師走の花粉症
今日から「師走」。
「師走」は各月の古称の中でも、ダントツに知名度が高いだろう。
「皐月」や「弥生」はまだしも「文月」や「長月」はあまり日常に出てこない。
「師走を迎えてあわただしいですが・・・」なんてのはよく聞くが
「卯月になり新年度を向えて・・・」なんてのは聞いたことが無い。
ここんとこ、毎日インフルエンザの話しばっかですが、
今日は別の話を。
最近、外来でよくあるパターン。
「なんか、先週から、くしゃみやノドがイガイガして、せきや鼻水が出ます。」
「ああ、そうですか診てみましょう。」
「お願いします。」
「ノドなんともないなー。熱はどうですか。」
「熱っぽい感じもなくは無いですが、計ってみると熱はありません。」
「ハナ診てみましょう。あ、こりゃ、花粉症ですね。」
「花粉!ブタクサですか?」
「いえ、ブタクサはとっくに終わってます。原因はスギです。」
「えー!もう、スギなんですか?」
実は「もう、スギ」ではなく「今が、スギ」なのだ。
スギはご存知のように春先2月下旬から3月を中心として4月上旬まで花粉を飛ばします。
ところが、今頃、花粉を飛ばすことがあります。
スギの花粉は夏の間に作られます。
そして一冬越して、来春あたたかくなってくると飛散するわけです。
一方、11月後半の気候はちょうどスギが花粉を飛ばす3月の気温に近い。
今年のように11月の前半に寒い日が続き、その後気温が上がると
スギは「だまされて」花粉を飛ばしちゃうことがあります。
もちろん、量も少ないし、期間も短く、範囲も限定されています。
ただし、もともとスギ花粉に対する体質が「強い」ヒトが、
「運悪く」ハマッちゃうと、発症しちゃうわけです。
もうそろそろ終わると思いますが、思い当たるフシのあるヒトは、ご用心を。