじゃダメだって。
(別に溶連菌関連にかかわらず、ですよ。)
 いまだに、幼小児や普段健康なヒトの「風邪」に抗生剤出すお医者さんもいるので。
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