ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2010.02.13

レディア物語(第3話)


 さて、レディアがやってきて、朝な夕なにこの姿を見るのが楽しくてしかたが無い。
 ああ、自分の子供が生まれた時、こんな気持ちだったなー。
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 しかし、レディアは、しっぽも振らなければ、吠えもしない。
 自分からこっちに飛びついてくることもない。
 おびえてる様子はじき無くなったので、おとなしい犬だなあ、と思っていた。
 そんなある日妻が
「だんだんレディアちゃんが食べなくなってるの。」
 やっぱ、まだ慣れないのかな。
 そのうち、次第に衰弱して毛が抜けてきた。
 こりゃ、病気かも。
 妻が近所の川島動物病院に連れて行った。
 とりあえずなんか検査をして注射して薬をもらって来たらしい。
 人間の医者には動物の病気は、わからんなー。
 心配したのは、我々夫婦が外来で何らかの病原体を持ち込んで感染させてしまったら、
ってことだが、どうもそういうわけではないらしい。
(まあ、人のウイルスは原則的に犬にはうつらないけど。)
 とか言ってるうちにレディアが突然吐いた。
 そこには、うごめくたくさんの寄生虫が!
 なるほど、今の日本で子供診察していて「寄生虫か?」とは、まず思わないけど、
犬ではそういうこともあるわけだ。
 また病院に行き、事情を説明して薬をもらう。
 しかし、衰弱は一向に止まらない。
 毎日毛が抜け、ボロボロになってくレディア。
もうかわいい子犬の面影もない。
 虫も何回も吐いた。
 妻が言った。
「このまま回復の兆しが無ければ、入院だって。」
 なんせ犬は人間と違って保険が無いから治療費は馬鹿にならない。
「ねえ、もし、ペットショップに行って、新しい犬と変えてもらったら、レディアはどうなるかしら。」
「そりゃ、まあ・・・・、処分だな。原価が売値を上回ったら商品としては意味がない。」
「・・・・そうよねー。」
 そうなのだ。
 あの時は聞き流した言葉が、別の意味を持って思い出される。
 でも、一旦、こうなってしまったらこの犬はもう「ただの犬」ではないのだ
 我々は全力を挙げて看病に努めた。
 しかし、その後レディアは結局、やはり入院。
 それでも、川島先生の懸命な治療で何とか回復してきて、
1週間の入院治療で退院にはなった。
 ただ、後で聞いたら、退院の時はまだちょっとヤバいかもと思ったが
小倉さんちは夫婦で医者だから大丈夫だろうと家に帰したとのことでした。
(いや、犬、よくわかんないすけど。)
 その後、徐々に体力が回復し、少しづつ元気になったレディア。
 ボロボロだった毛も次第に生えそろって夏までにはすっかり健康な柴犬になりました。
 結局、ガレージの上に出すタイミングを逸し、室内犬となったレディア。
 私のデジカメには、4月の発病前のレディアの写真の後は、
8月まで彼女の写真が無い。
 とても写真どこじゃ無かったわけだ。
 やっと笑うようになったレディア。
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 その後予防注射と検診に行った時、川島先生に言われました。
「結局、買った値段の何倍もお金かかっちゃったね。」
 でも、そんなことがあったから、何倍も愛せるのかも。
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 これからもよろしく。
 おい、・・・・聴いてる?
       ~ 完 ~
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